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2023-03-11(Sat)

二周目の我流


その昔、

といっても武装を立ち上げてすぐぐらいだから2008年ぐらいかな。

とあるローカルヒーローチームの練習を見学させてもらったところ、

「ちょっとメンバーにアクションを指導してあげてくれないか」

と言われ、少しだけアドバイスした事がある。

そちらのチームはアクションのクオリティーは高いもののプロとして学んだワケじゃないので我流な部分も多く、

自分の経験上こうしたらもっと良くなるのでは、といった事を話したのだけど、

メンバー達からは

「自分らがやってるのはヒーローアクションなので、内野さんがやってる殺陣とはまた違いますもんねぇ」

みたいにやんわりと拒否された感じになった。

「おいおい、俺はヒーローアクションを18年やってきた(当時)人間だよ」

とその時は思いましたが、やっぱり自分達が普段やってる事を否定されたようで嫌だったんでしょうね。

その時は気をつけてるつもりでしたが、どこかで「自分はプロ!」みたいな傲慢さが顔を出していたのかもしれません。

可能性ありますね。

嫌な奴なんですよ僕は。


とはいえ、その時にメンバーさん達が感じた違いというのは「ヒーローアクション」と「殺陣」の違いじゃなくて、「我流」と「プロ」の違いなんじゃないかと思うんですよ。

いやこれはプロがすごいとか我流が劣るとかそういう事じゃなくてですよ。

ましてや僕がプロとしての素晴らしい技術を持ってるってワケでもなく。


プロの技術って、これまでに脈々と受け継がれて培われてきたものがあるんです。

舞台や撮影などで、限られた状況の中で最善を目指して失敗したり成功したりして磨き上げられてきたものが。

僕も我流でやってた人間ですが、事務所に入ってアクションを教えてもらった時には目からウロコが落ちまくったものです。


今では過去にやってたヒーローアクションと現在やってる殺陣が混じってしまって再び我流になってしまってると思いますが、

そこでまた新しい発見が出来たらいいなと考えています。
武装♪
(2008年頃のアトラクションチーム武装)

2023-03-08(Wed)

ルーティン


昨日3月7日(火)は久留米での殺陣教室でした。
20230307

今回は受け身を中心に練習しました。

アクションで多く使う受け身は柔道でいう前回り受け身なんですが、柔道の受け身とは微妙に違います。

柔道の受け身は「怪我をしない為の技術」ですが、アクションの受け身には「移動する為の技術」という側面があり「そこから次の動きに繋げる」という事も必要になってきます。

まぁいずれにしろ本質は「怪我をしない為の技術」なので身に付けておくべきですよね。


殺陣教室の参加者さんでもまだ受け身が苦手って方が多くいます。

福岡では床が固くて練習出来なかったし、畳のある久留米でも毎回やるワケではなかったので。

倒れ込むように転がる感じが怖いんでしょうね。

「はい!受け身して!」と言ってから実際に転がるまでけっこうな時間を要するんですよ(笑)

心の準備をして、形を確認して、動作を思い返して、また心の準備をして…

そこで決心がつかなければ最初から仕切り直しになりますし、かけた時間のわりに実際転がってる回数はすごく少ない。


以前所属してたヒーローショーの事務所での練習は、準備運動終わってハイ受け身やって、ハイ次は基本、ハイ次は…って感じである程度決まったメニューをルーティンで進めていました。

殺陣教室でもそんな風に進められるようにしていきたいなぁと思います。

今はまだ

「ハイ受け身やるよ〜。受け身はね、こうやってこうやって…」
「ハイ基本やるよ〜。まず殴りはね、こうやってこうやって…。手刀はこうやってこうやって…」

って説明しながらやらなくちゃいけない事が多いので。

基本練習はいつまでも続けなくちゃいけない大切なメニューですが毎回それで時間を使い果たすワケにはいかないので、早くルーティン化出来るように指導する側もされる側も頑張っていかなくちゃなぁと思ってます。

2023-03-06(Mon)

見せ場になり得るけど


明日3月7日(火)はアトラクションチーム武装の殺陣教室です。
20230228

福岡県久留米市にて18時〜21時。
未経験者歓迎・参加者募集中。

要予約なので参加希望の方はお問い合わせください♪
メール→ busow@softbank.ne.jp
電話→ 090-9479-0922 ※出られない事があります

来館前の検温と館内でのマスク着用をお願いしています。
37.5℃以上の熱がある方、体調が良くない方、マスクをしていない方は入館出来ません。


僕は殺陣やアクションが大好きなのかと聞かれたらそうでもない人間で、

なので観劇する時も

「殺陣やります!」
「アクションが見せ場です!」

という作品はあまり選ばない。

自分で作品を作る時もそう。

自主公演1作目「ギルティー!」でも
ギルティーチラシ1

2作目の「もっけのさいわい」でも
もっけのさいわいA

昨年の「オクトーバープロジェクト」でも
オクトーバープロジェクトチラシA

特に殺陣シーン、アクションシーンを入れようとは思わなかった。

殺陣・アクションは見せ場になり得るけどそれをメインにはしたくない。

これは個人的な考えなんだけど、物語を「アクションありき」で作りたくないし、殺陣シーンを無理矢理ねじこんだりしたくないんです。

恋愛モノだからって無理矢理キスシーンを入れる必要はないし、場を盛り上げる為に無理矢理ねじこんだ歌唱シーン・ダンスシーンなんかは観ていて逆に冷めてしまう。

物語の流れと登場人物の感情がそこに達したならキスでも歌でもダンスでもアクションでも必要だけど。

結局それらは手段でしかなくて、それをやる事が目的にすり替わるのが自分は嫌なんだと思う。


でも、物語の流れと登場人物の感情がそこに達した時には必要になるワケで、そこでボロを出したくなければスキルを身に付けておかなきゃいけないんでしょうね。

感情がピークに達してからの立ち回りがヘロヘロでは観客は興醒めだから。

歌やダンスもそう。

キスが下手なのは「練習しとけ!」とは言いづらい気もしますが(笑)

2023-03-04(Sat)

角度


大好きな小説「カンフーガール」の中で、
カンフーガール

武式太極拳のラーメン師匠が修行について説明する中にこういう言葉があります。

「最初は、とにかく正確に形をおぼえる。一ミリだって、角度一度だって狂わさないように気をつける」

これ、大袈裟に思えるかもしれないけど本当にそうだと思うんです。

出発地点で一ミリ、一度ズレてしまったら、進む距離の分だけどんどんゴールから離れていってしまうから。

短期間でちょっとやるだけなら別にいいですけど、長期間本格的に続けていくなら、そのズレは致命的になります。

こんな偉そうに言いながら自分がそこまでやってるかというと全然出来てなくて、五センチズレてなければOK、出来れば三センチぐらいに抑えようぐらいのレベルです。

でも殺陣教室で練習してる方を見てると、下手すると二十センチ三十センチズレてる事もあるんですよ。

一ミリ、一度は難しいとしても、それを目指して基本練習する事が大切なんですね。


もしかしたら人間関係も同じかもしれません。

思いやりや親切心などの相手への善意も、方向性の角度が少しズレていると全く別の受け取られ方をしたり。

技術的なズレは分かりやすいですけど、気持ちのズレは目に見えないので難しいですね。

10年前。
2013年3月の殺陣教室▼
20130307夜
2023-03-01(Wed)


僕は時々けっこうハードな練習をします。

体力的にハード、とか、筋力的にハード、とかじゃなくて、

多少痛い思いをしてもらったり精神的に追い込んだり、というハード。

怪我をさせるのはいけないけど、正直多少のアザぐらいはいいんじゃないかと、

そしてそれで泣かせてもかまわないと思ってるんです。
(芸能の方のお仕事に差し支えるアザは駄目ですけどね)

まぁそれは全員にそうするワケではなくて一部の方だけなんですけど。

僕がそういうハードな指導をする相手は、本当にプロを目指しているという方。

プロとしてのスキルを身に付ける為にはキツい思いをして壁を乗り越えなきゃいけない事があるんです。

あまり厳しい事をやってると他の参加者さんから「やり過ぎでは?」「もっと優しくしてあげないと」って言われたりします。

僕だって優しくしたいんですけどね。

でも優しくして上手くならないよりも、上手くなる為の厳しさを選びたいんです。

上手くなりたいと思って来てくれてる人を上手くしてやれないんだったら、それは本当の優しさじゃないと思うんですよね。


ハードな練習に耐えて壁を乗り越えて前に進もうと頑張る人は素敵です。

いつかその努力が報われて夢が叶うといいな、と思います。
20230228

プロフィール

武装代表・内野

Author:武装代表・内野
福岡・久留米を中心に、九州全域で活動している『アトラクションチーム武装』の代表です。

1972年生まれ。
1990年にキャラクターショーの世界に入り現在に至る。

2007年に武装を設立。

武装の活動内容は殺陣教室、殺陣指導、オリジナルキャラクターショー等。

現在は関西コレクションエンターテイメント福岡校さんでのアクションレッスン講師もやらせてもらってます。

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