2011-12-02(Fri)
小説・さやか見参!(115)
腰の巻き物に手を当ててさやかは不敵に笑った。
そのさやかを見てイバラキもにやりと笑う。
この2人のやりとりはいつも不思議だ。
敵同士、
それも宿敵同士だというのに、まるで幼馴染みがふざけて戯れあっているように見える。
だがやはり、互いが互いの命を奪おうと狙っているのだ。
鉄仮面から覗くイバラキの口元が動いた。
『さよう。おぬしが持っている巻き物をこちらに渡してもらおう。
その巻き物に記されてある山吹忍術の奥義、この幻龍イバラキが役立ててやる』
それを聞いたさやかは、口元に笑みを残したまま眉間に皺を寄せ嘲りの表情を見せた。
『役立てる?あなたの天下統一に?』
言い終わった途端に表情が一変し、厳しい目付きでイバラキを睨み付ける。
『はん!冗談じゃないわ!天下も奥義もおさめる人間を選ぶのよ!』
『つまり?』
いつの間にかイバラキの顔からも笑みが消えている。
『あんたが天下を治めるなんて絶対に許さない!この巻き物は死んでも渡さない!』
さやかが鋭く構えた。
『ふっ…死んでも渡さない、か…』
イバラキが脱力する。
さやかは敵の弛緩を感じ取ったが、構えを崩す事が出来なかった。
纏った気配は重い殺気に満ち、まるで闇そのものに思えたからだ。
そう思った瞬間、
『ならば、死ね!!』
怒号と共に、イバラキが目の前に迫っていた。
そのさやかを見てイバラキもにやりと笑う。
この2人のやりとりはいつも不思議だ。
敵同士、
それも宿敵同士だというのに、まるで幼馴染みがふざけて戯れあっているように見える。
だがやはり、互いが互いの命を奪おうと狙っているのだ。
鉄仮面から覗くイバラキの口元が動いた。
『さよう。おぬしが持っている巻き物をこちらに渡してもらおう。
その巻き物に記されてある山吹忍術の奥義、この幻龍イバラキが役立ててやる』
それを聞いたさやかは、口元に笑みを残したまま眉間に皺を寄せ嘲りの表情を見せた。
『役立てる?あなたの天下統一に?』
言い終わった途端に表情が一変し、厳しい目付きでイバラキを睨み付ける。
『はん!冗談じゃないわ!天下も奥義もおさめる人間を選ぶのよ!』
『つまり?』
いつの間にかイバラキの顔からも笑みが消えている。
『あんたが天下を治めるなんて絶対に許さない!この巻き物は死んでも渡さない!』
さやかが鋭く構えた。
『ふっ…死んでも渡さない、か…』
イバラキが脱力する。
さやかは敵の弛緩を感じ取ったが、構えを崩す事が出来なかった。
纏った気配は重い殺気に満ち、まるで闇そのものに思えたからだ。
そう思った瞬間、
『ならば、死ね!!』
怒号と共に、イバラキが目の前に迫っていた。
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