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2011-11-29(Tue)

小説・さやか見参!(114)

旋風が止み、舞っていた木の葉がゆっくりと渦を描き、雪のようにひらひらと散った。

その渦の中心に立つ鉄仮面の鬼はさやかに向かい、ゆるりとした拍子で手を叩いた。

『見事!さすがは山吹一族きってのくのいち』

『小馬鹿にした拍手はやめなさいよ、幻龍イバラキ』

『馬鹿になどしておらん。こやつらを一瞬で叩きのめした腕前に感心しただけだ』

『あはっ、そんな連中どれだけ早く倒したって自慢にもならないでしょ。三流以下のへぼ忍者なんだから』

罵られた下忍達が一斉に憤った。

『なぁにぃ!?』

4本の刀が振り上げられた。

『あら、さっきと違って威勢がいいわね。やっぱり親分がいると心強いのかしら?』

さやかの侮蔑の笑みを見て、下忍達は『ぐぅっ』と唸った。

『幻龍イバラキ、こんな程度の低い手下を使ってるとあんたまで舐められるわよ』

『ふっ、確かにな』

頭領にまで見離された下忍達は、捨て犬がすがる時のような目をしてイバラキを見る。

イバラキはそんな手下には目もくれず、その間を割って前に進んだ。

さやかとの距離が縮まる。

さやかは挑発するような笑顔で、腰に下げた巻き物に手を当て、

『これが欲しいんですって?』

と小首をかしげた。
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プロフィール

武装代表・内野

Author:武装代表・内野
福岡・久留米を中心に、九州全域で活動している『アトラクションチーム武装』の代表です。

1972年生まれ。
1990年にキャラクターショーの世界に入り現在に至る。

2007年に武装を設立。

武装の活動内容は殺陣教室、殺陣指導、オリジナルキャラクターショー等。

現在は関西コレクションエンターテイメント福岡校さんでのアクションレッスン講師もやらせてもらってます。

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