2011-11-23(Wed)
小説・さやか見参!(112)
さやかは余裕たっぷりに腰に手を当て、ずいっと前に進んだ。
青忍者達は刀を振りかぶったまま気圧されて退がる。
そのだらしなさにさやかはため息をついた。
『で、なんの用?』
忍者の1人が答える。
『おまえが持っている巻き物をこちらに渡してもらおう』
『これ?』
『そうだ。その巻き物には山吹流の奥義が記されているはず』
『なに?イバラキの奴、これを欲しがってんの?』
『この乱れた天下を治めるはイバラキ様の使命。その崇高なる志の為には山吹の奥義が必要なのだ!』
さやかは一瞬ぽかんとした後、爆笑した。
『あははははっ!なぁに?イバラキの奴!天下を治めるなんて本気で言ってんの~?超面白いんですけど~!!』
本気でおかしくてたまらないようだ。
意外な反応に忍者達も戸惑っている。
さやかは笑いを落ち着かせようと深く息を吐いて青忍者達を見た。
その眼にはすでに笑いはない。
山吹流の後継たるくのいちの表情に変わっている。
『崇高な志?冗談じゃないわ。イバラキの中にあるのはせいぜい邪心、野心、欲望、自己顕示欲、虚栄心、そんなもんでしょ。いずるにしても胸を張って語れるもんじゃないわ』
『えーい、うるさい!!』
忍者達が気を取り直したように構え直し、さやかを囲んだ。
それをちらりと見たさやかは、涼しい顔のまま
『そんなに欲しいのなら力づくでどうぞ。ただし、覚悟は決めときなさいよ』
と啖呵を切り、言葉が終わるやいなや瞬時に跳躍した。
青忍者達は刀を振りかぶったまま気圧されて退がる。
そのだらしなさにさやかはため息をついた。
『で、なんの用?』
忍者の1人が答える。
『おまえが持っている巻き物をこちらに渡してもらおう』
『これ?』
『そうだ。その巻き物には山吹流の奥義が記されているはず』
『なに?イバラキの奴、これを欲しがってんの?』
『この乱れた天下を治めるはイバラキ様の使命。その崇高なる志の為には山吹の奥義が必要なのだ!』
さやかは一瞬ぽかんとした後、爆笑した。
『あははははっ!なぁに?イバラキの奴!天下を治めるなんて本気で言ってんの~?超面白いんですけど~!!』
本気でおかしくてたまらないようだ。
意外な反応に忍者達も戸惑っている。
さやかは笑いを落ち着かせようと深く息を吐いて青忍者達を見た。
その眼にはすでに笑いはない。
山吹流の後継たるくのいちの表情に変わっている。
『崇高な志?冗談じゃないわ。イバラキの中にあるのはせいぜい邪心、野心、欲望、自己顕示欲、虚栄心、そんなもんでしょ。いずるにしても胸を張って語れるもんじゃないわ』
『えーい、うるさい!!』
忍者達が気を取り直したように構え直し、さやかを囲んだ。
それをちらりと見たさやかは、涼しい顔のまま
『そんなに欲しいのなら力づくでどうぞ。ただし、覚悟は決めときなさいよ』
と啖呵を切り、言葉が終わるやいなや瞬時に跳躍した。
スポンサーサイト