2011-08-09(Tue)
アクションへの道(246)
前回は『イラッ』としたエピソードを長々と書いてみましたが、今回もそんな感じです♪
とある歴史をテーマにした公園でのイベントでショーをする事になりました。
僕指名で
『しゃべりをよろしく』
との事だったのです。
『しゃべり』を頼まれるという事は、普段やってるショーじゃなくて、
『特別なストーリーのパッケージ』
か、
『スペシャルショー』
か、
逆に規模の小さな
『ミニショー』
か、
大体そんな所のハズです。
もしそうならストーリーを考えなければなりません。
更に言えば『しゃべり用の(BGM)パッケージ』を作らなければなりません。
それならば早く情報が欲しいものです。
どんなストーリーにしたらいいのか、
キャストは何人なのか、
せめてこれぐらい分からないと何も進められないので、僕は営業担当に確認を取りました。
しかし、何回訊いても
『まだ細かい事は決まっていない』
『打ち合わせ中』
『近々決まる』
などと言うのです。
何も分からないまま本番は近付いてきて、いよいよ1週間前…
『いくらなんでも1週間前には内容決まっとるやろ!?』
と思い確認の電話を入れましたが
『まだ決まっていない』
との事。
『そんな馬鹿な!!』
愕然とする僕。
その直後、友人が
『こんなのがあったよ~』
と1枚のチラシを僕にくれました。
それはその公園で行われるイベントのチラシでした。
だったらショーの事も何か書いてあるのでは!?
目を通すとそこにはキャラクターの写真と『キャラクターショー』の文字、
そして、
『●●公園と日本の歴史を破壊しようとする怪人にヒーローが立ち向かうオリジナルストーリー!
ヒーローは日本の歴史を守れるのか!?』
という説明が…
なんだよ!
ショーの内容決まってんじゃん!!
しかもカラー印刷のチラシが出回ってるぐらいですから、原稿を作ったのはかなり前なハズ、
だとしたらもっと前に内容も決まってたハズです。
そして営業担当がそれを知らなかったハズはないのです。
この営業担当さん、
実は元々アクターで僕の大先輩。
アクターとしてはすごい方ですが、いかんせん性格がテキトーなんです。
僕は彼に電話しました。
『チラシ見ましたよ!ストーリー決まってるじゃないですか!このストーリーでショーを作るから詳細を教えて下さい!』
しかし彼はこの期に及んで、
『まだ詳細が決まってない。決まったら連絡する』
と言うのです。
そして連絡がないままショーの3日前…
リハーサルは翌日です。
もうここで決まらなかったらショーなんて作れません。
『まだ分からない』
と言われたらもうこのショーからは手を引こう…
そう決意して営業担当に電話しました。
『もう3日前ですよ!?明日リハーサルなんですよ!?さすがに詳細決まってますよね!?』
すると彼は
『おう、やっと決まったよ』
と答えました。
しかしその内容は驚くべきものでした。
『普段と同じパッケージをやるから』
…ん!?
普段のパッケージ!?
普段のパッケージには日本の歴史も、ましてや●●公園の名前も出てこないぞ?
『えっ?
だって●●公園オリジナルストーリーでしょ!?
日本の歴史を守る話でしょ?
普段のパッケージにそんな要素は全くないですよ!?』
『だからね、オマエがしゃべり怪人になって、ショーのしょっぱなに出て、
我々は日本の歴史を破壊しにきた!
この●●公園も破壊してやる!
みたいな事を言うワケよ。
それから通常のパッケージを流せば客も
あぁ、この悪役は日本の歴史を壊しにきたんだ
って思うやろ』
いやいやいや!
ストーリー部分には歴史は全く絡まないから!
そんなんに騙されるほどお客さんも馬鹿じゃないから!
『それはあんまりでしょう!?
全然オリジナルストーリーじゃないじゃないですか!!』
そう憤る僕に先輩は飄々と
『俺の中では立派なオリジナルストーリーです』
なんてぬかします。
『先輩、それは子供騙しにしても悪質過ぎますよ。
せめて通常のパッケージをベースにして、オリジナルストーリーと呼べるものを作りましょうよ!』
『パッケージを編集する時間がないから無理やな』
『パッケージが作れないなら全編しゃべりにしましょうよ!』
『全部しゃべりにするとグダグダになったりするからな。
しゃべりは最初の説明だけで』
なるほど。
これは確信犯です。
最初から通常ショーをやるつもりで、
でもそれを明らかにすると確実にクレームが来るので、
ギリギリまで『まだ分からない』を貫いたのでしょう。
想像するに、通常ショーとオリジナルショーでは予算のかけ方が違うハズ。
もしそうだとしたら、この時もオリジナルパッケージ製作費を加えて普段以上の予算を組んでいたのではないでしょうか?
その予算はどこへ消えるのか??
まぁ予算の話は置いておくとしても、
あのチラシを見て、
『へぇ~、●●公園のオリジナルストーリーなんだって!』
と期待してくれたお客さん達に対する責任はどう取るのか?
おそらく何も考えてないのでしょう。
子供達の顔なんか脳裏にも浮かばないのでしょう。
古いアクターがよく言う、
『子供なんてキャラクターが出て戦ってりゃ喜ぶんだから!』
の精神なんでしょうね。
馬鹿野郎。
子供を舐めんな。
キャラクターショーを舐めんな。
僕は電話を切ると、キャスティングをしている後輩に連絡しました。
『本当に急でスマンが、●●公園の現場から俺を外してくれ。
お客さんを平気で騙すような悪事に俺は荷担したくない』
この判断の善し悪しは分かりません。
一度受けた仕事をキャンセルするのはプロとしてどうなのかとも言われました。
しかし自分の信念を曲げてまでショーをする事は出来なかったんです。
それにしても…
こんなに悪質な仕事してる社員がいんのか…
こんな事してたらウチの会社潰れるぞ…
僕はそう思いました。
そして実際、この年に会社が潰れてしまったのです。
とある歴史をテーマにした公園でのイベントでショーをする事になりました。
僕指名で
『しゃべりをよろしく』
との事だったのです。
『しゃべり』を頼まれるという事は、普段やってるショーじゃなくて、
『特別なストーリーのパッケージ』
か、
『スペシャルショー』
か、
逆に規模の小さな
『ミニショー』
か、
大体そんな所のハズです。
もしそうならストーリーを考えなければなりません。
更に言えば『しゃべり用の(BGM)パッケージ』を作らなければなりません。
それならば早く情報が欲しいものです。
どんなストーリーにしたらいいのか、
キャストは何人なのか、
せめてこれぐらい分からないと何も進められないので、僕は営業担当に確認を取りました。
しかし、何回訊いても
『まだ細かい事は決まっていない』
『打ち合わせ中』
『近々決まる』
などと言うのです。
何も分からないまま本番は近付いてきて、いよいよ1週間前…
『いくらなんでも1週間前には内容決まっとるやろ!?』
と思い確認の電話を入れましたが
『まだ決まっていない』
との事。
『そんな馬鹿な!!』
愕然とする僕。
その直後、友人が
『こんなのがあったよ~』
と1枚のチラシを僕にくれました。
それはその公園で行われるイベントのチラシでした。
だったらショーの事も何か書いてあるのでは!?
目を通すとそこにはキャラクターの写真と『キャラクターショー』の文字、
そして、
『●●公園と日本の歴史を破壊しようとする怪人にヒーローが立ち向かうオリジナルストーリー!
ヒーローは日本の歴史を守れるのか!?』
という説明が…
なんだよ!
ショーの内容決まってんじゃん!!
しかもカラー印刷のチラシが出回ってるぐらいですから、原稿を作ったのはかなり前なハズ、
だとしたらもっと前に内容も決まってたハズです。
そして営業担当がそれを知らなかったハズはないのです。
この営業担当さん、
実は元々アクターで僕の大先輩。
アクターとしてはすごい方ですが、いかんせん性格がテキトーなんです。
僕は彼に電話しました。
『チラシ見ましたよ!ストーリー決まってるじゃないですか!このストーリーでショーを作るから詳細を教えて下さい!』
しかし彼はこの期に及んで、
『まだ詳細が決まってない。決まったら連絡する』
と言うのです。
そして連絡がないままショーの3日前…
リハーサルは翌日です。
もうここで決まらなかったらショーなんて作れません。
『まだ分からない』
と言われたらもうこのショーからは手を引こう…
そう決意して営業担当に電話しました。
『もう3日前ですよ!?明日リハーサルなんですよ!?さすがに詳細決まってますよね!?』
すると彼は
『おう、やっと決まったよ』
と答えました。
しかしその内容は驚くべきものでした。
『普段と同じパッケージをやるから』
…ん!?
普段のパッケージ!?
普段のパッケージには日本の歴史も、ましてや●●公園の名前も出てこないぞ?
『えっ?
だって●●公園オリジナルストーリーでしょ!?
日本の歴史を守る話でしょ?
普段のパッケージにそんな要素は全くないですよ!?』
『だからね、オマエがしゃべり怪人になって、ショーのしょっぱなに出て、
我々は日本の歴史を破壊しにきた!
この●●公園も破壊してやる!
みたいな事を言うワケよ。
それから通常のパッケージを流せば客も
あぁ、この悪役は日本の歴史を壊しにきたんだ
って思うやろ』
いやいやいや!
ストーリー部分には歴史は全く絡まないから!
そんなんに騙されるほどお客さんも馬鹿じゃないから!
『それはあんまりでしょう!?
全然オリジナルストーリーじゃないじゃないですか!!』
そう憤る僕に先輩は飄々と
『俺の中では立派なオリジナルストーリーです』
なんてぬかします。
『先輩、それは子供騙しにしても悪質過ぎますよ。
せめて通常のパッケージをベースにして、オリジナルストーリーと呼べるものを作りましょうよ!』
『パッケージを編集する時間がないから無理やな』
『パッケージが作れないなら全編しゃべりにしましょうよ!』
『全部しゃべりにするとグダグダになったりするからな。
しゃべりは最初の説明だけで』
なるほど。
これは確信犯です。
最初から通常ショーをやるつもりで、
でもそれを明らかにすると確実にクレームが来るので、
ギリギリまで『まだ分からない』を貫いたのでしょう。
想像するに、通常ショーとオリジナルショーでは予算のかけ方が違うハズ。
もしそうだとしたら、この時もオリジナルパッケージ製作費を加えて普段以上の予算を組んでいたのではないでしょうか?
その予算はどこへ消えるのか??
まぁ予算の話は置いておくとしても、
あのチラシを見て、
『へぇ~、●●公園のオリジナルストーリーなんだって!』
と期待してくれたお客さん達に対する責任はどう取るのか?
おそらく何も考えてないのでしょう。
子供達の顔なんか脳裏にも浮かばないのでしょう。
古いアクターがよく言う、
『子供なんてキャラクターが出て戦ってりゃ喜ぶんだから!』
の精神なんでしょうね。
馬鹿野郎。
子供を舐めんな。
キャラクターショーを舐めんな。
僕は電話を切ると、キャスティングをしている後輩に連絡しました。
『本当に急でスマンが、●●公園の現場から俺を外してくれ。
お客さんを平気で騙すような悪事に俺は荷担したくない』
この判断の善し悪しは分かりません。
一度受けた仕事をキャンセルするのはプロとしてどうなのかとも言われました。
しかし自分の信念を曲げてまでショーをする事は出来なかったんです。
それにしても…
こんなに悪質な仕事してる社員がいんのか…
こんな事してたらウチの会社潰れるぞ…
僕はそう思いました。
そして実際、この年に会社が潰れてしまったのです。
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