2011-07-14(Thu)
アクションへの道(231)
前フリが大事、って話の続きから。
展開を活かす前フリって何パターンがありますが、分かりやすいのは『逆走からのターンダッシュ』(命名・僕)ですかね。
本来見せたいものと逆の前フリをする手法なんですが、これは分かりやすいし使いやすい。
前回書いたように、しっとりしたシーンからいきなり激しい立ち回りが始まるようなパターンですね。
激しさを引き立てる為におだやかさを前フリにする、
おだやかさを引き立てる為に激しさを前フリにする、
笑いを引き立てる為にシリアスを前フリにする、
シリアスを引き立てる為に笑いを前フリにする、
悲しさを引き立てる為に幸せを前フリにする、
幸せを引き立てる為に悲しさを前フリにする…
例えを出せば枚挙に暇がありません。
物語というのは前フリと展開と事後処理で構成されているのです。
それはストーリー全体にも当てはまります。
シーン毎にも当てはまります。
立ち回りにだって当てはまっています。
『忍者ライブショー さやか見参!』の台本を見ると、立ち回りのシーンはこういう風に書かれています。
殺陣1…さやか vs 下忍ABC(40秒)
さやか勝利
この文字から何か伝わるでしょうか?
一番目の立ち回りである事、
さやかと下忍3人が戦う事、
40秒でさやかが勝つ事、
その他の要素を見つける事が出来るでしょうか?
出来ないでしょう。
間違いなく。
だって書かれてないんですから。
しかし、この立ち回りにだってストーリーがあるハズなんです。
40秒の中に起承転結があるハズなんです。
それを見つけられなければ40秒の立ち回りを付ける事は出来ません。
もし付けたとしてもそれは立ち回りではなく『形ばかりの技の羅列』に過ぎないでしょう。
『なぜ?
1対3の立ち回りを40秒やればいいんでしょ?
最後にさやかが勝てばいいんでしょ?
そんなに深く考える事かなぁ?』
と思った方いますか?
では例えを2パターン用意してみますね。
想像しながら読んでみて下さいね。
~パターンA~
さやか『あなた達がお兄ちゃんを殺したのね!?』
下忍A『あぁそうさ。あいつはお人好しだったからな。騙し討ちにするのは簡単だったぜ』
さやか『お兄ちゃんはあなた達を信じてたのに…許せない…絶対許せない!』
抜刀し、下忍達に飛び込んでいくさやか
さやか『お兄ちゃんのかたきッ!!』
殺陣1…さやか vs 下忍ABC(40秒)
さやか勝利
~パターンB~
さやか『なに…?急に目まいが…』
下忍A『へっへっへ、さっきの水に仕込んだ毒が効いてきたみたいだな』
さやか『毒…!?卑怯な…』
さやか、震える手で抜刀するが、力が入らず刀を落としてしまう
下忍A『さすがのオマエでも全身痺れちゃ戦えねぇよな、立ってるのもやっとみたいだしよ』
さやか『くっ…!』
必死に拾った刀を杖にして、どうにか踏み堪えているさやか
下忍A『悪いな、死んでもらうぜ』
殺陣1…さやか vs 下忍ABC(40秒)
さやか勝利
…どうでしょう?
この2つの立ち回り、イメージ出来ましたか?
パターンAはどうなりましたか?
パターンBはどうですか?
『あまり違いはなかったなぁ』
って方がいたなら、その方は立ち回りをつけるのはやめた方がいいですね。
少しでも芝居っ気がある方ならこの2つは同じにならないと思います。
演技(立ち回りを含む)には『行間を読む力』が必要になってきます。
では立ち回りの行間はどこに示されているのか。
台本の全てに、です。
全ての台詞、全てのト書きが、立ち回りの行間をありありと示しているのです。
つづく
展開を活かす前フリって何パターンがありますが、分かりやすいのは『逆走からのターンダッシュ』(命名・僕)ですかね。
本来見せたいものと逆の前フリをする手法なんですが、これは分かりやすいし使いやすい。
前回書いたように、しっとりしたシーンからいきなり激しい立ち回りが始まるようなパターンですね。
激しさを引き立てる為におだやかさを前フリにする、
おだやかさを引き立てる為に激しさを前フリにする、
笑いを引き立てる為にシリアスを前フリにする、
シリアスを引き立てる為に笑いを前フリにする、
悲しさを引き立てる為に幸せを前フリにする、
幸せを引き立てる為に悲しさを前フリにする…
例えを出せば枚挙に暇がありません。
物語というのは前フリと展開と事後処理で構成されているのです。
それはストーリー全体にも当てはまります。
シーン毎にも当てはまります。
立ち回りにだって当てはまっています。
『忍者ライブショー さやか見参!』の台本を見ると、立ち回りのシーンはこういう風に書かれています。
殺陣1…さやか vs 下忍ABC(40秒)
さやか勝利
この文字から何か伝わるでしょうか?
一番目の立ち回りである事、
さやかと下忍3人が戦う事、
40秒でさやかが勝つ事、
その他の要素を見つける事が出来るでしょうか?
出来ないでしょう。
間違いなく。
だって書かれてないんですから。
しかし、この立ち回りにだってストーリーがあるハズなんです。
40秒の中に起承転結があるハズなんです。
それを見つけられなければ40秒の立ち回りを付ける事は出来ません。
もし付けたとしてもそれは立ち回りではなく『形ばかりの技の羅列』に過ぎないでしょう。
『なぜ?
1対3の立ち回りを40秒やればいいんでしょ?
最後にさやかが勝てばいいんでしょ?
そんなに深く考える事かなぁ?』
と思った方いますか?
では例えを2パターン用意してみますね。
想像しながら読んでみて下さいね。
~パターンA~
さやか『あなた達がお兄ちゃんを殺したのね!?』
下忍A『あぁそうさ。あいつはお人好しだったからな。騙し討ちにするのは簡単だったぜ』
さやか『お兄ちゃんはあなた達を信じてたのに…許せない…絶対許せない!』
抜刀し、下忍達に飛び込んでいくさやか
さやか『お兄ちゃんのかたきッ!!』
殺陣1…さやか vs 下忍ABC(40秒)
さやか勝利
~パターンB~
さやか『なに…?急に目まいが…』
下忍A『へっへっへ、さっきの水に仕込んだ毒が効いてきたみたいだな』
さやか『毒…!?卑怯な…』
さやか、震える手で抜刀するが、力が入らず刀を落としてしまう
下忍A『さすがのオマエでも全身痺れちゃ戦えねぇよな、立ってるのもやっとみたいだしよ』
さやか『くっ…!』
必死に拾った刀を杖にして、どうにか踏み堪えているさやか
下忍A『悪いな、死んでもらうぜ』
殺陣1…さやか vs 下忍ABC(40秒)
さやか勝利
…どうでしょう?
この2つの立ち回り、イメージ出来ましたか?
パターンAはどうなりましたか?
パターンBはどうですか?
『あまり違いはなかったなぁ』
って方がいたなら、その方は立ち回りをつけるのはやめた方がいいですね。
少しでも芝居っ気がある方ならこの2つは同じにならないと思います。
演技(立ち回りを含む)には『行間を読む力』が必要になってきます。
では立ち回りの行間はどこに示されているのか。
台本の全てに、です。
全ての台詞、全てのト書きが、立ち回りの行間をありありと示しているのです。
つづく
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