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2011-06-24(Fri)

アクションへの道(213)

前回書いたように、各ブース、各メーカーは同業他社のライバルです。

別にピリピリした雰囲気もなく、仲良くやってましたが、やはり見えない壁のようなものがあります。

その1つが『キャラクター同士の接触』でした。

僕は隣りのブースのスタッフさん、コンパニオンさんには非常に仲良くしてもらったんですが、その中で、

『メーカー同士の壁はあるにしても、お客さん目線だと、せめてキャラクターぐらいは仲良くしてほしいよね~』

なんて話す事がありました。

会場に集まっているのは知名度抜群の超メジャーキャラばっかりなのですから、

『それらが勢揃いしてる所を見たい!』

『集合したキャラクター達と記念撮影したい!』

と思うのがお客さんの心理ではないでしょうか。

僕らは、

『こんなに近くにいるキャラクター同士が隣りに並べないなんて、企業間のライバル心を見せてるみたいで嫌ですよね』

『せめて1日の締め、お客さんをお見送りする時ぐらいは集まれないもんですかね』

なんて話し合いました。

ここから企業泣かせの反乱が始まったんですね。


1日のイベントが終了しお客さんが帰り始めます。

僕らキャラクターはそれぞれのブース前でお見送りします。

僕は隣りのブースのキャラクターをちらりと見ます。

向こうもこちらをちらりと見ます。

そして互いに(お見送りしなが)じわりじわりと近付いて…

ちょうど双方のブースの間ぐらいで合流するのです。

合流した位置はメインの出入口から続く通路なので、お見送りするにもベストな位置でした。

そこで並んでお客さんに手を振ります。

最初の内はブースに連れ戻される事もありましたが、良くも悪くも『継続は力』、いつしかキャラクター同士が手をつないでお見送りするまでになりました。

他のブースのキャラクターはそれをどう思っていたのでしょう?

アクター同士の交流はほとんどなかったので確信は持てませんが、多分みんな、僕らと同じ気持ちだったと思うんです。

それぞれのブースに点在してるより、キャラクターが集まってる方が楽しそうじゃないですか。

僕ともう1体のキャラクターが並んでお見送りしていると、別のブースのキャラクターと目が合いました。

不思議なもので、キャラクターって時々アクターの感情が透けて見えるんですよ。

着ぐるみ越しに表情や感情が伝わってくるんですよね。

その時、そのキャラクターは、

『えっ?自分も行くべき?ってか行っていいの?』

って顔をしていました。

僕らは当然、

『来いよ!』

とアイコンタクトを送ります。

こうして2体が3体、4体と増えていき、最終的には(多い時で)6体のキャラクターが並んでお見送りするのが毎日の恒例となったのです。
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プロフィール

武装代表・内野

Author:武装代表・内野
福岡・久留米を中心に、九州全域で活動している『アトラクションチーム武装』の代表です。

1972年生まれ。
1990年にキャラクターショーの世界に入り現在に至る。

2007年に武装を設立。

武装の活動内容は殺陣教室、殺陣指導、オリジナルキャラクターショー等。

現在は関西コレクションエンターテイメント福岡校さんでのアクションレッスン講師もやらせてもらってます。

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