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2011-04-21(Thu)

アクションへの道(179)

2000年~2001年はしゃべりショーをたくさんやらせてもらえた年でした。

社員さんが僕にチャンスをくれたんだと思いますが、普段のショーからスペシャルショーまで、とにかくたくさんしゃべりました。

スペシャルショー、

なんと豪華な響きでしょうか。

しかしこの『スペシャル』という部分に関して、僕と他メンバーの間には明らかな齟齬が生まれていました。


時々『スペシャルショー』と銘打たれたキャラクターショーがありますよね。

僕はこの『スペシャルショー』というフレーズ、本当に使い方が難しいと思うんです。

まず、誰の為の『スペシャル』なのか?という疑問があります。

答えは当然『観客の為』のスペシャルなワケですが、普段よりキャストが多かったり、レアなキャラクターが登場したりする為、メンバーのテンションが『スペシャル』になる事があるのです。

おまけにスペシャルショーではベストメンバーを組む事が多く、その為キャスティングされたメンバーは、

『ベストメンバーに選ばれた!』
『スペシャルショーを演った!』

というWテンションUPになったりするのです。

『スペシャルショーだからいつもより気合い入れていこうぜ!』

なんて雰囲気になる事もあるのです。


僕はこの雰囲気が嫌いです。

『スペシャルショーだからいつもより嬉しい』

『スペシャルショーだからいつもより頑張る』

それじゃ普段のショーを観てるお客様に失礼です。

スペシャルショーはあくまでもお客様にとってのスペシャルであって、演者は平常心で臨むべきです。

僕のもう1つの疑問、

『何をもってスペシャルと言うか』

については今回置いておきます。

以前もどこかで書いたと思うし。

さて、そんな考えの僕ですから、スペシャルショーでしゃべる時も出来るだけ通常現場の意識を逸脱しないように気をつけていました。
※(ストーリーや構成はスペシャル感を意識しますよ)

しかし僕には、スペシャルかそうでないかに関わらず『自分のしゃべり』でやりたい事がありました。

それは

『普段のショーで試せない事を1つやってみる』

という事。

…ん?それは他のメンバーが持ってる『スペシャル感』とどう違うの?

と思われるかもしれません。

説明しますと、普段のパッケージショーは『無難に進行する為のショー』なんですね。

この辺りは最近ブログに書きました。

一旦パケが流れ始めたら最後までノンストップ、

アクシデントが起きてもフォローのしようがないパッケージショーは無難に作らざるをえないのです。

しかし『しゃべり』は違います。

しゃべりの腕次第ではアクシデントを活かすも殺すも自在なのです(そんだけの腕があればね)。

僕はまだアクシデントを活かす腕はないと思いますが、フォローする事なら出来ます。

なので、普段のショーで出来ない事をしゃべりで試してみたかったのです。

フォロー出来ないぐらい悪い結果の時もあるでしょう、

一発で手応えを感じる時もあるでしょう、

何度も手直ししていく内に使えるネタに育つ事もあるでしょう、

しかし、そういった挑戦がショーの進化を生んでいるんです。

それは間違いありません。

後輩達からすれば

『なんでわざわざスペシャルショーで新しい事を試さなくちゃいけないんですか』

『そんな事しなくても、今まで通りのショーでいいじゃないですか』

って気持ちだった事でしょう。

でもね、

君達が言う『今まで通りのショー』だって、先人達の試行錯誤の末に成り立ってるんだよ。

先輩達の努力の上にあぐらをかいて、次の世代へのバトンを渡さないワケにはいかないでしょ?

俺はしゃべりのスキルを磨いた、

その結果スペシャルショーを任されるようになった、

だからスペシャルショーには俺の信念を1つ盛り込ませてもらう。

それは僕が譲りたくない部分です。

そして、

とあるスペシャルショーで、僕は1人の女の子をピンク役に抜擢しました。

その子はアクションショーに一度も入った事がないアクションに不慣れな女の子でした。

ベストメンバーを望む後輩達は一斉に反対しましたが、僕は自分の信念のもと強行にキャスティングを決定したのです。
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コメント

楽しみな展開

何をもってしてスペシャルかは、団体さん、人それぞれでしょうなぁ。
出演人数が増えたとか、レアキャラが入ったとかで「スペシャル」と言うのは、どうなんでしょうね。
それにしても、キャストの中にポイントになる人を入れるのは、スリリングですね。チャームになるのかウィークになるのか。完パケだとただただ不安で無理だろうなぁ。

>dragonmacさん

テンションが上がるのも分かるんですけど、僕には
普段のショー<スペシャルショー
になってるように見えてしまう事があるんです…

僕がいたチームにはやたらとウィークポイントが在籍していましたが、僕もそう思われていた可能性があるので偉そうな事は言えません(笑)

語弊がある言い方ですが・・・

僕らがやってるキャラクターショーって、そもそも足りないものだらけ。その足りないものをいかに技術や話術などのスキルで乗り切る、いわば忍術の世界だと思うんですよ。
音響にしても、演出にしても、場当たりに至るまで、現場でみっちりと、納得できるまでリハが詰めることはまずない。その日合わせの出たとこ勝負ですもんね。
一歩下がってみると、『スペシャルショー』ってその程度?って、やり手側だけの自己満足に過ぎなかったりする危険性がありますね。

>dragonmacさん

僕も同意見です!

作り手や演者は常にスペシャルなショーになるよう努力する必要があると思いますが、『スペシャル』という言葉自体に左右されるのはどうかと。

『スペシャルショー』というのはあくまで営業用の謳い文句だと割り切った方が良さそうですよね。

まさに営業の謳い文句だと思います。

そうですよ。意識は常にスペシャルを目指してないと・・・。
見てる側からすると、やってる側がナーバスに意識するほど、経験者かそうでない人かは案外わからないもの。そりゃあ、最中に進行がドン詰まれば別ですけど、声聴いてから動いても間に合いそうなものもあるし。逆にすごい人が一人いても、相手あってのものですから、平均化されて意外と目立たなかったり。といって、「この人が入ってます!」って素顔を晒すわけにもいかないし(笑)
それだけに代表が試みたキャスティングは、全体で相当なスキルが要求される、ある意味『スペシャル』ですね。

>dragonmacさん

僕の試みは完全に失敗しました…

理由は僕の人間性ですが…

スペシャルショーに関しては色々思うところがあったので、こうして話をさせてもらえて嬉しいです♪
プロフィール

武装代表・内野

Author:武装代表・内野
福岡・久留米を中心に、九州全域で活動している『アトラクションチーム武装』の代表です。

1972年生まれ。
1990年にキャラクターショーの世界に入り現在に至る。

2007年に武装を設立。

武装の活動内容は殺陣教室、殺陣指導、オリジナルキャラクターショー等。

現在は関西コレクションエンターテイメント福岡校さんでのアクションレッスン講師もやらせてもらってます。

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