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2011-03-28(Mon)

アクションへの道(168)

しばらく自分の作品について書いてます。

興味ないでしょうけどお許しを。


僕の台本がごちゃごちゃと言われるワケ、

それは

『ストーリーの構造が2重になっている』

からでした。

2重構造とはどういう事か。

説明いたします。

まず、シンプルなショーから。

こちらは悪役主体のストーリーがほとんどでした。

悪役が子供を襲う→ヒーローが助けに来る

悪役が悪事を働く→ヒーローが止める悪

役が罠を仕掛ける→ヒーローがひっかかる

このように

『悪役が悪い事をするからヒーローが戦う』

という図式がハッキリしているのです。

つまりは悪役の行動に注目しておけば必然的にヒーローの行動にも意識が向かうのです。


では2重構造のショーはどうなんでしょうか。

悪役の進行に加えて

『ヒーロー側のあれこれ』

が描かれているのです。

油断したりケンカしたり悩んだり。

そんなんだから悪役と戦おうにも上手くいきません。

観客は『悪役の行動』のみならず、『ヒーロー側の展開』を気にしなければいけないんです。

『みんなケンカしてて悪役に勝てるの!?敵はすごい作戦を考えてたよ!』

『そんなに油断してちゃ危ないよ!それは罠だよ!』

なんて考えなくちゃいけません。

この『悪役の行動』も『ヒーローの行動』も意識しなきゃいけないってのが『ごちゃごちゃ』と評される所以だったんでしょうね。


これに気付いて僕が作風を改めたかと言うと、決してそんな事はありません。

現代の子供達は、そのぐらいの複雑さを理解する能力を持っていると思うからです。

理解出来なくても容認出来ると思うからです。

だって、昔とは受信する情報量が全然違いますもん。

アニメもドラマもゲームも複雑になってますしね。

『子供だから分からないだろう』

ってのは古い大人の押し付けだと僕は思ってます。


シンプルなショーでは、敵は自分の外側にあります。

圧倒的な力の差を前にピンチになり、それを乗り越えて最後に倒すのです。

その不屈の姿には観客も拍手を送るでしょう。

対して僕のショーではほとんど、

『敵は自分の中にいる』

という設定になっています。

油断してるから負ける。

チームワークを疎かにして負ける。

それを反省し、克服する事でピンチを乗り越えて勝利する。


本来なら一番カタルシスがあるであろう逆転のシーンでヒーロー達が反省してるんだから、そりゃ拍手もしづらいですよ。

でもまぁ数あるキャラクターショーの中にそんなパターンがあってもいいんじゃないですかね(笑)
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コメント

これ、まさにそうなんです。

僕も二重構造なんです。人格はどちらかというと八方かもしれないですけど・・・。
僕も同感で、子どもは大人が考えるほど単純ではないです。確かに単純なストーリー展開の方が反応しやすいですが、本当は冷めた面を常に持ってると思っています。なので、少しでもつじつまが合わない展開を見つけると、キャラクターショーから離れていきます。
僕らのキャラクターはテーマがテーマだけに、悪役の方が正論だったりしますし・・・。この辺は、場当たり的な考えで子どもたちに伝えようとすると無理が生じますね。
代表のおっしゃるところ、わかる人とわからない人が分かれる場面だと思います。

>dragonmacさん

ドラゴンマンのショーは他のショー以上にテーマがハッキリしてますもんね!

現実の問題をテーマにすると、どうしても悪役が語る現実とヒーローが語る理想のせめぎあいになって、ヒーローの方が分が悪くなったりしますよね。

その中で子供達に未来に繋がるメッセージを伝えていくというのは大変な作業だと思います。

本当に頭が下がります。

僕らも頑張らなきゃなぁ…
プロフィール

武装代表・内野

Author:武装代表・内野
福岡・久留米を中心に、九州全域で活動している『アトラクションチーム武装』の代表です。

1972年生まれ。
1990年にキャラクターショーの世界に入り現在に至る。

2007年に武装を設立。

武装の活動内容は殺陣教室、殺陣指導、オリジナルキャラクターショー等。

現在は関西コレクションエンターテイメント福岡校さんでのアクションレッスン講師もやらせてもらってます。

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