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2011-03-12(Sat)

あの人基準、この人基準

警備員としての経験から考えた事です。

強引な運転をするトラックっていますよね。

歩行者や自転車がいるのに突っ込んで行く4tトラックとか。

一般の通行者の安全を守るのが警備員の仕事なので、当然僕らはトラックを停止(または徐行)させるワケです。

するとトラックのドライバーはあからさまに不満気な顔をしたり、中には合図を無視して突っ込んで来る人もいます。

この時ドライバーは2つの勘違いをしています。

1つは

『トラックを止めずに歩行者をどかせよ!』

という勘違い。

警備員は基本、トラックが関わる側(工事現場や店舗など)に雇われています。

ドライバーからしたら『身内』なワケです。

身内だから

『警備員はトラックをスムーズに動かす為に雇われている』

と思っているのです。

『トラックが通る時に通行人を止めるのが警備員の仕事だろ!』

と思っているのです。

警備員は

『トラックの通行で近隣の方々が被害や迷惑を被らないようにする為』

に雇われてるんですね。

本来止まらなくていいハズの道路で止められるというのは被害であり迷惑なんです。

これがドライバーによる1つ目の勘違い。

2つ目は、

『歩行者が道路の端に避ければお互い通れる幅だろ!俺はぶつけない自信がある!』

というもの。


警備員の目から見ても、

『この道路幅なら歩行者とトラックがギリギリぶつからずに通れるな』

という事はあります。

しかしそれはあくまで物理的な話。

では心理的にはどうでしょう?

自分が歩いている時に50cmほど隣りを4tトラックが走り抜けて行ったら?

怖いと思いません?

怖いんですよ。

実際はぶつからないと分かっていても怖いんです。

警備員は心理的な配慮からトラックを停止させてるんです。

『怖い!』『危ない!』と思う事は被害なんです。

でも物理的な事しか頭にないドライバーは

『俺はこのぐらいの幅なら行けるテクを持ってんだよ!わざわざ停めるなんて俺の腕を分かってねぇな!?』

なんて考えちゃうワケです。

この2つの勘違い、どちらも『自分主体』だけで考えているから起きたものです。

『自分がやりたいから』

『自分は出来るから』

そこに客観的な視点は全くありません。

ショーにおいても同じ事が度々見受けられます。

観客の気持ちは置いてけぼりで自分のやりたい事をやるアクター達。

『まずは自分が楽しまなきゃ観客も楽しめないぜ!』

と言って自分だけが楽しんでいるアクター。


子供の気持ちを考えず、好き放題にいじり倒し、子供に嫌な気持ちだけを残して悦に入っているアクター。

絶対に当てない自信があるからと、
『顔面スレスレに剣を振ってビビらせてやるぜ』
なんて考えて観客に危機感を抱かせるアクター。

安全というものは、発信する側でなく常に受け取る側が判断するものである。

そんな事も分からないアクター。


どんなにリアル思考のアトラクションでも、必ず

『ギリギリ安心出来る距離感』

を保って作られているハズ。

それも考えきれず、自分の主観だけでステージに立っているアクターは表現者失格です。

本当にお客さん目線で考えているか、

そこに勘違いは含まれていないか、

我々には、常にそれを考える義務があると思います。

ステージに立ち、観客の前に立つ以上は。
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プロフィール

武装代表・内野

Author:武装代表・内野
福岡・久留米を中心に、九州全域で活動している『アトラクションチーム武装』の代表です。

1972年生まれ。
1990年にキャラクターショーの世界に入り現在に至る。

2007年に武装を設立。

武装の活動内容は殺陣教室、殺陣指導、オリジナルキャラクターショー等。

現在は関西コレクションエンターテイメント福岡校さんでのアクションレッスン講師もやらせてもらってます。

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