2010-11-28(Sun)
アクションへの道(115)
キャラクターショーの日常風景。
現場が終わって道場に戻ったチームは、まず洗濯をして衣裳を干します。
1日2ステージを終えた衣裳は汗で大変な事になっているから必ず洗濯するのです。
ゴールデンウィークのような連休の場合、毎日毎日ショーがあるので、毎日毎日洗濯して干す事になります。
そして毎朝、出発時間より少し早く来て衣裳を取り込んで車に積み込んでから現場に向かうのです。
1995年ゴールデンウィーク最終日。
この日の我々もやはりそうやって出発したのです。
そして他県の現場に到着してから衣裳チェック。
(前も書きましたが、この時期は出発前のチェックがなかったのです。
現地に着いてからじゃ遅いのにね)
何と…
僕が苦労して作った忍び装束がありません。
『えっ!?えっ!?なぜっ!?』
実は出発前に
『どこにあるんだろー?』
とは思っていたのです。
でも道場に見当たらないから、
『若手が積み込んでくれたんだろうな』
と思い込んでいたのです。
あれがなかったら、ストーリーの見せ場『替わり身の術』(前回参照)が出来ない!!
その日、同じ事務所の仲間がショーを観に来ると言っていたのを思い出し、公衆電話から連絡(まだ携帯はなかった)。
『道場に寄って忍び装束持って来て!!
黒くてさ、柔道着みたいに折り畳んで帯で巻いてあるから!!』
しかし、ショー前にやって来た仲間の手に忍び装束はありません。
道場を探してもなかったらしいのです。
どこに…
どこに消えた!?
…結局『替わり身の術』は…
レッド斬られてハケ。
悪ボス『レッドを連れて来い!』
戦闘員A・B、戦闘員Cを連れて来る。
悪ボス『レッド!戦闘員に化けて逃げようとしても無駄だ!』
とどめを刺されて息絶える戦闘員C。
レッド登場。
レッド『はっはっは!替わり身の術だ!』
…なにが『替わり身の術』なのかさっぱり分かりません…
がっかりです。
The がっかりショーです。
そんなショーを終えて道場に帰った我々は、何と、道場の片隅に忍び装束を発見します。
『こんな所にあるなら探しても見つからないハズだよ!』
って場所でした。
『なんで!?なんでこんな所に!?』
その光景を見ていた後輩が言いました。
『それ、内野さん達の衣裳だったんですか!?』
後輩は昨夜から今朝にかけての出来事を語りました。
昔はショー前日に『遅刻対策』として道場に泊まる者が多かったのですが、昨夜泊まった中に、ものすご~~~~~く生意気な新人がいたらしいんです。
そいつが寝る時に忍び装束を発見し、
『枕にちょうどいいや』
と言って枕にしたらしいのです。
周りの者は、それが衣裳だとは知らないので止めませんでした。
そして朝、起こされた新人は、枕代わりに使った忍び装束を道場の片隅に放り込んで(本人は片付けたつもり)出発したという事でした。
僕は
『次に会ったら殺してやろう』
と誓いました。
翌週の日曜日、朝。
その生意気な新人が現場に入ってる事を知っていた僕は、朝から道場で待ち構えていました。
ふざけた新人をぶん殴って辞めさせる事は合法的処置なのです(嘘)。
集合時間10分前…
集合時間5分前…
集合時間…5分後…
えっ???
集合時間15分後…
あいつ来ねぇじゃん!!
家に電話するけど誰も出ません。
いわゆる『ぶっちした』『ぶっちぎった』と言われる状態です。
仕方なく代役として別のメンバーが連れて行かれました。
ぶっちの代役は大変です。
ショーの段取りを全部、朝の短い時間で覚えなくちゃいけないからです。
イベントの現場に『ドタキャン』『ぶっち』は有り得ないのです。
僕はそいつを殴り損ねてしまいましたが、『ぶっち』して消えていくのも生意気な新人にありがちな結末ですから
『まぁいなくなって清々した…と思うか』
と自分に言い聞かせて納得しました。
ところが、
しばらくしてギャラの支払日…
そいつはゴールデンウィークのギャラを貰いにのこのことやって来たのです。
『お疲れース』
普通にやって来たのです。
よくもまぁ顔を出せたな!?
その場にいた全員が驚愕を隠せません。
『お、おまえ、この前の…』
『あぁ、こないだはマジで大変だったんスよ。
俺はショーに行こうと思ってたのに、朝から昔の先輩達がウチに押しかけてきて、手足しばられて無理矢理ドライブに連れてかれたんスよ。
マジ大変だったっスよ』
ノリノリで語る彼を見て、全員の目が殺意に燃えました。
彼がその後どうなったのか…
僕は知りません。
ホント、色んな新人がいるもんですな。
現場が終わって道場に戻ったチームは、まず洗濯をして衣裳を干します。
1日2ステージを終えた衣裳は汗で大変な事になっているから必ず洗濯するのです。
ゴールデンウィークのような連休の場合、毎日毎日ショーがあるので、毎日毎日洗濯して干す事になります。
そして毎朝、出発時間より少し早く来て衣裳を取り込んで車に積み込んでから現場に向かうのです。
1995年ゴールデンウィーク最終日。
この日の我々もやはりそうやって出発したのです。
そして他県の現場に到着してから衣裳チェック。
(前も書きましたが、この時期は出発前のチェックがなかったのです。
現地に着いてからじゃ遅いのにね)
何と…
僕が苦労して作った忍び装束がありません。
『えっ!?えっ!?なぜっ!?』
実は出発前に
『どこにあるんだろー?』
とは思っていたのです。
でも道場に見当たらないから、
『若手が積み込んでくれたんだろうな』
と思い込んでいたのです。
あれがなかったら、ストーリーの見せ場『替わり身の術』(前回参照)が出来ない!!
その日、同じ事務所の仲間がショーを観に来ると言っていたのを思い出し、公衆電話から連絡(まだ携帯はなかった)。
『道場に寄って忍び装束持って来て!!
黒くてさ、柔道着みたいに折り畳んで帯で巻いてあるから!!』
しかし、ショー前にやって来た仲間の手に忍び装束はありません。
道場を探してもなかったらしいのです。
どこに…
どこに消えた!?
…結局『替わり身の術』は…
レッド斬られてハケ。
悪ボス『レッドを連れて来い!』
戦闘員A・B、戦闘員Cを連れて来る。
悪ボス『レッド!戦闘員に化けて逃げようとしても無駄だ!』
とどめを刺されて息絶える戦闘員C。
レッド登場。
レッド『はっはっは!替わり身の術だ!』
…なにが『替わり身の術』なのかさっぱり分かりません…
がっかりです。
The がっかりショーです。
そんなショーを終えて道場に帰った我々は、何と、道場の片隅に忍び装束を発見します。
『こんな所にあるなら探しても見つからないハズだよ!』
って場所でした。
『なんで!?なんでこんな所に!?』
その光景を見ていた後輩が言いました。
『それ、内野さん達の衣裳だったんですか!?』
後輩は昨夜から今朝にかけての出来事を語りました。
昔はショー前日に『遅刻対策』として道場に泊まる者が多かったのですが、昨夜泊まった中に、ものすご~~~~~く生意気な新人がいたらしいんです。
そいつが寝る時に忍び装束を発見し、
『枕にちょうどいいや』
と言って枕にしたらしいのです。
周りの者は、それが衣裳だとは知らないので止めませんでした。
そして朝、起こされた新人は、枕代わりに使った忍び装束を道場の片隅に放り込んで(本人は片付けたつもり)出発したという事でした。
僕は
『次に会ったら殺してやろう』
と誓いました。
翌週の日曜日、朝。
その生意気な新人が現場に入ってる事を知っていた僕は、朝から道場で待ち構えていました。
ふざけた新人をぶん殴って辞めさせる事は合法的処置なのです(嘘)。
集合時間10分前…
集合時間5分前…
集合時間…5分後…
えっ???
集合時間15分後…
あいつ来ねぇじゃん!!
家に電話するけど誰も出ません。
いわゆる『ぶっちした』『ぶっちぎった』と言われる状態です。
仕方なく代役として別のメンバーが連れて行かれました。
ぶっちの代役は大変です。
ショーの段取りを全部、朝の短い時間で覚えなくちゃいけないからです。
イベントの現場に『ドタキャン』『ぶっち』は有り得ないのです。
僕はそいつを殴り損ねてしまいましたが、『ぶっち』して消えていくのも生意気な新人にありがちな結末ですから
『まぁいなくなって清々した…と思うか』
と自分に言い聞かせて納得しました。
ところが、
しばらくしてギャラの支払日…
そいつはゴールデンウィークのギャラを貰いにのこのことやって来たのです。
『お疲れース』
普通にやって来たのです。
よくもまぁ顔を出せたな!?
その場にいた全員が驚愕を隠せません。
『お、おまえ、この前の…』
『あぁ、こないだはマジで大変だったんスよ。
俺はショーに行こうと思ってたのに、朝から昔の先輩達がウチに押しかけてきて、手足しばられて無理矢理ドライブに連れてかれたんスよ。
マジ大変だったっスよ』
ノリノリで語る彼を見て、全員の目が殺意に燃えました。
彼がその後どうなったのか…
僕は知りません。
ホント、色んな新人がいるもんですな。
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