2022-12-11(Sun)
段取りは、分かっていても知らない顔で
例えば
「刀で斬りかかるがよけられる」
とか
「殴りかかるが受け止められる」
とか
「掴みかかろうとしたところを蹴られる」
とか
立ち回りでそういう手があった時に、
不慣れな方は
「よけられる為に斬りかかる」
「受け止められる為にパンチを出す」
「蹴られるのを待つ」
になったりする事があるんです。
それは、よけられる事が、受け止められる事が、蹴られる事が前もって分かっているから。
そうなってしまうとこれはお芝居ではなく、単なる「段取り」になってしまいます。
最初から「これはよけられるから」と考えながら斬りかかったり、「これは受け止められるから」と考えながら殴りかかったり、「掴みかかろうとして蹴られるんだよね〜」と考えながら向かっていったり、
そんなやられる気まんまんの奴が戦っててリアリティとか迫力とか出らんやろーと思います。
そんなんじゃ観てる人が「おぉ〜っ!」って感動せんやろう、って。
斬りかかる時は、よけられた瞬間まで「斬って倒す!」って気持ちじゃないと駄目なんです。
よけられた時にはじめて「よけやがった!?」って思うんです。
殴りかかる時は受けられた瞬間まで「殴って倒す!」って気持ちなんです。
受け止められてはじめて「受けられた!?」って驚くんです。
掴みかかる時は蹴られた瞬間まで「捕まえて動きを封じてやる!」で、蹴られた瞬間に不意にダメージを受けるんです。
立ち回りは段取りを決めてやるものですけど、ただ段取り通りに動けばいいってものではなくて
「段取りを決めて、段取りが段取りに見えないように演じる」
のが立ち回りなんです。
その為にはまず基本動作をしっかり身に付ける事。
役としての感情を考えながらお芝居する事。
それが大切かなぁと僕は思います。

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