2020-10-30(Fri)
理屈
たとえば
武装で殺陣のお仕事のキャスティングをする時、
僕が「お気に入りのメンバー」を選んだとする。
そのメンバーが、いつも練習に来ていて実力も申し分ないのなら、誰も異論を挟めないと思う。
ではもし、練習には来てるけど実力はイマイチのメンバーだったら?
練習に来ていて実力もあるメンバーが「何故自分じゃないんですか?」と不服を申し立ててきたとして、
僕は答える。
「彼(彼女)は伸び悩んでるからね、この仕事を経験させる事で飛躍のきっかけを作ってあげたいんだよ」
では練習には来ていないけれど実力があるメンバーを選んだら?
「今回の仕事に取り組んでもらう中で、練習に参加する意義を見つけてもらうつもりなんだ。今のままじゃせっかく上手いのにもったいないからね」
と言うかもしれない。
練習にも来ないし実力も全然なメンバーを選んだら?
「仕事としての殺陣を経験する事で自分の未熟さを自覚してもらいたい。そうすれば練習に参加しなければいけないと気付くハズだから」
とか何とか言うのだろう。
これ全部、もっともらしいけどお気に入りをキャスティングする為の詭弁。
理屈なんてしょせんこんなものだと思う。
でも、周りから反感を持たれなければ詭弁も悪い事じゃないんですよ。
本人が自覚してるかどうかは大きな問題だと思いますが。
さる高名な武術家が理論的に技の説明をしていました。
それは本当に分かりやすく、しかし奥の深い説明でした。
武術家は最後に言いました。
「理論はもちろん大切だが私は武術研究家ではない。武術家だ。武術家に最も必要なのは理屈を考える事ではなく、ひたすら正しい練習をする事だ」
理屈というのはこういう事だと思う。
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