2010-03-26(Fri)
アクションへの道(61)
1993年、
しゃべりショーで吉田にぃやんが発明した事とは一体何か!?
…えっとですね、
しゃべりと関わりのない方にはピンと来ないと思うんですよ。
それ前提で読んで下さいね。
にぃやんの発明とは、
『BGMパケ』
を作って、それに合わせてしゃべる事!
だったのだ!!
…ほら、
ピンと来ないでしょ?
『BGMパケ』ってのは僕が今つけた名前なんですけど、要するに、
ショーの展開に合わせてBGMが録音されているパッケージ
の事。
…やっぱりピンと来ないですよね??
え…と、じゃあ、それまでの一般的なしゃべりのスタイルを説明。
スタッフさんが、たくさんのBGMのテープを用意してショーが始まります。
BGMは、
おどろおどろしい『悪役の曲』や、
軽快でカッコイイ『アクション曲』や
『主題歌』、
『エンディング』
などなど。
まぁ少なくて5~6種類ってとこですかね。
スタッフと悪ボスは事前に打ち合わせして曲を流すきっかけ(台詞や動作)を決めておきます。
MCの呼び込みがきっかけで『悪役の曲』を流し、悪役が登場。
悪ボスの
『会場総攻撃だぁ~!』
という台詞をきっかけに、スタッフが
『待て!そんな事はさせないぞ!』
と影マイクを入れ、『悪役の曲』をストップ。
悪ボスが
『むむっ!この声は●●レッド!えぇ~い、姿をあらわせ~!』
とか言ってる間にテープチェンジして『軽快なアクション曲』スタート。
スタッフの影マイク、
『いくぞ!トォッ!』
でレッド登場。
『軽快なアクション曲』に乗ってカッコ良く戦うが、途中で不意を突かれてピンチに。
『くらえレッド!とりゃあ!』
『うわぁっ!』
レッドが倒れたのをきっかけに『アクション曲』を止めて急いでテープチェンジ。
悪ボスが
『ふっふっふ…油断したな…』
とかしゃべってるとまた『悪役の曲』が流れる…
と、こんな感じだったのですよ。
つまり、曲を変える『きっかけ』だけ決めておけば、いくらでも応用が利いたワケです。
例えば何かのトラブルでショーの進行が難しくなり、悪ボスのしゃべりで時間かせぎをしなくちゃいけなかったり、途中でセリフや立ち回りを忘れて尺が長くなってしまったり、アドリブが盛り上がり過ぎて尺が長くなってしまったり…
まぁ色々ありますが、そんな時も『きっかけ』さえ間違えなければ対処出来る、それがしゃべりショーのメリットなのです。
対して、吉田にぃやんの編み出した『BGMパケ』という手法は、
『アクターがBGMに合わせて動く』
というもので、一旦BGMが流れたら30分間それに合わせてショーをするしかありません。
つまり不測の事態に対応する事は不可能で、しゃべりの持つメリットを全て捨てていると言っても過言ではありません。
では何故捨ててしまったのか?
それは当時、テープチェンジを上手くやれない新人スタッフが多かったからなのです。
テープチェンジに集中すると台本を追えなくなり影マイクがメチャクチャになる、
台本をしっかり見ているとテープチェンジでバタバタする、
バタバタしてるから『きっかけ』も間違えるし肝心の『曲』も間違える。
こんな事が多かったのです。
そんなスタッフさんが入ったしゃべりショーはどうなるか…
『会場総攻撃だぁ~っ!』
ステージから客席になだれ込む悪役達!
子供達の悲鳴!
しかし!
シ~ン…
ヒーローが助けに来る気配はありません。
実際に攻撃するワケにはいかないので中途半端に威嚇する悪役達。
さっきまで泣いていた子供達の頭には『?』が浮かんでいる。
悪ボスがスタッフ席をチラッと見ると、新人スタッフはテープチェンジを忘れて真剣にステージに見入っている。
悪ボス、チラチラと目で合図しながら、スタッフが気付くまで時間かせぎ。
『に、人間ども、今から皆殺しにしてやる~!』
スタッフは気付く様子がない。
アホなスタッフだと、隣りに座ってるMCのお姉さんに話しかけるのに夢中だったりします。
もうオマエになんか頼らんわい!!
『ガキども!命が惜しければ大きな声で●●レンジャーを呼ぶのだ!せ~の!』
『●●レンジャ~ッ!』
ここまでやってスタッフがようやく気付きます。
しかし、いかんせん今の今までお姉さんと話してたスタッフ、台詞も見失ってりゃ流すテープも分かっちゃいません。
スタッフ席がバタバタしてるので、さらに悪ボスの時間かせぎ。
『そんな小さな声で●●レンジャーに聞こえるものか!もっと大きな声で!せ~の!』
『●●レンジャ~ッ!!』
『さぁ聞こえたか●●レンジャー!聞こえたならば姿をあらわせ!』
涙ぐましい努力です!
充分すぎる時間かせぎです!
しかし!
スタッフはまだバタバタしてる!
悪ボスはイライラを露にしながら
『憶したか●●レンジャー!助けを求める子供達を見捨てるとは、オマエらの正義とはそんなものか~っ!』
『ま、待て!そんな事はさせないぞ!』
…ようやく…
ようやくヒーローが助けに来ました!
ようやく本来の展開に戻りました!
こんなの…
時間も無駄!
ショーもグダグダ!
なにより、悪ボスの心的疲労たるや恐ろしいものがあります。
こんな事態が多発した為に吉田にぃやんはしゃべりのメリットを捨てて
『BGMパケ』
を編み出したのです。
スタッフがこんなんじゃ、どうせ予定外の展開には対応出来ないですもん。
また長くなっちゃった
続きます!
しゃべりショーで吉田にぃやんが発明した事とは一体何か!?
…えっとですね、
しゃべりと関わりのない方にはピンと来ないと思うんですよ。
それ前提で読んで下さいね。
にぃやんの発明とは、
『BGMパケ』
を作って、それに合わせてしゃべる事!
だったのだ!!
…ほら、
ピンと来ないでしょ?
『BGMパケ』ってのは僕が今つけた名前なんですけど、要するに、
ショーの展開に合わせてBGMが録音されているパッケージ
の事。
…やっぱりピンと来ないですよね??
え…と、じゃあ、それまでの一般的なしゃべりのスタイルを説明。
スタッフさんが、たくさんのBGMのテープを用意してショーが始まります。
BGMは、
おどろおどろしい『悪役の曲』や、
軽快でカッコイイ『アクション曲』や
『主題歌』、
『エンディング』
などなど。
まぁ少なくて5~6種類ってとこですかね。
スタッフと悪ボスは事前に打ち合わせして曲を流すきっかけ(台詞や動作)を決めておきます。
MCの呼び込みがきっかけで『悪役の曲』を流し、悪役が登場。
悪ボスの
『会場総攻撃だぁ~!』
という台詞をきっかけに、スタッフが
『待て!そんな事はさせないぞ!』
と影マイクを入れ、『悪役の曲』をストップ。
悪ボスが
『むむっ!この声は●●レッド!えぇ~い、姿をあらわせ~!』
とか言ってる間にテープチェンジして『軽快なアクション曲』スタート。
スタッフの影マイク、
『いくぞ!トォッ!』
でレッド登場。
『軽快なアクション曲』に乗ってカッコ良く戦うが、途中で不意を突かれてピンチに。
『くらえレッド!とりゃあ!』
『うわぁっ!』
レッドが倒れたのをきっかけに『アクション曲』を止めて急いでテープチェンジ。
悪ボスが
『ふっふっふ…油断したな…』
とかしゃべってるとまた『悪役の曲』が流れる…
と、こんな感じだったのですよ。
つまり、曲を変える『きっかけ』だけ決めておけば、いくらでも応用が利いたワケです。
例えば何かのトラブルでショーの進行が難しくなり、悪ボスのしゃべりで時間かせぎをしなくちゃいけなかったり、途中でセリフや立ち回りを忘れて尺が長くなってしまったり、アドリブが盛り上がり過ぎて尺が長くなってしまったり…
まぁ色々ありますが、そんな時も『きっかけ』さえ間違えなければ対処出来る、それがしゃべりショーのメリットなのです。
対して、吉田にぃやんの編み出した『BGMパケ』という手法は、
『アクターがBGMに合わせて動く』
というもので、一旦BGMが流れたら30分間それに合わせてショーをするしかありません。
つまり不測の事態に対応する事は不可能で、しゃべりの持つメリットを全て捨てていると言っても過言ではありません。
では何故捨ててしまったのか?
それは当時、テープチェンジを上手くやれない新人スタッフが多かったからなのです。
テープチェンジに集中すると台本を追えなくなり影マイクがメチャクチャになる、
台本をしっかり見ているとテープチェンジでバタバタする、
バタバタしてるから『きっかけ』も間違えるし肝心の『曲』も間違える。
こんな事が多かったのです。
そんなスタッフさんが入ったしゃべりショーはどうなるか…
『会場総攻撃だぁ~っ!』
ステージから客席になだれ込む悪役達!
子供達の悲鳴!
しかし!
シ~ン…
ヒーローが助けに来る気配はありません。
実際に攻撃するワケにはいかないので中途半端に威嚇する悪役達。
さっきまで泣いていた子供達の頭には『?』が浮かんでいる。
悪ボスがスタッフ席をチラッと見ると、新人スタッフはテープチェンジを忘れて真剣にステージに見入っている。
悪ボス、チラチラと目で合図しながら、スタッフが気付くまで時間かせぎ。
『に、人間ども、今から皆殺しにしてやる~!』
スタッフは気付く様子がない。
アホなスタッフだと、隣りに座ってるMCのお姉さんに話しかけるのに夢中だったりします。
もうオマエになんか頼らんわい!!
『ガキども!命が惜しければ大きな声で●●レンジャーを呼ぶのだ!せ~の!』
『●●レンジャ~ッ!』
ここまでやってスタッフがようやく気付きます。
しかし、いかんせん今の今までお姉さんと話してたスタッフ、台詞も見失ってりゃ流すテープも分かっちゃいません。
スタッフ席がバタバタしてるので、さらに悪ボスの時間かせぎ。
『そんな小さな声で●●レンジャーに聞こえるものか!もっと大きな声で!せ~の!』
『●●レンジャ~ッ!!』
『さぁ聞こえたか●●レンジャー!聞こえたならば姿をあらわせ!』
涙ぐましい努力です!
充分すぎる時間かせぎです!
しかし!
スタッフはまだバタバタしてる!
悪ボスはイライラを露にしながら
『憶したか●●レンジャー!助けを求める子供達を見捨てるとは、オマエらの正義とはそんなものか~っ!』
『ま、待て!そんな事はさせないぞ!』
…ようやく…
ようやくヒーローが助けに来ました!
ようやく本来の展開に戻りました!
こんなの…
時間も無駄!
ショーもグダグダ!
なにより、悪ボスの心的疲労たるや恐ろしいものがあります。
こんな事態が多発した為に吉田にぃやんはしゃべりのメリットを捨てて
『BGMパケ』
を編み出したのです。
スタッフがこんなんじゃ、どうせ予定外の展開には対応出来ないですもん。
また長くなっちゃった

続きます!
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