2010-02-13(Sat)
アクションへの道(54)
1993年当時、戦隊ショーに力を入れていた事は事実ですが、
それでも、
『メタルヒーローのショーしかない週』
なんてのもあるワケです。
すると、普段冷遇されているメタルヒーローショーのキャスティングがグッと豪華になります。
豪華になるからこそ
『素面(すめん、素顔の事)』
でのショーが出来るワケです。
キャスティングが豪華になるという事は、ベテラン率が高くなる、という事でもあります。
素面でのショーは、セリフこそ口パクですが、実際の俳優さんと同じ事をしなくてはいけません。
段取りに追われていっぱいいっぱいの若手では無理なのです。
普段マスクを被って、視界も悪く呼吸もままならない中で最高のパフォーマンスを見せるベテランが、
視界良好、呼吸し放題でショーをしたらどうなるか・・・??
テンションはいつもの倍以上!!
動き・気迫ともすさまじく、それがダイレクトに客席に伝わります。
・・・まぁ、それで、
『おいおい、そりゃやりすぎちゃうのん』
って事態にもなるワケですが・・・
この時のショーパッケージ、クライマックスで2回ほど短いナレーションが入る部分がありました。
『その時!●●の体内で異変が起こった!!』
てな感じのナレーションです。
僕らはここでいつも、舞台上がストップモーションになる(お約束ですよね)演出をつけていました。
えてしてストップモーションのシーンでは、
『いかに無理な姿勢で止まるか』
がアクターの課題になるワケですが(これもお約束ですよね!?)、素面でテンションが上がってると、やる事もエスカレートしてきます。
真剣なシーンなのにウケ狙いに走ったり・・・
ある日のショーで、僕は悪の幹部でした。
当時21才です。
ボスを演じていたメンバーは1つ年上の元ラガーマン。
最初は、堂々としたボスに従うクールな幹部、という設定で始まったのですが・・・
悪役の長台詞の間にアドリブが加わっていき、設定が崩れてきました。
ヒーローを倒したボスが、勝ち誇りながら急に僕の肩を抱いたのです。
まるで恋人を抱き締めるように。
そこで『ボスに従うクールな幹部』という設定は何故か
『ボスの為なら命を捨てる事も辞さない愛人幹部』
に変更されたのです。
急に内股になり、口元に手をあてて笑う僕・・・
そんな中、例のナレーションのシーンが近づいてきました。
さて、どんなポーズで止まろうか・・・
ふとボスを見ると、ボスは僕に向かって両手を広げています。
『さぁ、飛び込んでおいで』
って事です。
僕はしなりしなりと近づいて、元ラガーマンの胸に抱かれました。
ボスがサングラス越しに僕を見つめています。
僕も見つめ返します。
するとボスは、首をわずかに右側にかたむけました。
『あ、そーゆー事か』
僕も首を右にかたむけ・・・
熱いキスシーンでストップモーションを迎えたのでした・・・
これ、ホントは駄目な事ですよ!!
やったらあかん事ですよ!!
客席の皆さんは一体どう思った事か!!
足元にはヒーローが倒れとるというのに。
我々も偉い方や厳しい方がいらっしゃる現場では出来なかったハズです。
この時はノリのいいスタッフさんだったから強行したのですが・・・
戦隊の現場があまりにもシビアだったのでこっちの方に反動が来てしまった・・・
なんて言い訳を考えてみましたが、単に我々の悪ノリのしすぎですね。
当時の観客の皆様、関係者各位に深くお詫びいたします。
ホント申し訳ありません。
でも、ただふざけてやった部分もあるけど、
『どうやったらショーが盛り上がるか』
を真剣に考えた結果、変な方向に進んでしまった・・・という側面もあるんですよ。
だって、このショーのパッケージも超が付くほど面白くなかったんですもの・・・
『面白くないものを面白くするには、常識という殻を破ってみるしかない』(内野 武・無職)
・・・名言風に締めてみましたけど、ごまかしきれませんね。
スミマセン・・・
それでも、
『メタルヒーローのショーしかない週』
なんてのもあるワケです。
すると、普段冷遇されているメタルヒーローショーのキャスティングがグッと豪華になります。
豪華になるからこそ
『素面(すめん、素顔の事)』
でのショーが出来るワケです。
キャスティングが豪華になるという事は、ベテラン率が高くなる、という事でもあります。
素面でのショーは、セリフこそ口パクですが、実際の俳優さんと同じ事をしなくてはいけません。
段取りに追われていっぱいいっぱいの若手では無理なのです。
普段マスクを被って、視界も悪く呼吸もままならない中で最高のパフォーマンスを見せるベテランが、
視界良好、呼吸し放題でショーをしたらどうなるか・・・??
テンションはいつもの倍以上!!
動き・気迫ともすさまじく、それがダイレクトに客席に伝わります。
・・・まぁ、それで、
『おいおい、そりゃやりすぎちゃうのん』
って事態にもなるワケですが・・・
この時のショーパッケージ、クライマックスで2回ほど短いナレーションが入る部分がありました。
『その時!●●の体内で異変が起こった!!』
てな感じのナレーションです。
僕らはここでいつも、舞台上がストップモーションになる(お約束ですよね)演出をつけていました。
えてしてストップモーションのシーンでは、
『いかに無理な姿勢で止まるか』
がアクターの課題になるワケですが(これもお約束ですよね!?)、素面でテンションが上がってると、やる事もエスカレートしてきます。
真剣なシーンなのにウケ狙いに走ったり・・・
ある日のショーで、僕は悪の幹部でした。
当時21才です。
ボスを演じていたメンバーは1つ年上の元ラガーマン。
最初は、堂々としたボスに従うクールな幹部、という設定で始まったのですが・・・
悪役の長台詞の間にアドリブが加わっていき、設定が崩れてきました。
ヒーローを倒したボスが、勝ち誇りながら急に僕の肩を抱いたのです。
まるで恋人を抱き締めるように。
そこで『ボスに従うクールな幹部』という設定は何故か
『ボスの為なら命を捨てる事も辞さない愛人幹部』
に変更されたのです。
急に内股になり、口元に手をあてて笑う僕・・・
そんな中、例のナレーションのシーンが近づいてきました。
さて、どんなポーズで止まろうか・・・
ふとボスを見ると、ボスは僕に向かって両手を広げています。
『さぁ、飛び込んでおいで』
って事です。
僕はしなりしなりと近づいて、元ラガーマンの胸に抱かれました。
ボスがサングラス越しに僕を見つめています。
僕も見つめ返します。
するとボスは、首をわずかに右側にかたむけました。
『あ、そーゆー事か』
僕も首を右にかたむけ・・・
熱いキスシーンでストップモーションを迎えたのでした・・・
これ、ホントは駄目な事ですよ!!
やったらあかん事ですよ!!
客席の皆さんは一体どう思った事か!!
足元にはヒーローが倒れとるというのに。
我々も偉い方や厳しい方がいらっしゃる現場では出来なかったハズです。
この時はノリのいいスタッフさんだったから強行したのですが・・・
戦隊の現場があまりにもシビアだったのでこっちの方に反動が来てしまった・・・
なんて言い訳を考えてみましたが、単に我々の悪ノリのしすぎですね。
当時の観客の皆様、関係者各位に深くお詫びいたします。
ホント申し訳ありません。
でも、ただふざけてやった部分もあるけど、
『どうやったらショーが盛り上がるか』
を真剣に考えた結果、変な方向に進んでしまった・・・という側面もあるんですよ。
だって、このショーのパッケージも超が付くほど面白くなかったんですもの・・・
『面白くないものを面白くするには、常識という殻を破ってみるしかない』(内野 武・無職)
・・・名言風に締めてみましたけど、ごまかしきれませんね。
スミマセン・・・
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