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2015-10-12(Mon)

作風

子供向けである以上、しっかりした制限があるべきだと思う。

見せるべきでないもの、語るべきでないものは絶対あるはずだ。

とはいえ個人の判断に委ねられる微妙なラインがあるのも事実で…

僕が作るショーは、いわゆる『子供向け』とは呼べないのかもしれない、という自覚はある。

『もっと子供が喜べる、楽しめるものを作りなさい!』
『子供が深刻な顔で見なくちゃいけないようなショーを作るんじゃないよ!』

なんて意見をいただく事もある。

もちろん武装ではそういった路線の『楽しんで観られるショー』も作っている。

しかし…

『楽しめるものだけ作れ』『楽しめないものは作るな』という意見には素直に従えないのが僕なのだ。

『子供は甘いお菓子が好きなんだからお菓子を食べさせなさい!』
『子供が嫌がる歯磨きなんかさせるんじゃない!』

と同列の意見に思えてしまうのだ。

嫌でも必要なものがある。
今は嫌でも将来役に立つ事がある。

それを伝えるのもキャラクターショーの役目だと僕は思っている。

※基本的には親子で楽しめるショーを作りますよ!

もうひとつ。

武装のショーでは、あえてリアルなアクションを取り入れる事がある。

特に『誰かが徹底的に痛めつけられる』という描写でそれは顕著だ。

アクションシーンは暴力シーンでもある。

なおざりな演出では暴力が暴力に見えなくなってしまう。

『子供達に暴力シーンを見せないで!』
『子供達が真似をしたら困る!』

なんて批判をいただく事もある。

もし子供達が暴力シーンを見て嫌な思いをしたなら…
それは正常な反応だと思う。
見て嫌だと思ったのなら他人に暴力を振るいたいとは思わないだろう。

逆に真似をしたがる子供がいたなら…
それはいけない事だとしっかり教育していただきたい。
少なくとも武装のショーでは暴力を肯定する内容は描いていないはずだから。
暴力を振るうのは悪い事、暴力を振るわれた人は嫌な思いをしている事、
それを伝えられるようシナリオを書いて演出している。
そこをしっかり話して子供さんを教育してほしいと思う。

暴力描写は必要なのか?省くべきではないのか?

とおっしゃる方もいる。

そう言われた時、僕は『火垂るの墓』というアニメ映画を思い出す。

火垂るの墓は野坂昭如さんが自身の戦争原体験を題材にした作品である。

『可哀想で最後まで見れない!』という人もたくさんいる。

高畑勲監督の意図としては「反戦アニメなどでは全くない、そのようなメッセージは一切含まれていない」という事だが、この作品を観て

『おぉ~っ!戦争やってみてぇ~!』

なんて思う事はないだろうから結果的には反戦映画に近いのだと思う。

しかし、

もし残酷だから、可哀想だからという理由で戦時下や戦後の描写を曖昧にしてしまったら、
空襲による破壊、混乱の中で助け合う事もままならない人々、報われないまま死んでいく人々などの描写を省いてしまったら、
はたして反戦映画として機能するだろうか?

こんなツラい事は二度と繰り返してはいけない、などと思えるだろうか?

戦争のツラさを伝える為には戦争のツラさを語らなきゃいけないのだと思う。

暴力の醜さを伝えるには暴力の醜さを語らなきゃいけないのだと思う。

だから僕は、暴力描写をやめる事はないと思う。


単純に笑って楽しめるキャラクタショー、スカっと爽快なアクションショーを作るのも得意ですから、クライアントの皆様、どのような内容が良いか気軽にご相談下さいね♪
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プロフィール

武装代表・内野

Author:武装代表・内野
福岡・久留米を中心に、九州全域で活動している『アトラクションチーム武装』の代表です。

1972年生まれ。
1990年にキャラクターショーの世界に入り現在に至る。

2007年に武装を設立。

武装の活動内容は殺陣教室、殺陣指導、オリジナルキャラクターショー等。

現在は関西コレクションエンターテイメント福岡校さんでのアクションレッスン講師もやらせてもらってます。

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