2010-01-22(Fri)
アクションへの道(42)
~前回のお話し~
戦隊のショーで佐世保(長崎県)を訪れた若き日の代表。
午前中はメイン会場にてショー。
午後は商店街に移動してショー。
1992年、夏。
人々は溶けかかったアスファルトに己が足跡を刻印しつつ歩いていた。
…ひどく、暑い!!
さて、本題に入る前に、前回紹介した
『ジャ●ボ船長』
という着ぐるみについて改めて説明しよう。
ジャン●船長(通称ジャン船)は全長3メートルほどの巨大な着ぐるみで、動きづらいのはもちろんの事、アクターはかなりの荷重を肩と頭で支えなくちゃいけないという過酷なキャラクターだ。
当時はメンバーきってのタフガイ『Kぴょん』が入る事が多かった。
時間になり、僕ら戦隊チームのショーが始まった。
屋外に設営されたステージはかなりの暑さで、その上でのアクションは肉体と精神にかなりの負担を強いていました。
しかし今より17も若かった僕は、それすらもやる気に変えて暴れ回っていたのでした。
…と、ショーが始まってすぐ、我々戦隊メンバーは、客席の向こうに巨大な影を発見しました。
なんだ?あれは…
あれは…
●ャンボ船長(Kぴょん)だっ!
炎天下の中、あれを担いで広い会場を歩き回るなんて…
その大変さたるや、一般人には想像もつきますまい…
戦隊でバテそうになってた俺を許して!Kぴょん!
巨大な船長は客席の後ろからショーを観て、拍手をしたり驚いたりといった演技で会場を盛り上げてくれていました。
「Kぴょんの苦労に報いなくては…!」
僕らはエネルギー再チャージで午前のショーをやり遂げたのでした。
それからサイン会や撮影会を終え、着替えてから車に乗り込み、次のステージがある商店街へ。
会場を出る時、我々を乗せた車は、同じ方向に歩いている巨大な影を追い越しました。
なんだ?あれは…
あれは…
ジャンボ●長(Kぴょん)だっ!
えっ!?
えぇ~っ!?
船長は我々のショーと同じ時間に登場してたハズ…
それから1時間が経っている…
それなのにまだ出てるの!?
おまけにどこかに歩いていくの!!?
もしもそんな事態が我が身に降りかかったとしたら…
ぶるぶるぶる…
そんな恐ろしい想像したくありましぇ~ん!
やがて我々は商店街に到着。
午後のステージはアーケード内にあるので陽が当たりません。
先ほどのステージと比べたら天国と地獄…
ショーまで少し時間があったので控え室で休憩する事が出来ました。
控え室はステージ裏の店舗の2階。
事務所というか倉庫というか、クーラーが効いている中、イスに座ってのんびり出来る場所でした。
汗も引き体力も回復し、心の余裕も出来てムダ話なんかしていると、突然室内に巨大な影が…
なんだ!?これは…
これは…
ジャンボ船…(以下略)
巨大なセーラーマンをすっぽり脱ぐと、尋常でないほど汗をかいたKぴょんの姿が。
僕『お、お疲れ~』
K「お疲れ~」
僕『ま、まさかあれから…』
K「まいったよ!あんたらのショーと同じ時間に出て、ここまでグリーティングしながら来たよ!」
僕『えぇっ!?やっぱり!?あれから2時間ぐらい入りっぱなしやったと!?』
K「そうよ!!これ、普通の奴なら途中で倒れとるよ!」
僕『ま、マジお疲れ様やったね…ま、とりあえずゆっくり休んで…』
K「それがそうもいかんとよ。今から同じルートをグリーティングして戻らないかんけん…」
僕『………』
そんな話をしていると、船長に付いているスタッフがやって来て、
『船長そろそろ戻るぞ』
と言いました。
僕らはKぴょんにかける言葉が見つかりません。
こんなに過酷な状況は滅多にないからです。
K「じゃ行ってくる。みんなもショー頑張って。」
そう言ったKぴょんは3メートルのでセーラーマンと化し、我々の元を去っていったのでした…
スーツアクターとは超ハードな肉体労働・・・
好きなだけ
巧いだけで
やれるものではないのだなぁ・・・
戦隊のショーで佐世保(長崎県)を訪れた若き日の代表。
午前中はメイン会場にてショー。
午後は商店街に移動してショー。
1992年、夏。
人々は溶けかかったアスファルトに己が足跡を刻印しつつ歩いていた。
…ひどく、暑い!!
さて、本題に入る前に、前回紹介した
『ジャ●ボ船長』
という着ぐるみについて改めて説明しよう。
ジャン●船長(通称ジャン船)は全長3メートルほどの巨大な着ぐるみで、動きづらいのはもちろんの事、アクターはかなりの荷重を肩と頭で支えなくちゃいけないという過酷なキャラクターだ。
当時はメンバーきってのタフガイ『Kぴょん』が入る事が多かった。
時間になり、僕ら戦隊チームのショーが始まった。
屋外に設営されたステージはかなりの暑さで、その上でのアクションは肉体と精神にかなりの負担を強いていました。
しかし今より17も若かった僕は、それすらもやる気に変えて暴れ回っていたのでした。
…と、ショーが始まってすぐ、我々戦隊メンバーは、客席の向こうに巨大な影を発見しました。
なんだ?あれは…
あれは…
●ャンボ船長(Kぴょん)だっ!
炎天下の中、あれを担いで広い会場を歩き回るなんて…
その大変さたるや、一般人には想像もつきますまい…
戦隊でバテそうになってた俺を許して!Kぴょん!
巨大な船長は客席の後ろからショーを観て、拍手をしたり驚いたりといった演技で会場を盛り上げてくれていました。
「Kぴょんの苦労に報いなくては…!」
僕らはエネルギー再チャージで午前のショーをやり遂げたのでした。
それからサイン会や撮影会を終え、着替えてから車に乗り込み、次のステージがある商店街へ。
会場を出る時、我々を乗せた車は、同じ方向に歩いている巨大な影を追い越しました。
なんだ?あれは…
あれは…
ジャンボ●長(Kぴょん)だっ!
えっ!?
えぇ~っ!?
船長は我々のショーと同じ時間に登場してたハズ…
それから1時間が経っている…
それなのにまだ出てるの!?
おまけにどこかに歩いていくの!!?
もしもそんな事態が我が身に降りかかったとしたら…
ぶるぶるぶる…
そんな恐ろしい想像したくありましぇ~ん!
やがて我々は商店街に到着。
午後のステージはアーケード内にあるので陽が当たりません。
先ほどのステージと比べたら天国と地獄…
ショーまで少し時間があったので控え室で休憩する事が出来ました。
控え室はステージ裏の店舗の2階。
事務所というか倉庫というか、クーラーが効いている中、イスに座ってのんびり出来る場所でした。
汗も引き体力も回復し、心の余裕も出来てムダ話なんかしていると、突然室内に巨大な影が…
なんだ!?これは…
これは…
ジャンボ船…(以下略)
巨大なセーラーマンをすっぽり脱ぐと、尋常でないほど汗をかいたKぴょんの姿が。
僕『お、お疲れ~』
K「お疲れ~」
僕『ま、まさかあれから…』
K「まいったよ!あんたらのショーと同じ時間に出て、ここまでグリーティングしながら来たよ!」
僕『えぇっ!?やっぱり!?あれから2時間ぐらい入りっぱなしやったと!?』
K「そうよ!!これ、普通の奴なら途中で倒れとるよ!」
僕『ま、マジお疲れ様やったね…ま、とりあえずゆっくり休んで…』
K「それがそうもいかんとよ。今から同じルートをグリーティングして戻らないかんけん…」
僕『………』
そんな話をしていると、船長に付いているスタッフがやって来て、
『船長そろそろ戻るぞ』
と言いました。
僕らはKぴょんにかける言葉が見つかりません。
こんなに過酷な状況は滅多にないからです。
K「じゃ行ってくる。みんなもショー頑張って。」
そう言ったKぴょんは3メートルのでセーラーマンと化し、我々の元を去っていったのでした…
スーツアクターとは超ハードな肉体労働・・・
好きなだけ
巧いだけで
やれるものではないのだなぁ・・・
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