2010-01-08(Fri)
アクションへの道(36)
1992年は僕らの世代にとって新たなチャンスの年でした。
それまで先輩達の下についてショーをしていた我々が、ほぼ同期だけで班を組み現場に出るようになったのです。
もちろん毎回ではありませんが・・・
先輩についてショーをしている時は、何でも先輩にお任せしていればいいので安心出来ます。
しかし同期ばかりだと・・・
安心出来ないかわりに好きな事が出来るのです!
先輩方の演出方法も人によって個性があります。
その演出に対して
「あ~、ここは違う演出にしたいな~」
と思ってても僕らはまだまだひよっこ、そんな事は言えません。
もしかしたら言ったら採用してもらえたかもしれないんですけど、やっぱり先輩って怖いから言えなかったんですよね~。
ってなワケで、この年の収穫は、
「好きな事が出来るようになった事」
ではなくて、
「のびのび出来るようになった事!」
だったと思います。
大先輩がリーダーの班だと、
「ここでこうしろよ!」
「ハイ!」
なんですけど、リーダーが同期だと、
「ここでこうしようか」
「あのさぁ、こーゆーのってどう?」
って言えるんですよね。
まぁ、ショーのノウハウも持たないひよっこどもが調子に乗って好き勝手やると大変な事になるんですけどね。
そんな事は当時の僕らには分かりゃしません。
当時の同年代・同世代のメンバーは、本当に個性豊かな連中が多かったので、各々が好きなようにやると、良く言えばバラエティー豊かな、悪く言えば混沌とした?そんなショーになっていました。
でも、ほとばしる情熱のようなものは客席まで届いていたんじゃないかなぁ。
それぞれがライバル意識を持ってたし、みんなヒマさえあれば練習していました。
先輩達をも越えたくて、いつも新しい事を考えていました。
「こんな技を考えてみたんだけど」
「これをこう変えてみたらどう?」
なんて、けっこう熱心にやってたのです。
今の僕からは想像つかないでしょ?(笑)
さて、意外に熱心だった当時の僕に、先輩からつけられたあだ名(?)があります。
『エセ立ちの内野』
というものです。
まぁ実際にはこう呼ばれたワケではなくて、
「内野!オマエがやってるのは立ち回りじゃない!エセ立ちだ!」
と言われただけなんですが。
そう、エセ立ちってのは『エセ立ち回り』って事です。
インチキアクションって感じでしょうか。
僕は当時から、「アクションはお芝居だ」って思っていました。
そこで冷静にショーを観てみると・・・
ショー経験者じゃなくてもアクションショーを見慣れてる方なら分かると思います。
アクションショーって、お芝居シーンとアクションシーンがくっきり分かれてる時ありますよね?
レッド「待てぃ!トォーッ!」
怪人「あらわれたなレッド!返り討ちにしてくれる!」
レッド「オマエの好きにはさせん!いくぞ!!」
ここまでがお芝居。
ここから40秒ぐらいはアクション。
殴ったり蹴ったり跳んだり斬ったり。
そしてそれが終わるとまた、
怪人「ハァッ、ハァッ、なかなかやるな」
レッド「怪人!この地球を狙うのはあきらめろ!」
と、お芝居が始まる、みたいな。
僕はそれがくっきり分かれてるのが気になったんです。
なので、
「その40秒の中でもお芝居をしてやろう」
と思ったのでした。
なんたって、一緒にショーをしている同期の連中ったら、殴ったり蹴ったり跳んだり斬ったりが本当に上手い奴ばっかりだったんですもの!
「カッコイイ担当はみんなに任せて俺は別の路線を・・・」
と思うじゃないですか(・・・と、当然のように言ってみる)。
なので僕は40秒の中で、
前半20秒は普通のアクション。
そこで痛めつけられた戦闘員が土下座して許しを乞う。
僕は追い討ちをかけようとするが、すがりついて許しを乞う戦闘員に困ってしまって、情にほだされる。
結局許してやって立ち去ろうと背中を向けると戦闘員が不意打ちで攻撃してくる。
攻撃をくらって頭にきた僕は振り返って拳を振り上げる。
戦闘員がもう一度土下座して謝る。
今度は許さずに胸ぐらをつかんで引き起こし、渾身のパンチ!!
こーゆー事をやっていたワケです。
アクションの練習で教えてもらった事はな~んもやってません。ほとんど芝居です。
当時は、アクションは技の応酬をするのが当たり前みたいな感じでした。
だから先輩は僕に
「オマエがやってるのは立ち回りじゃない!!」
と言ったのでしょう。
「立ち回りってのはなぁ!敵のキックをよけて殴り返して、もう1人のパンチを止めてキックをくらわす、そーゆーのを言うんだよ!」
「子供はヒーローがカッコ良く戦ってる所を観にくるんだよ!戦闘員に土下座されて困ってるヒーローを観に来るんじゃない!!」
との事。
これは間違いなく1つの真理なんですけど、僕は当時から(現在も)権威に反発してしまう子供なもんで、この時も、
「子供はカッコ良く戦うヒーローを観に来る、って・・・アンケートでもして聞いたんスか?」
なんて思ったりしてました。
もしもヒーロー役が僕1人だけで、なおかつクライマックスのアクションシーンなら僕もこんな事やらないですよ?
でも複数いるヒーローの1人がストーリーの流れや性格に応じてこーゆー立ち回りをしたっていいじゃないですか。
前も書きましたが、複数いるキャラクターは、バリエーションを増やす為に生み出されたんです。
もしこの先輩の言う通り、
レッド、敵のキックをよけて殴り返して、もう1人のパンチを止めてキックをくらわす。
ブルー、敵のキックをよけて殴り返して、もう1人のパンチを止めてキックをくらわす。
イエロー、敵のキックをよけて殴り返して、もう1人のパンチを止めてキックをくらわす。
ブラック、敵のキックをよけて殴り返して、もう1人のパンチを止めてキックをくらわす。
ピンク、敵のキックをよけて殴り返して、もう1人のパンチを止めてキックをくらわす。
ってやって、
「よしよし、これがアクションだ!」
なんて言ってたらショーはどうなるんでしょう??
少なくとも僕は面白いと思えないのですが・・・
僕がやってるのがエセ立ちならエセ立ちでもいいんです。
否定もしなければ腹も立ちません。
むしろ、エセ立ちという新ジャンルを確立出来た自分を褒めてあげたい♪
武装の立ち回りも、胸を張ってエセ立ち感覚で作ってます!
エセ立ち最高!!
・・・いや、最高ってのは嘘だな・・・いくらなんでも・・・
それまで先輩達の下についてショーをしていた我々が、ほぼ同期だけで班を組み現場に出るようになったのです。
もちろん毎回ではありませんが・・・
先輩についてショーをしている時は、何でも先輩にお任せしていればいいので安心出来ます。
しかし同期ばかりだと・・・
安心出来ないかわりに好きな事が出来るのです!
先輩方の演出方法も人によって個性があります。
その演出に対して
「あ~、ここは違う演出にしたいな~」
と思ってても僕らはまだまだひよっこ、そんな事は言えません。
もしかしたら言ったら採用してもらえたかもしれないんですけど、やっぱり先輩って怖いから言えなかったんですよね~。
ってなワケで、この年の収穫は、
「好きな事が出来るようになった事」
ではなくて、
「のびのび出来るようになった事!」
だったと思います。
大先輩がリーダーの班だと、
「ここでこうしろよ!」
「ハイ!」
なんですけど、リーダーが同期だと、
「ここでこうしようか」
「あのさぁ、こーゆーのってどう?」
って言えるんですよね。
まぁ、ショーのノウハウも持たないひよっこどもが調子に乗って好き勝手やると大変な事になるんですけどね。
そんな事は当時の僕らには分かりゃしません。
当時の同年代・同世代のメンバーは、本当に個性豊かな連中が多かったので、各々が好きなようにやると、良く言えばバラエティー豊かな、悪く言えば混沌とした?そんなショーになっていました。
でも、ほとばしる情熱のようなものは客席まで届いていたんじゃないかなぁ。
それぞれがライバル意識を持ってたし、みんなヒマさえあれば練習していました。
先輩達をも越えたくて、いつも新しい事を考えていました。
「こんな技を考えてみたんだけど」
「これをこう変えてみたらどう?」
なんて、けっこう熱心にやってたのです。
今の僕からは想像つかないでしょ?(笑)
さて、意外に熱心だった当時の僕に、先輩からつけられたあだ名(?)があります。
『エセ立ちの内野』
というものです。
まぁ実際にはこう呼ばれたワケではなくて、
「内野!オマエがやってるのは立ち回りじゃない!エセ立ちだ!」
と言われただけなんですが。
そう、エセ立ちってのは『エセ立ち回り』って事です。
インチキアクションって感じでしょうか。
僕は当時から、「アクションはお芝居だ」って思っていました。
そこで冷静にショーを観てみると・・・
ショー経験者じゃなくてもアクションショーを見慣れてる方なら分かると思います。
アクションショーって、お芝居シーンとアクションシーンがくっきり分かれてる時ありますよね?
レッド「待てぃ!トォーッ!」
怪人「あらわれたなレッド!返り討ちにしてくれる!」
レッド「オマエの好きにはさせん!いくぞ!!」
ここまでがお芝居。
ここから40秒ぐらいはアクション。
殴ったり蹴ったり跳んだり斬ったり。
そしてそれが終わるとまた、
怪人「ハァッ、ハァッ、なかなかやるな」
レッド「怪人!この地球を狙うのはあきらめろ!」
と、お芝居が始まる、みたいな。
僕はそれがくっきり分かれてるのが気になったんです。
なので、
「その40秒の中でもお芝居をしてやろう」
と思ったのでした。
なんたって、一緒にショーをしている同期の連中ったら、殴ったり蹴ったり跳んだり斬ったりが本当に上手い奴ばっかりだったんですもの!
「カッコイイ担当はみんなに任せて俺は別の路線を・・・」
と思うじゃないですか(・・・と、当然のように言ってみる)。
なので僕は40秒の中で、
前半20秒は普通のアクション。
そこで痛めつけられた戦闘員が土下座して許しを乞う。
僕は追い討ちをかけようとするが、すがりついて許しを乞う戦闘員に困ってしまって、情にほだされる。
結局許してやって立ち去ろうと背中を向けると戦闘員が不意打ちで攻撃してくる。
攻撃をくらって頭にきた僕は振り返って拳を振り上げる。
戦闘員がもう一度土下座して謝る。
今度は許さずに胸ぐらをつかんで引き起こし、渾身のパンチ!!
こーゆー事をやっていたワケです。
アクションの練習で教えてもらった事はな~んもやってません。ほとんど芝居です。
当時は、アクションは技の応酬をするのが当たり前みたいな感じでした。
だから先輩は僕に
「オマエがやってるのは立ち回りじゃない!!」
と言ったのでしょう。
「立ち回りってのはなぁ!敵のキックをよけて殴り返して、もう1人のパンチを止めてキックをくらわす、そーゆーのを言うんだよ!」
「子供はヒーローがカッコ良く戦ってる所を観にくるんだよ!戦闘員に土下座されて困ってるヒーローを観に来るんじゃない!!」
との事。
これは間違いなく1つの真理なんですけど、僕は当時から(現在も)権威に反発してしまう子供なもんで、この時も、
「子供はカッコ良く戦うヒーローを観に来る、って・・・アンケートでもして聞いたんスか?」
なんて思ったりしてました。
もしもヒーロー役が僕1人だけで、なおかつクライマックスのアクションシーンなら僕もこんな事やらないですよ?
でも複数いるヒーローの1人がストーリーの流れや性格に応じてこーゆー立ち回りをしたっていいじゃないですか。
前も書きましたが、複数いるキャラクターは、バリエーションを増やす為に生み出されたんです。
もしこの先輩の言う通り、
レッド、敵のキックをよけて殴り返して、もう1人のパンチを止めてキックをくらわす。
ブルー、敵のキックをよけて殴り返して、もう1人のパンチを止めてキックをくらわす。
イエロー、敵のキックをよけて殴り返して、もう1人のパンチを止めてキックをくらわす。
ブラック、敵のキックをよけて殴り返して、もう1人のパンチを止めてキックをくらわす。
ピンク、敵のキックをよけて殴り返して、もう1人のパンチを止めてキックをくらわす。
ってやって、
「よしよし、これがアクションだ!」
なんて言ってたらショーはどうなるんでしょう??
少なくとも僕は面白いと思えないのですが・・・
僕がやってるのがエセ立ちならエセ立ちでもいいんです。
否定もしなければ腹も立ちません。
むしろ、エセ立ちという新ジャンルを確立出来た自分を褒めてあげたい♪
武装の立ち回りも、胸を張ってエセ立ち感覚で作ってます!
エセ立ち最高!!
・・・いや、最高ってのは嘘だな・・・いくらなんでも・・・
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