2010-01-06(Wed)
アクションへの道(34)
1992年、2月。
間もなく新しい戦隊番組が始まります。
僕は今回こそショーのシナリオを書かせてもらおうと思い、社員さんにお願いしていました。
すると、「使うかどうかはともかく、一応書いてみて」との事だったので、喜んで書きました。
もう昨年のようなミスは許されません。
マニア向けにならないように、オーソドックスなストーリーを考えました。
(番組が始まっていないこの時点ではマニアックな物は作れないのですが)
それまで先輩方から度々聞かされていた
「数年前のパケでレッド対ブラックのシーンがあったけど、あれは燃えたなぁ」
というのを参考にして、後は学生時代に観てきたショーのストーリーをつなぎ合わせてみました。
完成したのは定番中の定番、
「作戦だったのさ!」パケ
(と僕は呼んでいます)
これは、ショーのクライマックス、それまでピンチに陥っていたヒーロー達が何故か逆転。
怪人の
「むむ!?これはどういう事だ!?」
というクエスチョンに
「オマエ達にやられたフリをしてピンクを助け出す作戦だったのさ!」
とか、
「仲間割れをしたフリをしてオマエ(怪人)に近付く作戦だったのさ!」
などと高らかに言う黄金パターンです。
まぁ、これと言って面白味のないストーリーではありましたが、これだけ定番なら問題ないでしょう。
僕にとってはむしろ「面白味を加える」事よりも「つまらない要素をはずす」事が大事でした。
昨年僕は、自分達がやっているショーに新人ながらに不満を持っていました。
ストーリーや構成、台詞などが、観客の視点を無視して作られてるように思えたのです。
僕は自分が観客だった時の事を思い出しながら書き上げて社員さんに台本を渡しました。
そしてそれは採用してもらえる事になりました。
かなり嬉しかったですねぇ。
これまで、台本→録音→編集というパケ製作は全て社員の手によって進められていて、我々バイトが口を出せる領域ではなかったのですが、ようやく台本製作の過程に食い込む事が出来たのです!
しかし、それから数週間後、完成したパケを聴いたら・・・
僕がつまらないと思って切り捨てた古臭い部分は、ほとんど社員の手で付け加えられていました・・・
伝統という牙城を崩すのは難しい・・・
そういった裏方作業に関わりながらも、僕は練習には欠かさず参加していました。
当時の練習は週に3回。
火曜日は空手、水・木曜日がアクションです。
空手の日は、基本をメインに、実際の攻撃をどう受けてどう捌くか、そしてどう反撃するかを練習しました。
アクション練習では基本やリアクション、立ち回り等の練習を行なっていました。
武装でやっている練習もベースとなっているのはこの時のメニューです。
ただしこの頃は剣やその他の武器を使った練習は一切やっていませんでした。
(逆に当時やっていた前転後転や受け身、側転は、練習場の床が硬い武装練習ではやっていません)
何度も言いますが、僕はアクションのみならず身体を動かす事において人並み以下の男です。
それゆえに、センスと能力に優れた同期と対等に渡り合うには彼らが持っていないスキルで勝負しなくてはいけません。
そこで芝居やしゃべり、台本と力を入れてきましたが、ある日、
「ウチは剣の練習をしていないんだから、独学で剣を覚えたら同期に差をつける事が出来るぞ」
と気付き、剣の練習をする事にしたのです。
~つづく~
間もなく新しい戦隊番組が始まります。
僕は今回こそショーのシナリオを書かせてもらおうと思い、社員さんにお願いしていました。
すると、「使うかどうかはともかく、一応書いてみて」との事だったので、喜んで書きました。
もう昨年のようなミスは許されません。
マニア向けにならないように、オーソドックスなストーリーを考えました。
(番組が始まっていないこの時点ではマニアックな物は作れないのですが)
それまで先輩方から度々聞かされていた
「数年前のパケでレッド対ブラックのシーンがあったけど、あれは燃えたなぁ」
というのを参考にして、後は学生時代に観てきたショーのストーリーをつなぎ合わせてみました。
完成したのは定番中の定番、
「作戦だったのさ!」パケ
(と僕は呼んでいます)
これは、ショーのクライマックス、それまでピンチに陥っていたヒーロー達が何故か逆転。
怪人の
「むむ!?これはどういう事だ!?」
というクエスチョンに
「オマエ達にやられたフリをしてピンクを助け出す作戦だったのさ!」
とか、
「仲間割れをしたフリをしてオマエ(怪人)に近付く作戦だったのさ!」
などと高らかに言う黄金パターンです。
まぁ、これと言って面白味のないストーリーではありましたが、これだけ定番なら問題ないでしょう。
僕にとってはむしろ「面白味を加える」事よりも「つまらない要素をはずす」事が大事でした。
昨年僕は、自分達がやっているショーに新人ながらに不満を持っていました。
ストーリーや構成、台詞などが、観客の視点を無視して作られてるように思えたのです。
僕は自分が観客だった時の事を思い出しながら書き上げて社員さんに台本を渡しました。
そしてそれは採用してもらえる事になりました。
かなり嬉しかったですねぇ。
これまで、台本→録音→編集というパケ製作は全て社員の手によって進められていて、我々バイトが口を出せる領域ではなかったのですが、ようやく台本製作の過程に食い込む事が出来たのです!
しかし、それから数週間後、完成したパケを聴いたら・・・
僕がつまらないと思って切り捨てた古臭い部分は、ほとんど社員の手で付け加えられていました・・・
伝統という牙城を崩すのは難しい・・・
そういった裏方作業に関わりながらも、僕は練習には欠かさず参加していました。
当時の練習は週に3回。
火曜日は空手、水・木曜日がアクションです。
空手の日は、基本をメインに、実際の攻撃をどう受けてどう捌くか、そしてどう反撃するかを練習しました。
アクション練習では基本やリアクション、立ち回り等の練習を行なっていました。
武装でやっている練習もベースとなっているのはこの時のメニューです。
ただしこの頃は剣やその他の武器を使った練習は一切やっていませんでした。
(逆に当時やっていた前転後転や受け身、側転は、練習場の床が硬い武装練習ではやっていません)
何度も言いますが、僕はアクションのみならず身体を動かす事において人並み以下の男です。
それゆえに、センスと能力に優れた同期と対等に渡り合うには彼らが持っていないスキルで勝負しなくてはいけません。
そこで芝居やしゃべり、台本と力を入れてきましたが、ある日、
「ウチは剣の練習をしていないんだから、独学で剣を覚えたら同期に差をつける事が出来るぞ」
と気付き、剣の練習をする事にしたのです。
~つづく~
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