2014-06-23(Mon)

小説・さやか見参!(239)

封は、幾重にも防御を重ねたカイテツをどう攻略すべきか高速で頭脳を働かせていた。

『よくもまぁ着込んだものね。重くないの』

『重いものか!俺は力持ちだからなァ!』

カイテツは楽しげに叫んだ。

実際その言葉を裏付けるように、カイテツの攻撃は早かった。

いや、速かった。

皮の鎧、鎖帷子、鉄製の甲冑の重さを意にも介さず、俵ほどの、樽ほどの大きさの鉄の塊をぶんぶんと振り回してくる。

体捌きも異常に素早い。

俊敏さには自信のある封が遅れを取るほどに。

『あんた、鎧を脱いだらどんな動きをすんのよ』

攻撃をかわしながら思わず問いかける。

問わずにいられないほどの衝撃だったのだろう。

『俺は速いぞ!驚くぐらいなァ!』

大した答えは返ってこなかった。

(怪力馬鹿忍者)

封が心の中で悪態をついた時、突然鉄槌の攻撃が軌道を変えて襲い掛かってきた。

あっと思う間もなく、封は後ろに跳ぶしかなかった。

だがカイテツは滑るように足を進めて来る。

距離が開かない。

身体をひねってどうにか直撃は免れたが、鉄槌がわずかに右腕にかすった。

『くぅっ!!』

ほんの少しかすっただけだというのに恐ろしい右腕に衝撃が走った。

痛みを通り越して一瞬で感覚がなくなるほどの衝撃に、封は思わずうめきを漏らす。

その隙をついて、カイテツの執拗な追撃が始まった。

あらゆる角度から襲ってくる鉄の塊を必死によけながら封は左手で右腕を確認した。

幸い骨はやられていないようだがしばらくは使い物になるまい。

感覚を失った右手は、握っていたはずの镖もいつの間にか落としている。

封は逃げ出したい気持ちに駆られた。

こんなに弱気になったのは幻龍イバラキや邪衆院天空と対戦した時以来だ。

しかし敵の方が素早い以上逃げる事はかなうまい。

覚悟を決めて立ち向かい、防具を一枚ずつ剥ぎ、武器を封じて倒すしかない。
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プロフィール

武装代表・内野

Author:武装代表・内野
福岡・久留米を中心に、九州全域で活動している『アトラクションチーム武装』の代表です。

1972年生まれ。
1990年にキャラクターショーの世界に入り現在に至る。

2007年に武装を設立。

武装の活動内容は殺陣教室、殺陣指導、オリジナルキャラクターショー等。

くのいち・山吹さやかが活躍する『忍者ライブショー さやか見参!』、新シリーズ『ギルティー!!』も展開中!!

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