2014-06-22(Sun)

小説・さやか見参!(238)

『昼間っからあんたらの気配で具合い悪くなりそうだったわよ』

封はカイテツと向かい合った。

遠巻きに下忍達が囲んでいるのが分かる。

『わざと気配を消さなかったんだァ!裏切り者のオマエに恐怖を味わわせる為になァ!』

『そ。何にしても夜まで待ってくれてたのね。ありがと。あんた達と殺り合ったりしてるのを見られたら船に乗せてもらえなくなっちゃうからね』

封は身体をぴくりとも動かさないまま戦闘に備えた。

気の移動や重心の移動は身体の裡だけでも充分に行なえる。

これは封に限った話ではなく、武術を身につけた者なら誰でも出来る事である。

カイテツはそれを察したのか一歩前へ出た。

『どのみちオマエはこの国を出られねェよォ』

『どうかしらね』

カイテツの鉄槌が横薙ぎに払われるのと、封が地面に転がったのはほぼ同時だった。

敵の攻撃が巻き起こした風圧を頭上に感じながら封は撒き菱を投げつけた。

鉄製の菱は地面に撒かずともそれなりの殺傷能力がある。

だがそれらはカイテツの身体にぶつかると全て跳ね返さればらばらと地面に落ちた。

鉄槌が振り下ろされる。

封は跳ね起きながらカイテツの懐に飛び込んだ。

鋭い镖で手首や胸元を素早く数回切りつけると、掴んでくる腕をすり抜けて距離を取った。

カイテツは何事も無かったようににやりと笑い、巨大な武器を構えた。

巨躯の戦士は総じて愚鈍だと封は思っているのだが、目の前の相手は一角衆内部でも恐れられる粛清隊の一員である。

用心せねばなるまい。

一瞬触れるだけで敵の気血を封じ死に至らしめるのが封の技だが、敵が敵だけに確実に一撃で仕留めたい。

なのでまずは防具を探る事にしたのだ。

作戦通り、切り裂かれた着物の隙間から装備をうかがい知る事が出来た。

だがそれを見て封は小さく舌打ちをする事になってしまった。

カイテツは皮の胴衣の上に鎖帷子を着込み、更にその上から甲冑や籠手、具足などを着けていたのだ。

これでは素手による攻撃も武器を使った攻撃も通用するまい。
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プロフィール

武装代表・内野

Author:武装代表・内野
福岡・久留米を中心に、九州全域で活動している『アトラクションチーム武装』の代表です。

1972年生まれ。
1990年にキャラクターショーの世界に入り現在に至る。

2007年に武装を設立。

武装の活動内容は殺陣教室、殺陣指導、オリジナルキャラクターショー等。

2017年11月26日は10周年記念『ギルティー!!』を公演します!
福岡市南区大橋にて19:30開演!

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