2009-12-14(Mon)
アクションへの道(21)
合同練習にて、あまりの緊張に心折れそうになりながらも、台本に自分(イエロー)のセリフが2言もある事に何とか踏みとどまった僕であった・・・
翌週、いよいよ本格的なリハがスタートした。
舞台をやってらっしゃる方は驚くかもしれないが、僕がいたチームは(他の所は知りません)演出家とか舞台監督に当たる立場の人はいませんでした。
もちろん最終決定権を持ってるリーダー的な人はいるんですが、全体を見るワケではありません。
レッドがメインのシーンではレッド役におまかせ、
ピンクがメインのシーンではピンク役におまかせ、
怪人がメインなら怪人におまかせ、
といった感じでした(だからこそゴールデンウィークに新人戦闘員が勝手な演出をやれたのですが)。
これは自由にのびのび出来ます!
自分がやりたい事をやれるので、色んなアイデアを盛り込む事が出来て、バリエーションが増えます。
しかし!
欠点をあげるならば、ショー全体の整合性がなくなってしまう事があります。
例えば、戦隊のショーで、主役5人にそれぞれアクションシーンが用意されていたとしましょう。
もし、5人がみんな、ガンガン動いて蹴り技を使いたがるタイプだったらどうなるか?
時代劇のような剣殺陣が好きな5人が集まっていたらどうなるか?
最初から最後まで同じようなアクションシーンが続く事になります。
演ってる本人達は気持ちいいのでしょうが、子供から観たら、ヒーローの色が変わるだけでやってる事はみんな同じです。
それでは飽きてしまいます。
また、こういった例も考えられます。
前半、ピンクが素手で悪役を追い詰めていたのに、後半レッドが剣を持ってるのに負けてしまう・・・
「レッド弱っ!!」
みたいな。
だからこそ全体を見る演出は必要です。
「このシーンは戦ってる感じを出したいから蹴り技メインでいこう」
とか、
「ここでは画的な綺麗さが欲しいから時代劇みたいに演って」
とか、
「ピンクは武器があったから対等に戦えたけど、レッドは素手だったからピンチになった事にしよう」
とか、ショーの中のメリハリを付けるのが演出です(アクションシーンに限らず)。
素手のアクションでピンチに陥っていたヒーロー5人が、最後の最後で揃って剣を持ったら『反撃開始!』って雰囲気になりません?
そーゆー事を考えるのが演出です。
この合同リハで、僕は初めてそれを目の当たりにしたのでした。
ヒーロー達の個性を出しながら、魅せる所は魅せ、危機感が必要ならそれを出し、盛り上げるべき所には華やかさを加える・・・
すごい!
アクションってこうやって作られるのか!!
僕の感動は並々ならぬものがありました。
・・・しかし、何故ウチのチームはこれをやらないんだろう??
しばらく経ってウチのメンバーに、
「なんでウチには演出家がいないのかな?」
と聞いたところ、
「そんなんがいたら自分の好きな事が出来んやん!」
と言われました。
どうやら僕がいたチームは、個人個人が自由に動いて切磋琢磨していくスタイルだったようです。
これは一長一短で、ズバ抜けた個性を持った個人が生まれる可能性を秘めながら、総合力にムラが出る危険性があるスタイルです。
正しいのか間違ってるのか、正解があるのかないのか分かりませんが、僕は決して嫌いではありません(武装のスタイルは違いますが・・・)。
リハに話を戻しましょう。
イエローのアクションシーンを付けてもらう時間がやってきました。
まず・・・尺が長い!!
トータルで2分近くあったんじゃないかな!?
普段のショーではほとんど個人のアクションシーンはなかったし、たまにあっても10秒~15秒ぐらい。
2分となると未知の領域です。
そして、アクション、と言っても、殴る蹴るはほとんどありませんでした。
僕が入っていたイエローというのは以前も書きましたがドスコイキャラ。
戦いが嫌いで戦いが苦手で運動能力も低いけど、気は優しくて力持ち。
そんなキャラでした。
だからとにかく、担ぐ、振り回す、投げる、転がすといった、ちょっとコミカルな力技のオンパレード。
なるほど。イエローはお笑いを担当すればいいんだな。
と気が付いたのでした。
~つづく~
翌週、いよいよ本格的なリハがスタートした。
舞台をやってらっしゃる方は驚くかもしれないが、僕がいたチームは(他の所は知りません)演出家とか舞台監督に当たる立場の人はいませんでした。
もちろん最終決定権を持ってるリーダー的な人はいるんですが、全体を見るワケではありません。
レッドがメインのシーンではレッド役におまかせ、
ピンクがメインのシーンではピンク役におまかせ、
怪人がメインなら怪人におまかせ、
といった感じでした(だからこそゴールデンウィークに新人戦闘員が勝手な演出をやれたのですが)。
これは自由にのびのび出来ます!
自分がやりたい事をやれるので、色んなアイデアを盛り込む事が出来て、バリエーションが増えます。
しかし!
欠点をあげるならば、ショー全体の整合性がなくなってしまう事があります。
例えば、戦隊のショーで、主役5人にそれぞれアクションシーンが用意されていたとしましょう。
もし、5人がみんな、ガンガン動いて蹴り技を使いたがるタイプだったらどうなるか?
時代劇のような剣殺陣が好きな5人が集まっていたらどうなるか?
最初から最後まで同じようなアクションシーンが続く事になります。
演ってる本人達は気持ちいいのでしょうが、子供から観たら、ヒーローの色が変わるだけでやってる事はみんな同じです。
それでは飽きてしまいます。
また、こういった例も考えられます。
前半、ピンクが素手で悪役を追い詰めていたのに、後半レッドが剣を持ってるのに負けてしまう・・・
「レッド弱っ!!」
みたいな。
だからこそ全体を見る演出は必要です。
「このシーンは戦ってる感じを出したいから蹴り技メインでいこう」
とか、
「ここでは画的な綺麗さが欲しいから時代劇みたいに演って」
とか、
「ピンクは武器があったから対等に戦えたけど、レッドは素手だったからピンチになった事にしよう」
とか、ショーの中のメリハリを付けるのが演出です(アクションシーンに限らず)。
素手のアクションでピンチに陥っていたヒーロー5人が、最後の最後で揃って剣を持ったら『反撃開始!』って雰囲気になりません?
そーゆー事を考えるのが演出です。
この合同リハで、僕は初めてそれを目の当たりにしたのでした。
ヒーロー達の個性を出しながら、魅せる所は魅せ、危機感が必要ならそれを出し、盛り上げるべき所には華やかさを加える・・・
すごい!
アクションってこうやって作られるのか!!
僕の感動は並々ならぬものがありました。
・・・しかし、何故ウチのチームはこれをやらないんだろう??
しばらく経ってウチのメンバーに、
「なんでウチには演出家がいないのかな?」
と聞いたところ、
「そんなんがいたら自分の好きな事が出来んやん!」
と言われました。
どうやら僕がいたチームは、個人個人が自由に動いて切磋琢磨していくスタイルだったようです。
これは一長一短で、ズバ抜けた個性を持った個人が生まれる可能性を秘めながら、総合力にムラが出る危険性があるスタイルです。
正しいのか間違ってるのか、正解があるのかないのか分かりませんが、僕は決して嫌いではありません(武装のスタイルは違いますが・・・)。
リハに話を戻しましょう。
イエローのアクションシーンを付けてもらう時間がやってきました。
まず・・・尺が長い!!
トータルで2分近くあったんじゃないかな!?
普段のショーではほとんど個人のアクションシーンはなかったし、たまにあっても10秒~15秒ぐらい。
2分となると未知の領域です。
そして、アクション、と言っても、殴る蹴るはほとんどありませんでした。
僕が入っていたイエローというのは以前も書きましたがドスコイキャラ。
戦いが嫌いで戦いが苦手で運動能力も低いけど、気は優しくて力持ち。
そんなキャラでした。
だからとにかく、担ぐ、振り回す、投げる、転がすといった、ちょっとコミカルな力技のオンパレード。
なるほど。イエローはお笑いを担当すればいいんだな。
と気が付いたのでした。
~つづく~
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