2014-01-19(Sun)
小説・さやか見参!(214)
紅蓮丸の持つ巨大な剣が風を切ってうなりをあげた。
かなりの重量のはずだが、それを感じさせない速度で執拗にさやかを狙ってくる。
その威力もかなりのもので、風圧で地面はえぐられ、かすめた樹木の幹は木っ端微塵に粉砕された。
さやかは絶妙な距離で攻撃をかわしている。
もし少しでも油断があれば思わぬ苦戦を強いられた事だろう。
だがさやかは、かつての炎丸との戦いで知っていた。
炎一族は、人格に大問題を抱えているが、戦闘力は並々ならぬものを持っている、と。
なればこの紅蓮丸もただのウザいオカマのオジサンであるハズはない。
さやかは思い出していた。
炎丸が使った火遁の攻撃を。
あの術にはかなり追い詰められた。
もし紅蓮丸が同等の、もしくはあれ以上の術を使ってきた場合、一瞬の気の緩みが勝負の明暗を分ける。
まずは敵の力量を見切らなければ。
巨大な刃がさやかの頭部に振り下ろされる。
さやかは身体を開いてかわしながら紅蓮丸の側面に回り込んだ。
今度はさやかの刀が紅蓮丸の腕を狙う。
攻撃をよけられ大きく隙を見せた紅蓮丸にそれをかわす事は不可能だと思われた。
だが巨大な剣はさやかの想像をはるかに上回る速度で斬り返された。
さやかの刀がはじかれる。
がきーーーん!!
あまりの衝撃にさやかの小さな身体は少し吹っ飛ばされた。
『や、やるじゃないの!気持ち悪くてウザいくせに!!』
体勢を整えながらさやかが悪態をついた。
『ふふふ、生意気なくのいちを嬲るのが趣味なもので』
紅蓮丸は妖しい笑みを浮かべながら更に迫ってくる。
さやかは知らなかったが、紅蓮丸が持つ巨大な剣は『斬った相手を操る伝説の魔剣』なのである。
この剣は人を斬る事を欲し、その邪悪な意思が紅蓮丸を支配しているのだ。
つまり、さやかが今戦っているのは紅蓮丸ではなく、紅蓮丸の姿を借りた魔剣そのものだったのである。
かなりの重量のはずだが、それを感じさせない速度で執拗にさやかを狙ってくる。
その威力もかなりのもので、風圧で地面はえぐられ、かすめた樹木の幹は木っ端微塵に粉砕された。
さやかは絶妙な距離で攻撃をかわしている。
もし少しでも油断があれば思わぬ苦戦を強いられた事だろう。
だがさやかは、かつての炎丸との戦いで知っていた。
炎一族は、人格に大問題を抱えているが、戦闘力は並々ならぬものを持っている、と。
なればこの紅蓮丸もただのウザいオカマのオジサンであるハズはない。
さやかは思い出していた。
炎丸が使った火遁の攻撃を。
あの術にはかなり追い詰められた。
もし紅蓮丸が同等の、もしくはあれ以上の術を使ってきた場合、一瞬の気の緩みが勝負の明暗を分ける。
まずは敵の力量を見切らなければ。
巨大な刃がさやかの頭部に振り下ろされる。
さやかは身体を開いてかわしながら紅蓮丸の側面に回り込んだ。
今度はさやかの刀が紅蓮丸の腕を狙う。
攻撃をよけられ大きく隙を見せた紅蓮丸にそれをかわす事は不可能だと思われた。
だが巨大な剣はさやかの想像をはるかに上回る速度で斬り返された。
さやかの刀がはじかれる。
がきーーーん!!
あまりの衝撃にさやかの小さな身体は少し吹っ飛ばされた。
『や、やるじゃないの!気持ち悪くてウザいくせに!!』
体勢を整えながらさやかが悪態をついた。
『ふふふ、生意気なくのいちを嬲るのが趣味なもので』
紅蓮丸は妖しい笑みを浮かべながら更に迫ってくる。
さやかは知らなかったが、紅蓮丸が持つ巨大な剣は『斬った相手を操る伝説の魔剣』なのである。
この剣は人を斬る事を欲し、その邪悪な意思が紅蓮丸を支配しているのだ。
つまり、さやかが今戦っているのは紅蓮丸ではなく、紅蓮丸の姿を借りた魔剣そのものだったのである。
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