2013-03-30(Sat)
小説・さやか見参!(184)
『幻龍イバラキ、悪名高いあなたもわたくしが従えてみせましょう』
魔剣をかまえて自分を睨む紅蓮丸を見てイバラキは
『ふ、愚かな』
と笑った。
するとそれが合図だったかのように、青い装束の幻龍組の下忍達が現れ、一斉に紅蓮丸に襲いかかった。
『あいつらじゃ敵わねぇよ』
断が片手で頬杖をついてぼそりと言う。
『分かっておる』
紅蓮丸に対する嘲笑を含んだ口調でイバラキが答える。
巨大な魔剣は自在に大きくうねり、青い忍者達を次々に斬った。
『不思議な剣さばきだな。まるで刀が生きてるみたいだ』
断が姿勢を変えずにそう呟くと、イバラキは微かに笑って
『さすがは一角衆。その目は節穴ではないな』
と讃え、櫓からひらりと飛び降りた。
イバラキが紅蓮丸の前に着地するのと同時に、斬られた下忍達が立ち上がって紅蓮丸に跪く。
『どうです?あなたの手下どもは今やわたくしの配下でございます』
『だからどうした?』
イバラキがそう言うと、十数人の下忍が一斉にばたりと倒れた。
『なにっ!?』
驚いた紅蓮丸がイバラキに顔を向けると、いつの間にかイバラキの隣に男が立っていた。
下忍を一瞬で倒したのは邪衆院天空だったのだ。
『どうだ?おぬしの配下はもう使い物にはならぬ』
下忍達は完全に気を失っている。
『くうぅ…っ』
紅蓮丸の悔しげな声が洩れた。
『頭領、どうします?』
そう尋ねる邪衆院天空はすでに戦闘体勢である。
『ここは拙者がいこう』
イバラキが刀を抜いた。
『おや、珍しい』
『こやつ、なかなか面白そうだ』
『じゃあお任せします』
邪衆院はおどけたように会釈すると、ふわりと跳んで断の隣に戻ってきた。
『なんだよおまえら!俺の事大好きだな!』
つっかかる断に邪衆院が
『まぁね』
と笑った。
眼下では、対峙した巨大な魔剣と鋼鉄の義手が太陽を反射してぎらぎらと光っている。
魔剣をかまえて自分を睨む紅蓮丸を見てイバラキは
『ふ、愚かな』
と笑った。
するとそれが合図だったかのように、青い装束の幻龍組の下忍達が現れ、一斉に紅蓮丸に襲いかかった。
『あいつらじゃ敵わねぇよ』
断が片手で頬杖をついてぼそりと言う。
『分かっておる』
紅蓮丸に対する嘲笑を含んだ口調でイバラキが答える。
巨大な魔剣は自在に大きくうねり、青い忍者達を次々に斬った。
『不思議な剣さばきだな。まるで刀が生きてるみたいだ』
断が姿勢を変えずにそう呟くと、イバラキは微かに笑って
『さすがは一角衆。その目は節穴ではないな』
と讃え、櫓からひらりと飛び降りた。
イバラキが紅蓮丸の前に着地するのと同時に、斬られた下忍達が立ち上がって紅蓮丸に跪く。
『どうです?あなたの手下どもは今やわたくしの配下でございます』
『だからどうした?』
イバラキがそう言うと、十数人の下忍が一斉にばたりと倒れた。
『なにっ!?』
驚いた紅蓮丸がイバラキに顔を向けると、いつの間にかイバラキの隣に男が立っていた。
下忍を一瞬で倒したのは邪衆院天空だったのだ。
『どうだ?おぬしの配下はもう使い物にはならぬ』
下忍達は完全に気を失っている。
『くうぅ…っ』
紅蓮丸の悔しげな声が洩れた。
『頭領、どうします?』
そう尋ねる邪衆院天空はすでに戦闘体勢である。
『ここは拙者がいこう』
イバラキが刀を抜いた。
『おや、珍しい』
『こやつ、なかなか面白そうだ』
『じゃあお任せします』
邪衆院はおどけたように会釈すると、ふわりと跳んで断の隣に戻ってきた。
『なんだよおまえら!俺の事大好きだな!』
つっかかる断に邪衆院が
『まぁね』
と笑った。
眼下では、対峙した巨大な魔剣と鋼鉄の義手が太陽を反射してぎらぎらと光っている。
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