2012-11-26(Mon)
小説・さやか見参!(176)
びゅううう。
暗闇に風が吹く。
暗闇には天もなく地もなく、
ただ、あの男だけが立っている。
びゅううう。
こんな天地も定かでない場所にあの男がいるはずがない。
だとしたらこれは夢だ。
いつものあの夢だ。
夢の中で繰り返される、私が私だった頃の記憶だ。
あの男、
正体は化け猫ともいわれていた粗暴な男、
私は化け猫退治をするはずだった。
戦って戦って戦って、
たくさんの仲間が倒れて私は鈴を鳴らした。
りん
ところがその鈴の響きは、何故か、私を
男の腕が迫ってくる、
『化け猫退治に行ったお姫様は、化け猫の妃になってしまいました』
やめて。
私のお腹には、
『かあさま』
あぁ、またこの声だ。
『かあさま』
この声に呼ばれると、
『ねぇ、かあさま』
目覚めたら私は、またこの夢の事を忘れてしまう。
『かあさま』
私が、私であった事さえ。
びゅううう。
暗闇に風が吹く。
暗闇には天もなく地もなく、
ただ、あの男だけが立っている。
びゅううう。
こんな天地も定かでない場所にあの男がいるはずがない。
だとしたらこれは夢だ。
いつものあの夢だ。
夢の中で繰り返される、私が私だった頃の記憶だ。
あの男、
正体は化け猫ともいわれていた粗暴な男、
私は化け猫退治をするはずだった。
戦って戦って戦って、
たくさんの仲間が倒れて私は鈴を鳴らした。
りん
ところがその鈴の響きは、何故か、私を
男の腕が迫ってくる、
『化け猫退治に行ったお姫様は、化け猫の妃になってしまいました』
やめて。
私のお腹には、
『かあさま』
あぁ、またこの声だ。
『かあさま』
この声に呼ばれると、
『ねぇ、かあさま』
目覚めたら私は、またこの夢の事を忘れてしまう。
『かあさま』
私が、私であった事さえ。
びゅううう。
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