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2011-12-27(Tue)

作劇

むかーし、

20数年前、

僕が戦隊物にハマり始めた頃、

某戦隊の変身前の俳優さんがインタビューで、

悔しがる演技で思わず『くそっ!』って言ってしまった所を、アフレコで『くっ!』に直したりしてます。

みたいな事を話してらっしゃいました。

これが頭にあったので、僕はキャラクターショー時代から『くそっ』という台詞を台本に書いた事がありません。

これはささやかな僕のこだわりです。

たとえ悪役の台詞だとしても、僕が汚いと思う言葉は子供の前で使いたくないんです。

それでも初期の頃、

台本を提出したら後は会社任せ(と言うかバイトは製作に関わらせてもらえなかった)だった時代には、

完成したパッケージを聴くと、

『くっそ~!くそくそくそっ!』

みたいな怪人の台詞が追加されててひっくり返ったものですが。

『死ね』『殺す』というのも避けるようにはしています。

ただしこれは絶対使わないというのではなくて、

『ここぞという所でしか使わない』

と決めています。

命の危険を感じさせたい時、極度の怒りを感じさせたい時などです。

これは悪役だけでなく、『さやか見参!』のヒロイン・山吹さやかも宿敵に対して言う事があります。

『殺してやるッ!!』

なんて。

台詞以外で気をつけている事もたくさんあります。

『さやか見参!』のようなマイナーなショーでは、初見の方でも設定のアウトラインが分かるように、

テレビキャラクターの場合は、観客が知っている設定をいかに活かすか、

そんな感じです。

たまに『テレビキャラクターの設定を活かす』というのを勘違いしたショーを見る事があります。

僕が『勘違いしてるな』と思うショーは大体、設定ではなくて『エピソード』を取り入れたストーリーになっています。

僕は『活かすべきは登場人物の性格であり人間関係』だと思ってるので、その辺りに留意しています。

マイナーキャラの場合は自分で創作した性格をストーリー上で提示しなくちゃいけません。

山吹さやかは(自分的には)成功した方だと思います。

他に大切にしているのは、『作品を子供向けにしない事』。

もちろんショーの対象は子供達なんですけど、全てを理解してもらおうと思ってないと言うか、敢えて子供には分からないように作ってるというか。

これに対しては批判もあるんですが。

でも子供の頃って、何だか分からないけど心動かされたりする事がありますよね。

それを子供達に感じて欲しいんです。

何だか分からないけど悲しい、とか、

何だか分からないけど恥ずかしい、とか、

それは大人になってしまえば理解出来てしまう感情なんですが、

『何だか分からないけど』

と思えるのは子供の頃だけだと思うんです。

その自分でも理解不能な心の動きを大切にしてほしいので、敢えてストーリーを大人向けにしてたりします。

あ、でも感情移入出来るようには作ってるつもりですよ!

要は頭で理解するんじゃなく、感情を込めて観てもらえるショーを狙ってるって事ですね。

後は…

『さやか見参!』なら設定を小出しにして次に繋げたり…

そうそう、

応援コールも出来るだけ入れないようにしています。

※応援コール=『みんなで応援するよ!せ~の、頑張れ~!!』

あ、

絶対入れないって事もないです。

でも応援を煽る時は、主人公が頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って、頑張って頑張って、それでも力が及ばない時に限ります。

戦うと決めたのは自分なんだから、倒れても倒れても自分の力で立ち上がってもらわないと、

その意思と努力を子供達に見せつけてもらわないとヒーローショーの意味なんてないですからね。

ちょっとピンチになったら他人に助けてもらえばいいや、なんてヒーローに、子供へのメッセージを発する資格なし!

自分の力で立ち上がるヒーローヒロインには、煽らなくても応援が来るものなんです。

なんて…

新しい台本を書こうと自分の作劇を振り返ったら収拾つかなくなっちゃったと言う…

でもまぁ、

『武装のショーはこんな感じで作られてます』

って事で(笑)
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コメント

子どもが今語る言葉は少ないけれど

本物を嗅ぎ分ける鼻を、本物を聞き分ける耳を、本物を見抜く目を、そして本物を取り込む心を持っています。

僕が尊敬する童話作家さんの言葉です。僕の心で常に戒めの言葉になっています。

子どもが喜ぶバトルシーンばかりむやみに増やしても、子どもにウケる話の展開にしても、子どもは媚を売っている大人の心を読み取るもの。その時に言葉を発しなくても、本当にいいものでなければ、必要のないバトルシーンには下を向いていて、終わったら静かに離れていくことだと思ってます。

反対に、少々難しいと思われるものでも、本物と感じたものにはとことん食いついてくるものだと思ってます。
お母さんに聞いてみたり、自分で真似してみたり、絵本で調べてみたり・・・子どもの頃、興味を持ったものには夢中でしたから。
絶対手が抜けないですよね、ステージ始まる前からステージ終わったあとでも。

>dragonmacさん

昔は先輩方に

『子供はキャラクターが出て立ち回りしてたら喜ぶんだ!』

なんて言われたものですが、自分が子供の頃を思い出したら決してそうじゃないですもんね。

『子供相手だからこそ子供騙しは通用しない』というのを大前提にショーを作っていかなきゃ、と思います。

本気のメッセージを伝える為にも、『ショー以外の部分』を大切にしなくちゃいけない、

dragonmacさんがいつもおっしゃってる事は、僕にとっても重要な戒めです。

そんなたいそうな者じゃないですよ

僕は。
キャラショーに関しては見よう見まねだし、プロのスーツアクターチームに教えられ、フォローしてもらってることばかりです。その点では、大葉さんとの出会いもあり、そのお弟子さんたちとご一緒させていただけてるので恵まれているんですが、まだまだやれてないことだらけで・・・。

それだけに、スーツアクター経験をお持ちの代表とこうして意見を交わしあえるのは僕の方こそ、いい勉強させていただいているんですよ。
僕はスーツアクター経験がない文化部なので、キャラショーに対してプロアマ問わず、疑問や不自然に思うことには自分の意見を思ったまま言ってしまう、書いてしまうので、僕の方こそ代表のコメントにはいつも感謝してます。

>dragonmacさん

僕はたまたまアクター経験があるだけの文化部ですから(笑)

周りにもいいかげんな人達が多かったし、僕自身も人に刃向かってばかりのテキトー人間でしたから、いつも

「他の人達はどんな考えでどんな事をしているんだろう?」

と考えていました。

なので、ここでdragonmacさんや他の皆さんと意見を交換出来るのは本当に嬉しい事なんです♪
プロフィール

武装代表・内野

Author:武装代表・内野
福岡・久留米を中心に、九州全域で活動している『アトラクションチーム武装』の代表です。

1972年生まれ。
1990年にキャラクターショーの世界に入り現在に至る。

2007年に武装を設立。

武装の活動内容は殺陣教室、殺陣指導、オリジナルキャラクターショー等。

現在は関西コレクションエンターテイメント福岡校さんでのアクションレッスン講師もやらせてもらってます。

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