2019-12-31(Tue)
大晦日に、ヒーローの話
小学生の時、友達のお母さんが
「トムとジェリーは暴力的だから観ちゃダメ!」
と言ってました。
大人になると
「ヒーロー番組は暴力的だから観ちゃダメ!」
と言ってる親がいる事を知りました。
『ヒーロー達はなんでも暴力で解決する。我が子が真似をしたら困る』
という事らしいです。
子供が戦いごっこを始めたら、それはほぼ暴力ですもんね。
子供達は手加減も寸止めも知りませんもんね。
怪人役のパパやママは痛い思いをするでしょうし、お友達を泣かせたり怪我をさせたりするかもしれませんもんね。
でも、そういった保護者様が言われてるのはそういう事ではないのでしょう。
悪い事をする怪人をヒーローがパンチやキックでやっつけてこらしめるのだから
「悪い事をするお友達やケンカしたお友達をパンチやキックでこらしめてもOK」
と子供が考えるようになるんじゃないか、という危惧だと思います。
僕はこういう考え方を聞くと
「想像力がないなぁ~」
と思います。
そういう方に言っておきたい。
ヒーロー番組と普通のドラマは違うんですよ、と。
ドラマ「三匹のおっさん」では悪い奴を剣道や柔道やスタンガンでこらしめます。
ヒーローもパンチやキック、必殺技などで怪人を倒しますが、それは全く別のものなんです。
ヒーロー番組は子供向けにした「三匹のおっさん」ではないんです。
なぜヒーローが変身して強くなるのか、なぜ敵が人間の力が及ばない怪物(または科学力)なのか。
それはどちらも比喩だからです。
ヒーロー番組は世界観自体が比喩なんです。
人類への脅威として描かれている怪人や怪物は、これから子供達の身にふりかかるかもしれない理不尽の例えです。
子供達に何も非がなくてもそれらは突然襲いかかり子供達を傷つけます。
お友達と仲良くしたいのにケンカになって嫌われてしまう事もあるでしょう。
頑張ったのにテストや運動会で望んだ結果を出せなかったり。
そうやって積み重なった格差で進路だって変えざるをえなくなったり。
会社に入れば学生の頃以上にたくさんの問題にぶつかるでしょうし。
もちろんイジメや虐待、様々なハラスメントだって。
家庭の事情で深く傷付く子供もいるでしょう。
そういった、子供達に襲い掛かってくる理不尽な暴力(あえて暴力と表現します)に、どうやって立ち向かうかを表現しているのがヒーロー番組なんです。
そして大事なのは、怪人はあくまで「問題」の比喩であるという事。
問題を起こした人ではありません(その人の心の場合はあります)。
つまり、「悪い奴をこらしめる」ではなく「問題を解決させる為に頑張る」姿を見せるのがヒーロー番組なんです。
たった一人で立ち向かう勇気とか、みんなで力を合わせるチームワークとか、傷付いた仲間を助ける優しさとか、知恵とか、覚悟とか、どうしても敵わない時には一旦退く事も含め、そういった「立ち向かう為に必要なもの」「立ち向かう為の手段」をヒーローは教えてくれます。
ヒーローにはサポートしてくれる仲間がいます。
仲間の中には博士であったりおやっさんであったり、ヒーロー達の親とも呼べる年長者がいる事があります。
これこそが、子供がピンチの時に助言し力を貸してくれる現実の保護者の比喩ではないでしょうか。
ヒーロー達がピンチの時、時に優しく励まし労わり、時に厳しく叱咤し、助言を与えサポートする。
完全に助けるのではなく、ヒーローが成長して問題を乗り越えられるように手助けする。
その人達がいるからこそヒーローは安心して問題にぶつかっていける。
近年では子供達に順番をつけるのを良しとしない風潮があったりします。
運動会で、最初にゴールした子も最後にゴールした子もどちらも頑張ったんだから順位はナシで、みたいなやつです。
どこかのイベントで、客席から3人の子供を選んでステージに出てもらい、ゲームをしてもらってプレゼントを渡すというのをやった時に、
保護者が出てきて「うちの子も手を挙げていたのに選ばれなかった!不公平だから客席の子供全員にプレゼントを渡すべきだ!」と言ってきた事があったそうです。
順番をつける事の良し悪しは一旦置いといて、
でも子供達は社会に出れば間違いなく順番をつけられるんです。
「誰でも東大を受験出来るようにするべきだ!」
「受験した者は全員合格させるべきだ!」
なんて事を言ってもそんな事は叶わないでしょう。
問題に対して必死に向かい合う事を知らず、順番をつけられる事もなく育ってきた子供が大人になって順番をつけられて挫折した時に、それに立ち向かう事が出来るのでしょうか。
守ってくれる保護者がいるうちは何とかなるかもしれません。
でも理屈で言えば、親は子供より先に死ぬんです。
いつまでも守ってあげる事はできないんです。
僕は子供が何か問題にぶつかって悩んでいる時に
「ヒーローも強い怪人に勝てなくて困ってたね」
「ヒーローはこんな風に頑張ってたね」
「ヒーローはあきらめなかったね、みんなと力を合わせたから勝てたね」
「ヒーローみたいに頑張ってみようか、お父さん(お母さん)も博士みたいに助けるからね」
なんて話をする為に、ヒーロー番組を観てもらえたら嬉しいなぁ、と思うんです。
「トムとジェリーは暴力的だから観ちゃダメ!」
と言ってました。
大人になると
「ヒーロー番組は暴力的だから観ちゃダメ!」
と言ってる親がいる事を知りました。
『ヒーロー達はなんでも暴力で解決する。我が子が真似をしたら困る』
という事らしいです。
子供が戦いごっこを始めたら、それはほぼ暴力ですもんね。
子供達は手加減も寸止めも知りませんもんね。
怪人役のパパやママは痛い思いをするでしょうし、お友達を泣かせたり怪我をさせたりするかもしれませんもんね。
でも、そういった保護者様が言われてるのはそういう事ではないのでしょう。
悪い事をする怪人をヒーローがパンチやキックでやっつけてこらしめるのだから
「悪い事をするお友達やケンカしたお友達をパンチやキックでこらしめてもOK」
と子供が考えるようになるんじゃないか、という危惧だと思います。
僕はこういう考え方を聞くと
「想像力がないなぁ~」
と思います。
そういう方に言っておきたい。
ヒーロー番組と普通のドラマは違うんですよ、と。
ドラマ「三匹のおっさん」では悪い奴を剣道や柔道やスタンガンでこらしめます。
ヒーローもパンチやキック、必殺技などで怪人を倒しますが、それは全く別のものなんです。
ヒーロー番組は子供向けにした「三匹のおっさん」ではないんです。
なぜヒーローが変身して強くなるのか、なぜ敵が人間の力が及ばない怪物(または科学力)なのか。
それはどちらも比喩だからです。
ヒーロー番組は世界観自体が比喩なんです。
人類への脅威として描かれている怪人や怪物は、これから子供達の身にふりかかるかもしれない理不尽の例えです。
子供達に何も非がなくてもそれらは突然襲いかかり子供達を傷つけます。
お友達と仲良くしたいのにケンカになって嫌われてしまう事もあるでしょう。
頑張ったのにテストや運動会で望んだ結果を出せなかったり。
そうやって積み重なった格差で進路だって変えざるをえなくなったり。
会社に入れば学生の頃以上にたくさんの問題にぶつかるでしょうし。
もちろんイジメや虐待、様々なハラスメントだって。
家庭の事情で深く傷付く子供もいるでしょう。
そういった、子供達に襲い掛かってくる理不尽な暴力(あえて暴力と表現します)に、どうやって立ち向かうかを表現しているのがヒーロー番組なんです。
そして大事なのは、怪人はあくまで「問題」の比喩であるという事。
問題を起こした人ではありません(その人の心の場合はあります)。
つまり、「悪い奴をこらしめる」ではなく「問題を解決させる為に頑張る」姿を見せるのがヒーロー番組なんです。
たった一人で立ち向かう勇気とか、みんなで力を合わせるチームワークとか、傷付いた仲間を助ける優しさとか、知恵とか、覚悟とか、どうしても敵わない時には一旦退く事も含め、そういった「立ち向かう為に必要なもの」「立ち向かう為の手段」をヒーローは教えてくれます。
ヒーローにはサポートしてくれる仲間がいます。
仲間の中には博士であったりおやっさんであったり、ヒーロー達の親とも呼べる年長者がいる事があります。
これこそが、子供がピンチの時に助言し力を貸してくれる現実の保護者の比喩ではないでしょうか。
ヒーロー達がピンチの時、時に優しく励まし労わり、時に厳しく叱咤し、助言を与えサポートする。
完全に助けるのではなく、ヒーローが成長して問題を乗り越えられるように手助けする。
その人達がいるからこそヒーローは安心して問題にぶつかっていける。
近年では子供達に順番をつけるのを良しとしない風潮があったりします。
運動会で、最初にゴールした子も最後にゴールした子もどちらも頑張ったんだから順位はナシで、みたいなやつです。
どこかのイベントで、客席から3人の子供を選んでステージに出てもらい、ゲームをしてもらってプレゼントを渡すというのをやった時に、
保護者が出てきて「うちの子も手を挙げていたのに選ばれなかった!不公平だから客席の子供全員にプレゼントを渡すべきだ!」と言ってきた事があったそうです。
順番をつける事の良し悪しは一旦置いといて、
でも子供達は社会に出れば間違いなく順番をつけられるんです。
「誰でも東大を受験出来るようにするべきだ!」
「受験した者は全員合格させるべきだ!」
なんて事を言ってもそんな事は叶わないでしょう。
問題に対して必死に向かい合う事を知らず、順番をつけられる事もなく育ってきた子供が大人になって順番をつけられて挫折した時に、それに立ち向かう事が出来るのでしょうか。
守ってくれる保護者がいるうちは何とかなるかもしれません。
でも理屈で言えば、親は子供より先に死ぬんです。
いつまでも守ってあげる事はできないんです。
僕は子供が何か問題にぶつかって悩んでいる時に
「ヒーローも強い怪人に勝てなくて困ってたね」
「ヒーローはこんな風に頑張ってたね」
「ヒーローはあきらめなかったね、みんなと力を合わせたから勝てたね」
「ヒーローみたいに頑張ってみようか、お父さん(お母さん)も博士みたいに助けるからね」
なんて話をする為に、ヒーロー番組を観てもらえたら嬉しいなぁ、と思うんです。
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