2014-04-30(Wed)
小説・さやか見参!(231)
音駒の命を救い、生きる標を与えた男、
もう既にお分かりであろう。
音駒の師・だつらこそ、一角衆粛清隊・剣のダチュラだったのである。
ダチュラは恩師として音駒に
『大切な人が望まぬ死を遂げたならば、残された者は死んだ者の分まで生きねばならぬ』
と言い続けてきた。
それが音駒の信念となるように。
その信念こそを生きる理由とするように。
その信念の為に生きるようになったなら、後は信念を剥ぎ取ってしまえばいい。
生きる理由がなくなれば今度こそ自らの命を絶つだろう。
それこそが一角衆の目的であった。
いや、
正確にはそうではない。
一角衆の目的は、音駒と山吹さやかを親しくさせた末に音駒を自死させる事であった。
山吹さやかは兄の死によって心に大きな傷を作っている。
生きる理由を見失い、ただ幻龍イバラキを倒して死ぬ事をこそ願っている。
そのさやかを更に追い込むにはどうすれば良いか。
一度希望を与えるのだ。
さやかが失った喜びや幸せ、生きる希望を与えて、改めてそれを奪えばいい。
二度目の傷は深い。
少女の心をえぐるにはうってつけの作戦と言えた。
そこで音駒とさやかを接触させた。
血讐はまず、幻龍組の忍び達が潜む人里離れた林を見つけ出し、そこに天狗が出るという噂を流した。
いずれ山吹は噂を聞きつけて探りに来る。
イバラキの動向に敏感になっている時期だけに、十中八九さやかが出向いて来る。
後はいつ山吹が来ても良いように、その林の先に病人役の手下を住まわせ、その道を毎日音駒に通わせれば良い。
二人が出会ったならばそこを幻龍に襲わせる。
幻龍が襲わねば血飛沫鬼達に襲わせても構わない。
とにかくさやかに手傷を負わせ痛めつけるのだ。
医者である音駒は必ずさやかを助けるだろう。
そして、生きる糧を与えるだろう。
ダチュラによって刷り込まれた
『大切な人が望まぬ死を遂げたならば、残された者は死んだ者の分まで生きねばならぬ』
という言葉を。
もう既にお分かりであろう。
音駒の師・だつらこそ、一角衆粛清隊・剣のダチュラだったのである。
ダチュラは恩師として音駒に
『大切な人が望まぬ死を遂げたならば、残された者は死んだ者の分まで生きねばならぬ』
と言い続けてきた。
それが音駒の信念となるように。
その信念こそを生きる理由とするように。
その信念の為に生きるようになったなら、後は信念を剥ぎ取ってしまえばいい。
生きる理由がなくなれば今度こそ自らの命を絶つだろう。
それこそが一角衆の目的であった。
いや、
正確にはそうではない。
一角衆の目的は、音駒と山吹さやかを親しくさせた末に音駒を自死させる事であった。
山吹さやかは兄の死によって心に大きな傷を作っている。
生きる理由を見失い、ただ幻龍イバラキを倒して死ぬ事をこそ願っている。
そのさやかを更に追い込むにはどうすれば良いか。
一度希望を与えるのだ。
さやかが失った喜びや幸せ、生きる希望を与えて、改めてそれを奪えばいい。
二度目の傷は深い。
少女の心をえぐるにはうってつけの作戦と言えた。
そこで音駒とさやかを接触させた。
血讐はまず、幻龍組の忍び達が潜む人里離れた林を見つけ出し、そこに天狗が出るという噂を流した。
いずれ山吹は噂を聞きつけて探りに来る。
イバラキの動向に敏感になっている時期だけに、十中八九さやかが出向いて来る。
後はいつ山吹が来ても良いように、その林の先に病人役の手下を住まわせ、その道を毎日音駒に通わせれば良い。
二人が出会ったならばそこを幻龍に襲わせる。
幻龍が襲わねば血飛沫鬼達に襲わせても構わない。
とにかくさやかに手傷を負わせ痛めつけるのだ。
医者である音駒は必ずさやかを助けるだろう。
そして、生きる糧を与えるだろう。
ダチュラによって刷り込まれた
『大切な人が望まぬ死を遂げたならば、残された者は死んだ者の分まで生きねばならぬ』
という言葉を。
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