2012-11-29(Thu)

小説・さやか見参!(177)

山の頂きに紅い男が立っていた。

『多分この山でございますね』

大仰に独り言を言っている。

『ここになければまた一からやり直しですからね、それは勘弁願いたい』

紅い装束を身に纏った男はため息まじりにそう呟くと、素早く斜面を滑り降りて行った。

炎三兄弟の長兄、紅蓮丸。

さやかに倒され今は金丸藩で入牢させられている炎丸の兄だ。

彼らは貴族の出でありながら、各地に眠る宝を探す狩人でもある。

という事はこの山に、

さほど大きくはない荘島藩のどこかに、

何かお宝があるという事だろうか。

しかして紅蓮丸はまだ知らなかった。

ちょうど同じ領内に、悪しき忍者の集団がいる事を。

その者達は紅蓮丸のいる山から遠く離れた所に、

藩主のいる城内に忍び込んでいた。

『よいか』

男のささやきが低く響く。

『これからおぬしは領内の民に告げなければならぬ。この荘島に平和をもたらす為にな。それが藩主たるおぬしの役目』

そう言われた藩主の口はだらしなく開かれ、眠そうな半目は虚ろに濁っていた。

よく見ると額や後頭部の何点かに、きらりと光る小さな針が打ち込まれている。

『おぬしの下で暮らす者達にこう告げよ。今後一切の虚言を禁じ、それをもって他者を欺きし者は厳罰に処す、と』

藩主の背後の男は低くつぶやきながら、銀色の義手で藩主の首に長い針を刺した。

すっ。

まるで何の抵抗も受けなかったかのように、針が肌に吸い込まれていく。

すると藩主は虚ろな表情を変える事なく口だけをぱくぱくと動かして

『…一切の虚言を禁じ…それをもって他者を欺きし者は…厳罰に処す…』

とつぶやいた。

義手の男がにやりと笑う。

だがその口元以外は鉄の仮面で覆われていて表情が読めなかった。

首に刺していた針を抜き男が立ち上がると、配下の黒装束がささと近付き、残りの針を全て抜いた。

青装束が湯飲みの白湯に薬を溶かして藩主の口にあてる。

ごくり、ごくり、

喉が動いて液体を嚥下し、そのまま藩主は、

ごろりと横になって寝息を立てた。

それを見て再びにやりと笑い、

幻龍イバラキとその配下は姿を消した。
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2012-11-27(Tue)

アクションへの道(348)

『saーyaーka』も一緒に録音させてもらう事にしました、なんて簡単に書いたけど、そのおかげで作業は更に大変になりました。

そんな事になるなんて僕は全然空気考えてなくて…

カラオケみたいに歌って録音してチョコチョコっと弄って完成、ぐらいにしか思ってなかったので…

その大変な作業が3曲分から4曲分に増えたのに製作費は据え置きの激安価格。

それなのに…


このレコーディングの直前、東京からの助っ人の予定が変わり飛行機の便を変更しました。

変更した事でチケット代が高くなり、僕はその支払いの為に、テーマ曲製作費に手をつけてしまっていたのです。

僕は楽曲製作とレコーディングを引き受けて下さったMさんに言いました。

『本当に申し訳ないのですが、製作費のお支払いを分割にさせていただけないでしょうか…』

Mさんは杉山39さんとの人間関係、信頼関係から僕に協力して下さっていてお金が目的ではないので

『あぁいいよ、かまわないよ』

と快く承諾して下さり、僕も

『ありがとうございます!迷惑かけてすみません!2回に分けて早急にお支払いしますのでよろしくお願いします!』

とお礼を言いながらホッとしました。

やがてレコーディングが終わりマスターCDが完成しました。

『謝礼をお渡しするのを忘れないようにね』


そういう39さんに僕は

『実はかくかくしかじかで、分割でお支払いさせていただく事になったんですよ』

と答えました。

『えっ!?…あ…うん…』

39さんが言葉を飲み込みました。

そして帰り道。

駅まで送っていただく車内で39さんが言いました。

『さっきの話だけどさぁ、あれは筋が通らないんじゃないのかい!?』
2012-11-26(Mon)

小説・さやか見参!(176)

びゅううう。


暗闇に風が吹く。


暗闇には天もなく地もなく、


ただ、あの男だけが立っている。


びゅううう。


こんな天地も定かでない場所にあの男がいるはずがない。


だとしたらこれは夢だ。


いつものあの夢だ。


夢の中で繰り返される、私が私だった頃の記憶だ。


あの男、


正体は化け猫ともいわれていた粗暴な男、


私は化け猫退治をするはずだった。


戦って戦って戦って、


たくさんの仲間が倒れて私は鈴を鳴らした。


りん


ところがその鈴の響きは、何故か、私を


男の腕が迫ってくる、


『化け猫退治に行ったお姫様は、化け猫の妃になってしまいました』


やめて。


私のお腹には、


『かあさま』


あぁ、またこの声だ。


『かあさま』


この声に呼ばれると、


『ねぇ、かあさま』


目覚めたら私は、またこの夢の事を忘れてしまう。


『かあさま』


私が、私であった事さえ。



びゅううう。
2012-11-24(Sat)

じゅんぼ~商店・ゲストトーク!

昨年は「剣のダチュラ」
剣のダチュラ(縮小)

今年は「槍のサイレン」
槍の災煉20121013

と、2年連続「さやか見参!」の悪ボスを演じて下さった徳永潤さんのラジオ番組

『じゅんぼ~商店』

11月24日更新分がUPされました!

ゲストトークのコーナーには先月に引き続き私、アトラクションチーム武装代表・内野武が出演させていただいてます。

良かったら聴いてみて下さいね!
http://junbow-gonntere.seesaa.net/s/
2012-11-24(Sat)

アクションへの道(347)

音楽を作るというのはかなり大変な作業で、それに歌を入れてデータ化するとなると本当に、驚くほど手間隙かかる仕事なのだという事を、門外漢の僕はこの時まで知りませんでした。

2010年、『忍者ライブショー さやか見参!』のテーマ曲を録音する事が決まり、僕は杉山39さんに紹介していただいた方に連絡を取りました。

まずは僕がアカペラで歌った曲を録音して送りアレンジして曲を作ってもらう事に。

それが、

『いくさばの花』
『孤高の頂』
『光~忍者ライブショーのテーマ~』

の3曲です。

製作から録音まで全てをお願いするワケですから、本来ならかなりの製作費がかかります。

そこを信じられないぐらい安価でお願い出来たのは39さんのおかげでした。

『内野さんは一生懸命に夢を追っかけてるんで協力してあげたいんですよ!』

こう言って掛け合って下さったのです。

そして出来た曲は想像を遥かに超えるカッコ良さで、僕のテンションは一気に上がりました。

後はレコーディングです!

ここで曲が1つ増えました。

趣味で音楽を作ってらっしゃる方が曲を提供して下さったのです。

その曲もまたカッコ良くて、しかも『さやか見参!』のイメージにピッタリで、僕は詞を考えるのに30分ぐらいしかかかりませんでした。

それが、

『saーyaーka』

です。

僕はこの『saーyaーka』も一緒に録音させてもらう事にしました。
2012-11-23(Fri)

小説・さやか見参!(175)

数時間前に再会した林の入り口に、さやか、心太郎、音駒の三人は立っていた。

ここからまた別々の道に進まねばならないのだ。

さやかと心太郎は忍びとして、
音駒は医者として。

『全然自分勝手じゃないっシュよ』

『そうでしょうか。私は許嫁の事ではなく、私自身を救いたくて医学を志したんです』

『でもでも、音駒さんは人を救う事で自分も救おうとしてるっシュ。それは自分勝手なんかじゃないとおいらは思うっシュよ?』

心太郎のまっすぐな視線を受けて、音駒は困ったような、照れたような微笑を浮かべた。

さやかがいたたまれず口を挟む。

『私もそう思います。それに…こんな風に言っていいのか分からないけど…その女性はもう戻ってこないんだから…その方が望んでいたのなら、音駒さんは一生懸命生きなくちゃいけないと思います!』

さやかの言葉が、熱く、強い。

それを聞いて、音駒は、ふっ、と笑った。

『そうですよね。だったらさやかさん、さやかさんも一生懸命生きて下さいね。お兄さんも帰ってはこない。だったら、お兄さんが望んでいたのなら、さやかさんも生きるべきでしょう?』

『えっ?』

そうだった。

音駒は最初からさやかにそれを伝えたかったのだ。

『お兄さんは、さやかさんの死を望むような人ではなかったですよね?』

さやかは音駒から目をそらして、小さく頷いた。

自分の事を棚に上げて音駒に熱く語ってしまった事が恥ずかしくなったのだろう。

だが音駒は無邪気に笑って、

『良かった!』

と声をあげた。

暗い林に音駒の明るい声が場違いに響く。

『私は悲しみを抱えた人達の心から死の影を追い払いたいんですよ。そして特に、さやかさんには生きていてほしいんです。だから、お互い一生懸命生きて、またお会いしましょう。必ず』

さやかは顔をあげて音駒の笑顔を見て、ふふふと笑った。

まったく、この青年は強いのか弱いのか分からない。

いや、自分の事にはてんで弱いのに、他人の為となるととことん強いのだ。

『はい。また会いましょう。約束ですよ』

さやかも明るく答える。

見つめ合い、微笑み合う二人を見て心太郎はちぇっ、と舌打ちし、

『まったく…仕方ないっシュねぇ』

といたずらっぽく笑うと、どこからともなく一羽の鳩を出して音駒の肩に乗せた。

『わわわっ!?心太郎殿!これは!?』

『おいらが任務の時に使ってる鳩っシュよ。音駒さんに何かあったら、この鳩がおいらに教えてくれるっシュ』

『えっ!?本当に!?』

『心太郎!あんたいつの間に!?』

音駒だけじゃなくさやかまで驚いている。

『こんな事もあろうかと、鳥組に育ててもらってたんシュよ』

『ちょっとあんたぁ、珍しく気が利くじゃないの~』

さやかこそ珍しく本気で喜んでいる。

『これでおいら達はいつも一緒、って事っシュね』

若き医者と幼き忍者達は不思議な絆のようなものを確信して、それぞれ戻るべき場所へ歩きだした。
2012-11-21(Wed)

みんなの力を合わせよ う!クリック募金46

こうして、末尾に1が付く日は東日本大震災復興支援クリック募金の紹介をし、
出来るだけ毎日クリック募金をしてるワケですが…
(通常の募金は余裕がある時にしか出来てませんが…)

『今は復興ってどこまで進んでるの!?』
と考えてしまう事があります。

それでネットで調べたりもするんですが…

やっぱり以前と比べると、テレビ等で現状を見る機会が減ったなぁ、と思います。

もちろん政治や選挙も大切なんですが…

もっとね、報道における優先順位が高くてもいいんじゃないかなー。


『みんなの力を合わせよう!クリック募金』


クリック募金
クリックで救える命がある。



忍者ライブショーさやか見参!



ヒーロー連合ジャスター



グランパワーヒノクニ



遠州忍者 魁斗&鼈甲



未来環境防衛隊ドラゴンマン

2012-11-20(Tue)

アクションへの道(346)

普段の『忍者ライブショー さやか見参!』は、キャスト5名にスタッフ兼MCを加えた6名で行なっております。

しかして2010年のローカルヒーローフェスタでは、キャスト10名、スタッフ、MCそれぞれ1名の、トータル12名で臨みました。

普段の倍です!

おまけにMCは、福岡・熊本を中心に活躍されているタレントのエミリィーさんにお願いしました。

豪華!

キャストに関しては関東からプロの俳優、プロのアクター合わせて3名に来ていただいて、ショーのクォリティーを引き上げてもらいました。

飛行機代とわずかなギャラで、3人ともこちらが望む何倍もの仕事をしてくれました。

感謝です!


テーマ曲はかねてより予定していて、作詞作曲は終わっていたのですが、実際の製作や録音に関しては手付かずでした(僕に音楽関係の知識が皆無な為)。

しかし、杉山39さん(福岡を中心に活躍されている大人気のタレントさん。元ミュージシャン)のご尽力をいただいて、楽曲のアレンジや製作を手伝って下さるという方に出会う事が出来たのです!

ようやくテーマ曲が出来る!!



ところが、このテーマ曲製作の課程で、僕はとんでもない失態を晒してしまうのです…


次回、恥をしのんで告白。
2012-11-19(Mon)

小説・さやか見参!(174)

『自分勝手な、理由?』

さやかが尋ねる。

『はい。彼女を失った私は生きる希望を失いました。もうね、恥ずかしい話ですが…彼女無しの人生なんて考えられなくなってたんです。仕事をして稼ぐ事さえ彼女の幸せの為にって思い込んでましたから』

『…分かります』

さやかには音駒の気持ちが本当に理解出来た。

さやかも、兄・たけるのいない人生なんて想像もつかなかったし耐えられなかったのだ。

『だからね、私はその時…死にたいと思ったんです。さやかさんと同じように』

蝋燭の炎に照らされた音駒は自嘲気味に目を伏せた。

『おかしいですよね。一度は死を願った私が今は医者として人を救おうとしてるなんて』

『おかしくないっシュよ!音駒さんは自分がたくさん苦しんだから親身になって人を助けられるんじゃないっシュか』

『ありがとう、心太郎殿。でもね、その時は本気で死ぬ事しか考えられなかった。私は彼女という大地の上に生きていたんです。その大地を失って私は…どこでどう生きれば良いのか分からなくなってしまった』

そこで言葉を切って、音駒はさやかを見た。

『さやかさんもそんな感じではありませんでしたか?違ったらすみません。でも、同じものを感じたので…』

さやかは 返事をしなかったが、それは明らかな無言の同意だった。

『それから私は何度も死のうとしては失敗して…ふふっ、やはり意気地がなかったんでしょうねぇ。でもある日、意を決して、とうとう本気で死のうとした。その時に助けて下さったのが、今の私の師匠なんです』

『お医者さんに助けられて、それで弟子入りを?』

『すぐにではないですよ。最初はまだ、死にたい死にたいと駄々をこね、楽に死ねる薬があるなら調合してくれと頼んだりもしました。でも師匠は私の事情を聞いてこうおっしゃったんです』

音駒が息をすっと吸い込んだ。

『世の中には病や怪我で、死にたくなくとも死ぬる者がおるのだぞ。おのれが手前勝手に命を捨てるなど、そうした者達に申し訳ないとは思わぬか?…と』

音駒は、泣きじゃくる自分を一喝した師匠の形相を思い出す。

『死にたくないと泣きながら死んだ許嫁に申し開きが出来るのか、と。それともおまえの許嫁は、おまえまで道連れに死にたいと願うような浅ましい女だったのか、と』

違う!と音駒は怒鳴ったのだそうだ。

あれはそんな女ではなかった!
私の死を願うような女ではなかった!

そう言ったそうだ。

そこで、

自分の使命に思い至ったのだという。

彼女の為に生きる事。

生きたいと願った彼女の代わりに生きる事。

『そこで初めて私は弟子入りを志願したんです。ただし、身体の病ではなく気の病を治す為に。私と同じように、悲しみや苦しみで心を壊してしまう人、心が病んでしまう人はたくさんいる。だから私は、私が師匠に救われたように、そんな人達を救ってあげたいんです』

音駒は一気に吐き出すように喋ると、ふぅと一息ついてさやかと心太郎に微笑んだ。

『ね?自分勝手な理由でしょう?』
2012-11-19(Mon)

アクションへの道(345)

2010年の夏には『九州ローカルヒーローフェスタ』に参加させていただきました。

武装としての参加は3回目、
そしてこれが我々にとって最後のフェスタでした。

2010年を最後にするというのは1年前から決めていた事です。

理由は色々とありますが、一番大きなものはやはり金銭的な事ですかね。

ボランティアが嫌ってワケじゃないんですけど、2008年、2009年と、フェスタでは僕のお給料2ヶ月分の赤字が出ていたので生活が困窮してしまったんですね。

そうなるとメンバーへのギャランティも支払えなくなるし、悩んだ末の決断でした。

しかし!

最後と決めたからには、2010年はやりたい事をやる!

最後の大赤字だ!

メンバー増員!
新キャラ続々登場!
テーマ曲製作!
そしてゲストとしてプロの俳優さん達を招聘!

今回は…

給料4ヶ月分の大赤字だあぁぁ~!!

だっはっはっは!!
2012-11-18(Sun)

アクションへの道(344)


前回は

『メンバーと代表の意見が食い違ってしまった』

という話を書きました。

で、何度も言いますが、これは『あって当然』の事なんです。

立場が違えば考え方も違うし、メンバーにだって意見を言う権利があるんですから。

武装ではメンバーにギャランティを支払いますが、それでも生活を保障してあげているワケではありません。

そんなんで

『仕事はキチンとやれ、しかし俺に意見はするな』

なんて、とてもじゃないけど言えません。

ただ代表なので、その意見を採用するかどうかの決定権があるというだけの話です。

そして、どうしても意見の摺り合わせが出来ない場合、そのメンバーに強制的に団体を去ってもらう事も代表権限だと思います。
(逆に、自分の都合で団体を辞める事はメンバーの権限だと思います)

まぁ、いわゆる『クビ』というのは、あくまでも最終手段ですが…。

2009年~2010年は色々な理由でメンバーの入れ替わりがあった年でした。

そう考えると、2009年後半から2010年の前半までの約半年が、武装が一番安定していた時期だと言えるでしょう。
2012-11-17(Sat)

小説・さやか見参!(173)

音駒の表情が若干変わったような気がして、さやかは躊躇った。

『聞いても、いいですか?』

『もちろん構いませんよ。話す約束ですしね。ただ、面白くない話なので許して下さいね』

音駒が照れたように笑った。

『私は以前、許嫁を病でなくしたんですよ。許嫁といっても幼馴染みのようなものでしたけどね』

その言葉を聞いて、さやかの心臓が鼓動を早めた。

イバラキ、ゆりえ、そして音駒、
自分の周りには愛する人を失う者が多すぎやしないかと不安になったからだ。

いや、それだけではない。

音駒に許嫁がいたという事に微かな嫉妬を抱いてしまったから、でもある。

だが幼いさやかは己の感情の正体を掴めずに苛立ち、音駒の顔を見た。

いつもと変わらぬ音駒の笑顔が、いつの間にか薄闇に包まれてる。

さきほどまで西陽が眩しいくらいに感じていたのに。

『もう5年も前の話です。ちょうど親同士の間で私達を一緒にしようという話が出ていた頃で…もちろん私達もいずれそうするつもりではいたのですが…これから祝言の段取りを話し合おうという時に彼女が病に倒れました』

『何の…病気だったっシュか…?』

『癌でしたね。気付いた時にはもうかなり進行していてどうしようもなかった。もっと注意深く見守っていれば早い段階で気付けたのかもしれませんが、彼女は元々身体が弱くて、多少具合いが悪くても無理をする癖があったんです』

陽が完全に落ちた。

『暗くなりましたね。燭台を出しましょうか』

足を止め、ほどいた荷から出した蝋燭に火を灯し、音駒は再び歩き出す。

さやかと心太郎は音駒の横に並んだ。

『医者も家族も手を尽くしましたし、本人も気丈に振る舞っていたんですが…最後の数ヶ月はただ、死にたくない死にたくない、と、それはもう狂ったように』

さやかは言葉も出ない。

『死にたくない、生きて貴方と一緒になりたいと言われる度、私は自分の非力を悔やみました。結局何も出来ないまま、彼女は息を引き取りました』

しばし沈黙が訪れた。

何を話すべきなのか、
いや、声を発するべきなのかすらさやかには分からなかった。

『それで…医者になろうと…?』

心太郎が躊躇しながら訪ねる。

『そうではありません』

音駒が即座に否定した。

『許嫁を助けられなかった後悔から医学の道を志したわけではありません。私の場合は、もっと自分勝手な理由なんです』
2012-11-16(Fri)

すまいる大御殿!

年齢のせいでしょうか。

騒がしいテレビ番組よりも、ちょっとゆるい雰囲気の番組が好きになってきました。

『モヤモヤさまぁ~ず2』『華丸・大吉のなんしようと?』終わってしまったけど『このへん!!トラベラー』、
そしてこの、

『すまいる大御殿』(RKBテレビ)
すまいる

原口あきまさサン、はなわサンが色んな地域を巡り、お店などを紹介する番組です。

僕はこの番組が好きで、火曜深夜にほとんど毎週観てたりします。

で、その『すまいる大御殿』が…


アトラクションチーム武装の練習にやってきました。
20121113すまいる大御殿記念撮影

もうね、代表はウッキウキのミーハー気分ですよ!

原口サン・はなわサンを相手に殺陣をやらせてもらいましたよ!

嬉しかったなぁ♪

オンエアは年が明けてからになりそうなので、決まったら告知します。

とりあえず福岡近郊の方、火曜の深夜0:20からはRKBテレビ『すまいる大御殿』ですよ!
20121113すまいる大御殿撮影中
2012-11-15(Thu)

披露宴

11月11日は、とてもおめでたい席でショーをさせていただきました。

この日は殺陣教室で知り合った高比良さんの結婚式&披露宴。

その披露宴での余興を依頼いただきまして、アトラクションチーム武装は小倉の『ホテル・ニュータガワ』さんに向かったのであります。

今回のメンバーは、代表と織田先生に加えて、キャラクターショーの後輩の村ちょん&フジノと経験者揃い。

効果音スタッフは教室の生徒さんであるニシヤマさんにお願いしました。

まずは会場の下見をさせていただいて、どのような事が出来るかを確認。

それから控え室で構成を考えてリハーサルをしました。

このような臨機応変さが求められる現場では経験者の存在が本当に頼りになります。

それにしても控え室が立派なお部屋で。

我々は贅沢な時間を過ごす事が出来ました。

ニュータガワさん、ありがとうございました!

控え室の窓からは、高比良さんの神前式を拝見する事が出来ましたよ。
20121111神前式

さて、予定の時間からだいぶん押しまして、ようやく我々の出番となりました。
20121111余興前
花嫁に横恋慕し強奪しようとする浪人と、披露宴を守ろうとする忍者軍団。

ゲストに絡ませていただいたり、最後は新郎の高比良さんと一騎討ちをしたりで楽しいショーが出来たと思います。

正弘さん、言枝さん、ご結婚おめでとうございます!
末永くお幸せに!!
20121111余興後

披露宴でのショー等のご依頼・お問い合わせは
アトラクションチーム武装
0942-32-7220
u.t.b-u-s-o-w.07@kpe.biglobe.ne.jp
代表・内野までご連絡下さい♪
2012-11-14(Wed)

11月前半、練習風景

11月1日(木)

▼武装では、刀の殺陣はもちろん、パンチやキック等も練習します。
20121101A

▼こちらは木刀での素振り(動画)。
http://video.fc2.com/content/20121114WudXbuZX

▼小学生から40代まで楽しみながら練習してます。
20121101B

▼参加して4ヶ月のミヤジマさんの殺陣(動画)。
http://video.fc2.com/content/20121114amRxECBs

▼キャラクターショーのスーツアクターさんが参加する事もあります。
20121101C

11月8日(木)

▼キツめのメニューでバテバテになる事も。
20121108G

▼中学生のちーちゃんも頑張ってます!
20121108A

▼ちーちゃんの殺陣はこちら(動画)。
http://video.fc2.com/content/20121114A0RcSLa2

▼キック!
20121108B
▼パンチ!
20121108C
殺陣に必要なのは自分の身体をコントロールする事。
その為にもボディアクションの練習は欠かせないと思ってます。

▼こんなカンジですけど、練習中はみんな真面目にやってるんですよ(笑)
20121108D

▼シライシさんの殺陣(動画)。
http://video.fc2.com/content/20121114Tb0YK5nt

▼ミヤジマさんの殺陣。
20121108E

▼ミヤジマさんの殺陣(動画)。前回と見比べてみて下さい。
http://video.fc2.com/content/20121114tpWxZLK5

▼ナカシマさんの殺陣(動画)。プロとして活躍なさってた方です。
http://video.fc2.com/content/20121114ZTKud7W2

▼何度も言いますが、練習は真面目にやってます。
20121108F


11月12日(月)

▼久留米での練習。ライト君。
20121112A

▼基本的な受けの練習中(動画)。
http://video.fc2.com/content/20121114T3AYksN9

▼織田先生が動きの細かいポイントを教えています(動画)。
http://video.fc2.com/content/20121114QNBpVmWs

▼ライト君の殺陣。参加してまだ2ヶ月ぐらいかな?
http://video.fc2.com/content/20121114ErD9TYwV

▼最後は平成ライダーっぽくキメてみました♪
20121112B
2012-11-12(Mon)

小説・さやか見参!(172)

音駒が患者の屋敷で治療をしている間、さやかと心太郎は近くをぶらぶらと歩いてみた。

刺すように冷たい風が背を押すように吹いている。

顔を上げると空には一面 冬の雲が広がっていた。

景色が灰色に見えるのはそのせいかもしれない。

冬の景色には色が無い。

さやかは常々そう思っていたが、今は少し違う。

雪の白も、雲の灰色も色なのだ。

花の赤や空の青と同じ『色』なのだ。

それに気付いてから、何だか分からないけど何故か心が晴れた。

さやかは心太郎にそんな事を話した。

『ふぅん』

心太郎は驚いたような、納得したような、嬉しいような、それでいてそっけないような曖昧な返事をした。

『なによその生返事。せっかく話したのに』

さやかが拗ねる。

『いや、それはいい事だなぁって思うっシュよ。おいらも何だか嬉しいっシュ』

心太郎が微妙な受け答えをするので二人の会話はそこで終わってしまった。

やがて陽が傾いて木々の影が遠くに伸びた頃、屋敷の木戸から行李を背負った音駒が姿を現した。

屋敷に向かって手を合わせ、患者の治癒を祈っている。

『音駒さん、お疲れ様』

『さやかさん、心太郎殿、すみません、待たせてしまって』

『いいえ、またしばらくお別れなんだからこのぐらいは』

さやかが微かに曇った笑顔で答える。

音駒とはここで別れ、山吹の里に戻らなければならない。

次にまた会える保障はどこにもない。

だがさやかは無理に明るく振る舞った。

『患者さんはどんな様子でしたか?』

『そうですね。気塞ぎは波がありますから。今日は落ち着いてましたが、まだ先は長そうですね』

音駒の表情も曇る。

だがそれはさやかとの別れを惜しんでではなく患者を心配してのものだ。

さやかは寂しい気がしたが、それでこそ音駒だと嬉しくも思った。

『ねぇ音駒さん』

『はい?』

『前に約束しましたよね?音駒さんがお医者さんになろうと思った理由、次に会った時に教えて下さい、って』

『そうでしたね』

音駒は微笑んだ。

だが心太郎はその笑顔を見て、音駒の瞳の奥に寂しげなものが秘められている事を悟った。
2012-11-12(Mon)

みんなの力を合わせよ う!クリック募金45

1日遅れちゃいました!

末尾に1が付く日はクリック募金の紹介をしてるんですが…

昨日、11月11日は仕事でバタバタしていて更新しそびれてしまいました。

今後も1が付く日に更新出来ない事があるかもしれませんが、その時はこんな風に後日改めてという形で紹介したいと思っておりますのでご了承下さい!


『みんなの力を合わせよう!クリック募金』


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2012-11-06(Tue)

小説・さやか見参!(171)

林の脇を通り、音駒は病人が待つ家に向かって歩いた。

さやかと心太郎はその隣についている。

『あれからこの林には?』

さやかが尋ねる。

かつてこの林には天狗が出るという噂があった。

天狗の正体はイバラキ達『幻龍組』の忍者達で、さやかは酷い手傷を負わされ、それが音駒との出会いのきっかけになったのだ。

『あれからは何も。周囲の噂だと天狗はお山へ帰られたそうです。…私はまだ怖くて、こうして林の外を歩いておりますが』

音駒は自虐的に照れた笑顔を見せた。

あの時は音駒もかなり危険な目に遭ったのだ。

恐怖が残っていたとて不思議ではない。

『でもまさか、さやか殿がこんな普通の人に助けられたなんて…なんか信じられないっシュね』

『こら心太郎!』

心太郎が図々しい口をきく。

『はは、いいんですよさやかさん。心太郎殿の言うように私は普通の、いえ、普通にも満たない者ですから』

音駒が爽やかに答える。

そこには卑下も皮肉もなく、本心からそう思っている事がうかがえた。

『一人前の医者になって、本当に人の命を救えるようになるまで私は半人前なんです』

さやかは頭を振った。

『そんな事…もう!心太郎!あんた、音駒さんからちょっと良く言われたからって調子に乗りすぎじゃないの!?あんたなんか半人前にもなれない三流以下なんだからね!?』

心太郎が音駒から良く言われたというのは先ほど初対面の挨拶をした時である。

音駒は自分よりずいぶん年下の心太郎にしっかりとあたまを下げて自分から名乗った。

『はじめまして。音駒といいます。医者を目指して精進中の身です。さやかさんがこちらの林を通られた折、縁あって知り合いました』

固い。固すぎる。
このまま『さやかさんを嫁に下さい!』と言わんばかりの固さである。

心太郎は吹き出しそうになりながら、手短に言った。

『おいらは心太郎っシュ』

本来なら忍者に自己紹介などない。

身分を明かさぬが常なのだ。

『心太郎殿もさやかさんと同じ山吹流の忍者なのですか?』

禁忌を知らぬ者はずばりと核心に触れてくる事がある。

心太郎は戸惑ってさやかをちらりと見た。

答えて良いものか迷ったのである。

さやかが笑顔でうなずくのを見て心太郎はようやく

『そうっシュ』

と答えた。

『なるほど』

音駒が感嘆の表情を浮かべる。

『おそらく心太郎殿は、優れた腕前をお持ちなのでしょうね』

『えっ?』

『聞けばさやかさんは流派本家の跡継ぎとの事。そのような優れた方に同行を許されているのですから、心太郎殿の腕前も並々ならぬものがあるのではと思いまして』

そう言われて心太郎は驚いた。

心太郎はいつも、さやかの『弟』や『弟子』に見られているのだ。

任務の同行者として見られた事などほとんどない。

だが音駒は心太郎を『優秀な同行者』だと判断した。

危険な任務に赴くさやかが足手まといを連れて行くはずがないと考えたのだろう。

悔しいが心太郎は音駒に好感を持ってしまった。

『並々ならぬ腕前?ははん、音駒さんはよく分かってるっシュ。おいらは…』

得意気な心太郎の言葉をさやかが遮る。

『音駒さん!それは買い被りすぎよ!そいつは三流も三流、全然使えない役立たずよ!頭領の命令で仕方なく連れてるだけなんだから!』

『さやか殿、そんなぁ』

心太郎が落ち込む。

『いやいや、心太郎殿が三流ならば、頭領殿も同行を命じる事はないでしょう。今ここにいるという事が、心太郎殿の実力の証明だと思いますよ』

心太郎は一瞬浮かれかけたが、さやかが修羅の如き形相で睨んでいたので恐縮したふりをした。

それ以来心太郎は音駒に馴れ馴れしい態度を取るようになったのである。
2012-11-05(Mon)

小説・さやか見参!(170)

『驚きました。さやかさんにまた会えるなんて』

『えっ?私ちゃんと約束しましたよね?またここで会いましょうって。もしかして約束忘れてました!?』

さやかが音駒に詰め寄る。

音駒が慌てて

『忘れてないですよ!』

と否定すると、さやかは更に


『じゃあ私の事信じてなかったんだ』

とむくれてみせる。

『そうじゃなくて、まさか今日会えるなんて思ってなかったから驚いただけですよ!』

『どうだか』

口調は他人行儀だが不思議と親密な空気を感じる。

心太郎は少し離れた場所から二人を眺め、拗ねた顔をして呟いた。

『仲がよろしくて結構な事っシュね』

心太郎はさやかから音駒の話を聞く度に若干の胡散臭さを感じていた。

ぶっちゃけて言うと、敵の間者ではないかと疑っていたのだ。

くのいちが色仕掛けで男を落とす術ならば、逆に男が女を嵌める術もある。

まぁそれは外見による所も大きいわけだが、ならば音駒とは色男であろうと想像はしていた。

『絶対に正体を暴いてやるっシュ』

心太郎はそう心に誓っていたのだが…

先程、遠くから音駒を見付けた時、

まだ顔も見た事がなかったというのに一瞬でそれが音駒だと分かった。

何故ならば、さやかから聞いていた通り、善良で、穏やかで、臆病で、そして強い、その雰囲気を纏っていたからである。

他人を騙すような邪気を全く感じさせない男だと心太郎は思った。

その善良な優男は遠目にも分かるぐらい、さやかの追求に狼狽えている。

『本当ですよ!私は毎日、いつかさやかさんに会えると信じてこの道を歩いてたんですから』

そう言うと音駒は少し申し訳なさそうな表情になって、

『最初の頃は、明日会えるかも、明日こそは会えるかもって毎日考えてましたけど、日が経つにつれ、さやかさんのお仕事はお忙しいんだなって分かってきて…それでわざと期待せずに歩くようにしてたんです。いつ会えるか分からないのに期待ばかり膨らませてると心が折れちゃいそうだったので。…ごめんなさい』

音駒は頭を下げた。

だが、

それを聞いてさやかは、詫びるべきは自分だと思った。

いつ会えるとも分からぬままに再会の約束をし、そして予定外に長丁場な任務で音駒を待たせていたのだ。

むしろ、約束をまだ信じてくれていた事の方が奇跡だろう。

『音駒さん、私こそごめんなさい。すみませんでした』

さやかは心から詫びた。

そのしおらしい姿はくのいちではなく普通の女の子にしか見えない、と、心太郎は思った。
2012-11-04(Sun)

不条理は襲ってくるもので

11月は『児童虐待防止月間』だそうです。

児童虐待は、最も悲しいニュースの1つと言っていいでしょう。

香川の『未来環境防衛隊ドラゴンマン』さんや、静岡の『遠州忍者魁斗・鼈甲』さんはオレンジリボンの活動に参加されて、虐待防止を訴えておられます。

武装も何かやってんのか?…と思われた皆さん、

申し訳ありません。

武装は、代表は、何もしておりません。

ただ、代表の個人的な思いはアメブロの方に書いてみました。

さて、

僕は児童虐待というのは、社会に厳然と存在する不条理だと思っています。

なくなってほしいと願っていますが、現時点ではまだなくなる気配はありません。

存在するという事は、それに晒されている者がいるという事です。

児童虐待だけではありません。

腕力が強い者が弱い者を、強い立場の者が弱い立場の者を虐げるという不条理は大人同士でも存在しています。

これまでも何度か書きましたが、『忍者ライブショー さやか見参!』の敵は不条理の象徴として描いています。

主人公・山吹さやかは名門・山吹流の後継者ではありますが、まだ年端もいかない女の子。

お目付け役の心太郎などは腕も三流、さやかよりも更に年少。

そんな子供達を、凶悪な力を持った大人の男が集団で襲います。

徹底的に、完膚なきまでに。


それでもさやかは立ち上がります。

自分の意思で、自分の力で、不条理と戦おうとします。

ここに『さやか見参!』のテーマの1つがあります。

襲ってくる不条理とは戦わなくてはいけないのです。

戦う、と言っても、真っ向からぶつかるばかりの話ではありません。

逃げてもいい、

助けを求めてもいい、

とにかく諦めない事が大切なんです。

何度叩きのめされても立ち上がる山吹さやかを見て、子供達が勇気を持ってくれたら嬉しいなぁ、と思っています。
2012-11-01(Thu)

みんなの力を合わせよ う!クリック募金44

今日は11月1日!

アトラクションチーム武装がこのクリック募金に参加してちょうど1年です!

微々たる力ですが、1年継続した事で、
そして2年3年と継続する事で、少しでも大きな力に出来ればいいなと思います。

今後ともよろしくお願いいたします!


『みんなの力を合わせよう!クリック募金』


クリック募金
クリックで救える命がある。



忍者ライブショーさやか見参!



ヒーロー連合ジャスター



グランパワーヒノクニ



遠州忍者 魁斗&鼈甲



未来環境防衛隊ドラゴンマン

プロフィール

武装代表・内野

Author:武装代表・内野
福岡・久留米を中心に、九州全域で活動している『アトラクションチーム武装』の代表です。

1972年生まれ。
1990年にキャラクターショーの世界に入り現在に至る。

2007年に武装を設立。

武装の活動内容は殺陣教室、殺陣指導、オリジナルキャラクターショー等。

くのいち・山吹さやかが活躍する『忍者ライブショー さやか見参!』、新シリーズ『ギルティー!!』も展開中!!

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