2012-07-31(Tue)

みんなの力を合わせよ う!クリック募金32

偉い人達が自己保身ばかり考えず、もっと『本当に必要な事』に目を向けてくれるといいんですが…

小さくとも、一人一人が声を上げていくしかないんでしょうね!


『みんなの力を合わせよう!クリック募金』


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忍者ライブショーさやか見参!



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2012-07-25(Wed)

小説・さやか見参!(166)

『上様』

戸の向こうから声がすると、藩主は身体を起こした。

返事を待たずに家臣達はすっと襖を開ける。

『失礼つかまつりまする』

二人の若侍、そして頭を丸めた十徳姿の中年の男が寝所へ入った。

さやかは屋根裏で、心太郎は床下で気配を完全に消し去っている。

『上様、御加減はいかがにござりまするか』

十徳の男が湯飲みを乗せた盆を手に藩主の傍らに座した。

おそらくは典医なのであろう。

『さ、薬湯を』

典医が藩主の手に湯飲みを握らせる。

すると鳥飼侯は、まるでからくりのような動きで薬湯を飲み干した。

その目は焦点が合っていない。

やはり藩主は病に侵されているのだと心太郎は思った。

空の湯飲みを受け取った典医はそれを逆さにして盆に乗せ、若侍達の後ろに座した。

それから、

しばらくの間、沈黙が続いた。

誰も喋らず、誰も動かず、ただ時間だけが流れる。

しかし天井裏のさやかは僅な変化に気付いていた。

虚ろだった藩主の目に、次第に光が戻り始めていたのである。

それはどんよりとした鈍色の光ではあったのだが。

やがて、藩主は口を開いた。

先程までの様子からは信じられぬ、しっかりした低い声で。

『どうじゃ』

いきなりの問いである。

心太郎は一瞬呆気に取られた。

だが若侍達には主君の真意が伝わっているらしく、

『本日は二名にございます』

と答えた。

『けしからん』

藩主は吐き捨てた。

若侍と典医は頭を下げる。

『人を欺かぬ、人を裏切らぬ、そんな当たり前の事が何故下々の者達には出来ぬのだ。裏切りは万死に値する行為。命をもって償わせるが良い』

『はっ』

更に若侍が頭を下げる。

そうか。

『本日は二名』

とは、人を欺いた罪で裁かれる者の数なのだ。

これよりその者達が刑を処されるのだろう。

さやかと心太郎が聞いた話では、今やこの鳥飼は疑心と謀略の国に成り下がっている。

『他人を欺くべからず』という律は、憎き者を排除する為に利用されている。

何処の某に騙されたと虚偽の密告をするだけで、その某は確かな詮議もないまま処罰されてしまうのだ。

つまりはこれから処刑される者達も、他人を欺いた者なのか他人に陥れられた者かははっきりせぬという事である。

これでは逆に、嘘をつく者が得をする、正直者が損をする社会が出来上がるだけではないか。

心太郎は処刑される二人を助けなければ、と思い、さやかの気配を探った。

もしかしたらさやかが助けに動くかもと思ったからだ。

だが、さやかが動く気配はなかった。

今は藩主から目を離すわけにはいかないのだ。

心太郎が奥歯を噛み締める。

さやかは心太郎の気持ちを察しながらも室内の様子を窺い続けていた。

先程、一瞬だけ鈍い光が灯った鳥飼侯の目が、再びどろりと濁ったからだ。

光を失うと、そのまま藩主は口を開かなくなった。

典医が寄り添う。

『上様はお疲れになったようじゃ』

そう言って目配せすると若侍達が頭を下げて襖を開けた。

湯飲みの乗った盆を手にした典医が退出し、若侍がそれに続く。

一人になった藩主は、またごろりと横になった。

(なによ、あれ)

さやかが内心毒づく。

さやかからははっきりと見えたのだ。

典医が寄り添うようにして、鳥飼侯の首筋にこっそり針を刺した所が。

そういえば、あの男が渡した薬湯を飲んでから鳥飼侯は人が変わったように喋り始めたのである。

薬と針で操られているのか。

ならばあの十徳の男は、ただの典医などではあるまい。
2012-07-24(Tue)

ハードメニュー


月曜日は久留米で殺陣教室でした!

参加者は徳永潤さんと、劇団・博覧演記の朱治凛角さん。

凛角さんは劇団の今後に活かせる技術を習得する為に来て下さってます。

武装の殺陣教室には色んな目的を持った方がいらっしゃいますが、大きく分けると以下の2つになります。

『プロとして通用する技術を求めてる方』

『趣味の範疇として殺陣を身に付けたい方』

体力をつけたいとか運動したいって方は後者ですね。

で、目的が違うとメニューも変わってきます。

趣味の方には広く浅く経験してもらい、そこから少しずつ深く掘り下げていきます。

進行速度は緩やかで、無理な事はさせません。

対してプロ仕様のメニューは、狭く深く。

まずはきっちり基本を身に付けてもらい、それが出来たら少しずつ幅を広げてまた掘り下げていく。

進行速度は速く、多少の無理は我慢してもらう事になります。

そして何より、自主性が大切になってきます。

自主性とはどういう事かと言うと、

『練習時間は習う時間、自主練習は身に付ける時間』

を実践するって事。

つまり、今週の教室で習った事を、翌週までに(自主練習で)身に付けておくって事ですね。

自主練習は本当に大切なんですよ。

で、凛角さんの場合はプロ仕様なので、わりと厳しいメニューになっております。

厳しいメニューというのは僕の場合、

『地味な反復練習』

って事です。

キツさが同じなら、派手な動きは充実感があるから乗り切れる。

変化のあるメニューなら飽きずに頑張れる。

しかし、地味な反復は本当にキツいものです。

でもそれが一番大切な練習なんですよね。

地味さを嫌い、反復を嫌い、派手で変化のある練習しかしなかった人達がどの程度だったか、僕はたくさん見てきました。

僕は武装の殺陣教室に来てくれた人達は高い志を持っていると信じているので地味な反復をやってもらうのです。

摺り足、素振り、型、立ち回り、

そういった基本を何回も何回もやらせたので、凛角さんは汗だくのヘトヘトでした。

でも動きが身体に浸透し始めてますから、これからが楽しみですね♪
2012-07-23(Mon)

今年も南島原へ!

7月21日、土曜日。

我々アトラクションチーム武装は行ってきましたよ、南島原へ!

何をしに?

そんなの、ショーをする為に決まってるじゃないですか♪

『忍者ライブショー さやか見参!』

今回は保育園でのショーという事を意識して新作を書きました。

タイトルは、

『引かぬ者達、立ち上がる者達』


自分がやりたい事、やると決めた事には、自分の力で、自分の責任において取り組みましょう


そんなテーマのお話です。

今回は

山吹さやか・・・・ふくふく
下忍A・ヤイバ・・あべっち
下忍B・・・・・・朱治凛角(博覧演記)
幻龍イバラキ・・・武装代表

MC・・・・・・・ナンシー
PA・・・・・・・原さん(KXプロモーションズ)

という強固な布陣で現場に臨みました。
20120721寺田保育園

下忍B役の凛角さんは劇団の俳優さんですが、子供向けのキャラクターショーは初めて。

せっかく殺陣教室にも来て下さってるので経験値を上げて欲しいという思いもあって今回出演を依頼させていただきました。

キャラクターショー初と言っても、このブログの『あやかしたんてい(8)』にも書いてますが、凛角さんの技量に関しては全然心配してませんでしたけどね♪
20120721寺田保育園

ショーでは子供達の反応がすごくて、下忍が何をやっても大爆笑。

子供達、大丈夫か!?と心配になるくらいに(笑)

そして主人公、山吹さやかにはたくさんの声援が。
20120721寺田保育園

上は山吹さやかとMCのナンシー。

ナンシーは僕が最も信頼しているMCの1人です。

後半は、さやかを守る謎の忍者・ヤイバも登場。
20120721寺田保育園

ヤイバは顔にデカデカと『刃』と書かれています。
20120721寺田保育園

さやかにしてもヤイバにしてもイバラキにしても、本気で戦う者は確固たる信念を持っている。

それゆえ敵であっても気持ちは理解出来る。

ただ、それを許す事は出来ない。

山吹流とイバラキの戦いの根底にはそんな想いもあるんだな、と再確認しました。

今回のイバラキの台詞にこんなものがあります。

『野望というのは己の力のみで成し遂げるものだ』
『己の足で立て、己の腕で切り拓け、それが、我が幻龍組に生きる者の矜持だ』

それに対してクライマックス、さやかはこう答えます。

『イバラキ、あんたの事は大ッ嫌いだけど、あんたの信念は認めてあげる』

と。

イバラキの信念を認めているからこそ、以前、人の心を操る魔剣を使おうとしたイバラキにさやかは

『もしそんな物に頼るのなら、私あなたを軽蔑するわ』(紅蓮丸と伝説の魔剣より)

と言ったのでしょう。

物語を書けば書くほど、さやかとイバラキの関係が気になります。

この2人、本来はすごく気が合うハズなんですよね。
20120721寺田保育園
上の画像は意味分かりませんが(笑)

移動時間が長かったり豪雨に祟られたり事故に巻き込まれそうになったり山道にビビったり帰りが遅くなったりと色んな事がありましたが、楽しい1日でした。

ショーを観た子供達も楽しい気持ちでいてくれたらいいな♪
20120721寺田保育園
2012-07-22(Sun)

みんなの力を合わせよ う!クリック募金31

末尾に1がつく日は、東日本大震災の被災地復興を願って『クリック募金』を紹介…

させていただいてるんですが、昨日はイベントの仕事が忙しくて更新出来ませんでした。

遅れましたが今から更新しますね。


僕が住んでいる久留米近郊や九州各地で、豪雨による被害が出ています。

土砂崩れや浸水で住む所や仕事を失った方々をニュース等で見ていると、やはり

『助け合いの大切さ』

と実感します。


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2012-07-20(Fri)

7ヶ月ぶり

明日、7月21日は、7ヶ月ぶりの

『忍者ライブショー さやか見参!』

という事で、昨日はリハーサルでしたよ♪



当日は天気悪そうだけど大丈夫かなぁ~??



新作『引かぬ者達、立ち上がる者達』



頑張ってきます♪

2012-07-17(Tue)

アクションへの道(341)

体調不良で皆さんに迷惑をかけてから1ヶ月後の9月には、ワンダーシティ南熊本さんでの九州ヒーローネットのイベントに出演。
集合2

グランパワーヒノクニを中心にヒーローヒロインが集合し、我々も『さやか見参!第1話』を公演させていただきました。
殺陣5

とても楽しいイベントでしたが、やはり夏場から感じていた違和感が拭えず、

『来年のフェスタで九州ヒーローネット脱退』

という事を決意しました。

アクションへの道(334)で書いた金銭的な理由も大きい(1回のショーで、僕の給料1ヶ月分が飛んじゃうので…)のですが、他の団体さんとのスタンスのズレを感じたと言うか…

何が良いとか何が悪いとかって事じゃないですよ。

単に、僕がいると他のチームの皆さんに迷惑をかけてしまうだろうなと思ったからです。

という事で、武装メンバーにも、

『もし来年もフェスタがあったなら、それを最後に脱退するから』

と伝えたのでした。
2012-07-16(Mon)

あやかしたんてい(8)

『妖師探偵』の主人公の1人、勘解由小路 燈九郎(かでのこうじ とうくろう)。

チャラい感じの探偵さんです。


愛結夢達と鬼達の戦いに巻き込まれて命を落としますが、反魂の術によって大和尊命の魂を宿し復活します。

今回、燈九郎の立ち回りは前半に1つ、ラストに1つです。

前半はまだチャラい探偵なので、

●とにかく逃げ回る。
●カッコつけようとするが戦力にならない
●しかし正義感はあるので女性を守ろうとはする

みたいな感じでした。

ラストは大和尊命の魂を宿しているので

●戦闘力UP
●若干、荒々しい戦闘法
●しかしまだ戦い慣れしていない
●チャラさも忘れていない

という風に立ち回りを付けました。

燈九郎の立ち回りの見せ場はラストしかないので、印象に残りやすい手を付けたつもりです。


その燈九郎の知人にして愛結夢の育ての親の1人、仝惷(どうしゅん)。

普段は俗っぽい面を見せているが、実際はすごい法力を持つ位の高い僧です。

この仝惷の立ち回りは1つだけ、

酒天童子との一騎討ちで命を落とすシーンだけでした。

僕がこの立ち回りで重要視したのは、ズバリ『仝惷のカッコ良さ』です。

台本上では仝惷と酒天童子の力の差は歴然、
一方的に惨殺されてもおかしくない流れだったのですが、それをするのは嫌でした。

先ほど書いたように、仝惷は普段俗っぽくて、ムードメーカーだったりお笑い担当だったりするのですが、その仝惷があっさり惨殺されてしまっては、

『ただのオモロイおっちゃん』

で終わってしまうと思ったんです。


高僧としての仝惷、人格者としての仝惷を表現する為には、

『仝惷ってホントは凄い人なんだ!』

と観客に思ってもらわなくてはならないのです。

酒天童子と互角に渡り合う仝惷、

その強さの源には、愛結夢達を守りたいという思いがある。

だからこそ酒天童子も本気を出す、という事を表現しなければ仝惷が活きてこないな、と。

それに加えて、酒天童子は時間稼ぎをしているという設定なので、じっくりなぶり殺しにしている感じを入れてみました。

結果、仝惷役の龍角さんの名演と相まって素晴らしいシーンになりました。


燈九郎役の凛角さん、仝惷役の龍角さん、お2人とも殺陣の練習をする時間があまりなかったのですが、 僕は全く心配していませんでした。

お2人の芝居を最初に見た時点で、

(きっと立ち回りも上手いだろうな)

と直感的に感じたからです。

何故そう感じたかと言うと、2人とも役を掴むのが上手いと思ったから。

台本から自分の役を掴み、演技を乗せて完成させていく。

これは自分の芝居を理解し確立させていなければ出来ない事です。

そして、芝居を確立させてる人は、立ち回りを演技に変換させるのが上手いんです。

文章で詳細を説明するのはめんどくさいのでやめますが、お2人に絡んでみて、僕は自分の直感が正しかった事を確信しました。

殺陣、立ち回りは技の羅列ではなく、ちゃんとしたお芝居ですからね。

立ち回りの解説、
次回は鬼の首領、大嶽丸様。
2012-07-13(Fri)

斬って斬って斬って

7月12日は殺陣練習日でした!

お昼はNさん(参加3回目)と2人で摺り足と型。
20120712-5

ただ言われた事をこなすのではなく、キチンと考え、1つ1つの疑問を解決しようとしているNさんの姿勢は見習うべきものがあります。

僕もNさんからたくさんの事を学んでいます!

夜の部の参加者は、

シライシさん(1年5ヶ月)
タカハシさん(8ヶ月)
ミヤジマさん(3回目)
ニシヤマさん(2回目)
ヤマモトさん(1回目)

こちらは昼に比べてバラエティー豊富なメニューでした。

初心者が多い事もあって、摺り足や素振りなどの基本的な内容がほとんどですけどね。

斬られるリアクションも練習しました。

タカハシさんが斬られ
20120712-1
ミヤジマさんが斬られ
20120712-2
ニシヤマさんも斬られ
20120712-3
初参加のヤマモトさんまで
20120712-4
しかしこうやって並べると、斬り手であるシライシさんのフォームが安定してるのが分かりますね。

最後は刀班と素手班に分かれて立ち回りをやりました。

みんな楽しんでくれたかなぁ?
20120712集合
2012-07-13(Fri)

アクションへの道(340)

自分達のショーが終わって倒れたというだけなら何ともないのですが、実は代表、助っ人として他のチームさんのショーに出演させていただく事になっていたのです。

急いで着替えなくちゃいけないのに立ち上がれない、呼吸が元に戻らない、

周りの皆さんに介抱されながらどうにか着替えたものの、動ける自信がない。

でも当然『やらない』などという選択肢はありません。

『スミマセン、いけます、やります』

プロのはしくれとも思えない情けない言葉を吐きながら代表はマスクを被りました。

前説が入り、いよいよショー直前、代表はもうひとつの懸念を確認しておく事にしました。

代表は今回のショーの中で『背落ち』というリアクションをやる事になっていました。

しかし若い頃に腰を痛めていた代表は、自分の身体が背落ちの衝撃に耐えられるか分からなかったのです。

ステージの裏で一度だけ、こっそり試してみました。

ずんっ!!

着地と同時に、痛めていた部位に衝撃が走ります。

左足がガクガク震えました。

こんな感じだったので自分が満足出来る芝居が出来るハズもなく、観客を満足させられる芝居が出来るハズもなく、本当にダメダメな仕事をしてしまいました。

代表を助っ人として使ってくられた某チームの皆さんにも酷い迷惑をかけてしまい、大袈裟でなく死んでお詫びしたいと思いました。

体調管理の大切さは分かっていたハズなのに、本当に情けないですね。

武装の衣裳・小道具製作スタッフは代表1人しかいないので限界はありますが、今後このような事がないようにしなければ …

そう誓ったのですが、以降もなかなか思ったようにはいきません。

自分の造型の力量やスピードを自覚した上で、しっかりとスケジュール調整しなければいけないんですよね。

今の課題のひとつです。

ショーの前はちゃんと寝よう!!
2012-07-13(Fri)

小説・さやか見参!(165)

(おかしいわ)

天井裏から鳥飼藩主の様子を見ていたさやかは心の中で呟いた。

すでに陽は高くなり、町からは人々の行き交う音が聞こえている。

さやかと心太郎が城内に潜んですでに数時間が過ぎた。

鳥飼侯は夜明けからしばらくして目を覚ましていた。

だが、さやかが呟いたように、その様子は普通ではなかった。

周りに誰もいなければ黙って横になり、家臣達が来れば黙って座している。

とにかく言葉を忘れたかのように、ただの一言も喋らぬのだ。

そして何よりも、
鳥飼侯の目には生気が全くなかった。

どろりとした濁った目をしていたのだ。

床下から様子を窺っていた心太郎は、藩主は重い病なのではないかと思った。

意識の混濁や記憶の障害、そういった何かではないのかと。

もし病だとしたらそれはいつからだろう?

この様子では例の御触れを出す事も出来まい。

御触れどころか通常の職務さえこなせそうにない。

だとしたら、虚言を禁じる御触れを出した後にこの容態になってしまったのだろうか。

心太郎はそこで思考を止めた。

どれだけ考えてみても憶測推測の域を出る事はないのだ。

ならば余計な事を考えずに、ただ様子を見ていた方がいい。

藩主は一、二度厠に行ったぐらいで後は寝所から出る事はなかった。

よってさやか達もじっと暗がりに潜んだままであった。

身動きひとつする事もなく、一切の飲み食いもせず、埃だらけの板の上にただ無機物のように横たわる。

忍びにとってそれは全く苦ではない。

これぐらいは三、四日続けられなければ忍びとして役には立たないのだ。

さやかは決して気を散らす事なく、ぼんやりと音駒の笑顔を思い出していた。

そして、

(心太郎は何を考えてるだろう)

などと思っていた。

遠くで鴉が鳴いた。

外では陽が落ちはじめているのだ。

寝所に数人の家臣達が入ってきたのはその直後であった。
2012-07-12(Thu)

あやかしたんてい(7)

間人(はしひと)と是空(ぜくう)。

間人さんは厩戸愛結夢の従者の1人です。

鬼達を倒す最強の術を会得している八百比丘尼なのですが、その術を使った時、彼女は消滅してしまうのです。

物腰は穏やかで言葉遣いも丁寧。
しかし愛結夢の命令とあれば命を投げ出す事も厭わない。

唯我独尊な愛結夢に他人への思いやりを教えたのも間人さんではないか、と思います。

そんな間人さんの殺陣は、

●肉弾戦ではなく術で戦うキャラ
●本気で術を出すと消滅してしまうので、最低限の力しか使わない

という事で、太極拳や八卦掌のようなイメージの立ち回りを付けました。

肉弾戦が専門の金鬼にとっては一番相性の戦闘法でしょうね。

ふわりふわりと舞うように敵を翻弄しながら、吸収した太陽の力を掌から発し、攻撃を捌いたり退けたり、

今回の『妖師探偵』で一番難易度が高かったのが間人さんの動きです。

美しく柔らかく動きながらも戦いに相応しくキレを出さなきゃいけない。

しかも表情は常に飄々と。

間人役の真珠さんは真角さんと同じく格闘技の経験者です。

普段と違う動きに戸惑われたかもしれませんが、柔らかさとキレと微笑みを兼ね備えた最高の立ち回りを見せてくれました。

あんなに難しい動きをマスターするなんて凄い!

そんな真珠さんが演じるもう1人のキャラクター。

間人さんは最強の術を使う前に酒天童子に殺されてしまうのですが、妙懐丸の『式神の術』によって、間人さんに瓜二つの式神が誕生します。

それが是空です。

是空は愛結夢の想いから生まれました。

なので愛結夢の傲岸な性格を色濃く受け継いでいます。

愛結夢に対する敬愛や忠誠心は間人に劣りませんが、間人よりは無邪気な印象を受けます。

間人の術もある程度受け継いでいるとの事。

実際にその術を使って間人のかたき、酒天童子を倒しました。

そんな是空の殺陣は、間人とは正反対の打撃系。

こらは俺様キャラ・愛結夢の性格を受け継いだ故のイメージもありますが、やはり『間人さんとの違いを出したかった』というのが大きいです。

見た目はほとんど変わらないので、せめて動きは大きく変えたいって事ですね。

殺陣初経験で全く違う種類の動きをマスターしなければならなかった真珠さんの苦労は大変なものだったでしょう。

それを見事にやってのける所が

『女優やなぁ~!』

って感じでした。





次回はもう1人の主人公・燈九郎、

そして仝惷(どうしゅん)のお話。
2012-07-12(Thu)

アクションへの道(339)

大切なイベント『TーHACKの日』だというのに代表は何をやらかしてしまったのでしょうか。

もうホント、プロにあるまじき失態ですよ。

代表はその日のショーの為に、2週間ほど衣裳と小道具の製作にかかりっきりだったんですよ。

その間、睡眠時間がほとんどなかったんですが、それに加えて夏バテしてしまってて…

夏場の代表の部屋は、大袈裟じゃなくサウナぐらい暑いんですよ。

…大袈裟過ぎました…

サウナは言い過ぎですけど温室ぐらいは暑いんですよ。

窓がないから風も入らないし。

部屋でミシンなんかかけてた日にゃ、冗談じゃなく足元に汗で水溜まりが出来ますからね。

そんなこんなで体力の限界だったというのに衣裳製作が朝までかかったもので、徹夜で現場に向かったのです。

少しだけ座って休んでから出発しようとしたんですが、立ち上がる時に足がガクガク震えていて

(こりゃマズイ)

と戦慄を覚えました。

そんな状況だったので、自分達のショーが終わった途端に倒れこんで動けなくなってしまいました。

ショーの後に倒れる事はこれまで何度もありましたが、かつてない苦しさでした。

…まぁここまでなら別に『やらかした』なんてレベルじゃないんですが…

代表が本当にやらかしたのはこの後だったんです…

▼まだ体力の限界をごまかしきれてた段階の代表

2012-07-11(Wed)

みんなの力を合わせよう!クリック募金30

末尾に1がつく日は、東日本大震災の被災地復興を願って『クリック募金』を紹介させていただいてます。

下にあるヒーロー達の画像をクリックして、募金画面に進んでいただけたら嬉しいです。

お金はかかりません。

一日一回募金する事が出来ます。

小さくとも、たくさんの力が集まればいいな、と思います。

被災地の復興が一日も早く進みますように。


『みんなの力を合わせよう!クリック募金』


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2012-07-10(Tue)

久留米で殺陣

7月9日(月)は久留米で殺陣教室でした~♪

講師…僕
アシスタント…織田先生

参加者は、地元の劇団、博覧演記の凛角さんと真角さん。

博覧演記さんは今後の公演でも殺陣を取り入れる可能性があるので、お2人にはプロ仕様の厳しいメニューに取り組んでもらいました。

摺り足、素振り、型、打ち込み、受け…

地味でキツい基本メニューばっかりです。

無意識でも出来るぐらい基本を身体に染み込ませなければ良い殺陣は出来ない、

…と、僕は思っているので、基本の反復練習は欠かせません。

結果みんなで汗だくになりました(笑)

最後は凛角さんvs真角さんの立ち回り。


完成までのタイムリミットを設けて2人を追い込んでみました。


ガンガン追い込めるのは、お2人のレベルが高い証拠ですね♪

ますます上を目指して頑張っていただきたいと思います。

2012-07-09(Mon)

あやかしたんてい(6)


『妖師探偵 妖魔鬼神篇』のメイン主人公、厩戸 愛結夢(うまやどあゆむ)。

聖徳太子と大和尊命の魂を宿して、日本を守る為に鬼や妖怪と戦っています。

そして物語後半、戦いで命を落とした勘解由小路 燈九郎(かでのこうじとうくろう)に大和尊命の魂を与え甦らせます。

なので前半部分では剛柔併せ持つ戦闘法を、
後半では柔よく剛を制す戦闘法を、
と思っていたのですが、やはり3ヶ月ではその違いを出せるレベルまで持って行く事は出来ませんでした。

僕の力不足ですね。

その代わり、ではないですが、物語後半の愛結夢はかなり感情的になっているので、それを表現すべく『がむしゃらに』戦ってもらいました。

愛結夢を演じた衝角さんも回を重ねる毎に気迫が増して、迫力ある立ち回りが出来たと思います。

しかし、『愛と夢を結ぶ』と書いて愛結夢、いい名前ですね♪


次は、愛結夢の従者であり教育係の妙懐丸(みょうかいまる)。

台本を読んで思ったのは、妙懐丸は本来、戦闘向きではないんじゃないか、という事。

愛結夢ほどの戦闘力はなく、間人(はしひと)ほどの術も持たない。

式神を使えるようなので、本来は偵察や遠隔攻撃タイプかな、と。

しかし作中では短刀での立ち回りがけっこうあるんですよね。

そこで考えたのが以下のような設定。

●愛結夢に戦闘術を教えたのは教育係でもある妙懐丸

●よって妙懐丸と愛結夢は同じタイプの戦闘法

●実力では、聖徳太子と大和尊命の魂を持つ愛結夢には遠く及ばない

●従者なので、先に斬り込んで愛結夢の為に敵の隙を作ろうとする

こんな感じですね。

そんなに強くないけど、愛結夢の為に迷い無く戦いに臨む妙懐丸。

博覧演記代表の1人、凪流さんが難しい役どころを上手く表現してくれたと思います。


次回は間人(はしひと)と是空について。
2012-07-07(Sat)

あやかしたんてい(5)

全体の立ち回りを作っていく中で、最初にキャラクターが出来たのは『金鬼』という悪役でした。


(画像右が金鬼)

金鬼は

●立ち回りが多い
●『あらゆる武器が通じない』という設定が分かり易い
●役者さんがかなり動ける方である

という、非常に恵まれたキャラクターだったのです。

なので僕は金鬼に、

●無敵ゆえ、遊び感覚で戦っている
●無敵ゆえ、基本的には防御を考えない
●ただし、敵をからかったりする上での防御を魅せる事はある
●本気を出すと遊び(戦い)がすぐに終わってしまうので、じっくり楽しんでからとどめを刺す

という設定を作ってから立ち回りを考え始めました。

まず金鬼を置いてみて、上記の設定に合わせて主人公達を絡ませるという、

言ってみれば金鬼を中心にして立ち回りを組み立てたのです。

金鬼を演じた真角さんの負担は大きかったですね。

実は真角さん、本作が本格的な舞台デビューだったんです。

殺陣も初めてだったでしょうし。

でもそれを託す事が出来たのは、それだけのスキルがあるのが分かっていたからです。

幼い頃から格闘技を学んでいる真角さんは正確で綺麗で威力のある技を体得していて身体の使い方も熟知していました。

『こう動く為にはこうすればいい』

というのが分かってる方だから僕も無理を言えたんですね。

おまけに他のメンバーへのアドバイスも上手くて、おかげで全体的なレベルアップに繋がり本当に助かりました。

実戦的な格闘技と演技としての殺陣の違いに戸惑ったと思いますが、それを乗り越えて素晴らしい殺陣を披露してくれた真角さん。

彼が博覧演記さんの殺陣をますますレベルアップさせてくれると僕は思っています。

次回は主人公側の殺陣について書いてみましょう。

2012-07-07(Sat)

こだわり

21日のショーに向けて、新作のショーパッケージを製作中!

昨日は編集2日目でした♪

あ、

ショーパッケージってのは、キャラクターショーの本番の際に流す音源です。

セリフやBGMや効果音などが入ってる“ラジオドラマ”みたいなものだと思って下さい。

僕らはその音に合わせて芝居をし、ショーを成立させているのです。

『編集』は、セリフやBGM、効果音などの音を上手く繋いでパッケージを作る作業の事。

各地のショーチームではそれぞれパッケージを製作してますし、色んなこだわりもあると思います。

僕が編集で一番こだわるのは

『アクターが一番動きやすいタイミングでセリフや効果音を入れる事』

です。

パッケージのセリフや効果音というのは、ただ台本にある通りに繋げばいいってワケじゃありません。

“間”というのを考えないと演技として成り立たなくなってしまうのです。

例えば、

不意に背後から『あの…』と声をかけられ『はい?』と振り返る

というシチュエーション。

普通、いきなり後ろから『あの…』と声をかけられて、瞬時に振り返りながら『はい?』と応えたりしませんよね。

『あの…』

声に反応し足を止める。
振り返る。
相手を認識する。
自分が呼び止められたのだと判断する。
なんだろうと思う。

『はい?』

上記が自然な流れです。

この、動作や発言に至るまでの心の動きを“間”といいます。

この“間”を上手く作ればアクターも演技し易くなるんですね。

アクションに関しても同じです。

アクションが自然になる“間”というものがあります。

それらを妥協せずに調整してセリフや効果音を繋げる事。

それが僕のこだわりです。
2012-07-05(Thu)

興味はあるけど…って皆さんへ

武装では初心者向けに殺陣の指導なんかやってまして、

で、申し込みを検討されてる方に1つ知っておいてもらいたい事がありまして。

初めてのお申し込みをいただく際、

『殺陣がどんなものかも知らないのでご迷惑かけるかも…』

とか、

『運動が本当に苦手なので…』

なんて恐縮される方がけっこういらっしゃるのですが…

全然問題ナシです♪

むしろ、そういった奥手な方に来ていただきたいのです。

ウチの参加者の8~9割は、

『よく分からないけど、ちょっと興味があったので…ついでに運動になればいいかな、と…』

って方々です。

そして1~2割が、

『演技のスキルの1つとして殺陣を身に付けようとしている若き役者さん』

です。

動機はどうあれ、どちらも最初はゼロからのスタートです。

心配せずに参加してほしいと思います♪

趣味の方と役者さんでは練習メニューが違ってきますが、それだって最初の内はわずかな違いです。

『基本メニュー』は、素人さんだろうが役者さんだろうが変わりませんからね。

逆に、基本が出来てなければ素人さんだろうが役者さんだろうが何の役にも立ちません。

なので武装では、

『誰でも出来る殺陣』

を目指して、順を追って簡単な基本から練習を進めていくようにしています。

興味がある方は心配せずに連絡して下さい♪
2012-07-04(Wed)

小説・さやか見参!(164)

さやかと心太郎は呆気ないほど容易く鳥飼藩主の寝所に辿り着いた。

小さくとも一国の城であるゆえ、深夜明け方と言えども番をしている侍はいるし見回もいる。

女中達が目を覚ます時刻でもある。

だが、城の外にいた特殊な監視役の気配は一切感じられなかった。

たかだか女中や侍ごときをやり過ごす等、忍者にとって造作もない事。

さやか達は堂々と城内を歩いて藩主の寝所に潜入したのだ。

(よく寝てるっシュね)

心太郎が指を使って伝える。

確かに鳥飼藩主は穏やかな顔をして寝息を立てていた。

さやかは周囲をぐるりと見回す。

(特に何もなさそうね)

心太郎がうなずく。

怪しげな所はない。

城の外の警戒ぶりが嘘のようだ。

改めて藩主の寝顔を見る。

白くまばらな髪と刻まれた深い皺が、おそらく実年齢よりも上に見せている。

金丸公が慕う父違いの兄、

現在の金丸の礎を築いた切れ者、

突然変貌を遂げた男、

虚言を許さぬ触れを出した君主、

さやかは頭の中をまとめようとしたが、金丸公の悲しげな顔や、ゆりの悲痛な嗚咽が脳裏に浮かび、深く考えを巡らせる事が出来なかった。

とにかく、一日かけて藩主と城内の様子を探ろう。

全てはそこからだ。

さやかが顔を上げると、小さな明かり取りが青く染まっていた。

夜が明ける。

どこかで鳥が鳴いた。

その瞬間、二人の姿は消えていた。

藩主の動向を探る為、さやかは天井裏に、心太郎は床下に身を隠したのだ。
2012-07-04(Wed)

着ぐるみ師

僕の名刺には、武装代表という肩書きの他に

『着ぐるみ師』

という肩書きが書いてあります。

『着ぐるみ師』とは、僕が勝手に考えた名前です。

『スーツアクター』じゃない所が僕のポリシーです。

昨日は久しぶりに『着ぐるみ師』としての仕事をしてきました。

『俺もまだまだだなぁ…』

と思いましたが楽しい仕事でした。

もっと色んな事を経験して、技術の引き出しを増やさないと!
2012-07-02(Mon)

予定通りにはいかないもので

今日は編集作業出来なかったんですよ~。

残念!

明日は久しぶりに着ぐるみのお仕事です!

撮影がスムーズに進むように、しっかり台本読んで演技プランを考えておこうっと♪
2012-07-02(Mon)

補完計画


昨日は勉強の為に、キャラクターショーを観に行きました!

偶然の産物ですが、今回は

『キャラクターショーが子供に与える影響と子供の反応』

について強く考える良い機会となりました。


1つ分かったのは、キャラクターショーとは常に不完全で、保護者がその隙間を補完する事で完成するんだな、って事です。

いずれまとまったら詳しく書くかも。


今日は仕事が終わったら『さやか見参!』の編集作業です。

重苦しいパッケージがどんな感じで出来上がるか…

楽しみです♪
2012-07-01(Sun)

みんなの力を合わせよう!クリック募金29

おいおい、
内輪揉めの前にやらなきゃいかん事は山ほどあるだろう!


…と、
柄にもなく政治に吠えてみたくもなります。

被災地の復興が一日も早く進みますように。


『みんなの力を合わせよう!クリック募金』


クリック募金
クリックで救える命がある。



忍者ライブショーさやか見参!



ヒーロー連合ジャスター



グランパワーヒノクニ



遠州忍者 魁斗&鼈甲



未来環境防衛隊ドラゴンマン

プロフィール

武装代表・内野

Author:武装代表・内野
福岡・久留米を中心に、九州全域で活動している『アトラクションチーム武装』の代表です。

1972年生まれ。
1990年にキャラクターショーの世界に入り現在に至る。

2007年に武装を設立。

武装の活動内容は殺陣教室、殺陣指導、オリジナルキャラクターショー等。

2017年11月26日は10周年記念『ギルティー!!』を公演します!
福岡市南区大橋にて19:30開演!

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