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2012-03-11(Sun)

小説・さやか見参!(150)

さやかは炎丸に向かって歩を進めた。

『へっ!状況は何も変わってないぜぇ!』

そう言いながら得意気に胸を反らした炎丸だったが、ふとおかしな事に気付いた。

首から下げたタオの鏡が光を反射していないのだ。

『??』

先ほどまでは周囲の燃え盛る光景を映し、ぎらぎらと輝いていたはずだが、今は全く光を放っていない。

それどころか漆黒を映し出しているのである。

『おいおい、何だってんだよ』

吐き捨てるように呟いたが動揺している暇はない。

さやかはこちらに向かって来ているのだ。

炎丸が手をかざした。

地面から火柱が吹き出しさやかの行く手を遮ろうとする。

だが、さやかはそれを躱さなかった。

そして意外な行動をとった。

炎を吹き出す地面に思い切り刀を突き刺したのである。

『はっ!』

さやかは力強く刀を切り上げた。

えぐられた土が空中に飛ぶ。

すると、

消える間際の火柱までも、つちくれと共に宙に飛んだのだ。

『なにぃ!?』

炎丸が驚愕した。

さやかは髪を焦がしながらも悠々と迫ってくる。

炎に照らされたその姿、その表情は、地獄から制裁を加えに降りてきた鬼神のようである。

再び火柱が上がる。

だが、その炎はやはり、さやかのひと振りで先ほどと同じく地面ごと宙に飛んだ。

『なるほど。こういう事ね』

さやかが口元だけで笑った。

術の正体を見抜いたのである。

炎丸の火遁は、揮発性の高い強い酒や圧縮された可燃性の気体を用いて炎を吹き出す術なのだ。

身体の各部に隠された火打ち石で火を起こし、袖や刀の鍔の噴出口から気体を吹き出す事で炎を生み出していたのである。

地面から上がる火柱にも種がある。

可燃性の気体を米粒ほどの大きさの容器に圧縮して地面に放っていたのだ。

地に落ちた衝撃で火花が散り容器が弾ける。

そして吹き出した気体が火柱を作る。

知ってみれば何の不思議もない。

だが、粒ほどの容器に大量の気体を圧縮して詰めるという技術は炎一族だけが持つ秘技であり、それを上手く使うにも熟練の技術が必要なのである。

何にしても、

種がバレてしまっては、もうこの術は通じない。

なにしろ相手は山吹さやかなのだ。

『タネが知れたらお粗末な手品ね。…ちょっと苦戦したけどさ』

炎丸は狼狽しながらも吠える。

『タ、タネのない術があるってのかよ!』

『あるわ』

さやかは立ち止まり、左手で剣印を結び、右手の刀を大きく振り回した。

するとどうした事か、さやかの後ろから強烈な突風が吹き、その風は季節外れの花びらを運んできたのである。

いや、そんな優雅なものではない。

さやかの背後から炎丸目掛けて、空をも埋め尽くさんばかりの黄色い花弁が襲いかかってきたのだ。

『な、なんだこりゃあ!?』

さしもの炎丸が頓狂な声をあげて驚いたのも当然である。

さやかの頭上で二手に別れた黄色い花びらの群れは、周りの火に自らの身体を焼かせ、巨大な炎の塊となって炎丸を取り囲んだ。

炎に包まれ、炎丸の身体は一瞬で見えなくなった。

悲鳴だけが聞こえる。

不燃性の装束や甲冑を着けていても、この状態では無事で済むまい。

『いつも安全圏から火を放っていたんだものね。たまには焼かれる側の気分を味わいなさい』

さやかの声は、そして表情は冷たい。

炎丸の悲鳴をよそに、再びさやかは印を結んだ。

『なうまくさんまんだぼだなんめいぎゃしゃにえいそわか』

火の手に炙られながら真言を唱える。

『なうまくさんまんだぼだなんめいぎゃしゃにえいそわかなうまくさんまんだぼだなんめいぎゃしゃにえいそわか』

全身から汗がしたたる。

だがそれでも、さやかは一心不乱に

『なうまくさんまんだぼだなんめいぎゃしゃにえいそわか』

と唱え続けた。

その時、

さやかには分からなかったが、炎丸を包む火焔の塊の中でタオの鏡が強烈な光を放った。
2012-03-11(Sun)

みんなの力を合わせよう!クリック募金 16

ちょうど1年経ちました。

1年でここまで、なのか、

1年経ってもまだ、なのか分かりませんが、

まだまだ先が長い事は分かります。

改めて、心を1つにしましょう。

来年の今日は、もっと笑顔が増えますように。


『みんなの力を合わせよう!クリック募金』


クリック募金
クリックで救える命がある。



忍者ライブショーさやか見参!



ヒーロー連合ジャスター



グランパワーヒノクニ



遠州忍者 魁斗&鼈甲



未来環境防衛隊ドラゴンマン

2012-03-10(Sat)

博覧演記『斑女』

今日は地元で行なわれてた震災復興チャリティーイベントに足を運びまして、

そこで博覧演記さんの公演を観てきたんです。

博覧演記さんは久留米の劇団さんなんです。

コソコソと、でもドセンターで観てきましたよ。

『斑女(はんじょ)』

不勉強な僕は知らなかったんですが、原典は有名な能の作品で、今回公演されたのは三島由紀夫がアレンジした『近代能楽集』バージョンとの事。

能がベースなので激しい動きはありません(能でも作品によっては激しい動きがあるらしいですが)。

物語は僅かな仕草や所作、台詞で進行されていきます。

僕はそれを観ながら

『キャラクターショーとは逆なんだなぁ』

と考えていました。

キャラクターショーでは台詞に頼らず動きで語らなければならないからです。

この違いの源は何だろう?
お芝居は現時点の設定やこれからの展開が分からない状態でスタートするので、観客は台詞や仕草からそれを推し量ろうと見入るのかな、と。

キャラクターショーは、キャラクターの設定やある程度のストーリーを理解した上で観る事がほとんどなので、台詞より動きが重視されるのかな、と。

そんな事を考えながら観てました。

あ、

お芝居だって動きが重要なのは分かってますよ!

ただ今回僕が一番強く思ったのが、

『大きな動きもなく、台詞でこれだけ観客を引き付けられるのか!』

だったので、それをクローズアップした意見を書いてます。

それとは逆に、能の所作とキャラクターの演技は通じる所がありますよね。

やっぱり日本の仮面劇、すなわちキャラクターの演技の原点は能なんですよね。

表情のない仮面で感情を表わす技術、それを深く知る為にも能を勉強した方がいいかな、なんて…

今回の『斑女』、面こそ着けていませんでしたが、表情を使わず所作で感情を表現するという演出だったので、面を着けるより更に難しかったのではないかと推察します。

観ていて非常に勉強になりました。

商店街のような場所でのストリート公演だったので、公演中も通行人がいたり周りで人が騒いだり。

そんな中でお芝居に集中するのは大変だろうなー、

お芝居してる足元で小学生がゲームしてるしなー、

よく出来るよなー、すごいなー、

なんて、役者さんの集中力に感心しました。

こちらも作品世界に入り込む為にかなり集中しましたよ(笑)

照明当てて演ったらもっと雰囲気が出るお芝居なんだろうなぁ。

いつか是非舞台で観てみたい!

博覧演記の皆様、お疲れ様でした!

堪能させていただきました♪
2012-03-10(Sat)

アクションへの道(331)

2009年、3月…

JINクマレンジャーのお膝元・多良木町(熊本県球磨郡)のゑびす市に出動。

KHN(九州ヒーローネット)各団体が出演するイベントでした。
大集合!

急流戦隊JINクマレンジャー、
グランパワーヒノクニ、
ヒーロー連合ジャスター、
パワーシティオーイタ、
甑戦士ヴェルター、

そんな錚々たる九州ローカルヒーロー達と同じステージでの

『忍者ライブショー さやか見参!』

一体どんなだったかと言うと…



…?

…思い出せん…


思い出せないんです。

当時のブログを読み返してみるとこんな事が書いてあります。


『今回の目標は“普通である事”。

普段の練習の成果を普段通りに出せるように(略)

それに関してはわりと上手くいった内容だった・・・と思います』

そうか。

あまりに普通過ぎて記憶にないんだ。

こうなると普通もいいのか悪いのか…

でも、

『普通にやる』

というのは僕のテーマでもあるんですよね。

どんなに大きな舞台でも、
どんなに小さな舞台でも、
どれだけメンバーが良くても、
どれだけメンバーが弱くても、
いつも同じテンションで、
いつも同じ緊張感で、
いつも同じクォリティを提供する。

それが僕の理想なんです。

これまでけっこう見てきたんですよね。

『大きなイベントだから普段以上に頑張ろう!』

とか

『スペシャルショーだから緊張する~!』

とか言ってる人達を。

小さなイベントだと全力出さないの?

普通のショーの時は緊張感ないの?

その差はなに?

小さなイベントに足を運んでくれたお客さんに申し訳ない発言だと思わない?

普通のショーを観に来てくれた子供達に失礼だと思わない?

僕らはイベントやステージにではなく“観客”に向き合ってショーをするべきであって、

だとしたらステージが大きかろうが小さかろうが、

スペシャルショーだろうがミニショーだろうが、

有料だろうが無料だろうが同じ姿勢で臨むべきじゃないの?

これが僕のスタンスです。

あくまで僕個人のスタンスです。

これからもそれは崩さないように頑張ります。

というワケで、記憶がないので薄っぺらい内容になってしまった事をお許し下さい。

…あ、

イベント終了後、さやかが装甲車みたいなのに乗ってたのはめっちゃ記憶に残ってます。
明日に向かって!
2012-03-09(Fri)

練習 < 撮影 …になっちゃった…

3月8日は殺陣練習…でしたが…

実はあまり練習出来なかったんです…

だから来てくれたメンバーに申し訳なくて…


13時からの練習は、唯一来てくれたRさんが体調不良で帰宅。

個人練習にシフトチェンジして、筋トレやジャンプ。

僕はこーゆー時に新しい練習メニューを考えるようにしてます。

この日も新しい筋トレを考えました。

今度みんなにもやらせてみよう。

イヒヒヒヒ♪

…なんて意地悪に笑っていたら、夜の練習で使う道具を忘れてきている事に気付きました。

昼練習と夜練習の間に久留米まで取りに戻る事に。

二度手間だ。

俺の馬鹿。

夜の練習は総勢10名。

それなのに一番狭い練習室。

入りきれないよ。

みんなごめん。
20120308練習風景

おまけにテレビの取材まで来てたので、ますます練習にならず。

みんな、ホントごめん。

TNC(テレビ西日本)
『ギュギュっと』
月~金・16:53~17:54

放送は3月14日(水)の予定だそうです。
20120308吉川さんと

レポーターの吉川貴司さん。

別の番組でご一緒させていただいてから久々の再会です。

嬉しかったなぁ。

夕方の忙しい時間でしょうけど、良かったら観て下さいね。


練習に来てくれたシライシさん、ラテさん、モリさん、シオタリさんと後輩さん達、中途半端な練習になってしまってスミマセンでした!

そしてありがとうございました!

サポートしてくれた織田先生、まなみちゃん、本当にありがとう!

皆さん、懲りずにまた参加して下さいね。

お疲れ様でした!
2012-03-08(Thu)

小説・さやか見参!(149)

炎丸の後ろ姿を捉えた後も、さやかはなかなか追いつく事が出来なかった。

さやかの目前に次々と火柱が立ち上ぼり行く手を遮っているからだ。

ぎりぎりで躱してはいるが追跡の速度はがくんと落ちる。

さやかは敵の背中を睨んだ。

炎丸は術を使いながらも一度も振り返る事はない。

十二組の中にもこれほどの火遁を使える者はいない。

火遁のほとんどは火薬や油を使う。

だが、火薬や油では火柱を起こす事は出来ない。

(一体どんな術なの!?)

歯噛みして悔しがるさやかの前で炎丸が跳躍した。

眼前を横切る川を飛び越えたのだ。

続いてさやかも跳ぶ。

それほど大きな川ではないが、常人が飛び越える事は不可能な幅である。

流れが早く底も深いので、本来なら橋を渡るしかないのだが、この二人には僅かな溝に過ぎないようだ。

河川敷を越えると景色に緑が混じってきた。

所々に粗末な小屋が見える。

村に入ってしまったのだ。

さやかは炎丸を止める事が出来なかった。

小屋の一つが炎を上げる。

悲鳴が聞こえ、女房が子供の手を引いて飛び出してきた。

火炎がその逃げ道を塞ぐ。

炎丸が走り抜けた後は、小屋も草木も燃え上がっていた。

あちこちから悲鳴や怒号が聞こえる。

『やめて!やめてよ!ここの人達には何の関係もないじゃない!』

水遁を使うには川が離れ過ぎている。

龍組の頭たる武双なれば龍を呼び雨を降らす事も出来るらしいが、さやかはまだその術を成功させた事はない。

さやかにはこの炎を消す手段がなかった。

やがて、追い込まれた村人達は炎の輪に取り囲まれ逃げ場を失った。

その輪の前に、炎丸が立ちはだかっている。

『やっぱり舞台は派手じゃないとなぁ。さぁ勝負をつけようぜぇ』

炎の向こうから、男達の叫びが、女子供の泣き声が聞こえていた。

『きさまぁっ!!』

さやかは、一直線に炎丸に向かって走った。

吹き上がる炎を避け、炎丸の脳天に刀を打ち込む。

炎丸は刀を水平に振り上げそれを受け止めた。

二人の身体が接近する。

炎丸は、迫ってきたさやかの顔面に向かって口から火を吹いた。

さやかは飛び退いて転がったが、危うく周りの炎に突っ込みそうになり踏み止どまる。

瞬間、タオの鏡が発する光がさやかの目を眩ませた。

『くっ!』

その隙に炎丸が斬り込んで来る。

何とか躱すが、刀から伸びる炎が追ってくる。

火の手に囲まれ動きが制限されている。

タオの鏡は周りの炎を反射し、その光でさやかの目を射る。

炎炎炎炎炎炎!!

『あんた宝探しなんでしょ!?その鏡が手に入ったんならこんな事する必要ないじゃないの!!』

さやかが叫ぶ。

だが炎に照らされた炎丸は高らかに笑った。

『だっはっはっは!俺様の目的は宝を手に入れる事じゃないぜぇ!』

『じゃあ何よ!?』

『人生に必要なのは勝利!勝利に必要なのは力!力とは他人を従え支配する事!俺様はこの鏡を使って力を手に入れるんだぜぇ!そして下賎な奴等を支配するんだぜぇ!小娘、おまえやこの村の連中の命も俺様が支配してるって事だぜぇ!』

それを聞いてさやかの心が鎮まった。

『…ほんと、いかれてるわね』

さやかの頭の中で、現在の子供達の泣き声と、朝に聞いた笑い声が同時に響いた。

泣き顔と笑い顔も同時に浮かんだ。

死ぬまで頑張って戦えば、本当に天下を変える事が出来るのか?

先ほどまで悩んでいた自分が馬鹿らしくなる。

頑張って戦わなければ目の前の子供達を助ける事も出来ない。

人を助けられずして何が天下だ。

悩む事など何もない。

ただ戦え。

それが忍者だ。

さやかは背中の鞘に刀を納めた。

『なんだぁ?あきらめたのかぁ?』

炎丸が手を翳すと、炎の柱がさやかを炙った。

だがさやかの心は落ち着いている。

しっかりと炎丸を見据えたまま、胸の前で両手の指を絡めた。

『臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前』

印を組んで九字を唱える。

もう心の揺れはどこにもない。

ただ戦う。ただ救う。

『私は、山吹流忍術正統後継者・山吹さやか!』

名乗りを上げ、改めて抜刀し、低く呟く。

『いざ、参る』
2012-03-07(Wed)

ワークショップとマスク

3月17日(木)に開催されます、コミュニコさん主催の

『ヒーローアクションワークショップ』

第3回となる今回は、実際にヒーローのマスクを着けての動きを練習してみたいと思います。

で、慌ててヒーローマスクを製作してるんですが…

空間把握というか立体把握というか、そんなんが出来てないんでしょうね。

かなり苦労しております。

『忍者ライブショー さやか見参!』に登場するキャラクター・ヤイバのマスクを作った時も相当苦労しましたからね。

『二度とマスクなんか作らん!』

と思いましたもん。

…でも…

ライフマスクを土台に粘土原型を作り、石膏で型取りをしてFRPを流す…

これ、造型の右も左も分からない中学・高校時代にすごく憧れた作業なんですよね。

当時、乏しい知識で色々試してみましたが失敗ばかりで…

まぁ出来は悪くても、FRPのヒーローマスクが作れるようになったって事は、25年前よりは進歩してるって事ですよね!

完成まで頑張ろう♪
2012-03-06(Tue)

小説・さやか見参!(148)

さやかが飛び掛かるのと同じ速度で炎丸が後退した。

『ちっ!』

舌打ちしながらさやかは刀を横に払う。

ぎりぎりのところで届かない。

同時に左手で手裏剣を打つ。

だが炎丸も左手から炎を吹き出し応戦する。

火炎の勢いに押され3枚の手裏剣はあっけなく地に落ちた。

今度は炎丸の反撃だ。

炎丸が刀をさやかに突き出すと、剣先から炎が伸びた。

伸びた炎は鋭い刃となってさやかを狙う。

攻撃の圏外にいたさやかは不意を突かれて慌てて避けた。

『刀が伸びるなんて卑怯よ!』

悔し紛れにそう言うと、さやかは横に跳んだ。

それを追って炎丸も跳ぶ。

さやかは鉱山から離れたかったのだ。

まだ炎丸は爆薬を持っている。

あれを使われて坑道を潰されてはたまらない。

まんまと追いかけて来る炎丸を見てさやかは一人でうなずいた。

そして

『頼むわよ、心太郎』

と呟いた。

そういえば先程から心太郎の姿が見えない。

実は、さやかが炎丸に向かって行くのと同時に、心太郎は最初の爆破が行なわれた場所に走っていたのだ。

早く怪我した坑夫達を手当てしなければ。

炎丸はさやかに任せて自分はそちらに行こう。

心太郎はそう思った。

阿吽の呼吸とでも言うべきか、その時さやかは心の中で、心太郎が怪我人の手当てに向かう事を願っていたのだ。

背後から心太郎の気配が消えた時、さやかは自分の願いが伝わった事を確信して戦いに臨んだのである。

とにかく今は鉱山から炎丸を引き離す。

炎や爆薬を使われても支障のない所で戦わなければ。

半日かけて近辺を調査した甲斐があった。

炎丸が放つ火の礫を躱しながら、さやかは草木の少ないひらけた場所に転がり込んだ。

勝負するならここだ。

振り返って構える。

しかし、

炎丸は少し離れた場所で立ち止まり、それ以上さやかを追おうとはしなかった。

『いい場所を選んだなぁ、小娘』

さやかはぎょっとした。

『花も草木もありゃしねぇ。こんなに燃えるもんがなくっちゃ俺様の技も威力半減ってもんだぜぇ』

さやかの目論みは見抜かれていたのだ。

唇を噛むさやかの四方で大地から炎が吹き上がった。

熱風がさやかを襲う。

『確かに俺様が出す炎は瞬間的なもんだからな、それを躱せば勝機もある。その発想は間違っちゃいないぜぇ』

さやかはじりじりと炎丸に近付いた。

『やっぱり炎ってもんはよ、周りを巻き込んで燃えるから効果があるってもんだぜぇ。もっと盛り上がる場所に行かなきゃなぁ』

炎丸が動く。

まずい。

距離を詰めようとした瞬間、炎丸が持つタオの鏡がぎらりと太陽を反射させさやかの目を眩ませた。

その一瞬の隙に炎丸は姿を消している。

『もうっ!めんどくさい奴!』

さやかは素早く気配を探った。

そして反射的に後を追う。

完全に後手に回ってしまった。

(まさか、忍者でもないくせにこんなに速く走れる奴がいるなんて)

それは怒りや悔しさというよりも「衝撃」という表現が適切な感情であったろう。

だが、衝撃はそれだけにとどまらなかった。

さやかは自分の進んだ先に何があるか気付いてはっとした。

二人が向かっている南西の方角、

そこには小さな農村があったはずだ。

人々が慎ましく暮らしているその場所を、炎丸は戦場に選んだのだ。
2012-03-04(Sun)

アクションへの道(330)

前回、

(この頃はまだ僕のワンマンチームではなかった)

と書きましたが、メンバーからはたまに、

『内野さんはみんなの意見を聞くって言いながら、結局は自分の意見を通しますよね』

なんて言われたりしてました。

この頃からワンマンチームだったのかもしれません。

でもねぇ…

聞ける意見と聞けない意見ってありますからねぇ。


この時期にメンバーから出た意見の1つ。

山吹さやかの衣裳デザインについて。

『なんであんなデザインなんですか!?新しいデザインを考えてきました!』

…いやいやいや、主役のデザインをいきなり変えるワケにはいかんやん…

このキャラクターを定着させようと2年近く頑張ってきたのに…

『でも絶対こっちの方が可愛いですよ!』

だから…

じゃあさやかのライバルとか仲間キャラで使ってみるか?

とりあえず、経費は後で出すからその衣裳を作ってみて。


…ここで話は立ち消えです。

お金とか時間とか手間とかのリスクが自分に降り懸かるとみんな手を引いちゃうんですよね。


もう1例。

『色紙とかシールとか、なんでそんなグッズばっかり作るんですか!?もっとお客さんが欲しがるようなグッズを作ればいいじゃないですか!』

ほう、例えば?

『ネットで調べたら、こーゆーグッズが作れるらしいんですよ!』

よし!じゃあ新しいグッズに関してはオマエに任せる!経費は後で出すからとりあえず作ってみろ!

…数週間後…

例のグッズ、あれから報告がないけどどうなったの?

『あ、詳しく調べてみたら意外にお金がかかるんでやめました』

そう。

なぜ新しいグッズを私が作らないかと言えば、金がかかるのが分かっているからなんだよ。

リスクの割にリターンが見込めないからやれないのだよ。


…とまぁ、メンバーの意見を却下するにも理由はあったし、通した意見をメンバーが放棄した事もあったし、必ずしも

『結局は自分の意見を通す』

なんて事はなかったハズだがなぁ…なんて思ったりもしてました。

この時期に

『なるほど、代表とメンバーでは立場が違うから、考える基盤も全然違うのか』

と気付いたのです。

メンバーならリスクを負わなくていいから

『試しにダメモトでやってみましょうよ!』

と軽く言えるでしょう。

しかしこっちは

『それをやると10万円近くかかるな…もし駄目だったら10万円がパァ…それなら別の企画に使った方が運営上メリットがあるな』

なんて考えなきゃいけないですから。

思い付きや勢いでリスキーな事は出来ないんですよ。
2012-03-04(Sun)

小説モドキ

えー、先程145話をUPしました『小説・さやか見参!』ですが…

名前は小説ですが、本当は『ナンチャッテ小説』、もしくは『小説モドキ』でございます。


元々は『さやか見参!』の世界観やキャラクター設定を紹介したくて、

どうせなら物語形式で紹介した方がいいかと思って今のスタイルにしてみました。

なので、小説としてはオソマツですが、実はただのキャラクター紹介なので、どうぞ寛大な心で読んで下さいね。

本来の設定に加えて、新たな設定、新たなキャラクターがどんどん加わり、作者も予測不可能な展開になっております。

まぁラストは決まってるんですけどね。

ステージイベントとしての

『忍者ライブショー さやか見参!』

も、ぼちぼちクライマックスを考えているので、それも踏まえて小説を書いていきたいな、と。


ほとんど読者のいない小説ですが、皆さんの感想や今後の予想、好きなキャラクターなどを送っていただけると励みになります。
2012-03-04(Sun)

小説・さやか見参!(147)

炎丸が頭上に掲げた鏡は太陽の光を受け、まるで自らが発光しているかのように輝いていた。

『あちこち探したぜぇ、タオの鏡!この坑道に当たりをつけて正解だったぜぇ!』

まぶしそうに鏡を眺めていた炎丸はさやかと心太郎に向き直った。

『この山には古い洞穴があったらしくてよ、この坑道はそれを利用して作られたらしいんだな。だが以前探した時には鏡は見つからなかった』

手元で鏡をくるりと回す。

弾けた光がさやかと心太郎の顔を照らす。

『でもよ、色々調べてみると、その洞穴には何ヶ所か小さな風穴があるらしいってのが分かってよ。もしかして、と思ったんだが、やっぱり風穴の隙間に隠してあったんだぜぇ』

相変わらず、何でも自分からぺらぺら喋る男である。

『なるほど。風穴に嵌まっている鏡を爆発の振動で…』

『そうだぜぇ』

炎丸は得意気だ。

『えっ!?って事は、坑道の中でそれを見つけてきたっシュか!?』

『そうだぜぇ』

『今!?』

『そうだぜぇ』

『今の爆発の間に!?』

『そうだぜぇ』

『すごいっシュ!』

先程の爆発の間に坑道内に移動し鏡を見つけて来たのだとしたら恐ろしい能力である。

忍者以外でそんな事が出来る者がいるのかと心太郎は感心してしまった。

しかしさやかは呆れた口調だ。

『あんた、その振動で鏡が割れるかもとは思わなかったの?』

『えっ?』

勝ち誇っていた炎丸が間抜けな声を出した。

『たまたま上手くいったからいいけど、火薬なんか使ったら周りの岩と一緒に鏡を粉々にしてしまう可能性だってあったんじゃないの?』

『そ、そう言われればそうだぜぇ…』

炎丸は今さら考え込んでしまった。

『あんた…馬っ鹿じゃないの!?やるんならしっかり考えてからにしなさいよ!』

炎丸は今さら沈み込んでしまった。

それを見てさやかは苛々を募らせた。

『あんたって本当に馬鹿なのね!どうせここで働いてる人達の事も考えず爆薬を仕掛けたんでしょ!坑道が崩れたらみんなの生活がどうなるかも考えずに!』

一方的に責められていた炎丸が立ち直って顔を上げた。

『はっ!それなら大丈夫だぜぇ』

『大丈夫…って?』

さやかが怪訝な顔をした。

『連中のこれからの生活には、鉱山も坑道も必要ないって事だぜぇ』

『ちょ、ちょっと、それどういう事よ?』

『俺様が今使ってる爆薬は、その連中からいただいた物だぜぇ』

『なんですって?』

鉱山を掘る為には爆薬を使う事もあるのだ。

炎丸は筒状の爆薬を1本取り出しさやかと心太郎に見せた。

『いやぁ、連中の荷物にこれを見つけた時は血が騒いだぜぇ。神様は俺様の味方してくれてんだと思ったぜぇ』

さやかが、ぎゅっと険しい顔をした。

『くれ、と言って、はいどうぞ、ってわけにはいかなかったでしょ?まさか』

炎丸に迫る。

『殺したの』

さやかの放つ気に心太郎は鳥肌が立った。

本当に怒った時、一流の忍者は身体から無駄な力が抜ける。

今のさやかはまさにそうであった。

身体のどこかに余計な力が入っていては瞬間的な動きは出来ない。

つまりこれは、敵を瞬殺する体勢なのである。

まるで虚空を睨む鬼神のようなさやかの表情を見て炎丸がわざとらしくおどけてみせた。

『おっと、一人も殺しちゃいないぜぇ』

その掌に火の玉が浮かぶ。

『火薬があるから炎を使うわけにもいかなかったし』

炎が空に伸びた。

『まぁ殺しはしなかったが』

炎が消えた時、炎丸の手に、ひと振りの刀が姿を現していた。

さやかと心太郎が構える。

『もう二度と、立って働く事は出来ないだろうぜぇ』

炎丸は、あざ笑うかのように覆面の下の目を細めた。

『だから、坑道が崩れようがこの山がなくなろうが、連中にはもう何も関係ないってわけ』

『炎丸…!あんたって男はぁ!!』

さやかは跳んだ。

この男は許せない。
2012-03-03(Sat)

3月1日の練習・夜編

昼練習を15:30に終えて、19:00からは夜練習。

アシスタントの織田先生、モリさん、続いてラテさん、最後にシライシさんが到着です。

まずは剣殺陣メニューからスタート。

基本の摺り足をじっくり。
今回は前進だけじゃなく後退もやってみました。

そして、摺り足の踏み切りを鍛えるためのオリジナルメニュー「片足ジャンプ」も久々に。

片足ジャンプのどこがオリジナルじゃい!と言うなかれ。

ちょっとした工夫があるのですよ。

それから前回までの復習で型の前半。

続いて後半もやってみました。

今はまだ覚えなくてもかまいません。

なんとなく動いてみて、徐々に身体の中を通すだけでいいのです。

次は対人練習。

天合わせ、天地合わせ、八双受け、柳受けなどなど。
20120301練習1

練習後半は徒手メニュー、という事で、右の前蹴りをやってみました。

一番簡単な所から始めたつもりでしたが、腰を回転させずに軸足を回転させるというのが意外に難しかったらしく、少々難航しました。

上手い教え方を考えておきます。

せっかく蹴りをやったので、「蹴りを落とされてお腹を殴られる」という立ち回りを練習してみました。

…あ、

これから武装の練習に参加してみようかなと思ってる皆さん、

「殴られるのは怖いから行くのやめよ!」

なんて思わないで下さいね!

当たり前ですがホントに殴るワケじゃないですよ!
10

みんなまだリアクションに慣れてない感じだったので、お腹のリアクションだけをしばらく練習してみました。

派手に動かなきゃいけないけど勢いで動いちゃいけないから難しいですよね。

最後は剣殺陣。

いつもやってる1対2です。

練習ではラテさんとモリさんにも絡んでもらいました。

本番は男3人でシンをローテーションです。

そして軽くジャンプで締め。

練習終了です。

ラテさんやモリさんも段々練習に馴染んできました。

この調子で楽しく上達していけたらいいですね♪

皆さん今週もありがとうございました!
20120301集合
2012-03-03(Sat)

アクションへの道(329)

メンバーの得意ジャンルを全員で共有すべく、2009年の練習はメニューの幅を広げてみました。

基本的には僕がヒーローアクションをベースにした立ち回りを教えるのですが、

みんみんには時代劇の殺陣で使う動きを、
足運び・1

ジャスティンには身体の使い方や格闘技系の技を指導してもらいました。
空手4

2人から学ぶ技術は、どれもこれも本当に勉強になりました。

この時期があるから現在の武装練習があるのかもしれません。

さて、

これらの練習ですが、技術を統一するのと同時に、もう一つ目的があります。

それは、

『テンポの統一』

です。

テンポ、それは立ち回りを構成する最も重要な要素の一つです。

例えば4発の打撃の応酬があった場合、

『バシィッ!バシィッ!バシィッ!バシィッ!』

というテンポもあれば、

『バッ!バッ!バッ!バッ!』

や、

『ババババッ!』

というテンポもあります。

同じ4手でも、どれが一番時間がかかって、どれが一番早く終わるか分かりますよね。

立ち回りって、こーゆー複数のテンポを組み合わせて作るんです。

ショーの中で8手のアクションがある時、

『バシィッ!バシィッ!バシィッ!バシィッ!バシィッ!バシィッ!バシィッ!バシィッ!』

だと緊迫感が出ず、観客が飽きてしまいます。

『バッ!バッ!バシィッ!…ババババッ!バシィッ!』

みたいに変化をつけた方がいいんです。

なおかつこれに技のタメや振り向きなどの動きが加わって独特のテンポが作られるんです。

技の形が多少乱れていても立ち回りはどうにかなりますが、シンとカラミのテンポがズレたら目も当てられません。

そしてこのテンポは、チームによって、人によって微妙に違ったりするんです。

…で、動きのバックボーンが違う武装メンバーにおいてはそれが顕著だったりもして…

2008年の段階では各々が周りに気を遣って動いてたんですよね。

ポテンシャルの高いメンバーが集まっているんですから、のびのび動けば更に良くなるハズ、

そう思って、メンバー全員が指導に回れる練習内容に変えてみたんです。
(※『みんなでチームを作っていこう』って意味もありました。この頃はまだ僕のワンマンチームではなかったんです)


しかし…

ジャスティンのエクササイズコーナーのキツさはハンパなかったなぁ…
1

練習のラストに5分間、ジャスティン指導でエクササイズコーナーを設ける事があったんですが…

たった5分保たなかったですからね…

毎回倒れるかと思いながらやってましたよ…

まぁ僕から『やってくれ!』ってお願いしてたんですが(笑)

あのキツさに比べたら、今のジャンプやステップなんて楽なもんですよ。
2012-03-02(Fri)

3月1日の練習・昼編

3月1日。

木曜日は武装の練習日♪

まずは今回が初めての昼練習。

メンバーさんも、夜しか空かない人、昼しか空かない人がいますからねぇ。

で、昼はRさんとのマンツーマンレッスンでした。

Rさんは今回で3回目の参加。

前回の復習をメインに進めてみました。

型や素振り、受けの練習など。

それから初めての「摺り足」。

武装の殺陣練習では必ず最初に覚えてもらうハズの摺り足。

なぜ3回目になってようやく教えているのか?

それは…

あまりに地味で、しかもキツい練習なので、まだ年若いRさんに最初にやらせたら

「キツい!地味!もう行きたくない!」

と思っちゃうんじゃないかと憂慮しての事でした。

でも2回の練習で

「やるのなら地味でもキツくてもしっかり技術を身に付けてから先に進みたい」

というRさんの性格が分かったので安心して教える事が出来たんです。

やっぱり、「派手な事」「変わった事」「新しい事」ばかりをやりたがって、地味な事をやりたがらない人っていますからね。

Rさんの姿勢にはただただ感心するばかりです。

最後は練習の内容を組み合わせて立ち回りっぽい事にチャレンジしてもらいました。

楽しんでもらえてたら嬉しいですけどね。

Rさん、お疲れ様でした!
2012-03-02(Fri)

発見らくちゃく

福岡の皆さん、昨夜のテレビ観ました?

FBS福岡放送で0時38分からだったんですけど。

あなたの願い、叶えます!のフレーズでお馴染みの

『ナンデモ特命係 発見らくちゃく!』

今回は殺陣練習のメンバー、ススキダさんが出演されていたんですよ!
ススキダさん1

ススキダさんは昔から忍者に憧れていて、水の上を走りたいという夢を持っていたそうです。

「いつか実現させたいんですよ!…でもそんな事に場所を貸してくれる所もないし、実際難しいですよねぇ…」

その話を聞いた僕は

「個人には貸してくれなくても、テレビだったら何とかなるかも!?」

と、お世話になってる発見らくちゃくのディレクターさんに相談させていただきました。

すると、

「それは面白そうですね!」

という事で、番組が協力して下さる事になったのです!
ススキダさん2
ほら!忍者!

まずは肥前夢街道で忍者修行、そしていよいよ…
ススキダさん3
プールで挑戦!

…まぁ、ただ水の上を走るのは不可能なので、水の上に「ゴザ」を浮かべてその上を走る…のですが…

もちろんゴザなんて、踏めば水中に沈むんです。

走ろうとしてもすぐに沈んでしまいます。

それでも何度も何度も沈みゆくゴザの上を走るススキダさん。

水に足元を取られながら走るのがどれほどキツいか、分かる人には分かってもらえると思います。

それを2時間近く頑張り続けたススキダさん。

実は撮影の現場にはススキダさんの息子さんも来ていました。

今回の挑戦は、ススキダさんの長年の夢を叶えると同時に、息子さんに

「頑張れば夢は叶えられる」

というメッセージを伝えるというものでもあったのです。

「夢っつっても、忍者になって水面を走るなんて、子供じゃないんだから!」

と笑ってしまう人もいるでしょう。

でも、子供の頃の夢を夢と言わずして何を夢というのでしょう?

普通の人ならとっくに諦めてる「子供の頃からの夢」を叶える為に一生懸命になっている大人がいなければ、
そして、その夢を叶えている大人がいなければ、子供たちに

「夢を持て!」

とは言えないんじゃないでしょうか。

最後の最後、

スタッフさん達も諦めかけた時、

ススキダさんは15mの水面(のゴザ)を走りきりました。

見事な走りでした。

ロケを見学させていただいてた僕は思わず泣きそうになってしまいました。

すごく大切な事を教えてもらった気がします。

ススキダさん、ありがとうございました。

お疲れ様でした。
2012-03-01(Thu)

小説・さやか見参!(146)

『ちょっとあんた!炎丸とか言ったわね!?』

さやかが喧嘩腰に怒鳴る。

がっかりさせられた腹いせに違いないと心太郎は思った。

『なんだぁ?威勢のいい小娘だぜぇ』

『小娘って言うな!私はこれでも、ちょっとは知られた忍びなのよ!』

『忍び?あぁ、おまえ忍者か。忍者風情がいきがると痛い目見るぜぇ?小娘』

『だから小娘って言うなって!しかも忍者風情って…』

ここまで言ってさやかは考えた。

『ん?…って事は、あんたは忍者じゃないの?』

そう訊かれて炎丸は得意気に鼻で笑った。

『忍者?馬鹿な事を言っちゃいけないぜぇ。炎一族はそんな下賎とはわけが違う。由緒正しき…まぁ家の事はいいか。とにかく、俺達を忍者ごときと一緒にするな、小娘!』

『下賎!?忍者ごとき!?そしてまた小娘って言った!?むっきーーっ!!』

顔を真っ赤にして向かって行こうとするさやかを心太郎が掴んで止めた。

『これじゃ子供の喧嘩っシュ』

一番幼い心太郎が一番大人のようである。

『先程の術、この辺りで噂になってる炎使いの宝探しに間違いないっシュよね』

『おう。そうだぜぇ』

そう言って指を鳴らすと、炎丸の背後から天に向かって一筋の炎が吹き出し、まるで蛇か龍のように身体をくねらせた。

『忍者以外でそんなすごい術を持ってるなんて珍しいっシュ。宝探しをさせておくには惜しいっシュね』

覆面から覗く炎丸の目があまりに得意満面だったので、再びさやかが噛み付いた。

『あんたには宝探し風情がお似合いだと思うけどね!』

『なにおぅ!?小娘!!』

『なによ!?』

『まぁまぁまぁ』

心太郎がさやかの腕を掴んで引き下げる。

『で、この爆破には何の意味があるっシュ?宝探しの為っシュか?』

『当然だぜぇ。岩盤の中に隠されたお宝を、爆破の振動でふるい落としてやるんだぜぇ』

その言葉にさやかが更に憤った。

『坑道が崩れたらどうすんのよ!この鉱山にはたくさんの人達の生活がかかってんのよ!?あんたが何を探そうと勝手だけど、平和に暮らしてる人達を巻き込むのはやめたら!?』

炎丸はしばらく呆気に取られたような顔で聞いていたが、押し殺したように低く

『くっくっく』

と笑い出した。

『なによ!何がおかしいのよ!』

さやかの言葉が消える間際、

どぉぉぉぉんっ!!

さやかと心太郎の周りで爆発が起きた。

耳をつんざくような爆音、

身体を吹き飛ばすような爆風、

完全に視界を消し去る爆煙、

その中でさやかと心太郎は礫のように飛んで来る岩の破片に襲われていた。

二人は抜いた刀を振り回し、礫を弾き、どうにか難を逃れた。

『さやか殿!大丈夫っシュか!?』

『全然平気よ!あんたは!?』

『あちこちかすり傷っシュ!』

『実は私も!』

『なんでいちいち強がるっシュ』

とりあえず二人とも無事のようだ。

『あれっ!?あいつは!?』

さやかが辺りを見回した。

煙の向こうにいるはずの炎丸の姿がなくなっていたのである。

『えっ!?えっ!?』

心太郎も周りを見る。

『き、消えたっシュ!?』

二人は跳んだ。

白い煙の輪から脱出し、周囲を警戒して構える。

そこへ、

ぴかり

なにかが光った。

その光が心太郎の顔を照らす。

さやかと心太郎が光の出所に顔を向けると、そこには

太陽の光をきらきらと反射させる大きな鏡と、それを見せびらかすように掲げる炎丸の姿があった。

『あっ!さやか殿!!』

心太郎が目を見開いた。

『あれが?まさか!』

さやかも信じられないという表情をしている。

そして炎丸は、鏡を掲げたまま空に向かって雄叫んだ。

『とうとう見つけたぜぇ~!タオの鏡!!』
2012-03-01(Thu)

みんなの力を合わせよう!クリック募金 15

暖かくなるのかな?と思いきや、まだまだ降りますね!雪!!

それでも時には上着が要らない日なんかもあったりして、

春?

って感じです。

日本中が暖かい話題で包まれたらいいなぁ。


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プロフィール

武装代表・内野

Author:武装代表・内野
福岡・久留米を中心に、九州全域で活動している『アトラクションチーム武装』の代表です。

1972年生まれ。
1990年にキャラクターショーの世界に入り現在に至る。

2007年に武装を設立。

武装の活動内容は殺陣教室、殺陣指導、オリジナルキャラクターショー等。

現在は関西コレクションエンターテイメント福岡校さんでのアクションレッスン講師もやらせてもらってます。

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