2011-11-30(Wed)
いっつも気合い入れてブログ書いてるもんで、
なんだか急に力抜いて書いてみたくなりました。
昔の画像とか見ながらテキトーな事書いてもいいですか。

▲うわぁ、懐かしい。
みんみん、ジャスティン、ヒガシだ。
ボーリング行ったんだよね、ジャスティンやみんみんが企画してくれてさ。
5年目に突入した武装だけど、みんなで遊んだりしたのはこの時が最初で最後かな、今のところ。

▲長崎の『ヒーロー連合ジャスター』キャステイラー&さちのかフレッシュ。
僕の大好きなキャラクターです。
山吹さやかも一緒に記念撮影。
佐世保にて。
▼これはみんみんの後ろ姿ですね。

武装ジャンパーに合わせてこんなポーズ取ってくれましたが…

▲実はこんな感じです♪

▲これ、練習中にみんなでふざけてる所(コラコラ)

▲うわっ!これも懐かしい!
甑島(鹿児島県)のヒーロー『甑戦士ヴェルター』とイバラキの戦い!

▲ジャスティンがヌンチャク使ってる所。
まさに『技のデパート』だったぜジャスティン…
振り返ってみたら、みんみんとジャスティンばっかりだった(笑)
でも当時を思い出せて楽しかった。
どうですか?
宣言通り力抜いたテキトーブログだったでしょ?
ではこの辺で、テキトーに、ドロンさせていただきやす。
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2011-11-29(Tue)
キャラクターショーの若手時代、
練習日は週に3日ありました。
火曜日は空手、
水曜・木曜がアクション練習です。
武装のこれからの練習を考える為に、当時のメニューを思い出してみよう…
まずは準備運動、
それから突きや殴り、蹴りなどの基本。
基本に時間をかける日とそうでない日があったなぁ。
その後は受け身をしたりリアクションをしたり、
それからみんなで基礎的な立ち回りをやったり、ちょっと変わった動きにチャレンジしてみたり、はたまた対抗戦みたいに技を競ってみたり…
この部分が練習のメインだったのかな。
最後に立ち回り。
参加メンバーをグループ分けして、それぞれのグループのシン(主役)を決めます。
シンは時間内に立ち回りを付けなければなりません。
立ち回りを付けてみんなで動いてみて、最後に本番を発表。
参加メンバーとしては、この立ち回りが楽しみだったんだよなぁ。
自分がシンになって、
好きな立ち回りを付けて、
そしてみんなに絡んでもらえるなんて…
当時の『主役やりたい』僕らにはたまらんワケですよ。
だからみんなでシンの座を争ったなぁ…
懐かしいなぁ…
いかんいかん、
過去に浸っとる場合ちゃうわ。
よし、それじゃこれから過去の練習を分析してみよう!
2011-11-29(Tue)
旋風が止み、舞っていた木の葉がゆっくりと渦を描き、雪のようにひらひらと散った。
その渦の中心に立つ鉄仮面の鬼はさやかに向かい、ゆるりとした拍子で手を叩いた。
『見事!さすがは山吹一族きってのくのいち』
『小馬鹿にした拍手はやめなさいよ、幻龍イバラキ』
『馬鹿になどしておらん。こやつらを一瞬で叩きのめした腕前に感心しただけだ』
『あはっ、そんな連中どれだけ早く倒したって自慢にもならないでしょ。三流以下のへぼ忍者なんだから』
罵られた下忍達が一斉に憤った。
『なぁにぃ!?』
4本の刀が振り上げられた。
『あら、さっきと違って威勢がいいわね。やっぱり親分がいると心強いのかしら?』
さやかの侮蔑の笑みを見て、下忍達は『ぐぅっ』と唸った。
『幻龍イバラキ、こんな程度の低い手下を使ってるとあんたまで舐められるわよ』
『ふっ、確かにな』
頭領にまで見離された下忍達は、捨て犬がすがる時のような目をしてイバラキを見る。
イバラキはそんな手下には目もくれず、その間を割って前に進んだ。
さやかとの距離が縮まる。
さやかは挑発するような笑顔で、腰に下げた巻き物に手を当て、
『これが欲しいんですって?』
と小首をかしげた。
2011-11-27(Sun)
10月のショーでは『剣のダチュラ』を演じて下さいました徳永潤さんのラジオ番組『じゅんぼ~商店』のゲストトークに
『吉川友加里さん』
が出演されました!
吉川さんは『忍者ライブショー さやか見参!』で、主人公・山吹さやかの声を担当して下さってる声優さんです。
このブログでも『ナナコねえさん』の名でちょくちょく登場してますね。
素顔の山吹さやかってどんな人?
気になる方は↓↓
収録の様子はこちらのブログから↓
http://junbow.seesaa.net/そしてゲストトークはこちらから↓
http://junbow-gonntere.seesaa.net/
2011-11-27(Sun)
冬場の練習は本当に寒くて…
当時練習に使っていた公園は、住宅地の中の小さな丘の上にありました。
暗い公園でした。
周りはお墓でした。
その中で木刀を振ったり、パンチやキックを繰り出す男3人(2人の事もありましたが)。
この時の練習メンバー、
すなわち代表(僕)、やっちゅん、ぷーさんは、実は剣殺陣初心者。
僕とぷーさんはキャラクターショー出身なので『キャラクターの剣殺陣』は出来るのですが、時代物のような殺陣はやった事がなかったのです。
従って、僕が独学で覚えた基本を練習する事になります。
とは言っても、まだ練習メニューが定まってないので、すぐにやる事がなくなってしまいます。
今でこそ偉そうに殺陣教室なんかやってますが、この時はまだ指導者として何をしていいのか分からない、ただのぼんやりした男だったのです。
『素振りもやったし…型もやったし…殴りも蹴りもやったし…次は何しようか…』
みたいな練習だったので身体が温まる事もなく、毎週凍えていました(笑)
『なんでだろう?』
僕がキャラクターショーの若手だった頃、週に3回練習が行なわれていました。
1回の練習時間は2時間。
そのメニューをなぞるだけでも2時間は埋めれるだけなのに…
僕はかつての練習の記憶を辿りました。
2011-11-26(Sat)
共通言語の話ですね。
言語とは言ってますが、これは『共通認識』の話です(ここまでは前回書きました)。
ショーで使う用語や動きって団体によって千差万別で、
動きは同じだけど名称が違ったり、
逆に名称は同じなのに動きが違ったり、
ほぼ同じなのに微妙に違ったり、または全然違ったり、
そんな事がけっこうあるんです。
これがリハーサルや練習で壁になったりするんですね。
僕が
『ここはAでやりましょう!』
と指示を出した時、
キャラクターショー出身の僕が考えている『A』と、
舞台出身のみんみんが考える『A』と、
ハリウッドのアクションを学んだジャスティンの『A』にズレがあったりするんです。
(※やっちゅんは演劇やショーの経験がなかったので『A』を知らない)
この3人のズレは小さなものかもしれませんが、その小さなズレに左右されてしまうのがエンターテイメントってもんです。
なので通常練習の中でそのズレを調整しておきたい。
全員の認識を、『内野流』、すなわち『武装流』に統一しておきたい。
そう思っていたのです。
実際はなかなか集まれず、僕とやっちゅん(そして阿部ぷーさん)での練習がほとんどだったのですが。
2011-11-26(Sat)
11月24日は殺陣の練習日でした♪
mixiで知り合った九州ラテさんがまた来てくれましたよ♪
けっこう遠くにお住まいなのに…
ありがたいです。
体験レッスンが1名、
ヒラシマさんという女性が来て下さいました。
ありがとうございます♪
とりあえず3人でスタート。
少し遅れてnassyさんが来て下さいました。
お忙しい中、時間を見つけては参加して下さるnassyさん。
感謝です!
その後にコガさんが到着。
遅くまでお仕事をされてるのに、こちらも時間を見つけて参加して下さってます。
本当にありがとうございます。
練習メニューは基本動作がメインでした。
どれだけキャリアを積んでも基本は大事。
続けていく事が必要です。
ここで生徒さん達の間に亀裂が発生!?
『おまえらなんか知らねーよ』
プイッ!!

『こっちだって知りませんよ』
プイッ!!

お互いそっぽ向いて練習を始めちゃいました~!
…なんてのは嘘です♪
これは武装でよくやる壁に向かった練習なのでした。
ちなみに左を向いてる画像、手前がnassyさん、奥がコガさん。
右向きの画像は、手前がヒラシマさん、奥がラテさんです。
基本動作ばかりでは面白くないので、後半は応用動作を入れてみました。
時間いっぱいまで動いて練習終了。
楽しんでもらえてたらいいなぁ~。
ラテさん、ヒラシマさん、nassyさん、コガさん、
皆さんお疲れ様でした!
ありがとうございました!
2011-11-25(Fri)
さやかを追って宙に跳んだ青忍者達だったが所詮は下忍、勝負になるはずもない。
4人は空中で強烈な一撃をくらい、無様に地面に激突した。
1人はみぞおちを、1人は喉を、後の2人は眉間を押さえて呻いている。
跳躍のわずかな間に、しかも不安定な姿勢で、さやかは各々の急所に攻撃を食らわせたらしい。
おまけに4人は刀まで奪われている。
倒れている下忍の中にさやかが着地した。
と同時に、4人の足の間に奪われた己の刀が突き刺さる。
『ひっ、ひぃぃ~っ!』
危うく股間をかすめた刃に下忍達は一様に後退った。
さやかはにやりと笑う。
『そこの急所は狙わないでやったんだから。優しいでしょ?』
青忍者はそれぞれ地面に刺さった刀を抜いたが、それを再び構える事はなかった。
すでに戦意を喪失しているのだ。
『帰ってイバラキに伝えなさい、巻き物は諦めた方がいいって』
さやかが冷たく言い放つ。
『ひぃっ』
情けない声をあげて下忍が逃げだそうとした。
そこへ、
『その必要はない』
聞き覚えのある低い声が、樹々の中に響いた。
さやかが身構える。
腰の引けた下忍のうしろで竜巻のように落葉が舞い上がった。
青忍者の装束がばたばたとなびく。
その風が収まった後に現われたのはやはり、銀色に輝く左腕を持った鬼であった。
2011-11-23(Wed)
話が前後して分かりにくい『アクションへの道』、
今回は2007年の12月のお話し。
とりあえず初回公演を終えた『さやかショー』ですが、次の予定はありませんでした。
そこでこの期間を基本練習に費やす事にしたのです。
特に大学生のやっちゅん。
10月はショーに出演してもらいましたが、彼はアクション未経験者。
次の公演に向けて基本を身に付けていてほしかったのです。
当時の練習場所は、やっちゅんの寮の近くの公園。
お墓の隣りにある暗い公園でした。
メンバーは基本やっちゅんと僕の2人。
途中から先輩の阿部ぷーさんも来てくれるようになりました。
みんみんとジャスティンは仕事が忙しくてほとんど来れません。
本当はこの練習で、スタイルの違う4人(※)に共通言語を作っておきたかったのですが…
ここでいう『共通言語』とは、アクションに関する『共通認識』って事ですね。
武装メンバーは、
代表=ヒーローアクション
みんみん=殺陣
ジャスティン=ハリウッドアクション
やっちゅん=キックボクシング
と、全員専門のジャンルが違ったんです。
続く
2011-11-23(Wed)
さやかは余裕たっぷりに腰に手を当て、ずいっと前に進んだ。
青忍者達は刀を振りかぶったまま気圧されて退がる。
そのだらしなさにさやかはため息をついた。
『で、なんの用?』
忍者の1人が答える。
『おまえが持っている巻き物をこちらに渡してもらおう』
『これ?』
『そうだ。その巻き物には山吹流の奥義が記されているはず』
『なに?イバラキの奴、これを欲しがってんの?』
『この乱れた天下を治めるはイバラキ様の使命。その崇高なる志の為には山吹の奥義が必要なのだ!』
さやかは一瞬ぽかんとした後、爆笑した。
『あははははっ!なぁに?イバラキの奴!天下を治めるなんて本気で言ってんの~?超面白いんですけど~!!』
本気でおかしくてたまらないようだ。
意外な反応に忍者達も戸惑っている。
さやかは笑いを落ち着かせようと深く息を吐いて青忍者達を見た。
その眼にはすでに笑いはない。
山吹流の後継たるくのいちの表情に変わっている。
『崇高な志?冗談じゃないわ。イバラキの中にあるのはせいぜい邪心、野心、欲望、自己顕示欲、虚栄心、そんなもんでしょ。いずるにしても胸を張って語れるもんじゃないわ』
『えーい、うるさい!!』
忍者達が気を取り直したように構え直し、さやかを囲んだ。
それをちらりと見たさやかは、涼しい顔のまま
『そんなに欲しいのなら力づくでどうぞ。ただし、覚悟は決めときなさいよ』
と啖呵を切り、言葉が終わるやいなや瞬時に跳躍した。
2011-11-22(Tue)
枝々を通した光が景色をうっすらと緑に染める。
ひやりとした空気がやけに清浄なものに感じる。
林の中を歩く山吹さやかの集中力も周りの空気のように澄んでいた。
この広い林の隅々まで感じ取る事が出来るようだ。
獣達はさやかを気にする素振りもなく落ち着き払っている。
人の気配は微塵もない。
だが―
突然頭上に湧いた気配が降ってくる。
さやかは転がって難なくかわした。
野良着姿が一瞬で桜色の忍び装束に変わっている。
さやかの野良着は、空より襲いかかった青装束の忍び達によって地面に串刺しにされていた。
4人の青い忍びは地面に刺さった刀を抜き、それぞれさやかに向かって構えている。
『やっぱりあんた達か。幻龍組の三流忍者』
侮蔑され昂ぶった4人がさやかに迫った。
『人の気配はしなかったんだけどね。人ならざる…ってゆーか、出来損ない忍者の気配は感じてたわよ。あれで気配を消してたつもり?』
構えようともせず小馬鹿にした調子で喋るさやかに青忍者達が戸惑っている。
『おまけにさ、枝から跳んだ瞬間に殺気びんびん。
動く時こそ静めよって習わなかった?』
さやかは4人の顔をゆっくり見た。
無手の少女1人に対し、刀を振り上げた男4人が動く事も出来ない。
さやかは小さく、
『天狗の正体は幻龍組かぁ』
と呟いた。
その声は少し嬉しそうにも思えた。
2011-11-22(Tue)
斬っても死なない立ち回り、
その背景には『キャラクターショー』の存在がありました…
いやぁ、キャラクターショーの悪役って(主役もですけど)、斬られても刺されても死なないんですよ(笑)
途中で別キャラに着替えの人は死んだりしますけど。
その癖で『斬られても死なない立ち回り』を付けちゃったんですね。
キャラクターショーならごまかせると思うんですよ。
変身してたり強化服だったり、敵も人間じゃないんですから。
しかし忍者は人間ですからね。
やっぱり斬られたら大変な事になるワケです。
そこに気付いて初めて、
『いかんいかん!じゃあ斬られずにかわして!』
って事になったんです。
なので最初は苦労しました。
動きの流れで、
『うぅっ…斬ってしまいたい…』
って所が出てきちゃうんですね。
助っ人で何度か山吹さやかを演ってくれた後輩の『みちャき』、
彼女も立ち回りを付けると必ず敵を斬っていました。
みちャきもキャラクターショーの人間ですからね。
『斬らない立ち回りを付けて!相手は人間だから斬ると死んじゃうよ!』
こう言うと、
『えーっ!?』
『…やりにくい…』
『…斬りたい…』
『斬っちゃダメですか?』
なんてぼやきながら苦労してましたね(笑)
2011-11-21(Mon)
ちょっと話をさかのぼらせていいですか?
初さやかショーの、しかもリハーサル。
考え無しに書いてるもんで、行きつ戻りつでスミマセン。
で、リハーサルですよ。
今まで何回も書いたと思いますが改めて…
リハーサルでは僕が立ち回りを付けるんですが、ここに至ってつまずいた事がありました。
『ジャスティン、頭狙ってそっちから斬ってきて。
…で、みんみんはじいて。
はじいたらすぐ反対からやっちゅん頭斬りに行って。
それもはじいて、みんみんがやっちゅんに右袈裟斬り、すかさずジャスティンに左袈裟斬り』
ここまでは問題なし。
つまずいたのはこの後。
『袈裟袈裟が終わったら、みんみんゆっくり構え直して。
その間にジャスティンとやっちゅん、苦しみながら立ち上がって』
↑これ。
いつもなら何とも思わないこの立ち回り、僕は
『んっ??』
と思いました。
『普通、斬られたら死ぬよね!?』
思いっきり袈裟斬りされた奴が少し苦しんだぐらいで戦いに復帰出来るもんなのか!?
いや、とうてい無理だろう!
じゃあ、なぜ僕はそんな手を付けてしまったのか!?
正解が分かった方は、このブログをかなりじっくり読み込んでる方だと認定です。
続く!
2011-11-21(Mon)
10日ぶりにこの日がやってきました。
『みんなの力を合わせよう!クリック募金』
という事で…


忍者ライブショーさやか見参!
ヒーロー連合ジャスター
グランパワーヒノクニ
未来環境防衛隊ドラゴンマン
小さくても、
出来る事をコツコツやっていきたいな、と思います。
皆さんも是非ご協力下さい。
被災地の、一日も早い復興を祈ります。
2011-11-18(Fri)
17日は殺陣の練習日でした。
最近は見学や体験レッスンの申し込みがぼちぼち。
ありがたい事です。
この日も…

モリさんという女性が来て下さいました。
ずっと殺陣に興味があったそうで、地味なメニューにも真剣に取り組んで下さいました。
これからも来てもらえたら嬉しいなぁ。
こちらも初参加なんですが…

M中くん、僕のキャラクターショー時代の後輩です。
すでにキャリア10年を超えるベテランさんで、僕は彼のアクションが大好きなんです。
まだまだ学びの姿勢を忘れない後輩に脱帽でした。
こちらはお馴染み、シライシさんとコガさんです。

写真は、隙をついて横面を打つコガさん、
ギリギリ八双で受けるシライシさん、
…という演出で撮ってみました(笑)
Mさん、M中くんのお2人は基本をメインに、
シライシさんは連続動作と立ち回りをメインに、
一番最後に到着されたコガさんは立ち回りの絡みをメインにやってもらいました。

正確さ、
なめらかさ、
力強さ、
迫力、
色んな要素を一度に盛り込まなくちゃいけないから立ち回りは難しいですよね。

これからもみんなで精進していきましょう♪
モリさん、M中くん、シライシさん、コガさん、お疲れ様でした!
2011-11-18(Fri)
さて、
『死の危険性』
すら感じさせるショーが始まりました。
ショー自体はスムーズに進みました。
もちろんキツいんですけど、ここまではいつもの風景です。
ちなみに…
ヒーロー物のマスクは着脱が楽なので、ちょっとした時間でも外して呼吸を整える事が出来ます。
しかしメルヘン系のマスクはそうはいきません。
着けるのに時間がかかってしまうので、短い休憩だとマスクを外せないんです。
呼吸もままならずぐったりとしているキャラクター達…
5人のマスクの中からゼーハーと荒い息づかいが聞こえます。
そして歌のコーナーが始まりました。
すっくと立ち上がるキャラクター達。
可愛らしく、元気に、手を振りながらステージに駆け出していきます。
自分達の苦しさなんて客席の子供達には関係ない。
当たり前ですが、それを見せるワケにはいかないんです。
オープニングテーマのダンスが始まりました。
素敵な歌声と、キャラクターの可愛く激しいダンスに子供達も盛り上がります。
曲が終わり、一旦ステージからハケるキャラクター達。
ダンスの勢いのままステージを去ります。
そして…
子供達から見えない位置に来ると全員が倒れ込みました。
呼吸がほとんど出来ない状態で元気に踊りきったんです。
『ダンス1曲ぐらいで…』
と思う方もいるかもしれません。
しかし着ぐるみでのダンスは、常人が想像も出来ないぐらいキツいんです。
断言しましょう。
『プロのスーツアクター』の動きを『着ぐるみ未経験』者が真似る事は不可能です。
だから、ここで僕が彼女達のキツさを説明したって、普通の方には理解してもらえないと思います。
『自分達が経験した事ないぐらいキツいんだな』
と思って読んでみて下さい。
ステージ裏に5人のキャラクターが倒れています。
さっきまで元気に、可愛く踊って、子供達に手を振っていた女の子達です。
この苦しさの中で子供達の夢を壊さない演技を続けていたのです。
僕は、
長年キャラクターショーの現場にいましたが、
この時の光景を見て、
『まるで地獄絵図だ…』
と本気で思いました。
女の子5人が、
可愛いキャラクターの姿で、
死人のようにあちこちに倒れ込んでいる。
身動きも出来ず、
ただヒューヒューゼェゼェと酸素をむさぼり、
激しく背中を波打たせている。
息をする為にはマスクを外さねばならないが、
今それは許されない。
そして、次のダンスが始まろうとしている。
リーダーの女の子が立ち上がりました。
『お前達大丈夫かぁ!』
叫ぶように声をかけます。
4人は返事をしようにも動けません。
リーダーは酸素のスプレーを手に取ると、1人1人に駆け寄り、マスクの中に酸素を噴射し、
『あと1曲だけ我慢しろ!』
『もう少しや!頑張れ!』
と声をかけます。
もちろんリーダーだって動けないほどキツいし、自分だって酸素が欲しいでしょう。
でも、
自分は後回しなんです。
みんなを励ます事もリーダーの務めだから。
みんなはそのリーダーの気持ちに応えようと、ヨロヨロ立ち上がりました。
『大丈夫です!』
『頑張ります!』
そしてエンディングテーマが流れると…
彼女達はまた、元気に、可愛らしくステージに飛び出していったのです。
その時のダンスは本当に可愛く楽しそうで…
子供達も夢中になって振り付けを真似していました。
僕はその光景を見て、ボロボロと泣いてしまいました。
アクターがどんなにキツいか、
どんなに努力してるかなんて一切見せず、
ただキャラクターとして子供を喜ばせる。
これがプロのアクターだ。
そんな基本的な事を、後輩の女の子達が身をもって体現してくれている。
すごい。
お前達はすごいな。
こんな事があってから、僕は改めて
『本当のプロ』
として頑張ろうと誓ったのです。
彼女達に負けないように。
2011-11-16(Wed)
陽が中天に差し掛かった。
風は冷たいが、光を直接浴びればじりじりと熱い。
だが、光を遮る樹々の中はじわじわとした冷たさに満ちていた。
その冷えた空気をゆっくりと断ちながらさやかが歩く。
昨夜とは違う野良着に身を包んでいる。
林の中は薄暗かった。
昼間とてろくに陽が差さぬ場所ではあるが、かすかな木漏れ日と霞んだ空気が生む乱反射で、それなりに視界が開けている。
そのある種幻想的な景色の中を、さやかは虚ろな眼差しで歩いていた。
『虚双眼』という術である。
視点を定めず視界全体を見る技術だ。
最初はぼんやりとしか見えないが、修行を積めば段々はっきりと見えるようになってくる。
一見簡単に思えるが、修行を積むまでは、すぐに景色の変化に意識を奪われ、視点を合わせてしまう。
ただぼんやりと見続けるのも大変なのだ。
昨夜のような暗闇とて、さやかには周りの様子がはっきり見えていた。
しかしやはり、昼と夜では見えるものが違う。
空気や匂い、動物の動き、
忍びの気配を探る為には、目に見えるもの、目に見えぬもの両方を捉えなければならない。
さやかは極力首を動かさぬよう、視線を動かさぬよう注意しながら神経を研ぎ澄ました。
2011-11-16(Wed)
この女の子向けのショー、
演技は常にハイテンション。
激しいアクション有り。
激しいダンス有り。
という事で、その大量の消耗は常人が及びもつかないぐらいなんです。
…あ、ちなみに演者はほぼ女の子です。
これ、たまに書きますけど…
我々はよく
『暑いでしょう?』
『息苦しいんでしょう?』
なんて言葉をかけてもらいますが…
確かに暑い、
確かに苦しい、
でもそれは、労って下さった方の想像を遥かに超える暑さ・苦しさなんです。
だって、アクションなんて普通にやってもキツいのに、
ダンスだってキツいのに、
それを厚い衣裳を着込んで、前の見えない、息の出来ないマスクを着けて30分続けるワケですから。
ショーが終わった後の演者達が一様に動けなくなるぐらいキツいんです。
(女の子だから体力がないんじゃないか?なんて思われた方、間違いなく男性より女性の方が体力ありますよ。根性も)
…で…
現場の話に戻りますが…
その目茶苦茶キツいショーの直後にダンスがあるんですよ。
しかもフルコーラス。
しかも2曲。
僕はハッキリ言って、
『みんな死んじゃうんじゃないか!?』
って思いましたよ。
そのぐらいキツい事なんです。
2011-11-15(Tue)
武装メンバーによる初のショーが終わりました。
…ここで話を、TVキャラクターショーの方にチェンジしてみましょう。
この2007年、非常に印象深いショーがあったからです。
後輩達に、『プロの凄さ』を思い知らされたショーでした。
とある『女の子向けの』キャラクターショー。
とても人気のあるショーで、客席はいつも、女の子を中心とした家族連れと大きいお友達でいっぱい!
しかもその日は…
テレビのオープニングテーマを歌ってる歌手の方、
エンディングテーマを歌ってる歌手の方、
そのお2人が登場するイベントだったのです。
そうなれば当然歌います。
いつものショーの後に歌のコーナーがあるのです。
オープニングをフルコーラス。
エンディングをフルコーラス。
キャラクター5人も登場して、歌手の方の後ろでダンスをする事に。
昔はメルヘンショーのダンスもお遊戯の延長みたいなのが多かったですけど、現在は違います。
『ダンサーか!?』
と言いたくなるような、激しく難しい振り付けなんです。
2011-11-14(Mon)
プレッシャーに押し潰されそうになりながらの初ショー、
結果はどうだったのかと言うと…
大成功!…だったと思いますよ。
テンションが上がった子供達の声援やら笑いやら悲鳴やら野次やら野次やら野次やら…
とにかく盛り上がりましたからね。
みんなステージかぶりつきで観てくれましたし。
そのおかげで今の所、5年連続呼んでいただけてますし(間に立って下さった立花藤兵衛さん(仮名)のご尽力の賜物でもあります)。
さてさて…
現在5年目に突入した『さやか見参!』ですが、
この『まつり草ヶ江2007』でしかやってない試みがあるのです。
それは…
少年忍者の出演!!
『さやか見参!』には『心太郎』という少年忍者が登場しますが、そーゆーキャラクターではなくて、正真正銘の少年、小学生の忍者達です。
彼らはジャスティン坂本がインストラクターを務めるアクションスクールの生徒さん達でした。
スクールの実地研修のような名目で出演していただき、立ち回りを披露してもらったのです。
これが…
気合いは充分!アクションもキレキレ!
おまけにバク転なんかもやっちゃったりして大盛り上がり!!
先生の熱意を受け継いでる子達なんだなぁと感心しまくったのでした。
…あ、
我々が出てる時は観客(子供達)の野次が凄かったんですが、この時はみんな真剣に観てましたね。
やっぱり子供達にも
『野次を飛ばすかどうかの距離感』
みたいなものがあるんでしょうね(笑)
2011-11-14(Mon)
林の近くの小さなお堂で夜明けを迎えたさやかは、これからどうするかを考えていた。
昨夜は天狗が出るような様子は感じられなかった。
音駒のような普通の青年さえ怯えながらも通っている。
(今回ばかりはただの噂かしら)
だとしたらこんな所で油を売らずに先を急いだ方がいい。
さやかには、『奥義の一巻』と渡された巻き物を山吹の分家に届ける任務が与えられているのだ。
しかし…
噂がある以上はどうしても気になる。
昨夜は“たまたま”何もなかっただけかもしれない。
さやかは決めた。
今日一日様子を見よう。
それで何もなければここを発とう。
自分を納得させるように小さく頷いて空を見る。
青い。
空の青は、矮小な人間に虚無を感じさせるほど深い。
そこに雲が流れる。
山吹の里がある方角に向かっているようだ。
さやかは仲間達に思いを馳せた。
十二組から蛇組…イバラキが抜けて、里は慌ただしくなった気がする。
いつ復讐に現れるか分からない幻龍イバラキへの対応を練ったり、
暗躍する一角衆の動向を探ったり、
下忍達などは修行もままならぬ様子である。
各組の頭領はさぞや大変だろう…
そこでさやかは少し照れた。
他人事のように言っているが、龍組の頭領、父・武双に大変な思いをさせているのは他ならぬ自分、
その事を失念していたからだ。
(任務の途中で天狗見物に立ち止まっている未熟者が次期後継者では、父上も気が気じゃないわね)
本当に申し訳ない気持ちになり、
(もう一日だけ。明日には必ず巻き物を届けるから。)
と心の中で言い訳してみる。
(とりあえず)
空から視線を下ろすと暗い林が目に入った。
(太陽が一番高くなったら林に入ってみよう。明るい状態でも見ておかなきゃ)
さやかはもう一度小さく頷き、ごろんと横になった。
2011-11-13(Sun)
3日間のリハーサルが終わりました。
武装メンバーによる、初めての『山吹さやか』パッケージショー。
これは本当にドキドキしました。
僕がそれまでやってきたTVキャラクターショーには無い緊張感でした。
TVキャラクターの場合、観客が登場を心待ちにしているので、キャラクターが出るだけで盛り上がります。
しかし山吹さやかは無名のキャラ。
心待ちにしていないどころか、何が始まるのか、どんな奴が出てくるのか、誰一人知らないのです。
キャラクターが登場して盛り上がるなんて事は望めません。
だとしたらストーリーとアクションで盛り上げなきゃいけないのですが、これは全くの未知数です。
無名のキャラクターが織り成すオリジナルのストーリーが子供達の心を掴めるのか!?
数十本のショー台本を書いてきた僕も完全オリジナルは初めてなので、かつてないほど緊張しました。
もし、子供達が全く乗ってこなかったら…
それは僕のアイデアや方向性が駄目だったって事です。
これまで培ってきた実績、
それによって得た自信、
それが全否定されるという事なんです。
このプレッシャーは…
かなり強力でした。
2011-11-12(Sat)
音駒と名乗る青年は、おどおどしているせいか、ひ弱そうに見えた。
しかしその実、しっかりした芯を持っているようにも見えた。
『ご存じかもしれませんが、最近この林に天狗が出るという噂があるんです』
音駒は自分が来た方向を指差した。
『あちらへ行かれるのなら間もなく林を抜けられます。急いだ方がいいですよ』
『そんな所をおめぇはこの時分になんで通っとるんだ?』
『この先に済む病人を診に行くよう師匠から仰せつかったもので。
殊の外、治療に時間がかかってしまいました』
青年の言葉が途切れるのを待っていたかのように頭上で鳥が飛んだ。
その羽音にびくっとしながらも音駒は、
『急いで師匠の所に戻らねばなりませんので、私はここで。道行きご用心下さい』
と頭を下げた。
さやかは
『へぇ』
と会釈しながら通り過ぎる音駒を見た。
不思議な青年だ。
慇懃で物腰の柔らかい若者ならいくらでもいる。
しかし、あの年齢であれほどしっかりとした芯を感じさせる者はそういないだろう。
ただ―
遠ざかっていく背中にさやかは言った。
『この先、1ヶ所だけ枝が途切れて月の見える場所があるけんど、その辺りが何だか騒がしかっただで、ありゃもしかすると天狗が集まっとるのかもしれねぇなぁ』
すると予想通り、遠くから
『ひぃっ』
という悲鳴が聞こえた。
さやかは笑いをこらえながら、
『気をつけなされやぁ』
と、意地悪な声で別れの挨拶をした。
よせばいいのに、ついつい加虐的になってしまう。
悪い癖だと自分でも思う。
再び歩き出したさやかは、音駒の眼差しを思い出した。
年の割に達観した、落ち着いた瞳。
それに比してあの臆病な態度。
あの差はなんだろう。
きっと今頃は天狗の影に怯え、枝が揺れる度に腰を抜かしているに違いない。
(面白い)
さやかは内心、音駒をそう評した。
兄を亡くして十数年―
以来、さやかが他人に興味を示したのは今回が初めてであった。
さやか本人はその事に気付いていないのだが。
やがて、
さやかは林を抜けた。
景色の一面を月明りが照らしている。
さやかはその景色を、何故だか美しく感じていた。
2011-11-11(Fri)
10日は殺陣の練習日でした。
いつもより1時間早く大橋に行きまして…
それは何故かといいますと、普段お世話になってる立花藤兵衛さん(仮名)と会う約束があったからなんですが…
40~50分ほどお話ししまして…(コーヒーご馳走様でした!)
それから練習場へ…
藤兵衛さんも少し見学していかれるとの事…
練習場に入ると1人の女性が声をかけてきました。
この方は九州ラテさん(仮名)、
mixiで知り合った方で、体験レッスンを申し込んで下さったのでした。
初対面です。
続いてマルヤマさんも到着。
レッスン第一部(19:00~)はこのメンバーです。
ストレッチからスタートして摺り足、
青眼の構え→上段の構え→真っ向→天合わせ
といういつもの流れ。
ラテさん(仮名)は、
初参加の自分に合わせてるせいでマルヤマさんが普段通り練習出来てないんじゃないか
なんて気にしてましたけどとんでもない。
基本というのは、キャリアが何年になろうともやり続けるべきなんです。
マルヤマさんだって、まだまだ基本をしっかりと身に付けなければならない段階ですから。
なのでラテさんの心配は杞憂なんですけど、これからは僕が、
『初参加の方を不安にさせない練習』
を考えていかなければならない、
って事なんですよね。
第一部のラストはマルヤマさんと僕で1対1の立ち回り。
現在のマルヤマさんは、『広く浅く』動ける状態。
これからは少しずつ動きを深めていかなければならないので、その辺りを指導しました。
ここで第一部終了。
マルヤマさんは本日ここまで。
お疲れ様でした!
(あ、見学の藤兵衛さんは摺り足の辺りで帰られました)
第二部(21:00~)からはシライシさんとコガさんが参加。
一部で木刀を振ったので、二部では徒手アクション。
久しぶりの正拳突きと外受けをやりました。
位置を変えたり動きを組み合わせたり、
動き自体は難しくないので、変化を付けて難易度を上げてみました。
これはラテさん大変だったと思います。
だって難易度を上げてるんだもの(笑)
22時になった所でラテさんはタイムオーバー。
家が遠いので帰らねばなりません。
今回は本当にありがとうございました。
出来ればまた来て下さいね♪
お疲れ様でした♪
ラストはシライシさんの立ち回り。
先週やった1対2です。
考えずにやれば何とな~く出来てしまう立ち回り、
しかし本当は、細かい要点がいくつも隠されているのであった…!
動きはもちろん、スピード、テンポ、そういった所も煮詰めていきました。
これからも続けて完成させましょう!
…というワケで第二部も終了です。
シライシさん、コガさん、今回もありがとうございました!
お疲れ様でした!
2011-11-11(Fri)
1がつく日は…
スーパーの売り出しみたいな書き方しちゃいましたけど、
↓↓これです


忍者ライブショーさやか見参!
ヒーロー連合ジャスター
グランパワーヒノクニ
未来環境防衛隊ドラゴンマン
ドラゴンマンさんの呼びかけで実現しました。
賛同して下さる方は、是非1日1クリックをお願いいたします。
2011-11-09(Wed)
初めてのリハの中で、僕がもう1つ気にしている事がありました。
みんなの呼び名です。
代表だし年長ですから、普通に呼び捨てでいいと思うんですが、いかんせん関係が浅い。
おまけにこちらからお願いして参加してもらっている。
とても呼び捨て出来る状況じゃありません。
男性2人はまぁいいんです。
かたや『ジャスティン』、
かたや『やっちゅん』ですから、
ニックネームで呼べばいいんです。
※ちなみにジャスティンって名前は、彼の師匠であるハリウッド俳優がつけて下さったのだそうです。
残るは片山さん…
小学生の頃、先生に
『男女間の呼び捨て禁止!』
という教育を受けた僕は
『片山!』
と呼ぶ事も、
『亜沙美!』
と呼ぶ事も出来ず、かといって
『片山さん!』
と呼ぶのは活動上やりにくかったのです。
僕は言いました。
『よし、片山さんにニックネームをつけよう』
僕は慣れない人とコミュニケーションを取る際に、よくニックネームをつけるのです。
しかしなかなか思い付きません。
リハをやりながらみんなで考えます。
様々なアイデアが出た結果…
『亜沙美→あさみん』
そして
『あさみん→みんみん』
となり、片山亜沙美のニックネームは『みんみん』で決定したのです。
2011-11-08(Tue)
『てん、てん、てん』
腰を抜かしたまま男は痙攣するように同じ言葉を繰り返した。
おそらくは突如目の前に現れた(ように見えた)人影に、
『天狗か!?』
と問い掛けたかったのであろう。
『てんてん、って、おめぇなに言うとる』
百姓姿のさやかが男の声で尋ねる。
天狗ではない事を証明して早く安心させてやらねば可哀想だ。
『おら、人にそんなに驚かれたのは生まれて初めてだ。おら、別になんの悪さもしてねぇぞ』
そこでようやく男は冷静になった。
『えっ…?天狗ではないのか?』
おずおずと燭台を差し出す。
小さな灯は不規則に揺れながら目の前の人影、すなわち野良着姿のさやかを照らした。
『あっ、あぁ~!こ、これは失礼しました!』
男は慌てて立ち上がろうとしたが、行李の重さに引き戻され再び尻餅をついた。
『別になんも失礼な事はないけんど』
さやかが無愛想にそう言うと、
『いやいや、驚かせてしまって』
と慌てて立ち上がろうとする。
しかし、やはりそれは叶わず、男は何度も腰を浮かせては尻をついた。
『驚いとるのはおめぇだけだ』
その言葉で我に返ったのか、男は燭台を地面に置き、ばつの悪そうな顔で行李を下ろして立ち上がった。
『驚かせてすみませんでした。
私は竹村音駒(ねこま)、医者の卵です』
知的な、
すっきりとした顔立ちだった。
その表情を見てさやかは、
『だから、驚いたのはおめぇだけだってば』
と答えた。
2011-11-07(Mon)
『プロ意識』って難しいなぁ。
利用されて負の遺産を残す事もあるし、
未来の為に現状を壊す事もある。
どちらが正しいのか、
両方正しいのか、
両方間違ってるのか、
なんて、
多分言えない。
2011-11-07(Mon)
林の奥から歩いてきたのは、さやかの予想通り細身の若い男だった。
小さな燭台に灯を乗せ、行李のような物を背負っている。
二十歳前後だろうか、
遠目に見ても神経質そうな印象を受ける顔立ちだ。
考え事をしているのか、深刻な表情のまま、うつむいて歩いてくる。
まだ近付いて来るさやかに気付く気配はない。
二人の距離が縮まる。
だが、まだ男は顔を上げない。
さやかは少し戸惑った。
あの青年は、ぎりぎりまで自分に気付かないのではないか。
まさにぶつからんとするまで近付かねば気付かないのではないか。
こんな暗闇で…
しかも天狗が出ると言われている林の中で(男が天狗の噂を知っているかは分からないが)、
突然目の前に人影が現れたら…
その驚きは並々ならぬものがあるのではないか。
下手をすれば腰を抜かすほど、
いや、気の弱い者なら失神するほど驚愕するかもしれない。
周囲への注意を怠った本人の責任とはいえ、それは少し可哀想に思えた。
さやかは、
持っている枝で、わざと地面を大きく払った。
鞭のようにしなった枝が、落ち葉と湿った土をはじいた。
ひゅんっ!ばしっ!
その音にようやく顔を上げた男は、
前方で己の灯に照らされた人影に気付き、
『ひゃあああっ!』
と尻餅をついた。
2011-11-06(Sun)
ちょっとペンションの話に脱線しちゃってました!
2007年10月1日、
武装メンバー初めての顔合わせで、僕がやらなきゃいけなかった事とは…
敬語をやめる事
だったのです。
僕は直接の後輩以外には、基本的に敬語の人間なんですが、この時のメンバーも
ジャスティン坂本…仕事で知り合った
片山亜沙美…友人に紹介してもらった
やっちゅん…mixiで知り合った
という感じで、(僕にとっては)少し距離のある面々だったのです。
しかし、リハーサルの進行や現場で指示を出す事を考えると、敬語ではちょっと具合いが悪そうです。
そこで僕は、リハーサル場所の公園に向かいながら言いました。
『あのですね、これからの事を考えると、敬語をやめた方がスムーズだと思うんですよ。
それで、今からタメ口にしようかと思うんですけど、問題ないですかね??』
いやホント、僕にとって敬語をやめるってかなり勇気が要る事なんですよ!
それを聞いた3人は
『いや、問題ないでしょう。…ってか、むしろそうして下さいよ』
と答えます。
年上の僕に敬語を使われるのは居心地悪かったのかもしれません。
しかし僕はまだまだ不安なので、
『ホントに大丈夫ですか?問題あったら言って下さいよ!』
なんて言いながらいつもの儀式へ…
『じゃあ…今から3つ数えたらタメ口になりますからね!』
…これ、僕が敬語をやめる時によく使う手段なんです。
馬鹿みたいですけど、このぐらいきっかけを作らなくちゃタメ口になれないんですよ~。
とにかく、
『それじゃ、3、2、1、ハイッ!!…よし、今からタメ口でいくけんね~、みんなよろしく~!』
と、
無事に敬語からタメ口に移行する事が出来たのでした。