2011-08-06(Sat)
アクションへの道(244)
皆さんは『辻 武司』というプロレスラーを知ってますか。
あ、本物のプロレスラーではありません。
『ごっつええ感じ』のコントで東野幸治さんが演じてたキャラなんですけど。
ある日、HIROが言いました。
『最近ごっつのDVD観返してるんですよ!やっぱめっちゃ面白いですね!』
僕はリアルタイムで『ごっつええ感じ』を観た事がなく(当時アパートのアンテナの調子が悪くてテレビが映らなかった)、後に何度かビデオで観たぐらいだったので、HIROの話にも
『あぁ…確かそんなコントもあったねぇ…』
ぐらいしか返す事が出来ません。
これじゃいかん!…と、僕もDVDを借りて観返す事に。
そうしてしばらく、小さな『ごっつブーム』が起きたのです。
そんな時期の出来事でした。
HIROと僕は同じ班で、アクションショーの現場に向かいました。
連休中、通しメンバーでのショーなのでテンションも上がっています。
予定よりも早く現地に到着した我々はしばし車内待機だったのですが、なにしろテンションが上がってるので、
『ちょっと外行きましょうよ』
なんて事をHIROが言い出しました。
普段の超インドアな僕なら絶ッ対外になんか行かないのですが、この時期は違います。
『おぅっ!行こうぜ行こうぜ!』
HIROに続けとばかりに外に飛び出しました。
早朝の海を眺めながら若手数人とはしゃいでいると、いつの間にか追いかけっこが始まりました。
それはやがて『辻ごっこ』へ。
『辻ごっこ』とは何か?
プロレスラー・辻 武司が作り出した『鬼ごっこ』に似た遊びで、『辻 武司』に捕まった者は『辻 武司』になってしまう、というもの。
鬼ごっこと違うのは、『辻 武司』は人を捕まえても『辻 武司』のままだという所。
つまり、人を捕まえる度に『辻 武司』が増えていき、最後にはみんな『辻 武司』になってしまうという遊びなのです。
ごっつ熱に浮かされている我々が、追いかけっこから『辻ごっこ』にシフトチェンジしたのは必然の流れと言えるでしょう。
HIROが若手にタッチして言いました。
『こいつが辻武司や!逃げろ!』
僕とHIROは走って逃げます。
若手はワケも分からず追いかけてきます。
この時の僕は34才と思えないぐらいのはしゃぎっぷりだったと思います。
僕は走りながら振り返りました。
若手がすぐ近くに迫っています。
『ヤバい!捕まったら俺も辻武司や!』
捕まって辻武司になるワケにはいきません。
僕はダッシュしようと進行方向に向き直りました。
その時!!
『!!』
目の前には車輌進入禁止の為に張られたチェーンが!
マズい!
このスピードで引っ掛かったら物凄い勢いでコケてしまう!
僕は咄嗟にジャンプしました!
しかし!
時すでに遅し…
ジャンプしてかわすには距離が縮まり過ぎていたのです…
僕の足は空中でチェーンに捕らえられ…
その位置から地面に叩きつけられたのでした。
グシャッ!
一瞬記憶が飛びました…
『内野さ~ん!大丈夫ですか~!』
みんなが駆け寄ってきます。
『へへっ、ちょいとばかしはしゃぎ過ぎちまったぜ…』
『うわっ、血が出てますよっ』
『大丈夫大丈夫!さぁ、今からショーだぜ!』
…そう、
これはショー前の出来事なのです。
ショー直前に鬼ごっこ(正確には辻ごっこ)で怪我するなんて、とんだベテランもいたもんですよ!
それでも当然ショーは始まるワケで…
怪人のマスクを着けるとスポンジが傷にすれて痛みます。
汗が傷に染みます。
『これはけっこうな傷かなぁ…』
と思いながらもサイン会や撮影会の手伝いでは素顔を晒さなくてはなりません。
『こちらに並んで下さ~い♪』
と現われるスカーフェイスのジャージ男。
お母さん達はギョッとした表情で僕に声をかけてきます。
『お疲れ様です…大変なお仕事ですね…』
ショー中の激しいアクションで負傷したと思っているのでしょう。
ホントは辻ごっこでコケただけなのに…
現場が終わって家に帰る途中で、顔の左半分、怪我をした部分がみるみる重くなっていくのが分かりました。
『あぁ…
きっとすっげぇ腫れるんだろうな…』
その予感が的中した時の画像です。

あ、本物のプロレスラーではありません。
『ごっつええ感じ』のコントで東野幸治さんが演じてたキャラなんですけど。
ある日、HIROが言いました。
『最近ごっつのDVD観返してるんですよ!やっぱめっちゃ面白いですね!』
僕はリアルタイムで『ごっつええ感じ』を観た事がなく(当時アパートのアンテナの調子が悪くてテレビが映らなかった)、後に何度かビデオで観たぐらいだったので、HIROの話にも
『あぁ…確かそんなコントもあったねぇ…』
ぐらいしか返す事が出来ません。
これじゃいかん!…と、僕もDVDを借りて観返す事に。
そうしてしばらく、小さな『ごっつブーム』が起きたのです。
そんな時期の出来事でした。
HIROと僕は同じ班で、アクションショーの現場に向かいました。
連休中、通しメンバーでのショーなのでテンションも上がっています。
予定よりも早く現地に到着した我々はしばし車内待機だったのですが、なにしろテンションが上がってるので、
『ちょっと外行きましょうよ』
なんて事をHIROが言い出しました。
普段の超インドアな僕なら絶ッ対外になんか行かないのですが、この時期は違います。
『おぅっ!行こうぜ行こうぜ!』
HIROに続けとばかりに外に飛び出しました。
早朝の海を眺めながら若手数人とはしゃいでいると、いつの間にか追いかけっこが始まりました。
それはやがて『辻ごっこ』へ。
『辻ごっこ』とは何か?
プロレスラー・辻 武司が作り出した『鬼ごっこ』に似た遊びで、『辻 武司』に捕まった者は『辻 武司』になってしまう、というもの。
鬼ごっこと違うのは、『辻 武司』は人を捕まえても『辻 武司』のままだという所。
つまり、人を捕まえる度に『辻 武司』が増えていき、最後にはみんな『辻 武司』になってしまうという遊びなのです。
ごっつ熱に浮かされている我々が、追いかけっこから『辻ごっこ』にシフトチェンジしたのは必然の流れと言えるでしょう。
HIROが若手にタッチして言いました。
『こいつが辻武司や!逃げろ!』
僕とHIROは走って逃げます。
若手はワケも分からず追いかけてきます。
この時の僕は34才と思えないぐらいのはしゃぎっぷりだったと思います。
僕は走りながら振り返りました。
若手がすぐ近くに迫っています。
『ヤバい!捕まったら俺も辻武司や!』
捕まって辻武司になるワケにはいきません。
僕はダッシュしようと進行方向に向き直りました。
その時!!
『!!』
目の前には車輌進入禁止の為に張られたチェーンが!
マズい!
このスピードで引っ掛かったら物凄い勢いでコケてしまう!
僕は咄嗟にジャンプしました!
しかし!
時すでに遅し…
ジャンプしてかわすには距離が縮まり過ぎていたのです…
僕の足は空中でチェーンに捕らえられ…
その位置から地面に叩きつけられたのでした。
グシャッ!
一瞬記憶が飛びました…
『内野さ~ん!大丈夫ですか~!』
みんなが駆け寄ってきます。
『へへっ、ちょいとばかしはしゃぎ過ぎちまったぜ…』
『うわっ、血が出てますよっ』
『大丈夫大丈夫!さぁ、今からショーだぜ!』
…そう、
これはショー前の出来事なのです。
ショー直前に鬼ごっこ(正確には辻ごっこ)で怪我するなんて、とんだベテランもいたもんですよ!
それでも当然ショーは始まるワケで…
怪人のマスクを着けるとスポンジが傷にすれて痛みます。
汗が傷に染みます。
『これはけっこうな傷かなぁ…』
と思いながらもサイン会や撮影会の手伝いでは素顔を晒さなくてはなりません。
『こちらに並んで下さ~い♪』
と現われるスカーフェイスのジャージ男。
お母さん達はギョッとした表情で僕に声をかけてきます。
『お疲れ様です…大変なお仕事ですね…』
ショー中の激しいアクションで負傷したと思っているのでしょう。
ホントは辻ごっこでコケただけなのに…
現場が終わって家に帰る途中で、顔の左半分、怪我をした部分がみるみる重くなっていくのが分かりました。
『あぁ…
きっとすっげぇ腫れるんだろうな…』
その予感が的中した時の画像です。
