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2011-07-30(Sat)

話のネタ

こんなマニアックなブログを書いてるもんで、

『こんなブログ、一体誰が読んでんだろ??』

と悩む事もしばしばです。

なので、

『ブログ読んでますよ!』

なんて言ってもらえると非常にテンション上がっちゃうワケです。

しかしそれでも疑心は消えず、

『こんな毒にも薬にもならんブログ、ホントに読んでくれてんのかなぁ~』

なんて考えちゃったりして。

そんなに自信がないならブログ辞めなはれや!

とも思いますが、それでも

『こないだのブログは●●だったね~!』

とか、

『今回の内容、めっちゃ共感出来ます!』

とか、

そんな感想を聞かせてもらった時は、皆さんの想像以上に喜んで、

『よし、これからも頑張って更新しよう』

なんて思っちゃうのです。

コメントは読んでもらえてる事が一目瞭然でありがたいですね。

すごく励みになりますし、コメントの内容からブログのネタが生まれる事もあります。

出来るだけこまめに更新したいんですが、ネタがない時ってありますよね。

仕事の報告だって頻繁に出来るワケじゃないし、

練習報告は毎回似たような内容だし、

世間に物申したい事が際限なくあるワケじゃないし…

何もない時には『小説・さやか見参!』と『アクションへの道』を書けばいいのですが、『小説~』は読者が少なく、
(ブログは読んでるけど小説は読んでない、って人は多いんです)
『アクションへの道』はもう少しで終わっちゃう。

そうなると本当にネタ不足になっちゃうので、皆様どしどしコメントをお寄せ下さい♪(笑)



…ってなワケで今回はブログへのコメントを読んで思い出した話。


これはかなり最近の出来事です。

しばらくお付き合いのあったイベント屋さんと話した時のエピソードです。


こちらのイベント屋さん、僕の地元に会社がありまして、

なおかつ以前所属してた事務所の頃から接点がありまして(直接の面識はなかったけど20年前から名前は知っていた)、

それで何かと気に掛けて下さってたんです。

この方、本当に良い人なのですが、ベテランのイベントマンの血が騒ぐのか、何かと武装をプロデュースしたがる。

『もっとあーした方がいい』

『こうした方がいい』

とアドバイスを下さるのですが(ありがたいんですけどね)、やはり僕の方針と合わない事もあります。

この方のアドバイスで僕が素直にうなずけない事の大部分は

『やりたい事よりもお金になる事を優先すべき』

みたいな意見でした。

もちろんお金を稼ぐ事は必要だし活動を続けていく上での大前提です。

それは分かっています。

しかし、僕は『やりたい事』があるから武装を作ったのです。

バイトメンバーとして事務所に所属していた時に出来なかった事をやりたくて自分のチームを立ち上げたのです。

それなのに金儲けを優先して以前と同じような事をしていては意味がないのです。

そんな僕の気持ちを知ってか知らずか(知らないでしょうけど)、

『まぁ武装のプロデュースは僕にまかせて』

と自信を覗かせるイベント屋さん。

自分が使い易いように武装をコントロールしようとしてる感じがして、

『プロデュースは必要ありません』

とハッキリ伝えようとしたその時、彼は言いました。

『武装ってさ、武装だけじゃ何をする団体か分からないからさ、ナントカチームみたいなのを付けた方がいいよ。』

…!??
それはどういう事でしょう!??

『だからさ、ただの“武装”じゃなくて、“アクションチーム武装”にするとか、“イベントチーム武装”にするとかさ』

いや…あの…
“アトラクションチーム武装”ってのが正式な名前なんですが…

『あ、一応あるんだ?…ん~、でもアトラクションチームじゃ少し分かりにくいから…そうだ!“忍者スタントチーム武装”なんてどう!?』

…いやぁ…ウチは忍者ショーだけのチームじゃないですし…スタント的な事もやってませんし…

なにより“アトラクションチーム武装”で何年もやってますから…

名刺もホームページもそれで作ってますんで、今さら変える予定はないです…

『あぁ、それでずっとやってんだぁ、ふ~ん』

おいおい!

頼んでもないプロデュースを買って出といてチームの名前も知らんのかい!

ホームページも名刺も見とらんのかい!

心の中で激しく突っ込んでいる僕を更なる衝撃が襲ってきました。

『“さやか見参!”だけどさ、これだけじゃ内容が分かりにくいから、タイトルの頭に“●●ショー”みたいなのを付けた方がいいよ!

“くのいちアクションショー・さやか見参!”

にするとか、

“忍者バトルショー・さやか見参!”

みたいにするとか…』


…あの~…

“忍者ライブショー さやか見参!”

でず~~っとやってるんですが…

ロゴもあるし、グッズもそれで作ってるし、以前お渡しした資料にもそう書いてあるんですが…

『あぁ、そうなんだ。ちゃんとあるんだねぇ』


…おぬし…

おぬし、さては、

さては何も知らぬな!?


…この人が武装をどうしたかったのかは分かりませんが、僕がプロデュースを丁重にお断りしたのは言うまでもありません。
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2011-07-29(Fri)

小説・さやか見参!2(96)

計らずも山中にて再会した三人組、彼らは炎(ほのお)一族の兄弟達であった。

紅い男は長男、紅蓮丸(ぐれんまる)。

赤い男は次男、炎丸(ほのおまる)。

朱い少年は三男の灯火丸(ともしびまる)である。

炎一族の出自は貴族であったと言われている。

更に遡れば豪族であったという説もある。

かつては『仄緒(ほのお)』という姓を持ち、かなりの勢力を誇っていたらしい。

しかしながら時世には逆らえず没落したのが百数十年も昔…

再興を願う仄緒一族は財政を補う為に各地に眠る財宝を探し始めた。

もはや手段を選ぶ余地はなく、盗賊まがいの方法まで使ったそうだが、お宝など簡単に見つかるはずもなく…

もし見つかったところで数えるばかりしかないでは再興など不可能な話であった。

やがて地位を失った仄緒一族には『財宝探し』という目的だけが残り、かくして盗賊・炎一族が誕生した…らしい。

まぁ由来ははっきりせぬが、彼らが宝を求めているのは分かっている。

今とて、兄弟それぞれが宝の噂を聞き、それを追い求めた結果この山にて鉢合わせしてしまったのだ。

『しっかしよぉ』

赤い男、

次兄・炎丸が口を開いた。

『別々のお宝を探してる俺達が同じ山に集まっちまうなんて、噂の信憑性が疑われるってもんだぜぇ』

赤い男は両手を広げ、『お手上げ』といった格好で兄弟達を見る。

三兄弟はそれぞれ別々の秘宝を求めて各地を捜索していた。

その中で知り得た情報…

それは口碑伝承や言い伝えであったり、昔話やただの噂話だったりしたのだが、三種類のお宝の在処がこの山に集約したのでは情報として不自然に思われる。

長兄・紅蓮丸は大きくうなずいた。

『確かに。ワタクシもそう思っていました。
今回の情報はアテになりませんね』

得意気な兄に向かって、幼い灯火丸が無邪気に反論した。

『でもでも、それだけあちこちに噂があるって事は、少なくともこの山に“何か”あるって証拠じゃないかなぁ?』

紅蓮丸と炎丸は同時に弟を見て固まった。

弟の聡明さに驚愕し、自分達の愚昧さに愕然としたのだ。

すかさず紅蓮丸が大きな身振りで声をあげた。

『よく気付きましたね灯火丸!
ワタクシも全く同意見です!
未熟なおまえが自ら気付くのを待っていたのですよ!』

力強く褒められ、素直な末っ子は照れ笑いを浮かべたが、炎丸は兄の厚顔さに恥ずかしくなった。

『情報はアテにならない』と言った舌の根も乾かぬ内に弟の賢察に便乗しようとは…

恥ずかしさのあまり顔を紅潮させる炎丸に気付く素振りもない紅蓮丸は、先程までの様子が嘘のようにきびきびと場を仕切り出した。

『ワタクシの推測通り、この山に何かあるのは間違いないようです!とりあえず三人がかりで手掛かりを調べましょう!』

灯火丸はきらきらした目で長兄に向き直った。

炎丸も仕方なく兄を見る。

『その上で鏡があるようなら炎丸が、』

紅い男が赤い男を見る。

『珠があるようなら灯火丸が』

紅い男が朱い少年を見る。

『そして、剣があるようならワタクシ紅蓮丸が山に残る。
それでいいですね?』

『はいっ!』

灯火丸が答える。

『…はいはい』

炎丸が答える。

紅蓮丸は二人を見てうなづき、

『では行きますよ』

と言った。

次の瞬間、
かすかな砂塵をあげて、三人は姿を消した。
2011-07-28(Thu)

アクションへの道(238)

忍者ショーのパッケージが完成しました。

しかし実際にそのパッケージを使用したのはそれから2年後、

2007年です。

なのでその話はもう少し先、と言う事で…

この時に作ったパッケージは『第1部』と『第2部』の2本。

本当はこの2本だけでしばらくやっていくつもりだったのに、何故か『第1部』からストーリーが発展してしまって…

結局いまだ『第2部』は未公演です。

ちなみにこの未公演の第2部、
どんなお話かと言うと…

主人公の山吹さやかと、お目付け役の少年忍者・心太郎、そして謎の忍者戦士・ヤイバが登場するストーリーでした。

こう書くと、知ってる人は知ってますね、

2010年のローカルヒーローフェスタで公演したストーリー、

その原型になったのが(まだ陽の目を見ぬ)『第2部』のパッケージなんです。

2005年に作ったストーリーが形を変えて2010年に発表される…

心太郎やヤイバもずいぶんじれったい思いをしたんじゃないでしょうか。

何故『第2部』が公演されなかったか…

それにはいくつかの理由があるのですが、ここでは書きますまい。

まぁとりあえずパッケージが完成した事で次のステップに進もうとしたのですが…

営業が進まない!

メンバーが揃わない!

知人のツテで地域のお祭りなんかに声をかけてもらったのですが、

地域の祭りは当然地域の方が優先になるワケで、余所者の無名の忍者ショーなど入り込む余地がないとの事でした。

メンバー集めも難航。

ショーの後輩達に

『手が空いてる時でかまわないから手伝ってね』

なんて声をかけてみたものの、普段メジャーヒーローを演じて充実してる彼らが乗ってくるハズもなく、

『あぁ、いいっスねぇ、何かあったら声をかけて下さい』

と生返事。

実際声をかけたら

『あぁ、その日はちょっと…』

と二つ返事で断られる始末。

さやか役をお願いした女の子達からは

『え~っ?素面(すめん、顔出しの事)でしょ~?
素面はちょっと…スミマセン…』

と二つ返事で断られる始末。

そこで僕は初めて

『あ、みんな素面の芝居には興味ないのか!』

と気付いたのです。

僕は新人の頃、

『君達の仕事は顔こそ見えないけど俳優の仕事なんだよ』

と言われて以来、

『マスクを着けようが素面だろうが俺は俳優』

というつもりでやってきたけど、周りのみんなは

『スーツアクター』

としてショーをしてたんだ。

『みんな自分達の幅を自ら狭めてるなぁ』

なんて思ったり、

『知名度が上がってから名乗りをあげたって使ってやらねぇからな!』

なんて毒づいたり。


それでも、

『とにかく衣裳を作らにゃ始まらん!』

という事で、毎日カタカタカタカタと、ミシンと戦う代表でした。
2011-07-28(Thu)

さやか見参!南島原へ!⑤

久留米に戻って織田先生を降ろした僕は、そのままコインランドリーへ。

使用した衣裳の洗濯です。

時刻はすでに午前2時を回っておりました。

『そんな遅くに洗濯せんでも明日でええやん!』

いや、僕もそうしたいんですけどね…

洗濯物の量がけっこうあるんで、車じゃないとコインランドリーに持っていけないんですけど…

僕は車を持ってません。

なのでレンタカーがある間にコインランドリーにいかなくちゃいけない。

今回のレンタカーは翌朝9時の返却ですから、眠くてもこのタイミングで洗濯するしかないんです。

『じゃあコインランドリーはやめて、家で洗濯したらええやん!』

それが、衣裳の量がけっこうあるので、家に干すスペースがないんですよ。

…とゆーワケで深夜2時からの洗濯&乾燥になったのです。

ご飯を食べたり仮眠を取ったりして時間を潰し、

乾燥が終わった衣裳はキチンと畳んでそれぞれの衣裳袋へ。

次回すぐに使えるようにしておきます。

(※アイロンをかけなくちゃいけない物もあるますが)

諸々済んで家に帰った時にはもう5時に近付いていました。

仕事の休みをもらってて良かった~!


最後に、UPしても大丈夫そうな画像を何枚か。

これは控え室でのリハ風景ですね。
南島原のリハ 1

もう1枚。
南島原のリハ 2

本番直前の記念撮影から。
イバラキと紅蓮丸。
南島原 紅蓮丸

イバラキと下忍を2枚。
南島原 下忍A
南島原 下忍B

下の画像は殺陣練習のメンバー、シライシさんです。

初めてのキャラクターショー参加、いかがでしたでしょうか♪

そんなワケで、

みちャき、織田先生、
アベッチ、シライシさん、
ナンシー、
本当にありがとう。
お疲れ様でした♪

よっちぃ~さん、
今回もありがとうございました♪
お疲れ様でした!
2011-07-27(Wed)

さやか見参!南島原へ!④

早めに着替えを終わらせて出番を待つ武装の面々。

しかしながら、山の天気と祭りのプログラムは変わりやすいもの、

15分押し(遅れる事)の連絡が。

『祭りやからね~。15分押しなんて普通普通~』

なんて言ってたら30分押しの連絡が。

『うんうん、珍しくないよ~。それでこそ祭りって感じだよ~』

なんて言ってたら、結局1時間押しに。

『よし!せっかく時間があるから、みんなで記念撮影しよう!』

かくして控え室の中では忍者達による撮影大会が行なわれたのでした。

ひと段落した所で開始時間に。

浴衣姿のナンシーが会場を盛り上げてくれて、いよいよショー開始!


…とは言え…

ショー中の事って、なかなか書けないんですよね~。

全体を客観的に観てるワケでもないし…

でも、すごく安心して演技出来ました♪

やっぱりメンバーが固かったからかな。

いつもなら

『あいつ大丈夫かな』

とか

『ここ忘れてないかな』

なんて考えながら演技してるんですけどね。

せっかくメンバーが良かったんだから、もっとアイコンタクトを取りながら芝居すれば良かった。

僕に余裕がなかったみたいです。

それでも(イバラキとして)さやかと向かい合った時はテンション上がったし、

さやかと他の敵キャラがやり取りしてるのを見てる時は彼らのテンションが伝わってきました。

観客には伝わらないアクター同士のコンタクトもありますしね。

しかし子供達が必死に声援を送ってくれたのは嬉しかったなぁ。

子供達のテンションが上がるようにPAを調整して下さったよっちぃ~さんのおかげかも~♪

大盛り上がりでショーは終了。

大きなミスもなく怪我もなく、満足のいくショーでした。

衣裳を片付けて控え室を片付けて、園長先生に挨拶してから我々は保育園を後にしました。

帰りの車中ではみんなショーの余韻に浸りながら…

と言いたい所ですが、実はメンバーのほとんどが翌日も早朝から現場。

今から帰って何時間眠れるだろうという不安が募ります。

早い人は5時起きだもんねぇ…

大村でよっちぃ~さんとお別れしてから高速をダッシュで帰りましたが、帰り着いたのは午前1時…

ナンシーを自宅近くで降ろし、
みちャき・アベッチ・シライシさんを大橋で降ろし、
織田先生は共に久留米まで。

織田先生が帰ったのは2時ぐらいだったねぇ…

みんな、

『遅くなるのは分かってましたから大丈夫ですよ~』

なんて優しく言ってくれて…

うぅ…

ホント申し訳ないっス…


つづく
2011-07-26(Tue)

さやか見参!南島原へ!③

控え室の窓をブルーシートで覆った武装メンバーは、早速リハーサルを始めました。

①で書いたように、21日のリハーサルではショーが完成しなかったのです。

立ち回り部分と全体の流れは出来ているので、急いで細かい段取りを決めなければなりません。

まずは未着手だったダンスの振り付けから始めました。

短いダンスですが、意外にこーゆー所が重要だったりするので、紅蓮丸と下忍2人にしっかりと覚えてもらいました。

若い頃は

『ダンスなんか、その場の勢いでやりゃあいいんだよ!』

なんて突っ張ってましたが、あれは『スキルの無さ』や『人前で踊る恥ずかしさ』を誤魔化してただけだよなぁ…

完成度の低い演技では感動も笑いも生まれないですよね。

ダンスの後は立ち回りや立ち位置、段取りの確認をして、後はひたすらパッケージに合わせて練習します。

何回もやると各々の弱点…というか、苦手な所も見えてくるので、それをどう処理するかも考えなくてはなりません。

『ここまでやれば大丈夫』

と僕が判断したら、後は個人の裁量に任せます。

自主的に練習するもよし、

自己申告でみんなと練習するもよし、

もちろん休憩するも遊ぶもよし。

モチベーションの上げ方は十人十色です。

僕はと言えば、衣裳の準備を始めました。

イバラキは着替えに時間がかかるのです。

造りが複雑なせいもありますが、時間がかかる理由はもう1つ…


僕につられてみんなも着替え始めてしまいました。

時計を見ると18:50。

予定より10分ほど早いけど…

まぁいっか。

みちャき以外は初めての衣裳ですから、着替えにも戸惑いが見られます。

『コレとコレはどっちを先に着るの?』

『このパーツはなに?』

『どっちが前?』

『装着の仕方が分からん!』

なんて事がたくさんあります。

そして、それらの質問に自信を持って答えられるのは僕だけなのです。

…ってなワケで、あっちで教え、こっちで着せて、自分が着替える時間がないのです。

これが、イバラキの着替えに時間がかかる理由です。

しかし、みちャき以外は初の衣裳と言いながら、みんなかなりスムーズに着替えてましたね。

キャラクターショーのベテラン達ですから、衣裳の造りを見たらある程度の着方は分かっちゃうんでしょう。

さすがです。


つづく
2011-07-25(Mon)

個人練習~

月曜は個人練習の日!

…と決めてるものの、雨が降って行けなかったり用事が入ったりして、なかなか思うように練習出来ないんです。

『忙しいから仕方ない』

なんて言い訳を始めると自分に甘くなる一方なので、

『忙しい時は仕方ないが、そうでない時は確実にやる!』

と自分を律しなくちゃいけませんね。


そんなワケで、行ってきます♪
2011-07-25(Mon)

さやか見参!南島原へ!②

ショーの現場となる保育園に到着したよっちぃ~さんと武装の面々。

園内では着々と夏祭りの準備が進められていました。

ショーは昨年同様グラウンドで行われます。

なのでステージレイアウトも変更しない事にして音響の設営。

音響の機材はよっちぃ~さんにお借りしました。

我々がキャラクターショーで扱う武骨な機材と違って、ミュージシャン仕様の(?)よっちぃ~さんの音響セットは繊細な感じ。

当然勝手が違います。

手伝おうにも何も分からない我々は烏合の衆と化し、エサを待つ雛鳥のように、よっちぃ~さんの指示を待つのでした。

ピヨピヨ。


続いて控え室の準備です。

エアコンの付いた保育園の教室(と呼ぶのかは知りませんが)を1部屋借り切っての贅沢な控え室です。

こんなに歓待していただいたら『ますます頑張らなくちゃ!』と気合いが入りますよね!

次に室内の窓をブルーシートで塞いでいきます。

透明ガラスはもちろん、曇りガラスも塞いでいきます。

隣りの部屋や外から覗かれないようにする為ですが、この作業にもEnzさんと武装の違いが見てとれます。

武装は基本的に荒いのです。

これはキャラクターショーの現場で揉まれてきた経験がそうさせるのかもしれません。

キャラクターショーの仕事は『現場主義』。

『現場主義』と言えば聞こえはいいですが、早い話が『行き当たりばったり』。

もちろんショーに関してはリハーサルを行なって行くのですが、ステージやハケは『行ってみなけりゃ分からない』事がほとんどなのです。

ステージがあるかないかも分からない、

広いか狭いかも分からない、

ハケが上手(かみて)か下手(しもて)かも分からない、

屋内か屋外かも分からない、

そんな事は日常茶飯なんです。

事前に現場状況を聞いていて、行ってみたら全く違うなんて事も珍しくはありません。

ショー開始10分前にクライアントさんが来て、

『やっぱりステージの場所を変えて!』

なんて言われる事も度々。

そういった状況に対応出来るような備品を現場で常備しているワケもなく(会社の備品は数に限りがあるし、車に積める量にも限りがある)、おかげでアクターは

『そこにある物で』
『最低限のラインで』
『短時間で』

対応する事を覚えていくのです。

これが作業が荒い理由…

って、言い訳ですかね(笑)

でもキャラクターショーのエピソードは本当に目茶苦茶なものがありますよ。

先日は他社の壮絶エピソードを聞いたんですが、壮絶過ぎてここでは書けません。

かなり面白いんですけどね。


つづく
2011-07-25(Mon)

さやか見参!南島原へ!①

昨年に引き続き、南島原の保育園で

『忍者ライブショー さやか見参!』

を公演してきました!

今回も長崎のローカルヒーローチーム、Enzの代表よっちぃ~さんからいただいたお話です。

よっちぃ~さん、ありがとうございます♪


7月23日。

08:30

レンタカーを借りて衣裳や備品を積み込む。

09:00

久留米市内に住む織田先生迎えに行く。

09:30

集合場所の福岡へ!

11:00

メンバーと合流。

今回のキャストは

さやか :みちャき
紅蓮丸 :織田先生
下忍A :アベッチ
下忍B :シライシさん
イバラキ:代表
スタッフ:ナンシー

の6名。

今回から殺陣練習メンバーの研修枠を設けました。

練習では分からない、本番ならではの感覚を味わってもらい、これからのステージに活かしてもらう為です。

一番手として、まずはシライシさんに入っていただきました。

演劇経験アリ、キャラクターショー経験ナシのシライシさん、

果たして新しい発見があるでしょうか…??

なんて事を考えながら出発!!

車内ではショーパッケージをガンガン流しました。

実は21日のリハーサルではショーを完成形まで持っていく事が出来なかったのです。

アベッチは武装ショー初参加、

シライシさんはキャラクターショー初参加、

みちャきと織田先生はさやかショー経験者ですが、今回のパケ(紅蓮丸と伝説の魔剣)は初めてです。

さすがに1回のリハで完成させるのは無理がありました。

…という事で、現地に到着してから最終調整です。

調整をスムーズに進める為に、車内でパッケージを流し各々にイメージトレーニングをしといてもらうのです。

12:45

大村でよっちぃ~さんと合流。

夜勤明けのよっちぃ~さんはとってもキツそう…

よっちぃ~号と武装号は南島原に向かって走ります。


つづく
2011-07-23(Sat)

今日はショー


長崎県の南島原市で

『忍者ライブショー さやか見参!』

を公演してきます。


暑くなりそうだ!!
2011-07-22(Fri)

リハーサル

7月21日(木)は

『忍者ライブショー さやか見参!』

のリハーサルでした。

何の告知もしてませんが、23日(土)にショーがあるんです。

今回は殺陣教室の生徒シライシさんに研修で入っていただく事にしました。

今後は出来るだけ、生徒さんの『研修枠』をショーに設けたいと思います。

見学に来て下さったコガさん、マルヤマさん(共に殺陣教室の生徒)も、いずれはショーに入っていただくかも?
2011-07-21(Thu)

アクションへの道(237)

4人の声優が揃いました。

初めての声入れに向けて、ここから5人のスケジュール調整をしなければなりません。

5人?

4人じゃなくて?

はい、5人なんです。

僕らの声入れにはもう1人欠かせない人がいるんです。

それはHさん。

Hさんはショーの大先輩でありフリーの音響屋さんです。


キャラクターショーにとって音響は欠かせない要素の1つです。

ショーを実演する際にも、
もちろん声入れの際にもそれは必要となります。

しかしながら、

これから自力でショーを作っていこうと言いながら僕には、音響の知識がまるっきりなかったのです。

知識もなければ技術もねぇ、
おまけに機材も全くねぇ、
オラこんな村~イヤだ~。

…さて、そんな状況でどうやって声入れする?

そんな時に

『手伝うよ』

って言って下さったのがHさんだったのです。

これは本当にありがたかったですね。

僕はショーに関わる事は出来るだけ自分でやろうと思っています。

しかしそれはほとんどが経費削減の為。

実際はプロフェッショナルにお願いしたい所がたくさんあるのです。

声入れの音響操作は、まさに僕がプロにお願いしたかったポジション、

大先輩のありがたい申し出により、僕は理想通りの仕事を成し遂げる事が出来ました。

スケジュールを調整した我々は某月某日、Hさんの事務所に集合しました。

そこで初めての録音。

果たして上手くいくのか…?


各々の台詞で僕の台本が形になっていきます。

それはまるで、僕の頭にあるイメージが抜け出てきたかのようでした。

あまり詳しい打ち合わせをしたワケでもないのに、

細かい所まで僕の理想通りに表現されていくのです。

これにはちょっとした感動を覚えました。

台詞を録り終わる度に

『今ので良かったですか?』

『何か注文ないですか?』

そう訊かれますが、

『今のままで全然OKっス!』

としか答えようがありませんでした。

録音終了後にHさんが

『みんな上手いね~!』

と褒めて下さいましたが、それもそのハズ、

ナナコねぇさんは声優であり、テレビのナレーションも務める喋りのプロ。

お芝居の経験もあります。


手伝いを申し出てくれた1人、『akane』はMC(司会のお姉さん)なので喋り慣れしてますし、元がキャラクターのアクターなので芝居っ気も充分です。


もう1人の友人『次賀慎一朗』はキャラクターショー仲間であり数々の舞台で活躍する俳優です。

上手くて当然な布陣と言わざるを得ません。

その中で僕1人がほとんど素人だったんですが…

『周りが上手いからごまかせるハズ!』

…と思いながら喋りました。


録音の次は編集です。

これは所属していた事務所に機材をお借りして作業しました。

会社にとって何のメリットもないであろうに快く機材を使わせて下さった事に感謝です。

かくしてここに、オリジナル忍者ショーのパッケージが完成したのです。
2011-07-20(Wed)

アクションへの道(236)

S君と訣別した飲み会の後、

その飲み会に同席していた仲間2人が

『自分達に出来る事があるなら何でも協力するよ』

と声をかけてくれました。

捨てる神あれば何とやらでしょうか。

近々ショーパッケージ用の声入れを考えていた僕は、2人に声優をお願いしました。

ショーパッケージ用の声入れとは、簡単に言えば『台詞の録音』です。

さて、声入れの話をする時、絶対に欠かせない人物がいます。

それが、『ナナコねぇさん』です。


『忍者ライブショー さやか見参!』を御覧いただいた事がある方なら、主人公『山吹さやか』の声と言えば分かってもらえるかもしれませんね。

何を隠そう、山吹さやかのキャラクターは、ナナコねぇさんの声をイメージして作られたのでした。


2001年~2009年、
僕が某テレビ番組のマスコットキャラクター(の中身)を務めていた事はこれまでにも書いてきました。

その番組に登場するCGキャラの声を担当していたのがナナコねぇさんだったのです。

同じ番組に関わっていたとはいえ、現場で着ぐるみに入っている僕とスタジオでアフレコしているナナコねぇさんには全く接点はありませんでした。

しかし、オンエアを見て彼女の声に惚れ込んだ僕は、

『主役の声は絶対この人だ!』

と勝手に決めていたんです。

かなりストーカー的な思い込みですが(笑)

そこで番組のスタッフさんにねぇさんを紹介してもらったのです。

『いつか主人公の声をお願いさせて下さい!』

その言葉をようやく実現させる日が来ました。
2011-07-19(Tue)

アクションへの道(235)

S君と僕はお互い新人の頃からの仲間で、
時折ケンカしながらも深く付き合ってきました。

なのでお互いの事は嫌と言うほど分かるのです。


『あんたに出来るハズがない』

『あんたにはそんな技術はない』

『あんたは努力もしていない』

『あんたに人を魅き付けるカリスマはない』

『俺達抜きで何かやれると思うんならやってみろ』

そう彼が言ったとしたら、それは間違いない真実なのです。

確かに僕が責任を持って団体を引っ張るなんて無理かもしれない、

アクターとして大した技術もない、

人並み以上の努力をしてきたと胸を張れる事もない、

先輩にも後輩にも嫌われてきた僕にカリスマがあろうハズがない、

そんな僕が1人ぼっちで何をやれる?

これは本当にそうなんですよ。

自覚があるんです。

自分でもそう思ってるんです。

やっぱりS君は俺の事分かってるなぁ~って感じです。

そして、

僕も同じようにS君の気持ちが分かります。

『俺はかなり動けるぜ!』

『俺は努力してきたぜ!』

『俺にはカリスマ性があるぜ!』

『だからあんたには俺が必要なんじゃないの!?』

彼はそう言いたかったハズなんです。

これは間違ってないという自信があります。

『俺にはあんたが必要なんだ!一緒にやろうぜ!』

と言われたかったハズなんです。

しかし…


僕はあえてS君の言葉を叱咤激励だと解釈する事にしました。

彼の言葉を裏返せば、今までの僕は、

『大した事など出来ない』

『技術もない』

『努力もしていない』

『人を魅き付ける魅力もない』

『仲間がいなければ何も出来ない』

と思われるような人間だったワケです。

S君が僕を見てそう思っていたのならそれは間違いないでしょう。

ならば僕は成長しなければいけない、と、この時にそう思ったのです。

確かに目を見張るような技術はない。

だったら今出来る事の精度を上げて説得力を持たせよう。

人並み以上の努力はしてこなかった。

努力はやろうと思えばこれから出来る。

カリスマ性を身に付ける事は出来ないだろう。

でもせめて人との関わりを大切にしよう。

そうして、今までの仲間に頼らなくても何か出来る(と思ってもらえる)自分になろう。

S君の厳しい言葉がなかったら、僕はここまで考えなかったでしょうね。

嫌味や皮肉ではなく、僕はS君に本当に感謝しています。

そして、感謝しているからこそ彼と一緒にはやらない事に決めたのです。

もしここで

『あんたが必要だ。一緒にやろう』

と言ってしまえば、団体の活動も、僕も、S君まで駄目になってしまう。

ぬるま湯のような関係を維持する為に将来を棒に振る事はない。

僕がやるべきなのは、自力で団体の活動を成功させ、S君に

『いやぁ、見直したわ』

と言わせる事、だと思いました。

それが我々の成長に繋がるんだと、そう思ったのです。

これからしばらくS君とは訣別する事になりましたが、これが武装設立のきっかけの1つになった事は間違いありません。
2011-07-18(Mon)

アクションへの道(234)

S君は僕に言いました。

『あんたは周りの人間を駒として使おうとしている。

俺は駒として動くのは嫌だ』

その通り。

僕は優秀な駒が欲しいと思っていました。

しかしそんなのは当たり前です。

僕は、組織を動かすのは駒なんだと思っています。

例え僕が自分のチームを作ったとしても、その中においては僕も駒の1人に過ぎないのです。

おそらくS君は『使う者』と『使われる者』という分類しか思い浮かばなかったのでしょう。

もちろん『使う者』と『使われる者』に分かれるのは間違いないのですが、僕の考えるそれと、S君の考えるそれとでは大きな隔たりがあるように感じました。

しかし、それについて詳しく説明するのはやめました。

S君は身体能力の高いアクターですが、言ってしまえばアクターとしての経験しかない、

それだけならば結局『駒』になるしかないのですから。

そして彼はアクターとして、『やりたい事はやる』『やりたくない事はやらない』という信念を貫いてきました。

この飲み会の数年前、僕とS君が一緒にショーをした時の話です。

その時チームリーダーだった僕はメンバーのみんなに言いました。

『子供達を盛り上げる為にショーの最後にダンスをやりたい』

それを聞いたS君は即答で

『俺は踊らんよ。俺以外でやって』

と言い、結局ダンスは中止しました。

少なくとも僕が運営するチームでこんな事があっては困るのです。

メンバーの意見を尊重しないワケじゃないのですが、ベストと思える指針だけは僕が決めなくちゃいけないんです。

これを受け入れられないメンバーは、駒としても使えないのです。

僕はS君と一緒にやるという可能性を捨てました。

『うーん、それじゃ一緒にやるのは難しそうやね~。
お互いの考え方もあるし仕方ないか』

僕はやんわりと拒絶しました。

しかしS君を慕う後輩達は

『内野さん、Sさんと一緒にやりたいなら一緒にやろうって素直に言えばいいじゃないですか』

なんて言ってきます。

本当は一緒にやりたいのに僕がS君に頭を下げる事が出来ない、と思ったみたいでした。

いや、本気で断ってるんだけど。

僕と彼が一緒にやれば運営に支障が出る事は分かるもの。

しかしS君はかなり傷ついたようでした。

言葉はかなり悪いので申し訳ないですが、彼は根拠のないプライドを支えに生きているのです。

『俺は何か出来るハズ』

『俺は必要とされてるハズ』

そう思いたい彼は僕から

『あんたと一緒にやりたいんだ!
一緒にやろう!!』

と言われたかったに違いありません。

でもチームを作ろうとしている僕は、そんな軽はずみな事を言える立場じゃなかったんです。

彼は言いました。

『あんたに出来るハズがない』

『あんたにはそんな技術はない』

『あんたは努力もしていない』

『あんたに人を魅き付けるカリスマはない』

『俺達抜きで何かやれると思うんならやってみろ』


かなりの批判を受けたのですが、僕は『悔しい』とは思いませんでした。

腹が立つ事もありませんでした。

これはS君の負け惜しみであると同時に僕の真実だったからです。
2011-07-17(Sun)

アクションへの道(233)

はあぁぁ~、


しばらく小難しい事を書き過ぎて、

しかも上手くまとまらなかった感じで、

ドッと疲れてしまいました…

今回はライトに済ませたいなぁ…


2004年の後半は、お化け屋敷への通勤+貧乏でかなり痩せてしまい、おかげでいくつかのヒーロー役に入る機会がありました。

僕はヒーロー役より悪役の方が好きなんですが、たまにはヒーローの動きもやっておかないと忘れてしまうので、非常にありがたい機会でした。

それでも不本意に改変されたパッケージでショーをする事はかなり苦痛で、やはり僕はショーとの距離を置く事にしたのでした。


2005年、

かつて頓挫した『忍者ショー』の準備をすすめていた僕は、キャラクターショーと距離を置いたのをきっかけに、いよいよ本格的に企画を進める事にしました。

しかし当然1人では出来ません。

新しい仲間を集める事を前提に考えていたのですが、1つ気になっている事がありました。


もし僕が声をかけたら、以前一緒に忍者ショーをやろうとしていた仲間達はどうするだろう?


企画倒れになったとは言え、話し合い、役割分担まで考えた連中です。

まだショーに対する思いがあるかもしれません。

僕は彼らと飲んだ際、忍者ショーを一緒にやる気があるかどうかを聞いてみました。

特に企画倒れの原因となった同期のS君の気持ちを知りたかった。

彼は何かをやりたくて、

でも何をやっていいか分からなくてくすぶっているように思えたからです。

自分には何か出来るという自信と、

何も出来なかったらどうしようという恐怖と、

そんなジレンマで動けなくなってるような、

僕にはそう見えていたんです。

もしかしたら自分達で動き出す事が何かに繋がるかもしれない。

彼は動き出すきっかけを探しているのかもしれない。

そうだとしたら、今回の企画はいいチャンスになるかもしれない。

僕は企画の説明をして彼の返事を待ちました。

彼から返ってきたのは

『同じ立場でやるんならやってもいい。

でもあんたの下でやるのは嫌だ』

という言葉でした。

プライドの高いS君らしい返事です。

しかし今さら同じ立場になる事は出来ません。

確かに最初はみんなでやろうと始まった企画でした。

しかしそれが空中分解したのは、他ならぬS君のせいなのです。

彼が逃げ出した事で頓挫した企画を貰い受け、僕は1人で進めてきたのです。

設定、キャラクターデザイン、衣裳製作、台本の執筆、

それらを1人でやってきたのです。

その僕とS君が同じ立場でやっていけるハズがない。

僕は別に、

『1人で企画を進めてきたんだからS君より上の立場でいたい』

と考えていたワケではありません。

覚悟の問題です。

仮に僕とS君が共同でチームを運営する事になった場合、

S君はショーを完成させる為に努力する事が出来るのか、

今まで彼がやった事がない衣裳製作や諸々の管理や交渉を頑張れるだろうか、

ショーを発展させる為のアイデアを出す事が出来るだろうか、

自分の好き嫌いよりもショーの善し悪しを優先する事が出来るだろうか、

チームの活動が上手くいかなくなった時、投げ出さずに立ち向かえるだろうか、

少なくともこれらが出来なければ代表は務まらないのです。

そして僕から見たS君に、それらの覚悟はうかがえなかったのです。
2011-07-16(Sat)

アクションへの道(232)

展開を活かしてメリハリを出す為には前フリが必要、
なんて事を書いてきましたが、あまりに深い話になりすぎて、正直行き詰まってしまってる武装代表です。

そもそもはアドリブの話だったんですよね。

アドリブを活かす為には前フリが必要で、

キチンと前フリを使いこなせるという事は物語の構成を考える能力があるという事だから、

正しくアドリブを使える奴は、ショー全体を見る能力があるのだ、と、

すなわちアドリブを多く使わねばならない『しゃべり』の人間は、必然的に広い視野を持つのだ、と、

そんな事を書くつもりだったんです。

そして『しゃべり』である自分自身を褒めてやろうと、

そうするつもりだったんです。

ところがどっこい、何を間違ったか途中から

『前フリとはなんぞや!?』

『それによって生まれるメリハリとはなんぞや!?』

みたいな話になっちゃって…

そんなもん簡単に文章でまとめられないっつーの!

なので出来るだけサラサラっと済ませたいと思います。

物語にはメリハリが必要です。

メリハリとは『山場(見せ場)』と前フリの事です。

キチンと見せたい物が有る事、

それを活かす為の前フリが有る事、

これが物語の絶対条件です。

前フリには色んな手法がありますが、一番簡単なのは、

『見せ場と逆の要素を入れておく』

というものですね。

つまり、

『ヒーローの勝利』

を山場にしたければ

『ヒーローの敗北』

を見せておく、とか、

『仲間同士の友情』

が山場なら

『仲違い』

のシーンを作っておく、とかがそれですね。

強いヒーローが敵を倒しまくるよりも、一度負けたヒーローが敗北を乗り越えて勝利を掴んだ方が盛り上がるでしょ?

ずっと仲良しなキャラクター達が物語を進めるよりも、仲良しがケンカ別れして、それでも仲直りした方が『友情』って感じじゃないですか?

強豪野球部がスイスイ勝ち進んで甲子園で優勝するよりも、ヤンキーばっかりで試合どころじゃない野球部が甲子園を目指した方が面白そうですよね?

前フリってそういう事です。

ストーリーだけじゃなくて立ち回りだってそうですよ。

スピード感のあるアクションを見せたい時は、その前にわざとテンポの遅い動きを見せておくんです。

これは例えとして適切かどうか分かりませんが、黒澤明監督の『椿三十郎』のラスト、

三船敏郎と仲代達矢の対決のシーンなんかはそれを極限まで突き詰めたものではないでしょうか。

他にも『力強い一撃』の前フリとして、テンポ良く軽い技を見せておく、なんてのもありますね。

何にしても、山場(見せたいシーンや動き)がキチンとある事が、物語を構成する大前提って事です。

自分がやりたい事だけを考え無しに羅列したって駄目なんです。

まず物語全体の山場があり前フリがある。

物語を構成するシーン毎に見せたいものがあって前フリがある。

立ち回りのシーンにも起承転結や山場があり前フリがある。

それを考えていかなければ物語は作れません。

ストーリーの構築も、
立ち回りの構築も、
複雑なパズルを、あーでもないこーでもないと組み合わせて完成させるような作業なのです。

山場と前フリがいかに重要か、少し伝わりましたでしょうか。

文章が支離滅裂で伝わらなかった?

行き当たりばったりにダラダラ書かず、文章の山場と前フリをキチンと作れ?

確かにそうですね…

申し訳ないです…


追伸:山場を大切にするのと同様、どうでもいい部分をサラっと流す事も必要ですよ。
2011-07-15(Fri)

7月14日の殺陣教室

14日は少し変則でした。

スタート時は僕1人。

筋トレやジャンプをしていると『アベッチ』が来てくれました。

アベッチはキャラクターショー時代の仲間で、年下だけど先輩でもあります。

彼の力強くもキレのある動きが僕は大好きなので、無理矢理絡ませてもらってます。

しばらく2人で立ち回りをやりました。

アベッチと立ち回りなんて10年ぶりぐらい??

懐かしいし嬉しい♪

そこへミフネさんが到着。

ミフネさんからは棒殺陣のリクエストをもらっていたので、以前練習してもらった棒の回し方を復習しました。

ムダな動きを省いてきれいに見せるには(もちろんコツもありますが)とにかく動きを身体に馴染ませなければいけません。

練習あるのみ、
上達に近道はありません。

武装殺陣教室の生徒さん達はそれをちゃんと分かっているから教えやすいし上達も早いです。

棒が終わったところでステップ&ジャンプ。

今回は初めてPART4までやってみました。

武装のジャンプはふくらはぎに効きますよ♪

この辺りでシライシさんが到着。

4人で筋トレをしてから剣殺陣の練習。

摺り足→站椿→片足ジャンプ→摺り足。

站椿と片足ジャンプは摺り足を完成させる為のメニューです。

站椿の辺りでコガさんが到着。

ここから木刀ではなくショー用の刀(小道具)を使って絡みの練習。

これまで形重視でやってきた動きに、スピードやタイミング、演技を加えてみました。

速く動きながらタイミングを合わせて、なおかつ芝居しながら形をキメる。

立ち回りに必要なマルチタスクを経験して欲しかったのです。

アベッチの動きをお手本にしてもらったので、生徒さん達も理解しやすかったようでした。

ありがとうアベッチ!!

最後は体幹キープでキツい思いをして終了。

なんとなく記念撮影なんかしちゃったりして♪
7月14日
左から、コガさん、ミフネさん、代表、シライシさん(撮影・アベッチ)。

皆さんお疲れ様でした!!
2011-07-15(Fri)

発見らくちゃく

僕がロケに参加させてもらった

『ナンデモ特命係 発見らくちゃく』

が昨夜放送されました。

せっかくなので裏話的な事でも書きましょう。

6月7日、

以前某テレビ番組でお世話になったスタッフさんから電話をいただきました。

『突然なんですが、9日のロケって無理ですかねぇ!?』

あさってですか!?
急ですね!!

しかしどうにかスケジュールの都合がついたのでOKする事が出来ました。

以前の撮影から数年が経過しているのに、それでも声をかけて下さるなんて本当にありがたい事です。

そのご恩には報いたいですからね。

電話で詳細をうかがったところ、

『掃除機嫌いの子供がいて、それを克服させる為に怪人で出てほしい』

という事でした。

子供に苦手を克服させる為に怪人を使うのは定番なので、内容はすぐに理解出来ました。

連絡を下さったスタッフさん達とは以前別の番組で同じような企画をやった事があるのです。

今回のお仕事で僕に求められているのは

『着ぐるみで子供に絡む事』

つまり、ナマ声での喋りです。

アクションは一切ありません。

いいのかな??

着ぐるみのアクターとしてはプロを名乗れるけど、喋りに関しては素人なんですけど…

でもきっと

『内野なら大丈夫』

と信じて呼んでくれたんでしょうから、僕も全力で頑張るしかありません。

当日、現地で打ち合わせをしました。

まずはオモチャの掃除機や小さな掃除機を使って、少しずつ掃除機に慣らしていくとの事。

そこへ応援のチアガールが登場して紙吹雪をばらまきます。

最終的に怪人が登場して

『俺は散らかった部屋が大好きだぁ!

この部屋は気に入ったぁ!

絶対掃除機なんかかけるんじゃねぇぞ~!』

と、お母さんを捕まえます。

そこで、

『掃除機で部屋をきれいにして怪人を追い返すんだ!』

みたいに追い込んで掃除機をかけさせよう、

という段取りでした。


これ、一番いい流れは、

『最後の最後、お母さんを助ける為に掃除機を手にする…』

なんですけど…

もし、オモチャの掃除機や小さな掃除機の段階で、掃除機嫌いを完全に克服してしまったら…?

怪人が出る必要性はなくなります。

スタッフさんにそう言うと、

『あぁ、それはあり得ますね…』

との答え。

あり得るんかい!

『怪人が出た時点で、掃除機嫌いを克服してるかもしれないし、怪人が出ても克服出来ないかもしれない。

怪人が出たら泣いて逃げるかもしれないし、全然平気かもしれない。

正直どうなるか全然分かりませんが、なんとかいい感じにまとめて下さい』

うぉぉぉっ!

なかなかハードルが高い注文ですな!

トークは素人ですぜ!

…しかし、これもスタッフさんが僕を信頼してくれてるからこそ…

どうなるか分からないけど、これまでショーで喋ってきた経験を活かして全力でやるのみだ!

僕のチャレンジ魂に火が着きました。

『駄目なら編集でどうにかしてくれるだろう…』

なんて逃げ道も作りながら…

そんな事を考えているとスタッフさんから合図が。

いよいよ部屋に乗り込んで子供との初対面!

泣くのか!?
泣かないのか!?

克服してるのか!?
出来てないのか!?


…この後どうなったかはオンエアを観た方だけの秘密です。

かなり緊張したけど楽しいお仕事でした♪♪
2011-07-14(Thu)

発見らくちゃく


本当は先週の予定でしたが1週延びて…

本日深夜オンエアです。

FBS福岡放送

『ナンデモ特命係 発見らくちゃく!』

24時48分~

僕は画像の怪人姿で登場しますが、アクションは全くありません。

『それじゃあ何しに行ったんだ!』

と言われそうですが、一体何をしに行ったのか、是非チェックしてみて下さい♪

あ、

ちょっとしか出ませんから見逃さないようお気をつけ下さい。

明日は裏話とか書いてみようと思います。

FBS福岡放送

『ナンデモ特命係 発見らくちゃく!』

毎週木曜日 深夜0:48~

今後ともよろしくお願いします♪
2011-07-14(Thu)

アクションへの道(231)

前フリが大事、って話の続きから。

展開を活かす前フリって何パターンがありますが、分かりやすいのは『逆走からのターンダッシュ』(命名・僕)ですかね。

本来見せたいものと逆の前フリをする手法なんですが、これは分かりやすいし使いやすい。

前回書いたように、しっとりしたシーンからいきなり激しい立ち回りが始まるようなパターンですね。

激しさを引き立てる為におだやかさを前フリにする、

おだやかさを引き立てる為に激しさを前フリにする、

笑いを引き立てる為にシリアスを前フリにする、

シリアスを引き立てる為に笑いを前フリにする、

悲しさを引き立てる為に幸せを前フリにする、

幸せを引き立てる為に悲しさを前フリにする…

例えを出せば枚挙に暇がありません。

物語というのは前フリと展開と事後処理で構成されているのです。

それはストーリー全体にも当てはまります。

シーン毎にも当てはまります。

立ち回りにだって当てはまっています。

『忍者ライブショー さやか見参!』の台本を見ると、立ち回りのシーンはこういう風に書かれています。

殺陣1…さやか vs 下忍ABC(40秒)

さやか勝利


この文字から何か伝わるでしょうか?

一番目の立ち回りである事、

さやかと下忍3人が戦う事、

40秒でさやかが勝つ事、

その他の要素を見つける事が出来るでしょうか?

出来ないでしょう。

間違いなく。

だって書かれてないんですから。

しかし、この立ち回りにだってストーリーがあるハズなんです。

40秒の中に起承転結があるハズなんです。

それを見つけられなければ40秒の立ち回りを付ける事は出来ません。

もし付けたとしてもそれは立ち回りではなく『形ばかりの技の羅列』に過ぎないでしょう。

『なぜ?

1対3の立ち回りを40秒やればいいんでしょ?

最後にさやかが勝てばいいんでしょ?

そんなに深く考える事かなぁ?』

と思った方いますか?

では例えを2パターン用意してみますね。

想像しながら読んでみて下さいね。

~パターンA~

さやか『あなた達がお兄ちゃんを殺したのね!?』

下忍A『あぁそうさ。あいつはお人好しだったからな。騙し討ちにするのは簡単だったぜ』

さやか『お兄ちゃんはあなた達を信じてたのに…許せない…絶対許せない!』

抜刀し、下忍達に飛び込んでいくさやか

さやか『お兄ちゃんのかたきッ!!』

殺陣1…さやか vs 下忍ABC(40秒)

さやか勝利


~パターンB~

さやか『なに…?急に目まいが…』

下忍A『へっへっへ、さっきの水に仕込んだ毒が効いてきたみたいだな』

さやか『毒…!?卑怯な…』

さやか、震える手で抜刀するが、力が入らず刀を落としてしまう

下忍A『さすがのオマエでも全身痺れちゃ戦えねぇよな、立ってるのもやっとみたいだしよ』

さやか『くっ…!』

必死に拾った刀を杖にして、どうにか踏み堪えているさやか

下忍A『悪いな、死んでもらうぜ』

殺陣1…さやか vs 下忍ABC(40秒)

さやか勝利


…どうでしょう?

この2つの立ち回り、イメージ出来ましたか?

パターンAはどうなりましたか?

パターンBはどうですか?

『あまり違いはなかったなぁ』

って方がいたなら、その方は立ち回りをつけるのはやめた方がいいですね。

少しでも芝居っ気がある方ならこの2つは同じにならないと思います。

演技(立ち回りを含む)には『行間を読む力』が必要になってきます。

では立ち回りの行間はどこに示されているのか。

台本の全てに、です。

全ての台詞、全てのト書きが、立ち回りの行間をありありと示しているのです。


つづく
2011-07-13(Wed)

アクションへの道(230)

前回は

『ショー中におけるアドリブと事後処理』

について話しました。

硬めの文章で書いてるのでもっともらしく聞こえるかもしれませんが、信憑性があるのかないのかは謎です。

そもそも『アドリブ苦手』を公言する僕がアドリブの事後処理について語って何の説得力があるというのでしょう(笑)

しかしまぁ、これまでしゃべり怪人を演ってきた中で、

スベってスベってスベり倒し、

スベってスベってスベり倒し、

スベってスベってたまにウケた経験から言うとこんな内容になる、と、

そんな感じで読んでいただけると幸いです♪


アドリブが終わったら盛り上がろうが盛り上がるまいが速やかに本筋に戻った方が良い、と言いましたが、

では、アドリブに入る前はどうでしょうか。

何をするべきでしょうか。

僕的な答えは

『アドリブを活かす前フリをしておく』

です。

…当たり前過ぎますか?

…当たり前過ぎますね。

でも、この『当たり前』こそが一番大切で一番難しいと思うんです。

例えばアドリブでギャグを入れるとしましょう。

ギャグの種類にもよりますが、アドリブのギャグを活かす前フリは2種類。

突発的なギャグを活かす為の『とことんシリアスな』前フリ、

こいつは何か面白い事をやりそうだと期待させる『ギャグの布石を打っておく』前フリ、

他にもあるかもですが、とりあえずこの2種類だけ説明させてもらいました。

ギャグで盛り上げる為にはいきなりネタだけを言っても駄目なのです。

下準備が必要なのです。

これはアドリブに限らず物語を作る時に必ず考えなければならない事なので、ここからは

『物語を作成する為の手法について』

みたいなニュアンスで書かせてもらいますね。

ギャグの前にはシリアス、もしくはネタフリが必要なんて書きましたが、ネタフリが必要なのはギャグ以外の展開でも同じです。

分かりにくいかもですが喩えてみましょう。

『前方に向かってダッシュで走る』

という展開があったとします。

それを活かす前フリとしては(状況によりますが)、

『静止からのダッシュ』

『助走をつけてダッシュ』

『逆走からターンしてダッシュ』

が考えられます。

…やっぱり分かりにくいですね(笑)

それでは

『激しい立ち回りのシーン』

を活かす前フリについて考えてみましょう。

その場合『静止からのダッシュ』は、

『シンの周りにいきなり敵が現われて立ち回り』

もしくは

『シンと悪役がいきなり現われて立ち回り』

のような『突然始まる』演出になると思います。


『助走からのダッシュ』は、シンと悪役が対峙して

『これは戦いが始まるぞ~』

と『期待させてから』の立ち回りですね。

『逆走からのターンダッシュ』は、ほのぼのしたシーンや楽しげなシーン、しっとりしたシーンから突然始まる『意表を突いた』立ち回り、

みたいな感じになるでしょう。

ヒーローとヒロインがいい雰囲気になって、

『あれ!?抱き合っちゃう!?キスしちゃう!?』

なんて思ったら突然敵が襲ってきて、ヒーローが

『危ないッ!』

ってヒロインを突き飛ばして立ち回りが始まるような、

そんな展開が『ターンダッシュ的前フリ』ですね。

ますます分かりにくくなりました??

説明って難しいですね…

まぁストーリーを活かす為には前フリが必要って事です。

逆に言うと『ストーリーを殺す前フリもある』って事です。

『激しい立ち回り』という展開を殺す前フリは

『激しい立ち回り』

です。

登場人物達がずーっと激しく戦ってたら観てて飽きちゃうでしょ?

目が慣れちゃって

『激しい』

かどうかも分からなくなるでしょ?

『激しさ』を見せる為には『激しくないもの』を見せる必要がある、って事ですよね。

それがストーリーの起伏であり『メリハリ』ってやつなんです。


つづく
2011-07-12(Tue)

アクションへの道(229)

2004年のパッケージ製作に関する顛末も無事に書き終えて…


何か書き忘れてる気がするなぁ…と思ったら、何回か前の『アドリブ』の話でした。

全然大事な事じゃないんですけどね。


ショー中の『アドリブ』には2種類あると僕は思います。

『アクシデントのフォロー等で必要に迫られて入れるアドリブ』と、『面白さを求めて故意に入れるアドリブ』の2種類です。

この2つ、同じアドリブでも方向性は全く違います。

アクシデントをフォローするアドリブは、それがアドリブである事を観客に気付かれてはいけません。

アクシデントが起きた事を観客に知られないよう、出来るだけスムーズにフォローする、これが前者のアドリブです。

対して後者、

面白さを求めるアドリブの場合、それがアドリブだと観客に気付かれた方がいい(場合がある)のです。

例えばテンションに任せて無茶をしてみた時の周りの反応だったり、

いきなり無茶振りされた時のいっぱいいっぱい感だったり、

そーゆーのはアドリブならではの面白さだと思うんです。
(無茶振りに演出が見えたら醒めちゃうでしょ?)

しかしアドリブってのは諸刃の剣で、グダグダになってしまう危険性も秘めてるんですね。

観客に分かる形でアドリブを提供し、結果グダグダになる…

これ、最悪のパターンです。

『あ~あ』

って雰囲気になるのが目に見えてます。

もしグダグダになってしまったらどうフォローするか?

速やかに本来の演出に戻るのです。

さっきまでのアドリブは全てなかった事にするのです。

少しでも引きずってしまったらダメになります。

慣れてないアクターは、『起きるハズだった観客の反応』を求めてズルズルとスベり続けてしまうもの。

悪い流れを スパッ! っと断ち切って観客をストーリーに引き戻さなくてはならないのです。

ではアドリブで『いい反応』が返ってきたらどうするべきか?

実は、『良い流れ』を潔く断ち切って本筋に戻らなくてはならないのです。

『えっ?成功しても失敗しても流れを斬らなきゃいけないの!?』

そうです。

流れを斬らなきゃいけないんです。

もしお笑いのライブならウケる限りネタを飛ばしていいのかもしれません(分かりませんが)。

しかし僕らがやってるのはストーリー主体のお芝居なんです。

アドリブはあくまでもアクセント。

アクセントが主張し過ぎてはいけないんです。


続く。
2011-07-11(Mon)

アクションへの道(228)

前回のラストで会社のやり方に見切りを付け、

『もうこの会社とは一線引いて付き合うしかない!』

という決意を表明した僕。

今までこの『アクションへの道』を読んできてくれた方ならきっとこう思ったでしょう。

『そんな事しょっちゅう言うとるやんけ!!』

…と。

そうなんですよねぇ。

僕(僕ら)は何かある度に

『もうショーから離れよう』

『ショーとは一線を引こう』

なんて事を考えちゃうワケですが、どうやらこれは、『ギャップ』に苦しんだ時の常套句のようなのです。

何と何のギャップに苦しむのか?

『理想』と『現実』のギャップです。

『自分が目指しているショー』と『実際のショー環境』とのギャップなんです。

当然ですが我々アクターは常に、より良いショーを目指して頑張っています。

しかし自分が頑張れば良いショーが出来るかと言うと必ずしもそうではありません。

ショーは1人では出来ないのです。

周りのメンバー達のモチベーションが低ければ、それだけでショーのクォリティが下がったりするのです。

そしてメンバーより厄介なのが『会社』です。

これまた当然ですが、我々アクターは会社に雇ってもらってるワケで、基本的に会社の意向には逆らえません。

という事は、アクターがいいショーが出来るかどうかは会社にかかっていると言っても過言ではないのです。

一生懸命練習してレベルアップしたいのに会社が練習日を減らしてしまったら?

メンバー不足でクォリティの低いショーが続いているのに会社がメンバーを募集してくれなかったら?

ショーを良くする為の陳情を会社が聞いてくれなかったら?

そうなれば我々雇われアクターにはどうする事も出来ません。

頑張りたいのに頑張れない、
自分が一生懸命やっても無駄、
そんなジレンマが


『一線引こう』

という諦観に繋がってしまうのです。

僕の場合は

『せっかくいい台本を書いても会社に潰されてしまう』

というジレンマに苦しんでいたんです。

しかし…

それじゃ僕が正しくて会社が悪いのかというとそうではありません。

逆に僕が間違ってるかと言うとそうでもありません。

これは各々が考える『良いショー』にズレがある為に生まれるジレンマなのです。

つまりは会社側もジレンマを抱えていると思うんです(多分)。

何をもって『良いショー』なのかは人それぞれで違います。

メンバーの中でも、

テレビの再現を目指す人、

ライブ感を大事にする人、

正確さを求める人、

勢いを求める人、

観客の反応が第一という人、

まずは演じ手が楽しむ事を心掛ける人、

技術を魅せる人、

観客との触れ合いを重んじる人、

等々、ショーには色んな要素があり、どれがベストかなんて一概には言えません。

ましてや会社とメンバーなら、その違いはもっと顕著でしょう。

何と言っても立場が違います。

立場が違えば判断基準も違うのです。

全ての責任を負う立場の社員さんは、我々バイトにはない視点でジャッジを下しています。

アクターはショーの善し悪しだけを気にすればいいのですが、会社はそれに加えて利益不利益を考えなきゃいけないんですよね。

きっと社員さんの中にも、個人的な理想と会社的な方針のギャップに悩んでる方はいらっしゃるんじゃないでしょうか。

それでも我々アクターは会社にぶつかっていかなくちゃいけません。

お互いが本気でせめぎ合わなくちゃ良いショーなんか作れません。

『一線引こう…』

なんていじけてる場合じゃないんです!

誰だ!?いじけてる奴は!!


俺かっ!!
2011-07-10(Sun)

アクションへの道(227)

2004年に僕が書いた台本、

これはかなりの自信作だったのですが、社員さんの手が入った事により完全な駄作になってしまいました。

社員さんは、僕が書いたストーリーはそのままに、キャラクターの配役だけを入れ替えたのです。

文字にすると何て事ないかもしれませんが、これは物語に置いて天地がひっくり返るぐらい大変な事なんですよ。

綾波とアスカの役割が突然入れ替わったらストーリーの整合性が取れなくなると思いませんか?

青島さんと真島さんの役割が突然入れ替わったら積み上げてきた設定が成り立たなくなると思いませんか?

何度も言うように、キャラクターというのは『人物の性格や性質』であり、それを積み上げて作るのが物語なんです。

その作劇法に則って書かれた物語の配役を変えるというのがどれほどの事なのか、多少は分かってもらえたでしょうか。

なぜ社員さんは配役を変えたのでしょう?

僕が物語の軸に据えたのは、『テレビでも重要な役割を担うキャラクター』でした。

しかし社員さんはそれとは別の『最も新しいキャラクター』をメインに打ち出したかったようなのです。

すでに出発地点からズレがあったのです。

僕は何度も

『元に戻して下さい』

『キャラクターを入れ替えたら成り立たない設定なんです』

『元に戻せないならこの台本は使わないで下さい』

『別の新しい台本を書いた方がいいものが出来るハズです』

と直談判しました。

しかし答えは全て『NO』。

『もう書き直す時間はない』

『自分は変だと思わない』

というのが社員さんの言い分でした。

そもそもこの社員さん、

『バイトが台本を書くのは勝手だが、それをどう使うかは自分(会社)次第』

という考え方の人だったのです。

なので当然クレームも書き直しも認めてくれません。

監修も、声入れ(録音)への立会いも許してくれません。

これは…

まさしく10年前、僕らを苦しめていたシステムです。

僕らはより良いショーを作りたくて、会社と戦って戦って、ようやくパッケージ製作に関わる権限を手に入れたのですが、新しい社員さんに変わって、また10年前に逆戻りしてしまいました。

逆戻りが悪いワケじゃないんです。

結果が良くなるならやり方は古かろうが新しかろうがどちらでもいいんです。

しかし、今回手直しされた台本を見ると、明らかに結果が悪くなっている!!

これは本当にショックでした。

他社から来た新しい社員さんが、僕ら過去のメンバーがやってきた事を否定したい気持ちは分かる。

でも一番優先するべきなのは

『いいショーを作る事』

なんじゃないの!?


完成したパッケージを聴いた僕はその出来にますますショックを受けてしまい、

『もうこの会社でショーにどっぷりハマるのはやめよう…』

と考えたのでした。
2011-07-09(Sat)

アクションへの道(226)

2004年の後半にはショーパッケージ用の台本を書いたっけ…

あれはちょっとツラかったなぁ…



物語を作る時、

特にそれがTVのヒーローを描いた『キャラクターショー』であった場合、

『何が起きるか』

よりも

『誰がどうするか』

が大事になると思うんです。

それぞれの登場人物の性格設定を踏まえて、

『この人ならこうするだろう』

とか

『この人はそんな事言わないだろう』

って事を積み上げてストーリーを構築しなくちゃいけないんですね。

例えば主人公が

R…熱血(♂)
B…クール(♂)
G…軟弱(♂)
Y…イケイケ(♀)
P…お嬢様(♀)

なんて設定で、Gが敵にやられて倒れてるシーンがあるとしたら、

Y『G!大丈夫!?』

G『みんな…迷惑かけてごめんよ…』

P『誰がこんな酷い事を…』

R『きっと奴等のしわざだ…許せねぇ!今すぐぶっつぶしてやる!』

B『待て!これは奴等の罠かもしれない。落ち着いて作戦を考えよう。まずはGの手当てが先だ』

Y『仲間をこんな目に遭わされてよく落ち着いていられるわね!私も絶対許せない。R!行くわよ!』

R『おう!』

B『R、Y、待て!』

…みたいになるのが自然な展開です。

お嬢様のPが怒りに任せて突っ走ったり、

クールキャラのBが突っ走ったり、

熱血キャラのRがみんなをたしなめたりしないのが分かりやすい展開ってもんです。

(そういう例外的な展開にする時は別の設定が必要になってきます。

BとPのせいでGがやられたから2人は柄にもなく突っ走ってしまう、とか。

そしてRに

『落ち着けよ!いつものオマエ達らしくないだろ!?』

なんて言わせたり)

何かの事件が起きて、キャラクターが性格に応じた対処をすると、それだけでストーリーは進展するのです。

TVのキャラクターにはそれだけ強い個性が与えられているのです。

(上記の例だと、突っ走ったRとYは敵の罠に嵌まって大ピンチになるでしょうね)
当然ながら僕も、その方程式に則って台本を書いています。


2004年からさかのぼる事10年、

1994年辺りのエピソードで書いたと思いますが(書いてないかもしれませんが)、
当時の社員さんが、

『ベースとなる台本を作っておいて、毎年ヒーローの名前と悪役の名前だけ変えればいい。

そうすれば台本製作の手間が省ける』

というような発言をして僕が大いに憤った事がありました。

ここまで読んで下さった方ならその憤りの理由の1つを理解して下さると思います。

『キャラクターショー』は『キャラクター』によって進められるのです。

『キャラクター』とは『登場人物』を指すだけでなく、『登場人物の性格・性質』を意味する言葉なのです。

肝心の『キャラクター』をないがしろにして、『キャラクターショー』が成り立つハズがない!!

…しかし、2004年に僕が書いた台本は、まさにそのような憂き目に遭ったのです…


続きます。
2011-07-08(Fri)

アクションへの道(225)

僕がキャラクターショーに臨む際、最も大切にしている事の1つに、

『再現性』

というものがあります。

何回やってもどこでやっても同じ事が出来る、同じクォリティーのショーが出来る、

それがプロの仕事だと思っています。

これは『アドリブ』とは全然逆の考え方ですね。

『再現性のなさ』、『そこでしか観られない希少性』、それこそがアドリブでありキャラクターショー(ライブ)の醍醐味という考え方もあります。

どちらが正しいのでしょうか?


答えは簡単、どちらも正しいのです。

再現性が高ければショーのクォリティーを上げる事が出来る。

(逆に言えば、同じ事を再現出来る能力がなければレベルアップは出来ないのです。

『前回のココが良かったから同じようにやろう』

『前回はあそこが悪かったから変えてみよう』

この繰り返しがレベルアップに繋がるのですが、『前回の』を再現する能力がなければ維持も変更も不可能だからです)

しかし、ただ同じ事を繰り返していては複数回観に来てくれているお客さんは飽きてしまいます。

そして演じているキャストもモチベーションが上がらないのではないでしょうか。

(それでも高いモチベーションを保つのがプロだと思いますが)

そこで、お客さんに対して、そして自分達にたいしての『+α』としてアドリブを入れる、というのはアリだと思います。

まぁアドリブを入れる目的なんて他にも色々あるんですけどね。

ただ、キャラクターショーにおいてアドリブは『そのぐらいがちょうどいい』と、僕は個人的に思っているんです。

以前、ある先輩の過去のショーをビデオで見せてもらいました。

本人曰く、

『ベテランキャストが多かったからアドリブ満載』

という自慢のショーでした。

しかしそれは、本当に酷いショーでした。

アドリブと言えば聞こえはいいのですが、段取りを覚えずに好き勝手に動いているだけなのです。

当然立ち回りやダンスなどはグダグダ、

後は演技のフリをした悪ふざけの応酬…


セリフを喋ってる敵キャラクターを背後の死角から不意をついて殴る、蹴る。

いきなり蹴られたキャラクターがふっとんで、小道具を持っている新人キャストにぶつかる。

ぶつかった衝撃で小道具が飛び客席に落ちる、

あろう事か、お客さんが拾ってキャラクターに渡す。

ベテランキャストは周りを見ていないから勝手にどつきあいを続けている。

小道具を受け取った新人に、またベテランがぶつかる。

今度はステージの隙間に小道具が飛び込む。

視界の悪いマスクでは小道具がどこに飛んだか分からない。

必死に探す新人キャスト。

ステージの隙間なのでお客さんも拾ってあげる事が出来ない。

そんな状況にも気付かず、いまだ殴る蹴るを続けているベテランキャスト。

必要な小道具がないまま、誰も演技をしないままパッケージのセリフは流れていく…


これってショーなの!?

しかもプロの!?

これがアドリブってもんなの!?

違うんじゃないかなぁ~!?

そうなんですよ。

アドリブって言葉を『テキトー』の逃げ道として使う人達がいるんですわ。

段取りがめんどくさいから『ここはアドリブで』みたいな事を言う人とか、

段取りを忘れてテキトーに動いたのを『アドリブ入れてみた』とか言ってごまかす人が。

アドリブってそんな簡単なもんじゃないでしょう。

お笑い芸人さん達のフリートークを見たってそれは一目瞭然。

実力のある芸人さんはフリートークも面白いけど、そうでない若手の芸人さんなんかグダグダだったりしますよね。

厳しいプロの世界で揉まれてる芸人さんでさえそうなんですから、我々が生半可な気持ちでアドリブに挑んではいけないんじゃないかと僕は思うワケです。

まずは『再現性』というスキルを身につける事。

それからアドリブ能力を鍛えていくべきではないでしょうか。

キャラクターショーでもアドリブが必要とされる局面は間違いなくありますからね。

だからこそ僕にとって、お化け屋敷での経験は大切な糧になったんです。

要所要所で、悪ふざけにならない範囲でアドリブを鍛えて下さった本宮賢二さんに感謝しているんです。

…とは言え、いまだにアドリブは苦手なので、賢二さんに会わせる顔がないですけどね…
2011-07-08(Fri)

7月7日の殺陣教室

7月7日は殺陣教室でしたよ!

七夕なんて関係なく!!

代表とシライシさんとジョー、そして、Mさんの4人で練習開始!!

Mさん…

6月30日の殺陣教室に来てくれたMさんとは別の方です。

前回のMさんは21才という若さにびっくりしましたが、今回のMさんはさらに若い20才でした。

ひえぇ~!!
オッサンばかりで申し訳ない!!

画像を使う許可はいただいたんですが、名前を出していいか聞くのを忘れてたので、今回は『Mさん』という事で。
7月7日 練習

このMさん、格闘技経験アリ、殺陣経験アリ、演技の経験アリというつわものでして、遠慮なくメニューを進める事が出来ました。

剣殺陣、足技、手技で1部が終了。

あ、
今回からメニューを『1部』と『2部』に分けたんですよ。

練習時間が3時間半と長いので、少し区切ろうかと思いまして。

その方が途中参加や途中退席もしやすいでしょ?

…まぁ特別な用事がない時は3時間半みっちりやってほしいですけどね。

どうせ参加費は変わらないんだし。

2部からはコガさんも参加。

2部は、1部でやった練習を突き詰めるメニュー、もしくは少々ハードなメニューにしたいと思っています。

今回は剣殺陣メニューを中心にやりました。

来週は参加出来ないというMさん。

再来週は殺陣教室がお休みなので、28日には是非また来てほしいなぁと思います。

前回のMさんもまた来てくれたら嬉しいんですけどね。

そんなこんなでキツくとも楽しい殺陣教室でした!

シライシさん、ジョー、Mさん、コガさん、

皆さんお疲れ様でした!!
7月7日 集合
2011-07-07(Thu)

アクションへの道(224)

テレビのバラエティー番組でお笑い芸人さんを見てると、いわゆる『無茶振り』がすごいですよね。

『えっ!このタイミングでそんな振り!?』

なんてハラハラしてしまいます。

でも、上手い芸人さんは見事に返すんですよね~。

上手く返せなくてもどうにか笑いを取る人もいますし。

そーゆーのを見てると、

『あぁ…無茶振りって、すごく鍛えられるだろうなぁ…』

と思います。

だって、とっさに上手く返せるって事は、頭の回転が早くて、面白い引き出しがたくさんあって、瞬発力やセンスがあって…って事じゃないですか。

芸人さんでも俳優さんでも一般の方でも、アドリブの利く人を見ると、ものすご~~~く感心します。

それは僕がアドリブ苦手な人間だから。

キャラクターショーの時にアドリブを入れたり無茶振りしたりするのは好きなんですが、好きだから上手いとは限らない。

でも子供相手のお遊びなんかはアドリブ命と言っても過言ではありません。

シャベラーのくせにアドリブの喋りが苦手な自分って一体…

お化け屋敷の仕事ではアドリブ能力を試される事が多々ありました。

僕ら隊員の仕事は、お化け屋敷の中でお客さんを誘導する事でした。

安全にアテンドするフリをしながら要所要所でお客さんを怖がらせる役目だったのです。

で、そのアテンド、通常は隊員が1名で行なっていたのですが、たまに賢二さんと2名体制で行なう事があったんです。

演技指導で来て下さっていた俳優の本宮賢二さんですが、
その賢二さん、時々アテンド中に無茶振りしてくるんです。

いつもだったら

僕『見ろ!あそこに誰か倒れているぞ!モンスターに襲われたのかもしれない…まだ近くにいるかもしれないから気をつけろ!』

なんて感じの所で、

僕『見ろ!あそこに誰か倒れているぞ!モンスターに襲われたのかもしれない…』

賢二さん『ん?スマイル(僕のコードネーム)、倒れているのはオマエの知り合いじゃないか?』

僕『えっ???…』

突然謎の設定が追加されます。

僕もどうにか回避しようと、

僕『いや、違うでしょう。…ん?…あの顔は…確か隊長の同期の…』

賢二さん『いや、全く見覚えがない顔だ。あれはオマエの知り合いに間違いない』

無茶振り返しは賢二さんには通用しません。

このやり取りの間、お客さんは我々の隣りにいるので、あまりダラダラして緊迫感を欠くワケにはいきません。

僕『危険ですが、近付いて確認しましょう』

倒れている人物に向かってジリジリと歩きます。

お化け屋敷のシチュエーション的には近付いた所で人物が起き上がり追いかけてきそうな所です。

お客さんも

『絶対起き上がって追いかけてくるけん~!』

とビビりまくっています。

そこにジリジリ近付くワケですから、かなりの緊張感です。

そんな中で賢二さんは、

賢二さん『スマイル、そいつはどんな奴だったんだ』

なんて聞いてきます。

おのれ賢二さん!

何か気の利いた事を言わなきゃいけない雰囲気です。

僕『こいつは…地元が同じで…“氷川きよしを応援する血液型A型男子の会”で知り合った同志なんです…』

アドリブ苦手な人間がとっさに面白い事を喋ろうとするとこんな無残な結果になるのです。

案の定、

賢二さん『スマイル、今日はイマイチ面白くないな』

なんて厳しく突っ込まれます。

この経験は僕の中でかなり貴重なものでした。


続きます。
2011-07-06(Wed)

アクションへの道(223)

それからは毎日、朝から夜までお化け屋敷の毎日でした。

自宅からお化け屋敷までは自転車で片道2時間。

季節は夏。

毎日4時間の自転車移動はびっくりするほど僕のカロリーを消費しました。

おまけに僕はすっごい貧乏で、食事もろくに出来なかったので、お化け屋敷に通う度に痩せる痩せる。

お化け屋敷のお話しをいただいた時、僕が無職だった事は以前書きました。

じゃあ蓄えがあったかというとそんな事は全くなく、抱えてるのは借金ばかり。

お化け屋敷のギャラが出るまでは収入もありません。

家賃も払えない、

光熱費も払えない、

借金も払えない、

そして食費もない、

それを何とかしようと更に借金を重ねる、

そんな最悪の状況でした。

朝、ポケットに105円を入れてウチを出ます。

2時間かけて自転車で現場に行きます。

途中で買った『3個入りで100円のパン』を朝と昼と夜に分けて食べます。

飲み物はペットボトルにいれて冷凍した水です。

そして夜になり、2時間かけて自転車で家に帰る…

そんな日々でした。

痩せないハズがない。

それでも何とか頑張っていましたが、やはり収入がないと生活していけない!

そもそもギャラはいつ出るのだ!?

確認してみると、お化け屋敷の開催期間(1ヶ月半~2ヶ月ぐらい)が終わった翌月の月末にまとめて支払われるらしい。

ちゅー事は、3ヶ月ぐらいは収入がないって事か!

いやいやいやいや!

無理無理無理無理!

僕はお化け屋敷の責任者に掛け合いました。

『そんなに先まで待たされたら生活出来ません!

支払いのシステムを考えなおして下さい!』

これを読んでる方、

『何を今さら!』

と思うでしょ?

『そんなん面接の時に確認しとけよ!』

って。

いや、もちろん面接の時に聞いたんですよ?

そしたら責任者の方は、

『それはまた後で決めていこう!』

みたいな感じで、それ以降は何の連絡もなかったんですよ。

ちなみに僕以外の隊員達はタレント事務所に所属していたのでギャラのシステムが違ったようです。

久しぶりに話した責任者は相変わらずテキトーな感じで、

『あぁ、じゃあこっちでどうにか出来るように話し合ってみるから!2~3日中には連絡する!』

と言いました。

しかし3日経っても4日経っても連絡はなく、5日目にこちらから連絡すると、

『あぁ、ごめんごめん!忘れとった!明日かあさってには連絡するから待ってて!』

との事。

面接の時から彼のテキトーさを見ていたので、その返事を聞いてますます不安が募ります。

そして僕の不安は的中しました。

約束の日になっても連絡がないのです。

お化け屋敷が閉館するまで待ってみたけど連絡はなく…

また自分から電話してみました。

『ギャラの件どうなりました?』

すると

『あぁ、ごめんごめん、忘れてた!』

・・・・・・・(怒)

僕は電話を切ると、彼にメールを送りました。

『テキトーな人間とは仕事をしたくないので、本日をもって辞めさせていただきます』

そして彼の番号もアドレスも着信拒否にしました。

この対応に

『社会人としてどうなの!?』

って方もいらっしゃるでしょうけど、僕ももう限界だったんですよ。

楽しくて為になる仕事だっただけに残念な幕切れでした。
プロフィール

武装代表・内野

Author:武装代表・内野
福岡・久留米を中心に、九州全域で活動している『アトラクションチーム武装』の代表です。

1972年生まれ。
1990年にキャラクターショーの世界に入り現在に至る。

2007年に武装を設立。

武装の活動内容は殺陣教室、殺陣指導、オリジナルキャラクターショー等。

現在は関西コレクションエンターテイメント福岡校さんでのアクションレッスン講師もやらせてもらってます。

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