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2010-02-27(Sat)

アクションへの道(59)

1992年、社員さんから突然

『小道具作ってみるか?』

と言われて、ヒーローが使う銃を作る事になった僕でした・・・




社員さんの言葉はさらに続き、

『出来れば3つ』

との事。


僕はショーの小道具なんか作った事もなければ作り方も知りません。

どんな材料が必要なのかも分かりません。

その辺り、キチンと教えてくれるのかと思いきや、なんとほったらかし。

材料を用意してくれるワケでもありません。

さぁ、どうする俺!!

色々な小道具を見てみると、どうやらウレタンと呼ばれる物(発泡ポリエチレン)
使われているようです。

ウレタンをGボンドで接着してあるっぽい・・・

なるほど!!
それではさっそくウレタンを・・・

と思いましたが、当時の僕は年収20万ぐらい。

家賃も滞納してるのに、ウレタンなんか買えるハズがありません。

ウレタンどころか作業に最低限必要なカッター、ボンドすらも買えません。

仕方ないので関連会社の造形工房に行き、要らなくなったクズウレタン
いっぱいもらって帰りました。

クズウレタンは小さい切れっぱしなので、そのままでは銃の大きさになりません。

キレイに切って張り合わせて、ツギハギで大きさを確保しました。

ボンドは食費を当てて何とか買いました。

コンビニで売ってるような一番小さいチューブのヤツです。

ウレタンだけではクタクタになってしまうので芯を入れようと思いましたが手ごろな物がなく、
当然買うお金もありません。

仕方なくコンビニの割り箸と、それに付属している爪楊枝を使いました。

ある程度の形にはなりましたがヨレヨレのボロボロです。

表面処理でごまかしたいところではありましたが、処理をする材料はありません。

チューブのGボンドをもう1本買ってきて(この時点で生活費をあきらめた)
全体にベタベタ塗りました。

表面がベコベコしたいびつなカタマリになったところで、
事務所にあった缶スプレーで着色・・・

ところが中身がほとんど入ってなかったので、黒と黄色(Gボンドの色)のまだらの銃が出来上がりました。

何日もかけて、最後は徹夜でようやく1つ。

先輩達が現場に持っていく事になっていたので、その日の早朝に小道具箱に入れておきました。



夕方になって先輩達が帰ってきました。

僕はずっと不安だったので

『あれ使えましたか??』

と聞きました。

使えましたか?
と言われても、ツギハギの、爪楊枝の、ベコベコの、まだらの、
そんなもんが使えるハズないですよね?

答えはもちろん

『見た瞬間に捨てた!!』

でした。

『あんなもん使うぐらいならウ●コを使ったがマシ!!』

との事でした。

これが僕が最初に作った小道具の顛末です。



ちなみに社員さんに

『材料費、一応領収切ってるんですけど、経費出ますかね・・・??』

と聞いたら、

『ま、それは無理やろうな』

と言われました。

何故この人が僕に「小道具を作れ」と言ったのか、
いまだにさっぱり分かりません。
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2010-02-26(Fri)

アクションへの道(58)

前のブログを書いてる最中に思い出した・・・

いやね、皆さんにとってはどーでもいい事なんですけど、思い出したついでに書いておきますね。

今一度、1992年にタイムスリップ!!



キャラクターショーの世界に入った僕は、新人の頃から色んな事にチャレンジさせてもらっていました。

しゃべり、台本、声入れ、etc・・・

そんな中で今回書きたいのはコレ!

『小道具製作』!!


当時僕がいた事務所では、
ショーで使うヒーローの武器(銃)は市販のオモチャを使っていました。

衣装に付属していた銃は
発泡スチロールのカタマリに色を着けたような
オソマツな物だったので
(もしかしたら当事はショーで銃を使うという事が珍しかったのかもしれません)
変形ギミックまで満載のオモチャの方がリアルだったのです。

しかしオモチャを買うとお金がかかります。

戦隊だと5つ、この年のメタルヒーローだと3つ必要になります。
おまけに忙しい時期には戦隊3班、メタルヒーロー3班なんて事もあるので全部買っていたらとんでもない額になります。

そこで、いつもの社員さんから

「オマエ、しゃべりやってみるか?」
「オマエ、台本書いてみるか?」


に続く第3弾、

「オマエ、小道具作ってみるか?」

が発動されたワケです。

~つづく~

2010-02-26(Fri)

殻があんなに飛ぶなんて

最近テンション下がりっぱなしの武装代表は、
気持ちが落ちるままにブログの更新もサボっていた。

しかし!

ようやくキーボードを叩く時がやってきたのだ!

なぜ!?

それは愛ゆえに・・・


違った。

せっかく途中まで書いてたブログの賞味期限が過ぎてしまいそうだったから。

なんたって、書き始めてもう三日以上過ぎてるもんなぁ~。

・・・てなワケで、2月22日の出来事です。




『戦う長崎県産品!』

このフレーズがあなたに伝わるだろうか。

知らない方は心に刻み込んでほしい。

『戦う長崎県産品!』

ご存じの通りこれは、長崎を中心に活躍するローカルヒーロー、
『ヒーロー連合ジャスター』
の名乗りの一節なのだ。
ジャスター!

なに?知らない!?
モグリめ!オマエはモグリだ!
何の!?
分からんけど、オマエは何かのモグリだぁ~ッ!!



少々取り乱してしまいました。

『ヒーロー連合ジャスター』を運営しているのは長崎の
『J project(劇団)Enz』
という団体でして、我々武装も大変お世話になっているのですが、
22日はEnz代表『よっちぃ~』さんと牡蠣を食べに行きました。

メンツ?
もちろん僕とよっちぃ~さんの2人きりですよ。


40日ぶりに休みを取った僕はJR久留米駅から鳥栖へ。
そして特急に乗り換えて『肥前鹿島駅』(佐賀県)へ。

駅に到着し改札を抜けるとよっちぃ~さんが待っていてくれました。

いつもなら
『再会を喜んでいる2人』
の画像を撮ったりするよっちぃ~さんですが、今回はカメラマンがいなかったせいか、すぐに車へ。

僕も助手席にお邪魔しまーす♪


実はこの牡蠣ツアー、1年前に話が出ていたのですがなかなか都合が合わず、今回ようやく実現したのです。

鹿島…

昔はキャラクターショーで来ていましたが、こんな海の町だとは知りませんでした。

道路沿いのたくさんの看板には
『牡蠣』『蟹』『アワビ』
などの文字が踊っています。

お目当ての場所は、以前よっちぃ~さんのブログで見た小屋(って言っていいのかな?)でした。

中に入ってまずは食材選びですが、牡蠣以外にも色んな食材があるんだね~。

牡蠣大好きよっちぃ~さんは牡蠣オンリーでも良かったみたいですが、僕に気を遣って下さったのか、他にも食材を選んで下さいました。

さて!
炭を起こしてあるテーブルにて、軍手&トング装備で宴の始まりじゃあ!
牡蠣とよっちぃ~さん

『武装解除』はグルメブログじゃないから細かくは書かないけど…

…美味し…

…旨し…!!

いやぁ~、どれもこれも美味いわ!

炭が撒き散らす灰で全身真っ白になるけど。
時々爆発する牡蠣の殻の破片が散弾銃のように飛んでくるけど。

そんなこたどうでもよくなるぐらい幸せですね♪

食べながら、そして食べ終わっても僕らは色んな話をしました。

チームの事やショーの事…
まぁ僕の愚痴が多かったんですけど。

こうして話を聞いて下さる方がいるというのはありがたいですね。
お陰様で気持ちもスッキリです。

武装(と僕)の活動は、こうして皆さんに支えてもらってるから成り立ってるんだなぁ・・・

と、しみじみ実感した一日でした。

よっちぃ~さん!ありがとうございました!!

2010-02-20(Sat)

アクションへの道(57)

『影マイク』
というものがあります。

ショーに使うパッケージには、BGMや効果音と一緒に台詞も録音されています。

しかし立ち回りだけは流動的なものですし、演じ手によって違うので、そこでの台詞や掛け声を録音する事は出来ません。

そこでスタッフがマイクを持ち、物陰で立ち回りを見ながらこっそり台詞を入れるのです。

これが『影マイク』です。

僕がショーを始めた1990年、影マイクはスタッフ(すなわち社員)の仕事でした。

この頃は、台本・録音・編集に加えて影マイクもバイトの身では不可侵領域だったのです。

前年(1992)に、僕は台本デビューする事が出来ました。

この台本の中に、ピンクを人質に取られたレッドが敵に命じられてブラックと戦うシーンがありました。

ストーリーの山場です。

このシーンでも当然スタッフが影マイクをしていましたが、スタッフ1人でレッドとブラックの声をアテる事は出来ません(上手い人なら出来るけど)。

そこでバイトメンバーの中でも台詞が言えそうな者が影マイクに加わるようになりました。

これは非常にいい結果を生みました。

スタッフは当日の場当たり(リハのようなもの)を見るだけなので立ち回りの段取りなんてうろ覚えですが、一緒にリハをしたメンバーは違います。

『ここでゆっくり2歩進む』
とか、
『かかろうとしたけど睨まれて下がる』
とか、
そんな細かい段取りまで知っているのです。

ここで、影マイクのクォリティという点でスタッフとメンバーの立ち位置は逆転しました。

そして1993年。

カンフーを駆使した立ち回りは複雑さを極め、とても当日の場当たりしか見ていないスタッフでは影マイクが追いつけなくなりました。

おまけに立ち回りの合間に

『●●流・●●●拳!!』

みたいな見栄まで入るのですから。

演じ手も力を入れてやっているので、下手な影マイクでクォリティとテンションを落とされてはたまりません。

必然的にこの年の影マイクは(可能な限り)メンバーがやるようになりました。

(可能な限り)と書きましたが、可能でない状況とはどんな状況でしょうか?

ショー中、ステージに出ていないキャラクター(アクター)は『ハケ』と呼ばれる場所にいます。

『ハケ』とは『ショー中の控え室』のようなものです。

待機してる姿がお客さんに見られないように遮断された空間になっています。

この『ハケ』が完全に遮断されてステージが見えない状況だと、メンバーは影マイクをする事が出来ません。

なんたって僕らはハケから出る事が出来ないのですから。

しかしこの年の僕ら(ってか僕)は違います。

ハケから出る事が出来なくてもスタッフに影マイクを任せる事が出来ません。

という事で…


面をとり、顔を出して、衣装の上にジャージを着て、ステージ横の音響席に行きました。

ジャージ姿なら音響席で影マイク出来る…


そう思っての事ですが、僕はスタッフに怒鳴られてハケに追い返されました。

ジャージを着ていても、いくらなんでも見え見えだと。

何が見え見えかって、着替えの時間が短い為、僕はブーツを履いたままだったのです。

足首まではジャージで隠れていますが、そこから先は真っ黄色です(イエロー役だったので)。

僕の中では、

『靴ぐらいバレんやろ!?』

って気持ちがあったんですが、スタッフの目には明らかな違和感があったのでしょう。

『こんな事をするぐらいなら影マイクするな!』

みたいな事を言われた気がします。

若くてイケイケだった(だったか?)僕は大先輩のスタッフさんに、

『あぁ、そうスか!だったらもちろん完璧に影マイク合わせてくれるんでしょうね!』

と吐き捨ててハケに戻りました。

当然ですがスタッフは当たり障りのない台詞しか言えません。

見栄の台詞なんか言えるハズがありません。

それを聞きながら僕は、ハケの中から

『あ~あ、なんスか今のだっせぇ台詞は!』
『影マイクするならリハぐらい見に来てくれませんかねぇ!』


と罵声を浴びさせるのでした。


浴びさせるのでした、って…
これ、ショーの真っ最中ですからね!?

僕がどれだけ常軌を逸してるか分かります。

『終わってから言え!』

と説教してやりたいですわ。

まぁ、それぐらい熱い時代だった…

じゃ済みませんね。

申し訳ないっス。

でも、

『こちらはベストを尽くしてるんだから、スタッフも頑張れよ!』

って気持ちもあったんですよね。

僕とスタッフ、どちらに分があったのか?

僕の黄色い靴にお客さんが
『!!』
となっていたらスタッフの勝ち、

あまり気にしていなかったら僕の勝ち、

だと思っているのですが、果たして勝敗や如何に!?
2010-02-19(Fri)

『アクションへの道』の出演者達

前回アクションから離れてマスコットキャラクターの話をしたので、そういった『可愛い系』キャラクターを演じる上での(僕なりの)テクニック論を語ろう…

と思ったんですが、色々と面倒なのでやめました(笑)



昨日はキャラクターショー時代の仲間と飲んできました。

三十代のオッサン5人の飲み会です。

そのメンバーこそ、『アクションへの道』にいつも出てくる仲間達なのです。

現在は1993年の混沌とした状況を書いている『アクションへの道』

これが1994年になったら更に激しいぶつかり合いになり、僕の中では一旦終止符が打たれます。

そのぐらい火花を散らした連中と当時の話を肴に飲めるようになるなんて…

十数年の時が人を変えるのでしょうか(笑)

せっかくなので

『ブログであんたらの悪口いっぱい書きよるけんね』

と宣言してきました。


ちなみに、この飲み会の前日には当時の社員さんと飲みました。

この社員さんの事もブログにたくさん書いてます。

もちろん

『申し訳ないですが悪口ばっかり書いてます』

と宣言してきました♪♪
2010-02-18(Thu)

アクションへの道(56)

そういえば、1993年辺りってJリーグが出来て間もないぐらいでしたっけ。

この頃、横浜を本拠地にしてた某チーム(吸収合併されて今はない)のお仕事をした事があります。

本拠地は横浜でしたが諸々の事情で、長崎・熊本・鹿児島を「特別活動地域」として九州でも試合をしていたのです。

僕はこのチームのマスコットキャラクターの仕事を受けて、熊本県の水前寺陸上競技場に行きました。

博多駅からJRに乗って1人旅です。

現地に着いて担当さんと打ち合わせ。

どうやらこのキャラクターが熊本に登場するのは初めてのようでした。


近年だとサッカー関係のキャラクターの仕事も、何時に出る、どのタイミングで何をするなんてのがキッチリ決まってますが、この時はほとんど手探りの状態でした。


とりあえず呼ばれたら出る、
紹介のアナウンスが入ったらとりあえず客席にアピール、
後は空いてる時間に客席を回る。
相手チームのサポーター席も回らなくちゃいけないから酷い目に遭わされる(フツーそっちには行きません)

大体そんな感じで、後は勝ったら出る、負けたら出ないって内容でした。

スタッフのいない現場なので、衣裳の着脱から登場のタイミングを計るところまで全部自分1人。

けっこう神経と体力を使う現場でしたが、それからも何度か呼んでいただいて、その度に1人で水前寺に行っていました。

水前寺に向かう電車はいつも満員で座れた試しはなく、現地に着いた時には既にヘトヘトになっているのが常でした。

控え室でグッタリしていると見知らぬオッチャンが入ってきて、

『おっ、今日も頑張ってくれよ!』

と肩を叩いてきたので

『誰やねん』

と思っていたら加茂周カントクだったのだと後で知りました。

僕はサッカー・・・と言うか、スポーツの事は何にも知らないのです。

こんなにサッカーを知らない僕が毎回来ていていいのかと自問した瞬間パート1です。

パート2はと言えば、担当さんに

『出番がない時は試合を見てていいからね』

と言っていただき一緒に観戦していた時の事。

両チーム互いに点を取れずモヤモヤピリピリした雰囲気。

そんな中こちらのチームの選手がボールを蹴った!

そのボールはコロコロとゴールの中へ。

「オォーッ!」とも「アァーッ!」ともつかない歓声があがりました。

僕は知った風な顔をして

『おぉっ!やりましたね!!』

と言ったのですが、

『今のはオウンゴールだよ』

と言われてしまいました。

こんな僕が行ってて良かったんでしょうか・・・




ある日の事。
週末にアクションの現場がありました。

おそらくベストメンバーだったのでしょう、キャスティングを見ると豪華です。

同期や同年代、普段一緒にやってるメンバー総出演です。

しかしそこに僕の名前はありません。

僕は同じ日、サッカーのマスコットに入っていたのです。

アクションショーに入りたかった僕は社員さんに言いました。

『僕もアクションに入りたいです!サッカーの方は他のメンバーでもいいんじゃないですか!?』

社員さんは

『でもな…』

と言いながら、1枚の書類を出しました。

それはクライアントさんからの書類で、当日のスケジュールが書いてありました。

目を通すと

『15:00 内野氏 現地入り』

と書いてありました。

『先方のご指名やからなぁ』

そう言われたら返す言葉もありません。


指名していただけるというのはありがたい事だし嬉しい事です。

自分の仕事が上手くいっているという指標でもあります。

僕もここでは一旦納得したのですが…


後日、僕が入っていないアクションショーのリハーサルが行われました。

経験した方も多いでしょうが、
自分が入っていないリハや本番を見るのは本当にツラいんです!

楽しそうに盛り上がってる仲間達、
熱く頑張っている仲間達、
でもそこに自分はいない…

何だか自分1人が取り残されたような寂しい気持ちになるんです…

寂しくなった僕はしみじみと愚痴をこぼしました。

『大体さぁ、何で俺だけ入ってないん?愚痴愚痴…
マスコットは俺じゃなくても出来るやん…愚痴愚痴…
自分がアクションで必要とされてないみたいで凹むよなぁ…愚痴愚痴愚痴…』


すると、隣りで聞いていた吉田にぃやんが言いました。

『そんなに言うんなら断れば良かったやん。
嫌でも引き受けたんやろ?
自分が引き受けたんならその後に愚痴愚痴言いなさんなよ。』


にぃやん!

何てキチンとした正論!

…そうだよね…
甘えてたんだね俺…

諭してくれてありがとうにぃやん!

俺、熊本で頑張ってくるよ!


今の僕があるのは吉田にぃやんのおかげなのです。
2010-02-17(Wed)

アクションへの道(55)

何も思い付いてないのに見切り発車で書き出してしまいました(笑)

果たして僕は何を書くつもりなんでしょうか。

1993年、

しかも1993年の楽しかった事…


そういや、この年の前半はたまに怪人にも入ったなぁ…

レッドとの1対1で、レッドの蹴りが毎回右手の親指に直撃して、指がアザで真っ黒になってたなぁ…


今となっちゃ楽しい思い出だ。


その1対1で、剣を上手く使えずに困ってた時に、吉田にぃやんのアドバイスで助けてもらったなぁ。

あれは目からウロコで、その後の剣の使い方が広がったんだよねぇ。

にぃやんあの時はサンキュー♪


以前書いたように、この年の戦隊はカンフーモチーフでポーズが難しかったんですけど、ある日の現場でテレビと違うオリジナルのポーズをやってみた事がありました。

前日にショーの夢を見て、その中で僕は全く違うポーズをやっていたのです。

『これは天啓か!?』

そう思い夢の中のポーズをやってみたのですが、怪人役でそれを見ていた吉田にぃやんからは

『いやぁ、今日のポーズはダサかったねぇ!』

と言われてしまいました。
夢は夢のままがいいのですね。


おっ、この箇条書きスタイルは意外と書きやすいぞ!

膨らみそうな話がない時はこれで書いてみよ♪

2010-02-17(Wed)

ソーリー&サンキュー

ここんとこ更新サボってスミマセン!

何だかバタバタしてました!!

ご存知の通り、毎回長文ブログの男なので、
時間と気力に余裕がある時しか更新出来んのです・・・

1回1回をもっと短くしようと頑張ってるんですけどね。

普段の口数の多さがここでも発揮されてるカンジです。

ちょっと落ち着いたらまた頑張って書きますね♪

数少ない読者の皆様にお詫びと感謝!!
2010-02-13(Sat)

アクションへの道(54)

1993年当時、戦隊ショーに力を入れていた事は事実ですが、
それでも、
『メタルヒーローのショーしかない週』
なんてのもあるワケです。

すると、普段冷遇されているメタルヒーローショーのキャスティングがグッと豪華になります。

豪華になるからこそ
『素面(すめん、素顔の事)
でのショーが出来るワケです。

キャスティングが豪華になるという事は、ベテラン率が高くなる、という事でもあります。

素面でのショーは、セリフこそ口パクですが、実際の俳優さんと同じ事をしなくてはいけません。

段取りに追われていっぱいいっぱいの若手では無理なのです。

普段マスクを被って、視界も悪く呼吸もままならない中で最高のパフォーマンスを見せるベテランが、
視界良好、呼吸し放題でショーをしたらどうなるか・・・??

テンションはいつもの倍以上!!
動き・気迫ともすさまじく、それがダイレクトに客席に伝わります。

・・・まぁ、それで、

『おいおい、そりゃやりすぎちゃうのん』

って事態にもなるワケですが・・・


この時のショーパッケージ、クライマックスで2回ほど短いナレーションが入る部分がありました。

『その時!●●の体内で異変が起こった!!』

てな感じのナレーションです。

僕らはここでいつも、舞台上がストップモーションになる(お約束ですよね)演出をつけていました。

えてしてストップモーションのシーンでは、

『いかに無理な姿勢で止まるか』

がアクターの課題になるワケですが(これもお約束ですよね!?)、素面でテンションが上がってると、やる事もエスカレートしてきます。

真剣なシーンなのにウケ狙いに走ったり・・・


ある日のショーで、僕は悪の幹部でした。

当時21才です。

ボスを演じていたメンバーは1つ年上の元ラガーマン。

最初は、堂々としたボスに従うクールな幹部、という設定で始まったのですが・・・

悪役の長台詞の間にアドリブが加わっていき、設定が崩れてきました。

ヒーローを倒したボスが、勝ち誇りながら急に僕の肩を抱いたのです。
まるで恋人を抱き締めるように。

そこで『ボスに従うクールな幹部』という設定は何故か

『ボスの為なら命を捨てる事も辞さない愛人幹部』

に変更されたのです。

急に内股になり、口元に手をあてて笑う僕・・・

そんな中、例のナレーションのシーンが近づいてきました。
さて、どんなポーズで止まろうか・・・

ふとボスを見ると、ボスは僕に向かって両手を広げています。

『さぁ、飛び込んでおいで』

って事です。

僕はしなりしなりと近づいて、元ラガーマンの胸に抱かれました。

ボスがサングラス越しに僕を見つめています。
僕も見つめ返します。
するとボスは、首をわずかに右側にかたむけました。

『あ、そーゆー事か』

僕も首を右にかたむけ・・・

熱いキスシーンでストップモーションを迎えたのでした・・・


これ、ホントは駄目な事ですよ!!
やったらあかん事ですよ!!

客席の皆さんは一体どう思った事か!!
足元にはヒーローが倒れとるというのに。

我々も偉い方や厳しい方がいらっしゃる現場では出来なかったハズです。
この時はノリのいいスタッフさんだったから強行したのですが・・・


戦隊の現場があまりにもシビアだったのでこっちの方に反動が来てしまった・・・

なんて言い訳を考えてみましたが、単に我々の悪ノリのしすぎですね。

当時の観客の皆様、関係者各位に深くお詫びいたします。

ホント申し訳ありません。


でも、ただふざけてやった部分もあるけど、

『どうやったらショーが盛り上がるか』

を真剣に考えた結果、変な方向に進んでしまった・・・という側面もあるんですよ。

だって、このショーのパッケージもが付くほど面白くなかったんですもの・・・


『面白くないものを面白くするには、常識という殻を破ってみるしかない』(内野 武・無職)


・・・名言風に締めてみましたけど、ごまかしきれませんね。

スミマセン・・・
2010-02-13(Sat)

アクションへの道(53)

前回でかなり毒を吐き出してスッキリしました(笑)


ようやく楽しい話も書けそうです♪

どんなエピソードがあったかな~、ルンルン♪




真っ先に頭に浮かんだのは、ショーの最中にスタッフとケンカしたエピソードでした…

いかんいかん!
全然ルンルンじゃないやんけ!

それは少し間を空けてから書きますね。


そうだ!
この年に不遇な境遇だったメタルヒーローのショーについて書こう!



メンバーが戦隊に力を入れ過ぎたが為にメタルヒーローの扱いが悪くなった事は以前書きました。

しかしそのおかげで、かなり自由がきいたというのも事実なのです。

今回のエピソードは…

『それダメなんじゃないの!?』

ってジャンルの話かもしれませんが…

若気の至り時効って事にしてもらえんですかね。



この時期、メタルヒーロー(ショーじゃなくてTVの方)の敵は人間でした。

単なる悪人だったり、強化服を着た悪人だったり、悪人が造ったロボットだったり、悪人が造った怪人だったり…

なのでショーでも悪役はそのような設定になっていました(送られてきた衣裳も人間ぽい物だった)

設定が人間なので、僕らは素面(すめん。素顔の事)で演じる事が出来たのです。

もちろん毎回は出来ません。
ショーの後にサイン会や撮影会がない時に限ります。

悪役はショーが終わるとジャージに着替えてサイン会撮影会のお手伝いに出なければいけません。
なのでショーで顔バレするワケにはいかないのです。

サイン会撮影会がない現場というのは希なので、たまにぶつかると

『よし、今回は素面だな。ニヒッ♪』

となっていました。


~つづく~
2010-02-12(Fri)

アクションへの道(52)

あまり楽しい話を書けない1993年はまだ続きます…



以前、女の子向けの美少女戦士アニメのショーでも似た傾向が…と書きました。

こちらではメンバーの多くが、本来必要な『演技』の技術を磨こうともせず、『名乗り』『必殺技』のポーズ、それと『ダンス』ばかりを練習していました。

そしてポーズしか出来ないメンバー達による『役の奪い合い』が始まりました。

『私の方が(ポーズが)上手いのに何であの子があの役に!?』

『あの子が入ると身長設定が合わなくなるから私が入った方がいい』

などといった、役の奪い合いと言うよりはむしろ足の引っ張り合いです。

そういった子達は

『いいショーをする』

事よりも、

『人気キャラクター扱いできゃーきゃー言われる事』

に酔っていた気がします。
(違うかもしれませんが、ここでは僕の主観を書きます)

この時期のエピソードで覚えている事があります。

当時はビデオカメラが普及してきて、僕らも現場でショーを撮影する事が多くなりました。

撮影した日は、現場から帰って衣裳を洗濯して干して、反省会をして報告書を書いた後にみんなで道場のテレビでビデオを観るのです。

これ、班数が少ない時は問題ないのですが、ゴールデンウィークなんかに5班も6班もあって、みんなビデオを撮ってきた日にゃ大変です。

現場から帰った順番に先ほどの洗濯→反省会→報告書を終えてからビデオを観るのです。

観てる間に続々と他の班が帰ってきます。

順番待ちの列が出来ます。

もしも5班あった場合、ショーの時間が30分としたら、最初のチームが観終わってから最後のチームが観始めるまで最短で1時間半かかる事になります。

最初のチームが観終わったのが19時だとしたら最後のチームが観終わるのが21時です(最短で)。

ショーメンバーには高校生も多く、特に女の子は門限が厳しい子もいるので、21時までビデオを観てるワケにもいかなかったりします。

『そこまでしてビデオを観る必要があるのか?』

あるんです!

自分達の動きを客観的に見るのが一番の勉強になるんです!
そしてイマイチな箇所を修正していくんです!

だから出来るだけみんながビデオを観れるのが望ましい。
特に経験の浅い若手には観てもらいたい…

なので、自分達が観る前だったら高校生がいる班に順番を譲ったり、観てる最中だったら動きが少ないシーンを早送りして時間を短縮したりしていたワケです。


ある現場の日。

道場に帰ると、美少女戦士チームがショーのビデオを観ていました。

まだショーの部分は始まっておらず、遊園地のエントランス前で子供達を出迎えているシーンでした。

手を振ったり握手したりする自分達の一挙手一投足にキャッキャ言って喜んでいます。

そのはしゃいでる姿からは

『自分大好き!』

というオーラが放出されていました。

それを横目に僕らは洗濯をし、反省会をし、報告書を書き、ビデオの順番を待ちました。

僕らの班には門限のある女子高生がいたので出来るだけ早く順番が来るのを祈るばかりです。

美少女戦士ショーのビデオはなかなか進みません。

自分達のポーズやお気に入りの動きやダンスを何度も何度もリピートするからです。

相変わらずキャッキャ言ってます。

ショーが終わりました。

しかしビデオは終わりません。

サイン会や撮影会の模様もしっかり収められていたからです。

撮影会での自分達の決めポーズをお互いに褒め合っています。

後ろで待ってる僕らはイライラしていました。

ウチのメンバーの門限がどんどん近付いているからです。

ビデオでは撮影会が終わりました。

画面の中で司会のお姉さんが言いました。

『それじゃ美少女戦士のみんな!ステージから降りて会場のみんなと仲良くなって下さ~い!』

楽しげにうなずいて子供達の所に走っていく美少女戦士達。

握手会が始まりました。

会場狭しと移動し、握手し、写真を撮る美少女戦士達…

観てる連中はキャッキャ言ってます。

『●●ちゃんのポーズが一番上手いよね~♪』

『この役はやっぱり●●ちゃんじゃないとね~』

キャッキャキャッキャ

キャッキャキャッキャ

キャッキャキャッキャ


そして、ようやく握手会が終わり、美少女戦士達はステージ上で子供達に別れを告げ去って行ったのでした…


僕らは1時間ぐらい待ったでしょうか。

反省も改善もなく、ただ自分達を鑑賞するだけの1時間…

はぁ…
高校生を時間通りに帰らせる為には自分らのビデオは飛ばし飛ばしで観るしかないな…



なんて思っていると、テレビの前の一群からこんな声が聞こえました。

『はぁ~、サイコーやったね~♪
じゃあ2ステージ目も観ようか♪



・・・・・・


この時の僕を例えるなら、ひ弱な不動明に勇者アモンが憑依し、デビルマンが誕生したかのような…


『悪魔はオマエらの中にいるッ!!』


…違った、

『オマエらふざけんなぁッ!
さっさとビデオ持って出て行けぇッ!!』




結局ウチの高校生メンバーはビデオを観る事が出来ず帰っていきました。

追い出された美少女戦士メンバーは事務所に駆け込み、泣きながら

『内野さんは私達にビデオも観させてくれないんです!』

と訴え、社員達を巻き込んで

『内野って酷い奴やね!』

って話をしてたらしいですが。



いくらプロのアクター(アクトレス)とはいえ、衣裳を着てキャラクターになりきって喜んでるだけでは、それはただのコスプレです(コスプレを非難するものではありません。キャラクターショーとコスプレは全く別物だと言いたいのです)

プロのアクターは手段として衣裳を着けるのです。

変身が目的になった時点でプロ失格、アクター失格です。


しかし問題はまだまだありました。

浮かれていたのは女の子ばかりではなかったのです。

当時、ショーのスタッフは基本的に社員さんが務めていました。

ほとんどがいい年したオッサンです。

なので、若い女の子が集まってキャッキャ言ってる美少女戦士の現場が大好きだったみたいなのです。

なぜ僕がこんな事を書くかというと・・・


僕も時々美少女戦士の現場に入る事があったのですが(当然悪役として)、その時にメンバーの女の子達から毎回のようにこんな言葉を聞いたからです。

『スタッフの●●さんって優しいですよね!毎回帰りに経費でスィーツを買ってくれますもんね!』

は?
アクションの現場では1回も買ってもらった事ないけど??

『▲▲さんは帰りに温泉とか寄ってくれますよね!!』

いやいや、そんな事してもらった事ないし・・・
むしろ▲▲さん、早く帰りたいって車飛ばしてる姿しか知らんし・・・

こんな感じで、社員からして浮かれてデレデレして女の子をチヤホヤして人気取りしてたんです。

男ばかりの現場じゃ経費削減の話ばっかりしてたくせに・・・


ってなワケで、

アクションチームの男は自分の事ばかり考えてピリピリ、
メルヘンチームの女はコスプレ気分でキャッキャ、
社員は女の子の人気稼ぎでデレデレ、


僕が1993年に対して抱いてるイメージはこれに尽きます。
2010-02-10(Wed)

立ち回りいっぱい

2月9日(火)の練習の報告。

僕が練習場に着くと、すでにコミュニティスペースにバナティがいてご飯を食べていました。

そこでしばらくしょーもない会話をして・・・

バナティの真面目な話に僕がしょーもない返事をしてただけの話ですが・・・

まぁそんなしょーもない話をしてたら、
同じテーブルにいた女性は呆れたのかイライラしたのか去って行きました。

女性と入れ替わりにジョーが到着。

ジョーも交えてしょーもない話の続き・・・

なんてしてたら時間になったので練習室に入室。

いつものようにウダウダ着替えてウダウダとストレッチ。

そこへプレもやってきました。

仕事上がりのプレはなんだか疲れていました。

「老けてるね」

と言ったら怒られました。

あまりにもウダウダしすぎな武装です。


限界までウダウダしたので観念して練習開始。

最初のメニューはいつも通り、木刀を持って摺り足の歩法からです。
今週は小練習室だったのでかなり狭く感じました。

狭い中、4人並んでの歩法はお互いに気を使わないとすれ違う事さえ出来ません。
2人ずつ2回に分けてやろうかと思いましたが、単純に2倍の時間がかかるのでやめました。

前進と後退を繰り返した後は、いつもの「前進しながら左右の袈裟斬り」・・・
がやりたかったんですが、狭いので厳しいと判断。
素振りに変更しました。

真っ向を50本、左右の袈裟を50本です。
今年はまず、剣を振る筋力を鍛えようと思います。

素振りの後は型。

これはさすがに2人ずつやりました。

型Aと型B。いつもより回数は少なめでした。

ここで亮ちゃんもやって来ました。
頑張ってるジョーの後ろでいそいそと着替える亮ちゃん・・・
ジョーの突き

型の後は2組に分かれて、剣合わせ、八双受け、柳受けをやりました。
終わってからみんなの木刀を見ると、練習のしすぎでボロボロになってました。
真剣にやってる証拠ですね。嬉しいなぁ。
また新しく買わなくちゃなぁ。

剣の基本練習はここで終了。

いつもならここから手技足技の基本をやっているのですが・・・

立ち回りをする事にしました。

今回は基本ではなく応用、ショーで使える技術、つまり
「立ち回りメインのメニュー」
をやろうと決めていたのです。

と、ここで見学の徳永潤さんが登場。

ここから先は徳永さんが見守る中での練習になりました。

最初は1対1。
手技がメインの立ち回りで、プレの相手は僕、バナティの相手は亮ちゃんとジョーが交代です。

次は別の1対1。
これは剣殺陣です。
ペアは先ほどと同じく。

続いてはプレの1対2。
先週まで1対3でやっていたものを絡みを減らしてやってみました。
頑張りすぎたプレは途中から指の皮がむけてました。
一生懸命やった証しです!

痛そうでしたがドS代表は決してやめさせませんでした。
しかし、
「今後は靴を履いたら?」
という意見を完全拒否したプレはドMさんだったのかもしれません。

プレの後はバナティの剣殺陣。
最近やっている1対2です。
この立ち回りについて僕が出していた課題をバナティは少しずつクリアしていってます。
次は僕がそれを研究して調整する番ですね。

立ち回りが終わった時点で少し時間が余っていたので、手技の基本だけやる事に決定!!

正拳突き(中段・上段)、手刀(横打ち・縦打ち)、受け(上段・外・内・下段)、裏拳(中段・上段・突きを落として)を連続でやって練習終了。

わたわたと着替えて練習場を出る武装一同。
今回もみんな頑張りました。お疲れ様でした!!

徳永さん、帰りに送って下さってありがとうございました!!
2010-02-09(Tue)

練習してきました。

今日は練習日でした!

いま帰ってきた所です。

前回の練習日記はmixiでしか書かなかったので、
今週はちゃんとこっちにも書こうかな。

とりあえずご飯食べてお風呂入って、
余力があったら書きます!

余力がなかったら明日のお昼以降!
2010-02-08(Mon)

アクションへの道(51)

色々と寄り道をしながら戻って参りました。


1993年の話を書いてる最中なんですが、
どうもこの年の話は書きにくい!!

色んな事がありすぎて、
いい事も悪い事もありすぎて書きにくい!!

ので、脱線して現実逃避していたワケですな。


一緒にショーをやってきた人達と話すと

「1993年が一番燃えたね」

って意見がけっこう多いんですよ。

でも僕的には、チーム全体が道を踏み外した時期だと思ってるんです。

このギャップがあるから書きにくいんですよね・・・




高度な技術を要するカンフー戦隊のショーは、アクションに従事するメンバーを虜にしました。
その結果、技術のレベルはあがったものの、みんなが

「自分が満足する事をしたがる」

傾向にあった事は否めません。

この年、それまで社員がやっていたキャスティングを、メンバーの1人が引き継ぎました。

キャスティングの仕事は、

「誰を、どこのショーの何の役に入れるか」

決める事であり、当然その権限を持っています。

キャスティングを引き継いだメンバーはショーに入っている現役です。
練習熱心でヒーロー役としても頭角をあらわしていました。
彼はカンフー戦隊の主役の1人に入っていました。

しかし、立ち回りはヒーローの技術だけでは上手くいきません。
悪役も上手くなければ決まらないのです。
特にこの年のように難易度の高いアクションは。

彼は自分が入る現場に、技術が高い者を悪役としてキャスティングしていきました。
戦隊なので4人の主役も必要です。
こちらも上から順番に採用しました。

当時のベストメンバーチームの完成です。
これは便宜上(?)1軍と呼ばれていました。

幸いな事にこの時期はメンバーの数、層ともに恵まれていたので、ベターメンバーでもう1チーム組む事が出来ていました。
こちらは2軍と呼ばれ、僕はこちらに入っていました。

戦隊のショーが2班稼動する時はこの1軍2軍で動く事がほとんどでした。

まぁこの時点でもキャスティングの自己中心的な職権乱用感(僕らから見たら)があって一部から不満があがっていたんですが、実はもう1つ、別の問題があったんです。


以前、この『アクションへの道』で、
メタルヒーローショー
について書きましたよね?『アクションへの道(37)(40)』あたりです。

このメタルヒーローショー、1993年にも行なわれているんですよ。
しか~し・・・

アクションメンバーを、上手い奴から1軍2軍に持っていかれたら、メタルヒーローショーのメンバーはどうなっちゃうの??

って事ですよね。

実際、ヒーロー役に上手い奴を1人キャスティングして後は新人だらけ・・・なんて事はざらでした。
おまけに練習場所も、戦隊チームが道場を独占してメタルヒーローチームを外に追いやる事も多々・・・
(それまでは道場を均等に分けてやっていた)

どうにもこうにも、自分達がレベルの高いショーを出来れば周りの事は知ったこっちゃない、みたいな雰囲気で、しかもそれが当たり前みたいな空気になっていたんです。

そりゃそうですよね。実力があるベテラン達は優遇されてたんだから文句を言うハズがありません。
ベテランが満足してるんだから、下の人間は冷遇されても文句も言えません。

こうしてレベルの上昇とはうらはらにメンバー間の温度差は広がっていったのです。
2010-02-07(Sun)

キャラクターアクションの話(3)

やっぱり歌舞伎にさかのぼってしまいました。

とは言え、僕も歌舞伎の殺陣の知識はないんですよねぇ・・・

本来、殺陣(立ち回り)というのは歌舞伎や能からきた言葉だそうです。

なので、いかにジャンルの違うヒーローショーとはいえ、殺陣(立ち回り)と称してアクションをする以上はその原点を忘れないようにしたいものです。


『殺陣』『立ち回り』というのは、現在では格闘シーンのアクションを指す言葉として混同されていますが、本来は
格闘シーンのアクション『立ち回り』と言い、
立ち回りを構成する型『タテ』と呼んだそうです。

ここから分かるように、アクションというのは本来決められた型『タテ』を組み合わせて作るものなのです。

タテの種類は48手と言われているらしいですが、殺陣師さんによって色々と派生したものを合わせると200手にも及ぶとの事。
しかしこれは、同じ動きで名称が違うものも含めての数ではないでしょうか。

タテにはどんなものがあるかというと、
『天地』『切り身』『文七』『柳』『山形』『千鳥』『空臼』『ギバ』
などなど・・・

僕らがショーで使っていたものや、全く聞き覚えのないものまで数え切れないぐらいです。


前回、1971年の『仮面ライダー』の話をしたので例を上げると・・・

『大回り』・・・主役を中心に置き、大勢の敵が外側を回る。

『竹田返し』・・向かい合って相手の両手を持ち、その手を頭上からもぐらせて背中合わせになり、それをかついで投げる。

この2つなどは僕の中では初期仮面ライダーの殺陣のイメージですね。


最近はリアルなアクションが主流になったのと、伝統を受け継いでいないアクションチームが増えた事で、型に囚われない立ち回りがほとんどになっているようです。
これは時代の流れなので良い悪いではないのでしょうけど、伝統の型を知っていれば、それだけ立ち回りの幅は広がるハズ・・・

なので僕は今、200とは言わなくても、タテ48手の全貌が知りたい・・・

ちなみに、型に囚われない立ち回りを歌舞伎の世界では『むく犬の喧嘩』と呼んで蔑んだとか。


まぁ何のかんの言いながら、僕も書籍などで読み齧ったわずかな知識しかないもので偉そうな事は言えません。

ってか、いつも偉そうに言ってゴメンナサイ。

お詫びに、僕が参考にしているビデオを2本紹介。

『殺陣師段平』
殺陣師段平
沢田正二郎が創立した『新国劇』の殺陣師・市川段平の生涯を描いた作品。

歌舞伎の世界で殺陣師を務めていた市川段平は、沢田正二郎の提唱する従来の歌舞伎から脱却した『リアリティのある殺陣』を作り出す為に人生をかけてこれに挑むのだった・・・

現在につながる殺陣の流れが分かる上に、新しい殺陣を生み出す大変さ、それを行なってきた先人達の血のにじむような苦労・努力を知る事が出来る名作。

これを観たら軽々しく殺陣は語れまへん!!

・・・僕は軽々しく語ってますが・・・(呆)

ちなみに、従来の『タテ』『殺陣』としたのは沢田正二郎だと言われております。

次は

『歌舞伎の魅力 立廻り』
立廻り

こちらは舞台上での立廻りを紹介するだけでなく、タテ師、坂東八重之助による指導風景・稽古風景・演出風景などまで観る事が出来る奇跡の1本!!


伝統を知らない僕は、せめてこういった作品で勉強する事を忘れないようにしたいと思っています。
2010-02-06(Sat)

キャラクターアクションの話(2)

キャラクターアクションの源流、

これには色んな考え方があるでしょうし何が正解か僕は知りません。

でもこのブログは僕の主観を書く場だと思っているので、自分の意見を好き勝手に書いておきます。


キャラクターアクション
特に
ヒーローアクションの源流、
それは
時代劇の殺陣
だと僕は思っています。

現在のヒーローアクションの原点は
『仮面ライダー』(1971)
だと思っているからです。

もちろん『仮面ライダー』以前にもたくさんの特撮ヒーロー番組があったので、それらの影響もあるでしょうが、やはり

『仮面ライダー』がなかったら現在のヒーローアクションは違うものになってただろうなぁ。

と思います。

『いや、俺は戦隊シリーズの影響を…』
『俺は平成ライダーの…』


という人達もいるでしょうが、それすらも『仮面ライダー』が作った基盤の上で生み出されたのだと思います。


ご存じの方も多いでしょうが、『仮面ライダー』のアクションを担当したのは

大野剣友会

という所です。

大野剣友会は本来、時代劇の殺陣を担当する組織で、その実力を買われて『仮面ライダー』のアクションを任されたそうです(実際はその前に『柔道一直線』の殺陣を担当)

まだヒーローアクションのお手本がほとんど無い時代です。

普段は時代劇で日本刀を振っている大野剣友会です。

自分達の培ってきた技術を活かしてゼロから作るしかありません。

そんなワケで、『仮面ライダー』のアクションには時代劇の殺陣が色濃く反映されています。


現在のキャラクターショーで使われているアクションの基本はこの頃に生み出された手(技の事)が多いので、本来の形を知っていると理解し易いし理解が深まります。


僕が

ヒーローアクションの源流は時代劇

と言うのはこういう理由です。


しかし、ひとくちに時代劇と言ってもそこには歴史があります。

さかのぼると、

テレビ時代劇

チャンバラ映画

舞台での殺陣

そして、やはり歌舞伎や能に行き着くのです。



~つづく~
2010-02-06(Sat)

キャラクターアクションの話

アクションへの道はちょっとお休み。


あれから京劇と歌舞伎・・・

カンフー殺陣と日本殺陣について考えてみたんですが・・・

『武術の攻防を京劇のテンポでやってるのがカンフー映画の殺陣』

『歌舞伎用にアレンジした武術が発展したのが日本風の殺陣』


っていう仮定はどうでしょう!?


・・・まだ曖昧ですね。
さらに研究します。


さて、

なんやかんやと偉そうな事を書いている僕ですが、これまで学んできたのはズバリ

ヒーローアクション

だけです。

時代劇の殺陣を学んだ事も無ければ、
刑事対犯人のような現代殺陣もやっていません。
ボクサー対レスラーみたいなのも皆無です。

人間のアクションではなく、キャラクターのアクションしかやっていないのです。


人間とキャラクターでは同じ殺陣をやっても全く違うものになります。

キャラクターの殺陣では、「戦いの演技」に加えて「キャラクターの動き」を加えなければいけないからです。

以前、俳優の本宮憲二さんと少しだけお仕事をご一緒させていただいた時に、憲二さんは

「キャラクターのアクションはやらない」

とおっしゃってました。

普段は作中でアクションをやる事も多い憲二さんですが、一度手伝いでキャラクターをやった時に動きにクセがついてしまって人間のアクションが崩れそうになり、元に戻すのに苦労したからだそうです。

というぐらい人間とキャラクターでは動きが違ってくるのです。

本宮憲二さんオフィシャルサイト(http://www.clevertu.com/index.html)

さて、僕の周りにはキャラクターのアクションに関わる人間が大勢いますが、皆さん一度は考えた事があるのではないでしょうか。

キャラクターアクションの源流って何だろう?

どんな歴史があって現在のアクションが生まれたんだろう?


って。



~つづく~
2010-02-03(Wed)

アクションへの道(50)

あれから歌舞伎と京劇について色々考えたものの、まだ研究不足で結論が出そうにありません。

武術要素と芝居要素の割合の問題なのか、
映像要素と舞台要素の割合の問題なのか・・・

まぁそもそも、ステージで行なうキャラクターショーの殺陣とカンフー映画の殺陣を比較してる時点でまとまるわきゃないのですが!!
なははははっ!!

今後の宿題としてじっくり考えてみます。



1993年の話に戻りましょう。

この年のカンフー戦隊のポーズやアクションはかなりの複雑さで難易度が高かったのですが、それを努力で乗り越えた時の感動はかなりのものでした。

チーム全体の、もしかしたらキャラクターショー業界全体のレベルがこの年に底上げされたかもしれません。

しかし良い事ばかりではありませんでした。

困難を努力で乗り越えた後の落とし穴。

そう、

ほとんどのメンバーが自分に酔ってしまったのです。


難しい事をやるのはカッコイイ。

だからもっと難しい事を練習する。


ここまではいい。しかしこの後、

難しい事ばかりを練習する。

難しい事だけを評価する。


僕の目から見るとそんな風潮が見受けられました。

特にポーズに関してはそれが顕著で・・・

もちろんポーズというのはキャラクターの看板だから力を入れるのも分かる。

しかし・・・


同じ年、とある女の子向けのアニメが大ヒットしました。

何かに代わってお仕置きする、制服っぽいのを着た美少女戦士集団のアニメです。

チームではこの作品のショーもやっていたのですが、奇しくもこちらでも同じ現象が起きていました。

このアニメもやはり各々のポーズ(見得・必殺技)があったのですが、このショーに入ってる女の子達の努力もそこに集中してしまったのです。

その結果、身長やポーズの上手さだけで主役のキャスティングが決まる事も多々あったのです。
2010-02-02(Tue)

アクションへの道(49)

何だか難しい事を書き始めてしまって、確実に迷走している代表です・・・



前回の書き方だとまるで

『カンフー殺陣が速くて日本殺陣は遅い』

みたいに感じた方もいらっしゃると思いますが、僕の真意はさにあらずです。

カンフー殺陣は『全ての攻防』が速いのですが、日本殺陣は
『ここぞという時』
に速いのです。

常にハイテンポ・ハイスピードな戦いを魅せるカンフー殺陣に対して、日本殺陣はじっくりと形や表情、感情を魅せる事に重きを置いている…

これはあくまでも僕の印象であり考えなのですが。

そのじっくりと魅せている時間がいわゆる『間(ま)と呼ばれるもので、これが上手く入ると立ち回りに『メリハリ』が生まれます。

このメリハリが非常に日本的なテンポを作っているのです。

余談ですが、『ただ止まっている』のと『間を取っている』のとは意味合いが全く違います。

『間』というのは歌舞伎の『見得』から派生したものだと思いますが、見得はキャラクターの感情を表す為の演出。
つまり、そこから生まれた『間』も、感情を魅せるものでなければいけないという事ですね。
ただの休憩になってしまってはせっかくの殺陣が台無しになってしまいます。


話を戻しますね。


日本殺陣はカンフー殺陣に比べるとテンポが遅く感じるかもしれませんが、それは攻防に込めた感情の表現を盛り込んでいるから、なのです。

怒りを込めて蹴るのか、
悲しみを堪えて殴るのか、
追い詰められて必死で斬るのか、


『間』はそういったものを表現する為に必要な演出(であり技術)なんですね。


そういえば、京劇にも見得・・・と呼ぶのか分かりませんが、それらしきものがあって、型と様式美で構成された殺陣には歌舞伎との類似を感じます。

もしも日本殺陣の源流が歌舞伎で、カンフー殺陣の源流が京劇だとしたら、この違いを作ってしまったのは何だったんでしょう?


・・・考えた事がなかったので、今から布団に入って考えてみます。
2010-02-01(Mon)

アクションへの道(48)

日本人の殺陣とカンフー殺陣の『速さ』の違いとは何でしょう。


異論も多いとは思いますが、あくまで僕の意見としては、って前提です。


カンフー殺陣は接近戦のイメージがあります。

近い間合いで最短距離で攻撃を出し、しかも攻防一体、技の変化も巧みです。
攻め手は、技を受けられた(かわされた)状態から最短距離で次の技を出す事が出来ます。
そして受け手はかわした状態からすぐに反撃出来るのです。

近距離短打だからカンフー殺陣は速いのです。


比べて日本の殺陣はどうでしょう?

根底に剣殺陣があるので、間合いはやはり剣のそれに近くなります。

攻め手は離れた間合いから踏み込んで技を出すので自然にモーションも大きくなります。
そして技を出し終わった時には、キチンと形が決まっていなくてはいけません。
受け手の受けやよけにもキチンとした形があります。
この辺りにはもしかしたら歌舞伎などの型の影響があるのかもしれません。

キチンと技を出す、キチンと受けてキチンと反撃、それをまたキチンとかわし・・・

この「キチンキチン」が日本殺陣のテンポを作っていると言えます。

では日本殺陣が遅くてカンフー殺陣が速いのか?
カンフー殺陣は良くて日本殺陣は悪いのか?

そうではありません。
だからこそ前回「速さの種類が違う」と書いたのです。
プロフィール

武装代表・内野

Author:武装代表・内野
福岡・久留米を中心に、九州全域で活動している『アトラクションチーム武装』の代表です。

1972年生まれ。
1990年にキャラクターショーの世界に入り現在に至る。

2007年に武装を設立。

武装の活動内容は殺陣教室、殺陣指導、オリジナルキャラクターショー等。

現在は関西コレクションエンターテイメント福岡校さんでのアクションレッスン講師もやらせてもらってます。

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