2009-11-30(Mon)
アクションへの道(11)
1990年12月、とある火曜日の夕方。
僕はついに憧れのキャラクターショーに1歩踏み出そうとしていた!
とあるチームのメンバー募集広告を見て電話した僕は面接の為、福岡市内のとあるビルを訪れていた。
ここか・・・
しかしやっぱり緊張するな・・・
と思いながらビルの前で身動き出来ずにいた僕に声をかけた男性がいた。
「新人さん??」
振り返ると僕よりもいくつか年上であろう男性が立っていた。
きっとこのチームの方なんだ・・・
そう思うとなおさら緊張して、僕はこの時
はいっ!
と答えてしまったっぽい。
すると男性は
「だったら中に入りなよ!」
と言ってビルに入っていった。
僕も慌てて後を追う。
階段を上って3階のドアを開けると畳敷きのフロアになっていて、そこにジャージ姿の人達が数人集まっていた。
どうやらこれから練習が行なわれるようだ。
・・・あれ?面接は??
面接の事は誰に聞けばいいのかな・・・
悩んでパニクっているとジャージ姿の1人が声をかけてきた。
「練習していくんやろ?」
えっ!?私聞いてない!!(by 鳴海亜樹子)
いや、今日は面接のつもりだったので・・・とりあえず見学だけ・・・
「こーゆーのはさ、やってみらな分からんけん、とりあえずやってみよう!」
(ウソやろ!?)…でも、ジャージとかも用意してないですから・・・
「余ってるのがあるけんそれ使っていいよ!じゃあ着替えて!!」
・・・もう有無を言わせぬ勢いです。
ビビりの僕に断る事が出来ましょうや???
結局少しサイズの小さなジャージを穿いて練習に参加する僕。
この日初参加のメンバーは僕を入れて10名。
男性3名、女性7名だった。
男性は僕より年上のメガネくんと、年下の高校生だ。
正拳突きから始まったのか、いきなり右殴りを教えられたのか記憶は定かじゃないけど、右腕がアザで真っ黒になるまで練習した。
帰りに新人同士でお互いの腕を見て
「こんなに激しいとは思わなかったね・・・」
なんて話した記憶がある。
※右殴りでアザが出来るのは僕らが下手だったから。
主役・カラミ共に上手くなれば痛くも何ともナイ。
それと、お腹を殴られるリアクション、顔を殴られるリアクション。
これは全身に力が入ってしまって上手く出来なくて悔しかった。
でも初めてのアクションの練習がたまらなく嬉しかった。
↓1993年頃の僕(現場にて)

練習が終わると、道場に1人の男性が入ってきた。
練習していた先輩達とは雰囲気が違うので
(偉い人なのかな?)
と思ったがよく分からなかった。
その人は新人の男3人を集めると
「どうやった?続けていけそう??」
と聞いた。
新人達は雰囲気を探り探り、はい・・・とか、まぁ・・・とか曖昧に返事をした。
「で、来週ショーがあるけど誰か入れる?」
カイジだったら
「ざわ・・・」
となりそうな空気が流れた。
僕の隣にいたメガネくんはすかさず
「いや・・・その日はちょうどおばあちゃんの所に行かなくちゃいけないので・・・」
と言った。
高校生は
「その日は学校があります」
と答えた。
僕は
その日は空いてると思いますが、まだ1回練習しただけで何の技術もないので、もう少し自信が付くまで本番はちょっと・・・
とやんわりと断った。
すると、
「自信がつくまで練習なんて言ってたらいつまでも自信なんか付かんよ。実際にやってみらな何も分からんし」
と、分かるような分からないような強引な理屈で押し切られました。
やんわりじゃ断れない世界なのか!?
(※ハッキリ断っても押し切られます。人手が足りない時は何が何でもやらされるのです)
でも僕はきっとショーをやってみたかったんだと思います。
ビビりなのでこうして無理矢理に背中を押してもらえてラッキーだったんだと思います。
・・・てなワケで翌週初めてのショーに入る事になりました。
続けて
「正月のスケジュールは?」
と聞かれ、僕と高校生はショーに入る事に。
メガネくんは
「・・・いや、正月は親戚が集まるので・・・」
と答えていた。
メガネくん、きっと続かないな、と新人ながらに思ったが、事実これが最後に見たメガネくんの姿だった・・・
そこで僕はハッと思い出した。
・・・で、面接は??
この時点で僕が知っている情報は、ファイブマンやウィンスペクターのショーをする、らしい、という事のみ。
練習日はどうなっているのか?
リハーサルはどうするのか?
ギャラはいくらでいつ支払われるのか?
交通費は出るのか?
とにかくな~んも分からない!!
誰も自己紹介してくらないから誰が誰で立場はどうなっているのか、ホントにな~んも分からない!!
不安だよ~、不安だよ~(泣)
スケジュールの確認が終わり着替えていると、突然数人がドヤドヤと道場に入ってきた。
「お疲れで~す!」
みんな大きな荷物を抱えている。
「お疲れ様です!!」「お疲れ様です!!」
練習を教えてくれていた先輩達が口々に挨拶を返す。
雰囲気から察するに、今入ってきた方々はかなり上の先輩ではないだろうか。
するとさっき僕らにスケジュールを聞いていた男性が大先輩(多分)達に
「おぉ、ちょうど良かった。新人さんに何か立ち回りを見せてやって」
と言った。
大先輩達が『仕方ねぇなぁ』って感じで畳に上がる。
おお?なんだなんだ?
大先輩達はどうやらショーを終えて帰ってきたところらしい。
その日のショーでやった立ち回りを見せてくれるようだ。
1人のヒーローに数人の悪役がかかっていくアクション。
いままで何度もキャラクターショーを見てきた僕でしたが・・・
この時の立ち回りは
すげぇ・・・!!
と感動しましたよ。
そして思いました。
僕もこうなりたい、と・・・
僕はついに憧れのキャラクターショーに1歩踏み出そうとしていた!
とあるチームのメンバー募集広告を見て電話した僕は面接の為、福岡市内のとあるビルを訪れていた。
ここか・・・
しかしやっぱり緊張するな・・・
と思いながらビルの前で身動き出来ずにいた僕に声をかけた男性がいた。
「新人さん??」
振り返ると僕よりもいくつか年上であろう男性が立っていた。
きっとこのチームの方なんだ・・・
そう思うとなおさら緊張して、僕はこの時
はいっ!
と答えてしまったっぽい。
すると男性は
「だったら中に入りなよ!」
と言ってビルに入っていった。
僕も慌てて後を追う。
階段を上って3階のドアを開けると畳敷きのフロアになっていて、そこにジャージ姿の人達が数人集まっていた。
どうやらこれから練習が行なわれるようだ。
・・・あれ?面接は??
面接の事は誰に聞けばいいのかな・・・
悩んでパニクっているとジャージ姿の1人が声をかけてきた。
「練習していくんやろ?」
えっ!?私聞いてない!!(by 鳴海亜樹子)
いや、今日は面接のつもりだったので・・・とりあえず見学だけ・・・
「こーゆーのはさ、やってみらな分からんけん、とりあえずやってみよう!」
(ウソやろ!?)…でも、ジャージとかも用意してないですから・・・
「余ってるのがあるけんそれ使っていいよ!じゃあ着替えて!!」
・・・もう有無を言わせぬ勢いです。
ビビりの僕に断る事が出来ましょうや???
結局少しサイズの小さなジャージを穿いて練習に参加する僕。
この日初参加のメンバーは僕を入れて10名。
男性3名、女性7名だった。
男性は僕より年上のメガネくんと、年下の高校生だ。
正拳突きから始まったのか、いきなり右殴りを教えられたのか記憶は定かじゃないけど、右腕がアザで真っ黒になるまで練習した。
帰りに新人同士でお互いの腕を見て
「こんなに激しいとは思わなかったね・・・」
なんて話した記憶がある。
※右殴りでアザが出来るのは僕らが下手だったから。
主役・カラミ共に上手くなれば痛くも何ともナイ。
それと、お腹を殴られるリアクション、顔を殴られるリアクション。
これは全身に力が入ってしまって上手く出来なくて悔しかった。
でも初めてのアクションの練習がたまらなく嬉しかった。
↓1993年頃の僕(現場にて)

練習が終わると、道場に1人の男性が入ってきた。
練習していた先輩達とは雰囲気が違うので
(偉い人なのかな?)
と思ったがよく分からなかった。
その人は新人の男3人を集めると
「どうやった?続けていけそう??」
と聞いた。
新人達は雰囲気を探り探り、はい・・・とか、まぁ・・・とか曖昧に返事をした。
「で、来週ショーがあるけど誰か入れる?」
カイジだったら
「ざわ・・・」
となりそうな空気が流れた。
僕の隣にいたメガネくんはすかさず
「いや・・・その日はちょうどおばあちゃんの所に行かなくちゃいけないので・・・」
と言った。
高校生は
「その日は学校があります」
と答えた。
僕は
その日は空いてると思いますが、まだ1回練習しただけで何の技術もないので、もう少し自信が付くまで本番はちょっと・・・
とやんわりと断った。
すると、
「自信がつくまで練習なんて言ってたらいつまでも自信なんか付かんよ。実際にやってみらな何も分からんし」
と、分かるような分からないような強引な理屈で押し切られました。
やんわりじゃ断れない世界なのか!?
(※ハッキリ断っても押し切られます。人手が足りない時は何が何でもやらされるのです)
でも僕はきっとショーをやってみたかったんだと思います。
ビビりなのでこうして無理矢理に背中を押してもらえてラッキーだったんだと思います。
・・・てなワケで翌週初めてのショーに入る事になりました。
続けて
「正月のスケジュールは?」
と聞かれ、僕と高校生はショーに入る事に。
メガネくんは
「・・・いや、正月は親戚が集まるので・・・」
と答えていた。
メガネくん、きっと続かないな、と新人ながらに思ったが、事実これが最後に見たメガネくんの姿だった・・・
そこで僕はハッと思い出した。
・・・で、面接は??
この時点で僕が知っている情報は、ファイブマンやウィンスペクターのショーをする、らしい、という事のみ。
練習日はどうなっているのか?
リハーサルはどうするのか?
ギャラはいくらでいつ支払われるのか?
交通費は出るのか?
とにかくな~んも分からない!!
誰も自己紹介してくらないから誰が誰で立場はどうなっているのか、ホントにな~んも分からない!!
不安だよ~、不安だよ~(泣)
スケジュールの確認が終わり着替えていると、突然数人がドヤドヤと道場に入ってきた。
「お疲れで~す!」
みんな大きな荷物を抱えている。
「お疲れ様です!!」「お疲れ様です!!」
練習を教えてくれていた先輩達が口々に挨拶を返す。
雰囲気から察するに、今入ってきた方々はかなり上の先輩ではないだろうか。
するとさっき僕らにスケジュールを聞いていた男性が大先輩(多分)達に
「おぉ、ちょうど良かった。新人さんに何か立ち回りを見せてやって」
と言った。
大先輩達が『仕方ねぇなぁ』って感じで畳に上がる。
おお?なんだなんだ?
大先輩達はどうやらショーを終えて帰ってきたところらしい。
その日のショーでやった立ち回りを見せてくれるようだ。
1人のヒーローに数人の悪役がかかっていくアクション。
いままで何度もキャラクターショーを見てきた僕でしたが・・・
この時の立ち回りは
すげぇ・・・!!
と感動しましたよ。
そして思いました。
僕もこうなりたい、と・・・
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