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2012-08-07(Tue)

あやかしたんてい(10)


そんなこんなでそれぞれの殺陣を付けたワケですが、紆余曲折ありまして、完成したのは結構ギリギリになってからでした。

僕は殺陣要員みたいな役だったので台詞も少なかったから殺陣に専念出来ましたけど、他の皆さんはそうじゃないですからね。

芝居と殺陣を並行して稽古するのは大変だったと思います。

…で、
何故こんなに回数を取って殺陣の説明をしたかというと…

もし、博覧演記の皆さんが読んで下さったなら、

『あの殺陣はそういう風に作られていたのか!』

と思ってくれたなら、

いつか自分達で殺陣を作る時の参考になるかもしれない、と思っての事です。

殺陣の知識や技術がなくても、システムを知っているだけで少しは役に立つと思ったからです。

どなたか一人でも、何かのはずみでいいから読んで下さって、今後の参考にしてもらえたら嬉しいなぁ。
2012-08-06(Mon)

あやかしたんてい(9)


立ち回りの解説ラストです。

鬼の首領、
いわゆる悪ボス、
大嶽丸様。

大嶽丸様の立ち回りは物語の最後の最後、
本当に少ししかありません。

しかも、その“少し”で倒されてしまう事が決まっているのです。

最後だけ立ち回って負けたのでは、ただの『弱い奴』になってしまいます。

大通連という魔剣まで携えているというのに…

僕は頭を悩ませながら、通常の1対1をつけてみました。

愛結夢と大嶽丸の本気と本気のぶつかりあい、
いかにもラストバトルらしい立ち回りです。

『これをベースに考えればおかしな事にはならんだろう』

という保険殺陣です。

保険殺陣を覚えてもらいながら+αを考えていた時、博覧演記の主宰・巾木氏が1つのアイデアを発しました。

それは、ピンチになった愛結夢が従者・妙懐丸の術を使って大嶽丸に反撃する、というものです。

物語後半、妙懐丸は酒天童子との戦いで命を落としています。

その妙懐丸の術をクライマックスで使う事によって、愛結夢の想いを表現しようという演出なのでしょう。

なんと言っても愛結夢ったら一見、他人の事なんか歯牙にもかけない、ましてや従者の命など気にもかけないような俺様キャラですからね。

それがラストでそんな事したら

『あぁ、愛結夢は本当は従者の死を悼んでたんだな』

って事が見えてくる。

台詞じゃなくて行動で心中を見せるって素晴らしい演出だと思いました。
(この演出の為に妙懐丸の術を印象付ける必要が生じて、妙懐丸役の凪流代表は苦労されたと思いますが)

ならば同様に命を落とした間人(はしひと)さんの術も使っちゃえ、って事で僕が殺陣に盛り込みまして、

ピンチになった愛結夢が、妙懐丸と間人と力を合わせて大嶽丸を討つ

という設定になりました。

『今回は大嶽丸の立ち回りを説明するんじゃなかったの?』

と思われた方、心配無用。

今の話は大嶽丸の話にちゃんと繋がってます♪

ここで愛結夢がピンチを回避する策が生まれた事で、僕はようやく大嶽丸様の強さを表現出来るようになったのです。

もし妙懐丸・間人の術を使わなかったら?

愛結夢は大嶽丸を自力で倒す事になります。

それはつまり、大嶽丸より愛結夢の方が強かったという事になるんです。

満を持して、しかも魔剣を手にして登場したくせに結局弱い悪ボス…

それって、役としてもストーリーとしても最悪ですよね?

それが!

妙懐丸と間人の術で一転するのです!

愛結夢は自分一人の力では大嶽丸に勝てなくなったのです!

大嶽丸はとことんまで愛結夢を追い詰めて良くなったのです!

愛結夢の力をもってしても倒せない鬼、大嶽丸!

これですよ!

おかげで一騎討ちは圧倒的に大嶽丸が優勢。

魔剣・大通連の力を表す為の演出も盛り込んで、大嶽丸様の強さを表現する事が出来ました。

立ち回りというのは、ただ戦いの段取りを付ければ出来るってものではありません。

キャラクターの設定、ストーリーの流れ、ステージ状況、役者の力量、etc…という複雑な要素を上手く組み合わせないと完成しないのです。

愛結夢vs大嶽丸は、構成上不利だった部分を設定で埋めたからこそ成立した立ち回りだと言えるでしょう。

そして、やはり大きかったのは役者さんの力量です。

短い時間と短い立ち回りで強さと存在感を発揮する事、

観ている人に

『あ、こりゃ愛結夢は勝てねぇわ!』

と思わせる演技を魅せる事、

大嶽丸役の銀角さんに求められるものは大きかったのですが、見事にやり遂げてくれました。

僕も配下の酒天童子として安心して従う事が出来ました♪

さすが銀角さん!
2012-07-16(Mon)

あやかしたんてい(8)

『妖師探偵』の主人公の1人、勘解由小路 燈九郎(かでのこうじ とうくろう)。

チャラい感じの探偵さんです。


愛結夢達と鬼達の戦いに巻き込まれて命を落としますが、反魂の術によって大和尊命の魂を宿し復活します。

今回、燈九郎の立ち回りは前半に1つ、ラストに1つです。

前半はまだチャラい探偵なので、

●とにかく逃げ回る。
●カッコつけようとするが戦力にならない
●しかし正義感はあるので女性を守ろうとはする

みたいな感じでした。

ラストは大和尊命の魂を宿しているので

●戦闘力UP
●若干、荒々しい戦闘法
●しかしまだ戦い慣れしていない
●チャラさも忘れていない

という風に立ち回りを付けました。

燈九郎の立ち回りの見せ場はラストしかないので、印象に残りやすい手を付けたつもりです。


その燈九郎の知人にして愛結夢の育ての親の1人、仝惷(どうしゅん)。

普段は俗っぽい面を見せているが、実際はすごい法力を持つ位の高い僧です。

この仝惷の立ち回りは1つだけ、

酒天童子との一騎討ちで命を落とすシーンだけでした。

僕がこの立ち回りで重要視したのは、ズバリ『仝惷のカッコ良さ』です。

台本上では仝惷と酒天童子の力の差は歴然、
一方的に惨殺されてもおかしくない流れだったのですが、それをするのは嫌でした。

先ほど書いたように、仝惷は普段俗っぽくて、ムードメーカーだったりお笑い担当だったりするのですが、その仝惷があっさり惨殺されてしまっては、

『ただのオモロイおっちゃん』

で終わってしまうと思ったんです。


高僧としての仝惷、人格者としての仝惷を表現する為には、

『仝惷ってホントは凄い人なんだ!』

と観客に思ってもらわなくてはならないのです。

酒天童子と互角に渡り合う仝惷、

その強さの源には、愛結夢達を守りたいという思いがある。

だからこそ酒天童子も本気を出す、という事を表現しなければ仝惷が活きてこないな、と。

それに加えて、酒天童子は時間稼ぎをしているという設定なので、じっくりなぶり殺しにしている感じを入れてみました。

結果、仝惷役の龍角さんの名演と相まって素晴らしいシーンになりました。


燈九郎役の凛角さん、仝惷役の龍角さん、お2人とも殺陣の練習をする時間があまりなかったのですが、 僕は全く心配していませんでした。

お2人の芝居を最初に見た時点で、

(きっと立ち回りも上手いだろうな)

と直感的に感じたからです。

何故そう感じたかと言うと、2人とも役を掴むのが上手いと思ったから。

台本から自分の役を掴み、演技を乗せて完成させていく。

これは自分の芝居を理解し確立させていなければ出来ない事です。

そして、芝居を確立させてる人は、立ち回りを演技に変換させるのが上手いんです。

文章で詳細を説明するのはめんどくさいのでやめますが、お2人に絡んでみて、僕は自分の直感が正しかった事を確信しました。

殺陣、立ち回りは技の羅列ではなく、ちゃんとしたお芝居ですからね。

立ち回りの解説、
次回は鬼の首領、大嶽丸様。
2012-07-12(Thu)

あやかしたんてい(7)

間人(はしひと)と是空(ぜくう)。

間人さんは厩戸愛結夢の従者の1人です。

鬼達を倒す最強の術を会得している八百比丘尼なのですが、その術を使った時、彼女は消滅してしまうのです。

物腰は穏やかで言葉遣いも丁寧。
しかし愛結夢の命令とあれば命を投げ出す事も厭わない。

唯我独尊な愛結夢に他人への思いやりを教えたのも間人さんではないか、と思います。

そんな間人さんの殺陣は、

●肉弾戦ではなく術で戦うキャラ
●本気で術を出すと消滅してしまうので、最低限の力しか使わない

という事で、太極拳や八卦掌のようなイメージの立ち回りを付けました。

肉弾戦が専門の金鬼にとっては一番相性の戦闘法でしょうね。

ふわりふわりと舞うように敵を翻弄しながら、吸収した太陽の力を掌から発し、攻撃を捌いたり退けたり、

今回の『妖師探偵』で一番難易度が高かったのが間人さんの動きです。

美しく柔らかく動きながらも戦いに相応しくキレを出さなきゃいけない。

しかも表情は常に飄々と。

間人役の真珠さんは真角さんと同じく格闘技の経験者です。

普段と違う動きに戸惑われたかもしれませんが、柔らかさとキレと微笑みを兼ね備えた最高の立ち回りを見せてくれました。

あんなに難しい動きをマスターするなんて凄い!

そんな真珠さんが演じるもう1人のキャラクター。

間人さんは最強の術を使う前に酒天童子に殺されてしまうのですが、妙懐丸の『式神の術』によって、間人さんに瓜二つの式神が誕生します。

それが是空です。

是空は愛結夢の想いから生まれました。

なので愛結夢の傲岸な性格を色濃く受け継いでいます。

愛結夢に対する敬愛や忠誠心は間人に劣りませんが、間人よりは無邪気な印象を受けます。

間人の術もある程度受け継いでいるとの事。

実際にその術を使って間人のかたき、酒天童子を倒しました。

そんな是空の殺陣は、間人とは正反対の打撃系。

こらは俺様キャラ・愛結夢の性格を受け継いだ故のイメージもありますが、やはり『間人さんとの違いを出したかった』というのが大きいです。

見た目はほとんど変わらないので、せめて動きは大きく変えたいって事ですね。

殺陣初経験で全く違う種類の動きをマスターしなければならなかった真珠さんの苦労は大変なものだったでしょう。

それを見事にやってのける所が

『女優やなぁ~!』

って感じでした。





次回はもう1人の主人公・燈九郎、

そして仝惷(どうしゅん)のお話。
2012-07-09(Mon)

あやかしたんてい(6)


『妖師探偵 妖魔鬼神篇』のメイン主人公、厩戸 愛結夢(うまやどあゆむ)。

聖徳太子と大和尊命の魂を宿して、日本を守る為に鬼や妖怪と戦っています。

そして物語後半、戦いで命を落とした勘解由小路 燈九郎(かでのこうじとうくろう)に大和尊命の魂を与え甦らせます。

なので前半部分では剛柔併せ持つ戦闘法を、
後半では柔よく剛を制す戦闘法を、
と思っていたのですが、やはり3ヶ月ではその違いを出せるレベルまで持って行く事は出来ませんでした。

僕の力不足ですね。

その代わり、ではないですが、物語後半の愛結夢はかなり感情的になっているので、それを表現すべく『がむしゃらに』戦ってもらいました。

愛結夢を演じた衝角さんも回を重ねる毎に気迫が増して、迫力ある立ち回りが出来たと思います。

しかし、『愛と夢を結ぶ』と書いて愛結夢、いい名前ですね♪


次は、愛結夢の従者であり教育係の妙懐丸(みょうかいまる)。

台本を読んで思ったのは、妙懐丸は本来、戦闘向きではないんじゃないか、という事。

愛結夢ほどの戦闘力はなく、間人(はしひと)ほどの術も持たない。

式神を使えるようなので、本来は偵察や遠隔攻撃タイプかな、と。

しかし作中では短刀での立ち回りがけっこうあるんですよね。

そこで考えたのが以下のような設定。

●愛結夢に戦闘術を教えたのは教育係でもある妙懐丸

●よって妙懐丸と愛結夢は同じタイプの戦闘法

●実力では、聖徳太子と大和尊命の魂を持つ愛結夢には遠く及ばない

●従者なので、先に斬り込んで愛結夢の為に敵の隙を作ろうとする

こんな感じですね。

そんなに強くないけど、愛結夢の為に迷い無く戦いに臨む妙懐丸。

博覧演記代表の1人、凪流さんが難しい役どころを上手く表現してくれたと思います。


次回は間人(はしひと)と是空について。
プロフィール

武装代表・内野

Author:武装代表・内野
福岡・久留米を中心に、九州全域で活動している『アトラクションチーム武装』の代表です。

1972年生まれ。
1990年にキャラクターショーの世界に入り現在に至る。

2007年に武装を設立。

武装の活動内容は殺陣教室、殺陣指導、オリジナルキャラクターショー等。

現在は関西コレクションエンターテイメント福岡校さんでのアクションレッスン講師もやらせてもらってます。

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