2012-06-26(Tue)
台本について(2) 時計の針を戻す事は出来ないのだ
ほんわか路線をやめ、いつも通りのハード路線で書く事になった『さやか見参!』の新作パッケージ。
そこには次なる壁が立ちはだかっていました。
新作は、キャストの都合などを考えて、新キャラを登場させない事に決めていました。
そして悪ボスは『幻龍イバラキ』にする事も決まっていました。
子供受けを考えると血讐様では弱いですからね。
主人公側は山吹さやかだけじゃなく、謎の忍者ヒーロー、ヤイバも登場させる事に。
これは男の子受けを狙っての判断です。
さやか、ヤイバ、イバラキときたら、次に子供受けしそうなキャラクターは紅蓮丸ですが、紅蓮丸は諸事情で出さない事に。
となるとイバラキの手下は下忍しかいません。
難しい説明は省きますが、イバラキに手下がいるという事は『第1部』のストーリーという事になります。
ですから新作は過去に遡って『第1部』のエピソードに決定しました。
皆さんは、さやかの宿敵、幻龍イバラキの変遷をご存知でしょうか。
当初は悪辣非道な悪役だったイバラキですが、第2部に入ってから性格が変わってきているのです。
それは一角衆という敵組織が登場したせいでもあるのですが、 悪役というより『孤高の武人』みたいな感じになってきちゃったのです。
第2部の、つまり現在のイバラキは感情に任せて戦う事をしません。
むやみにさやかの命を奪おうともしていないようです。
当然、子供達との修業(おあそび)コーナーもやらないでしょう。
それなのに、今回の新作は、まだ血気盛んな頃のイバラキを、復讐と野望に燃えてさやかの命を狙っていた頃のイバラキを描かねばならないのです。
それは主人公、山吹さやかも同じで、まだ精神的に成熟さていない頃を描かねばならないのです。
これはかなりツラかった!
よく、『キャラクターが勝手に動く』なんて言ったりします。
作品を作らない方にはピンと来ないかもですが、台本を書いていると、キャラクター達が、『あれがしたい』『これはしたくない』『こんな事を喋りたい、いや、喋る!』なんて言い出して、作者を無視して勝手に話を進めたりするんです。
さやか、イバラキ、紅蓮丸はまさにそんな感じ。
今や誰も僕の言う事なんか聞きません。
ただでさえ言う事を聞かないのです。
精神的に成長したそいつらに、
『すまんけど、もう1回だけ昔みたいに戦ってくれんかなぁ?』
なんてお願いしたところで、頷いてくれるハズがありません。
さ)『え~っ!?今さら!?』
イ)『まずは一角衆を倒す。さやかとの決着はその後だ』
さ)『私のお母さんも助けなくちゃいけないんだし』
紅)『あらアンタ達大変ね!ワタシなんて出番がないから楽勝だわ~♪』
僕)いや、それはもちろん続きを書きますけど、今回は過去のエピソードという事で…
さ)『過去のエピソードったって、昔どんな風にしてたかなんて覚えてないわよ~!』
イ)『作者といえど、勝手な都合で振り回されてはたまらぬ。拙者は好きに動かせてもらうぞ。出来るだけ努力はするがな』
紅)『そういえば何でワタシは新作に出ないのかしら?人気がないって事?ショボ~ン…』
みたいにゴネにゴネて、ようやく妥協してくれました。
ただし、やはり
さ)『昔とまったく同じ感じには出来ないわよ!?』
と念を押されました。
そんなこんなで新作の台本は、かつてないほど難航。
作者(僕)とキャラクター達がてんやわんやの会議をしながら書き進めなければならなかったからです。
僕)『ここでこんな風に戦ってくれない!?』
イ)『なに!?今となってはこのシチュエーションで戦う意味が分からぬが…じゃあ、こんな台詞でも入れてみるか!?』
さ)『そういや昔のイバラキってそんな感じだったわね!あれ?こーゆー時、私はどんな風に返してたんだっけ??』
紅)『いいわね、出番がある連中は…ショボ~ン…』
いちいちこんなやり取りがあるので話が進展しなくて(汗)
なんとか書き上げた時には全員で
『お疲れ様でした~!』
と言ってる気分でした。
やっぱりキャラクター達も現在進行形で生きてるんですね。
僕らが
『学生時代のように騒ぎまくろうぜ!』
と言っても無理なように、強引にキャラクターの時を遡らせる事は出来ないんだなぁ、と実感したのでした。
さやか、イバラキ、ごめんね。
ありがとう。
そこには次なる壁が立ちはだかっていました。
新作は、キャストの都合などを考えて、新キャラを登場させない事に決めていました。
そして悪ボスは『幻龍イバラキ』にする事も決まっていました。
子供受けを考えると血讐様では弱いですからね。
主人公側は山吹さやかだけじゃなく、謎の忍者ヒーロー、ヤイバも登場させる事に。
これは男の子受けを狙っての判断です。
さやか、ヤイバ、イバラキときたら、次に子供受けしそうなキャラクターは紅蓮丸ですが、紅蓮丸は諸事情で出さない事に。
となるとイバラキの手下は下忍しかいません。
難しい説明は省きますが、イバラキに手下がいるという事は『第1部』のストーリーという事になります。
ですから新作は過去に遡って『第1部』のエピソードに決定しました。
皆さんは、さやかの宿敵、幻龍イバラキの変遷をご存知でしょうか。
当初は悪辣非道な悪役だったイバラキですが、第2部に入ってから性格が変わってきているのです。
それは一角衆という敵組織が登場したせいでもあるのですが、 悪役というより『孤高の武人』みたいな感じになってきちゃったのです。
第2部の、つまり現在のイバラキは感情に任せて戦う事をしません。
むやみにさやかの命を奪おうともしていないようです。
当然、子供達との修業(おあそび)コーナーもやらないでしょう。
それなのに、今回の新作は、まだ血気盛んな頃のイバラキを、復讐と野望に燃えてさやかの命を狙っていた頃のイバラキを描かねばならないのです。
それは主人公、山吹さやかも同じで、まだ精神的に成熟さていない頃を描かねばならないのです。
これはかなりツラかった!
よく、『キャラクターが勝手に動く』なんて言ったりします。
作品を作らない方にはピンと来ないかもですが、台本を書いていると、キャラクター達が、『あれがしたい』『これはしたくない』『こんな事を喋りたい、いや、喋る!』なんて言い出して、作者を無視して勝手に話を進めたりするんです。
さやか、イバラキ、紅蓮丸はまさにそんな感じ。
今や誰も僕の言う事なんか聞きません。
ただでさえ言う事を聞かないのです。
精神的に成長したそいつらに、
『すまんけど、もう1回だけ昔みたいに戦ってくれんかなぁ?』
なんてお願いしたところで、頷いてくれるハズがありません。
さ)『え~っ!?今さら!?』
イ)『まずは一角衆を倒す。さやかとの決着はその後だ』
さ)『私のお母さんも助けなくちゃいけないんだし』
紅)『あらアンタ達大変ね!ワタシなんて出番がないから楽勝だわ~♪』
僕)いや、それはもちろん続きを書きますけど、今回は過去のエピソードという事で…
さ)『過去のエピソードったって、昔どんな風にしてたかなんて覚えてないわよ~!』
イ)『作者といえど、勝手な都合で振り回されてはたまらぬ。拙者は好きに動かせてもらうぞ。出来るだけ努力はするがな』
紅)『そういえば何でワタシは新作に出ないのかしら?人気がないって事?ショボ~ン…』
みたいにゴネにゴネて、ようやく妥協してくれました。
ただし、やはり
さ)『昔とまったく同じ感じには出来ないわよ!?』
と念を押されました。
そんなこんなで新作の台本は、かつてないほど難航。
作者(僕)とキャラクター達がてんやわんやの会議をしながら書き進めなければならなかったからです。
僕)『ここでこんな風に戦ってくれない!?』
イ)『なに!?今となってはこのシチュエーションで戦う意味が分からぬが…じゃあ、こんな台詞でも入れてみるか!?』
さ)『そういや昔のイバラキってそんな感じだったわね!あれ?こーゆー時、私はどんな風に返してたんだっけ??』
紅)『いいわね、出番がある連中は…ショボ~ン…』
いちいちこんなやり取りがあるので話が進展しなくて(汗)
なんとか書き上げた時には全員で
『お疲れ様でした~!』
と言ってる気分でした。
やっぱりキャラクター達も現在進行形で生きてるんですね。
僕らが
『学生時代のように騒ぎまくろうぜ!』
と言っても無理なように、強引にキャラクターの時を遡らせる事は出来ないんだなぁ、と実感したのでした。
さやか、イバラキ、ごめんね。
ありがとう。