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2012-01-23(Mon)

アクションへの道(315)

Enz代表よっちぃ~さんの計らいで、佐世保にて

『忍者ライブショー さやか見参!』

を公演する事が出来ました我らアトラクションチーム武装。

同じ月にもう1度長崎で、よっちぃ~さんに声をかけていただいて『さやか見参!』を公演しました。

ありがたい事です。

この時は確かキャスト4人だったのかな?

草ヶ江での初ショーと佐世保のショーで手応えを感じていたので調子に乗ってましたが…

やはりキャストが1人減ると全然見栄えがしなくなりますね。

後でDVDを観て反省しました。

せっかく呼んで下さったのに…

よっちぃ~さん、ごめんなさい。

そして…

この2ヶ月後…

『九州ローカルヒーローフェスタ 2008』
への出演です。

文化会館の大きなステージでの『さやか見参!』、気合いが入りました。

気合いが入り過ぎて空回りしました。

僕はこのフェスタ用に小道具を作りました。

ビニール製のマネキンです。

空気を入れて膨らます事が出来るマネキンを作って、それに山吹さやかの衣裳を着せたのです。

さやかを捕らえてとどめを刺すと空気が抜けてしぼむ、『山吹流・替わり身の術』を表現したかったからです。

とはいえ、ビニール製のマネキンなんてどう作っていいかさっぱり分かりません。

仕方ないので、テーブルクロスを買って来て、切りまくって貼りまくって何とか形にしました。

なんでそんなものを出す事にしたのか、台本を書いた自分を問い詰めてやりたいです。

ちなみにこのエアさやか、現場では『ダッチさやか』と呼ばれていました。

武装、ゲスなチームでございます。

ショーの本番で、

『捕らえたさやかを連れて来い!』

と言われ、下忍がダッチさやかを抱えて連れてきた時、全ての観客が

『あっ、人形だ』

と思った事でしょう。

僕も思いました。

ダッチさやかを使用したのはこの時のショー1回きりです。
2012-01-16(Mon)

アクションへの道(314)

キャラクターの地位向上にちなんでもう1つ言うなら、

『アテンド』

という仕事の重要性を広める事も大切だと思います。

アテンドというのはキャラクターを誘導したり、子供達の呼び込みをしたりしてる人の事です。

キャラクターの隣りで、

『さぁ、●●君がやって来たよ!握手したいお友達はいないかな!?』

とか

『叩いちゃ駄目だよ~!●●君、痛い痛いって泣いちゃうよ~』

とか

『●●君!次は向こうのお友達の所に行ってみようか!』

なんて言ってる人、それが『アテンド』です。

このアテンドという仕事が、これまた理解されてないんですね。

ウチ(武装)の場合、着ぐるみアクター派遣のご依頼をいただいた際に必ず

『アテンドは付くんでしょうか?』

と尋ねます。

武装では、アテンド無し、アクターのみのご依頼は(申し訳ありませんが)お断りさせていただいてるんです。

『現地でイベントの実行委員が付きます』

とか

『手の空いてるスタッフを付けます』

とか言われる事がほとんどなんですが、そんな時は

『申し訳ありませんが、正直な所、素人さんにアテンドは出来ません』

と答えるしかありません。

素人さんのアテンドに対する認識は、

『キャラクターの隣りに立ってる人』

なんです。

そりゃ素人さんだからアテンドの仕事が分からなくても仕方ありません。

でも、何も分からない人が隣りに立ってても、こちらとしては邪魔なだけなんです。

アテンドの仕事というのは、

『キャラクター(着ぐるみ)の行動を補う事』

です。

キャラクターの身振り手振りを補足し、

子供達に声をかけて、

子供達の声をキャラクターに伝え、

悪い子は注意し、

キャラクターの死角を守り、

子供達の無軌道な動きを制御し、

移動などの現地対応を的確に行ない、

アクシデントに対応する。

それがアテンドの仕事。

以上の事が素人さんに出来るでしょうか?

出来ません。

アテンドというのは、

『キャラクターが何をしたいか、何が出来るか』

を把握している人じゃないと出来ないんです。

その上で、笑顔でキチンと喋れる人じゃないと無理なんです。

昔、現場で素人アテンドを付けられた事がありました。

僕の両腕は悪ガキどもに掴まれ殴られ蹴られ、良い子と握手する事も出来ません。

良い子達は握手をあきらめて次々と去って行きます。

悪ガキを力づくで振り払おうかと思いましたが、良い子がお腹に抱き付いています。

いま大きく動けばその子も転んでしまう。

僕が両腕を使えないのをいい事に悪ガキ達がファスナーを下ろし始めました。

本来の目的地のブース前にも行けません。

素人アテンドは、

そんな状態の僕を、

3mほど離れた場所からニコニコと眺めていました。

ただ棒立ちで、ニコニコと眺めていました。

『つ、使えねぇ!!』

そのうち彼は、

そろそろ移動しないと時間がない

と思ったのでしょうか、

死角から突然僕の腕を掴んで思いっきり引っ張ったのです。

予想外の衝撃に僕は倒れそうになりました。

もし僕が倒れたら周りの子供達まで巻き込んでしまいます。

僕は必死に堪えました。

子供達は前後左右から僕にしがみついているんですから。

しかし素人アテンドは僕を引っ張り続けます。

無論僕は歩ける状態ではない。

彼は言いました。

『もう移動しないと時間がないから』

そんな事ぁ最初から分かっとるわ!

オマエが使えんからこうなっとるんじゃ!

僕は首をぶんぶん横に振りました。

(今の状態じゃ動けない!引っ張られたら危ない!子供達をどかしてくれ!)

ぶんぶん。

僕が移動を拒否したと思ったのでしょう。

彼は

『いや、ホントに時間ないから』

と言いました。

もうどうしようもない。

僕は彼にぐいっと顔を近付け、出来るだけ小さい声で言いました。

『いま動いたら危ないんじゃ!腕を引く前に子供をどかせ!』


アテンドの仕事がいかに大切か、その一端でも分かっていただけましたでしょうか。
2012-01-15(Sun)

アクションへの道(313)

前回の続き。

スタッフさん達はアクターの体力にも気を使ってくれてました。

事前に

『今日はこういう事をするけど、どのぐらい(の時間)なら大丈夫そう?』

と訊いて下さったり、

『ごめん!今回は1時間半ぐらいかかりそう!
無理しなくていいから!
途中でヤバいと思ったら合図して!』

と言って下さったり。

それは僕らアクターが全力で演技する事を分かって下さってるからなんですね。

夏場のロケではカメラが止まる度にタレントさんが声をかけてくれました。

僕はロボットのキャラクターを演じていたので、

『おいおい無理しなくていいぞ~!ショートしてないか?バッテリー切れてないか?』

なんて感じで。


またまた余計な事を書きますけど…

キャラクターの扱いが酷い現場ってあるんですよ。

夏場の炎天下に、平気で2時間ぐらい着ぐるみを出したりするんです。

おまけにそれを、

『俺はキャラクターを炎天下に2時間出しっぱなしにしてるからね!』

なんて自慢気に語ったりするんです。

これは現場の善し悪しじゃなくて、キャラクターを扱う人の善し悪しですね。

そんな自慢話を聞かされるとこちらは

『炎天下に2時間は殺人行為ですよっっ』

ってやんわり批判するしかないんですけど、そーゆー人に限って、

『俺もたまに入るけど2時間ぐらいはやるよ?』

なんてドヤ顔で言うんです。


プロが入る2時間と素人が入る2時間を一緒にしないでいただきたい。


例えば有名テーマパークのキャラクター。

いつ見てもキャラクターでしょ?

動きに隙がないでしょ?

キャラクターって、

例えばキャラクターとしての姿勢を維持する為に、アクターは中ではけっこう無理な体勢になってたりするんですよ。

腰とか肩とか膝とかにめちゃめちゃ負担がかかる体勢。

それで日常生活の何倍もの筋力を使って、人の何倍も大きな動きをしてるんですよ、キャラクターの仕草を表現する為に。

なおかつ、視界が悪い中で、安全に気を配りながら、

遠くで子供が手を振っていないか、

近くで子供が握手を求めていないか、

死角に入り込んでる子供はいないか、

泣いてる子供はいないか、

パンチしに来た悪ガキはいないか、

等々注意を払っているんです。

それがキャラクターの仕事だから。

でも、それだけのマルチタスクを炎天下で長時間続けられるハズがない。

プロにだって限界はあるんです。

その限界をいかに引き伸ばせるかがプロの仕事たる部分でもあるんですが…

比べても仕方ないですが、

『俺もたまに入ってるよ~』

なんて素人さんはどうでしょう?

棒立ち。

目線(本人の、じゃなくて着ぐるみのね)はどこ向いてるか分からない。

呼吸したい時はマスクを持ち上げて口を出す。

歩く時はアテンドに手を引いてもらう。

可愛らしさ皆無。

それはキャラクターじゃなくて『人間が入った着ぐるみ』にすぎません。

そんなんなら2時間保つかもしれませんね。

そーゆー人にとってはキャラクターなんて

『演技とかどうでもいいから2時間出ててほしいんだよ!』

って感じかもしれませんが、だったらプロに頼まないでほしい。

『クライアントの依頼に応えるのがプロ』

って考え方もあるかもしれませんが、そんな誇れない仕事、僕は嫌です。

僕らの仕事は『人間が入った着ぐるみ』じゃなくて『キャラクター』なんです。



…なんて…

僕は

『良いものを褒める為に悪いものをけなす必要はない』

が信条なんですけど、比較しないと分からない事もあるので…


とにかく、その番組の撮影は

『キャラクターを大切にしてくれる現場だった』

って事を言いたいだけなんです。
2012-01-14(Sat)

アクションへの道(312)

前回までの流れで…


新年会でスタッフさんと話してまして、

その方が『当時は本当に楽しかった』って言われてたんですよ。

『スタッフも出演者も、全員が1つのチームだった』って。

確かにロケでは、『みんなで番組を作ってる感』がありましたね。

まぁ僕みたいな、テレビ業界を知らん奴の言う事なんでアレですけど。

僕はキャラクターの事しか分からないんでそこだけを語りますが、まずは着替えの場所をキチンと考えてもらってました。

こちらの方が広いんじゃないか、とか、

ここだと移動が大変なんじゃないか、とか、

外から覗かれない場所にしよう、とか。

我々からすると、これは本当にありがたい事なんです。

キャラクター(着ぐるみ)って、ぞんざいに扱われる事が多いんですよ。

一部のクライアントさんにとってキャラクターはただの『客寄せパンダ』。

動きが悪かろうが中身が人間だとバレようが、会場をウロウロしてる事が大事なんです。

『そこのトイレで着替えて』

とか

『5分ぐらい歩いたら俺の車が路駐してあるからその中で着替えて』

とか平気で言われるんですよ。

トイレは断りましたけどね。

着ぐるみが汚れそうだし。

もちろん『番組のマスコットキャラクターだから』というのもあるでしょうけど、ハケ(着替え・待機場所)に気を使ってもらえたのはすごく嬉しかったなぁ。

ちなみに以前も書きましたけど、その『5分歩いて車内で着替え』の現場、

確かに、人間なら歩いて5分の距離でした。

そこに着ぐるみで行くんです。

5分以上かかりますね。

子供達がついてきます。

握手や写真を求められます。

ますます時間がかかりますね。

車に到着したら、覗かれないよう窓に目隠しをします。

時間がかかりますね。

狭い乗用車の中でデカい着ぐるみを脱いでジャージに着替えます。

時間がかかりますね。

脱いだ着ぐるみをもう1人が着ます。

狭い車内で。

時間かかりますね。

車を出ると子供達が群がってきます。

相手をしながら歩きます。

5分以上かかりますね。

結局、会場を離れて着替えて(中身をチェンジして)戻って来るまで30分近くかかってたんです。

クライアントさんは怒りました。

『着替えにかかる時間は15分ぐらいだと聞いてます!!』

そりゃあんた、会場のすぐ隣りに着替えのテントがある場合の話だよ。

会場外まで歩いて、路駐の乗用車で着替えるなんてありえねーよ。

ちゃんと説明しましたが、完全にサボりだと思い込んでるので聞いちゃくれません。

『ちゃんと15分で戻って来て下さい!』

出来ねーつーの。

しかもウチの営業担当に

『アクターがサボってばかりで仕事をしてなかった』

なんて連絡してやんの。

もう言わせてもらうぞ。

ばーかばーか。

ちゃんと説明してない営業担当もばーかばーか。

佐賀県の某建設会社め!!

その会社の社長さんが最後にやって来てスタッフさん達に言いました。

『今日は大盛況で良かった!あんな客寄せパンダ(僕らの事です)のおかげじゃなくて、君達の努力の賜物だ!』

僕は完全にキレまして、社長の目の前でブースを破壊してやろうとしたんですが、現JAEの縄田君に止められてしまいました。

『縄田!机ぐらいへし折ってもいいよな!?』

『内野さん!ここはちょっと堪えましょう!』

止めてくれたおかげで大問題にならずに済んだよ。

ありがとう、縄田君。

…話は完全に逸れましたが、キャラクターの扱いなんてこんなもんだったりするんですよ。

比べるのも失礼ですが、いかに番組のスタッフさんが気を使って下さってたかが分かりますね。
2012-01-07(Sat)

アクションへの道(311)

さて

この『アクションへの道』もいよいよ終わりに近づいている。

現在書いてるエピソードが2008年の5月。

ブログを開始したのも2008年の5月。

つまり、ゴールに辿り着いてしまったのだ。

まぁ読者も少ないので、どこでやめてしまったとて別にかまわないブログなんですが(笑)

それでもちょっと寂しいですね。

もうしばらくお付き合い下さい。


2008年、ゴールデンウィーク。

『J project(劇団)Enz』の代表・よっちぃ~さんに呼んでいただいて佐世保でショーをする事になったアトラクションチーム武装。

代表の不手際による、まさかの黙想のショックを隠せないまま、初めてのジャスターショー観劇。

『ヒーロー連合ジャスター』
ジャスター!

長崎を中心に、西九州で活躍するヒーロー達です。

初めてショーを観た印象は…

「えっ!?えっ!?えっ!!?」

って感じでした。

あ、悪い意味じゃないんですよ!!

正直、僕には予測不可能なショーだったんです。

どういう事かといいますと…

ローカルでもオリジナルでも、キャラクターショー、特にヒーローショーのスタイルというのは、基本的に東●さんのショーがベースになってる事が多いんです。

ストーリーやキャラクター、テーマ等はもちろん違いますが、構成やアクションは、ほぼ●映スタイルと言っても過言ではないでしょう。

2008年時点で僕もキャリア17年ぐらいあるワケですから、東●スタイルのキャラクターショーなら、観ていておおよそ読めるんですよね。

先の展開やストーリーが分かるワケじゃないですよ。

「あぁ、これはこういう事をやりたいんだろうな」

みたいな、「作り手の感覚」が読めてしまうんです。

なので下手をすると、

「あらら、ホントはこう見せたいんだろうに…」

とか、

「この見せ方は、あのテクニックがあって成り立つものなのになぁ」

なんて考えてしまうんです。

ところが、ジャスターのショーは、

読めない。

よっちぃ~さんのオリジナル色が強くて、●映ヒーローショーに慣れきった僕には読めなかったんです。

なので、

「えっ!?えっ!?えっ!!?」

と思ったし、観終わった後、目からウロコが落ちた気持ちになったんですね。
プロフィール

武装代表・内野

Author:武装代表・内野
福岡・久留米を中心に、九州全域で活動している『アトラクションチーム武装』の代表です。

1972年生まれ。
1990年にキャラクターショーの世界に入り現在に至る。

2007年に武装を設立。

武装の活動内容は殺陣教室、殺陣指導、オリジナルキャラクターショー等。

現在は関西コレクションエンターテイメント福岡校さんでのアクションレッスン講師もやらせてもらってます。

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