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2011-10-20(Thu)

アクションへの道(280)

前回からの流れで…

mixiで知り合った女の子、Aちゃんにキャラクターのアテンドを依頼した事があります。

某キャラクターショーチームのOBとの事だったので、仕事面に関しては心配していませんでした。

Aちゃんはその仕事を難なくこなし、僕は『また機会があったらお願いしますねー』なんて言って、その日の仕事は終わりました。

それからしばらくして、『また次の機会』が訪れたので再び彼女にお願いし、快く許諾していただきました。

ところが仕事の前日…

『体調が悪くて明日行けません。動く事も出来ないぐらいキツいです』

という連絡が。

なぁ~~にぃ~~!?

この業界に関わってるなら前日のキャンセルなんか有り得んって分かってるだろうがぁ~~っ!!

めっちゃ腹が立ちましたが、女性に『体調悪い』と言われれば無理を言えないのが男ってもんです(だって女性の身体の事は分からないもの)。

『体調が悪いなら仕方ないね。こっちはどうにかするからゆっくり休んでね』

そう言ってバタバタと代役を探し、無理を言って友達に入ってもらいました。

ふぅ~~、

友達には迷惑かけたけど、何とかなって良かった~~。

そう安堵したその日の夜…

とある知り合いとメールしていると…

『今日は事務所の飲み会なんですよ』

そこはAちゃんも所属している事務所です。

あ、今日は飲み会なんだ…

嫌な予感…

もしかして…

『Aちゃんも来てますよ~』

やっぱりかぁ~~!!

僕は後日、Aちゃんにその事を訊きました。

飲み会行ってたんだよね!?
具合い悪くて動けないって現場ドタキャンしといてそれはないよね!?

『事務所の飲み会なんだから行かなきゃしょうがないじゃないですか!』

動けないって言ってたじゃん!?

『だから飲み会では動かずに座ってましたよ!』

現場ドタキャンしといて飲み会に行くのがおかしいよね!?

『彼氏が現場に行くなって言ったんですよ!?
私と彼氏の間の事をいちいち内野さんに報告しなきゃいけないんですか!?』


こんな事を平気で言う(やる)奴もいるんですね。

キャラクターショーに関わる者として、だけじゃなく、社会人としてダメだろうよ。

女もアホだが彼氏もアホじゃ。

なんと言うか、

この業界に変わった奴が多いのは仕方ないが、

仕事の自覚は持っててほしいなぁ~、

と思ったのでした。
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2011-10-19(Wed)

アクションへの道(279)

結局それから体操の彼とは連絡がつかず、翌日のショーは僕とYちゃんの2人で行ないました。

最初に立ち回りを見せて、後は子供達とのお遊びコーナーという内容で、

おまけに体操の彼は元々アクションには絡まない予定だったので、
特に問題なく進める事が出来ました。

しかし怖いもんですね。

僕らの業界では…

まぁ、どの業界でも…ですけど…

ドタキャンは御法度です。

キャラクターショーは

『キャラクターが何人登場する』

と決まっていて、

そのつもりで金銭が動いていて、

その予定でリハーサルが組まれていたりするからです。

キャスティングが決定した後で

『やっぱり入れませ~ん』

は有り得ないのです。

例えばこの時のケースで言えば、体操の彼が連絡してきたのは前日でした。

これは普通ドタキャンにならないのかもしれません。

しかし、
スケジュールが合う人を探して、
リハーサルをして、
という事を考えると、前日にキャンセルされたらどうしようもないのです。

例えば、

大きなイベントのショーがあるとして、

テレビCMが流れてたりチラシやポスターが貼られていたりして、

リハーサルまで済ませた状況で、

本番前日の夜、メンバーから

『スミマセ~ン、熱が出て~、明日は行けませ~ん』

なんて言われたとしたら。

それで代役が見つからなかったとしたら。

ショーが出来なくなったとしたら。

そのイベントのプログラムは目茶苦茶になってしまいます。

イベントは失敗、

金銭的に莫大な損害が発生するでしょう。

お客様からのクレーム殺到、

主催者からのクレーム殺到、

各方面が迷惑を被り被害を被ります。

1人がドタキャンしたせいで。

この際、関係者やお客様の精神的な被害は置いておくとして、

ドタキャンした奴は、自分のせいで発生した金銭的損失の責任を取れるのか?
って話になってきます。

数百万、もしかしたら数千万の損失かもしれません。

それを埋める用意があって

『熱あるんで行けませ~ん』
と言ってるんなら文句は言いますまい(人間的には最低ですが)。

無理でしょ?

無理ですよね?

まぁこの時の体操の彼は業界の人間ではないので分からなくて当たり前、

むしろ責任は彼にお願いした僕にあるのですが、

少なくともこの業界に足を突っ込んでる以上は、

親が死のうが熱が出ようが、

『受けた仕事はキャンセルしない』

という覚悟が必要だと思います。


ただし!

僕は不誠実なクライアントの仕事はキャンセルする事があります!

※参照『アクションへの道(246)』

周囲に迷惑をかけたとしても、いいかげんな仕事に関わるつもりはありません!!
2011-10-18(Tue)

アクションへの道(278)

忍者ショーを手伝ってもらう為に、mixiで体操関係者を探して何人か当たってみました。

そこで分かったのは、

『体操をやってる人は練習や試合で忙しい』

という事でした。

現役選手はほぼアウト。

ではOBを中心に探してみよう、と方針転換してみたのですが、すでに社会人として働いている人がほとんどで、やはり見つかりません。

『初めてのショーだから、アクロバットとか派手な要素が欲しいんだよな~』

そんな思いにつき動かされながら探していると、ギリギリで1人の男性がOKしてくれました!!

やった!

僕の指示でバク転をするだけなのでリハをするほどの事もありません。

当日の打ち合わせだけで大丈夫なハズです。

僕は彼の登場を含めた台本を書きました。

そしてショー前日…

『スミマセ~ン、やっぱり明日行けなくなりました~、ホントにスミマセ~ン』

というメールが。

えぇっ!?

前日にNG出されても困りますよ!

このタイミングでキャンセルはナシですよ!

『ホントスミマセ~ン』

どうしても無理だったら代役を見つけるとかしてもらわないと困りますよ!!

『・・・・・・』

彼のメールはここで途切れました。
2011-10-12(Wed)

アクションへの道(277)

何だか、すっごく久しぶりの『アクションへの道』!

2007年、慌てて資料を作ったものの企画が流れてしまった『忍者ショー』。

無名のチームが無名のキャラクターショーを売っていく為には実績が必要です。

まずは1回!

どんな形でもいい!

どこかでショーをやらなければ!

焦る僕にお友達のSちゃんが言いました。

『地域の夏祭りに提案してみましょうか?ギャラは出ないと思いますけど…』

是非是非!

ギャラなんか要らん!

頼む!!

…かくしてアトラクションチーム武装、初めてのショーが決定したのです。

今回はパッケージを使用せず、お遊びメインのミニショーをする事に。

よし!さっそくメンバーを集めなければ!

主人公・山吹さやか役は、動けて可愛い女の子じゃないといけません。

そこでキャラクターショーの後輩、Yちゃんにお願いしました。

Yちゃんも快く(多分)承諾してくれました。

僕は山吹さやかのお兄さん、山吹たける役です。

最初に修業のシーンで立ち回りを見せて、後半は子供達とのお遊び、という構成です。

しかし…

2人きりじゃ見た目が寂しいな…

もう1人キャラクターが欲しい…

出来ればバク転とか出来るキャラが…

そこで僕は、mixiで福岡在住の体操関係者を探してみる事にしました。
2011-10-02(Sun)

アクションへの道(276)

1993年の事をふと思い出してしまったので書いておこうかと。

この年の事は以前もかなり書いていて、しかもあまり良い事は書いてないんですが…

今回も良い事は書きません(笑)


1993年は僕らにとって変革の年でした。

それまで僕が所属していたキャラクターショーチームは、ある意味『自由』というか、『好き勝手』というか、

う~ん…何て言うかな…

チームとしての枠を特に定めず、個人個人が自分の技量で勝負してる、みたいな…

そんな風潮だったんです。

なので、すごい人もそうでない人も、自分の引き出しだけでやっていけたんです。

ところがこの年、リーダーが改革を起こしました。

『チームとしての方向性』

という『枠』を作ったのです。

それはTVヒーローのクォリティを再現する為に必要な事だったし、プロのチームとしては本来『当たり前』の事でした。

しかしあまりに変化が急激だったので僕らはとまどってしまったのです。

『枠』というのは非常に厄介で、かつ重要なものです。

それまで自由にやってきた事がかなり制限されたりします。

苦手な事も求められたりします。

得意な事を封印されたりもします。

『自由にやればもっとすごい事がやれるのに!』

そんなジレンマに苦しみます。

でも、

『枠』がなければ成長しないんですよね。

やりたい事を、
やりたい分だけ、
やりたいようにやる、

これじゃ自分が鍛えられないんですよ。

この技を使ってくれ、

この技は使わないでくれ、

30秒の立ち回りに起承転結を入れてくれ、

戦闘員は新人だから簡単な立ち回りにしてやってくれ、

武器を使ってくれ、

等々…

色んな要望を突き付けられ、枠を作られる事で、自分の引き出しが広がるワケです。

立ち回りだけじゃないですね。

『台本書いたらショーが50分になっちゃいましたよ~(笑)』

なんて笑って済ませてる人は、削って削って30分の作品を作るべきだし(子供の集中力は30分も保たない)、

『ホントは5人編成30分のショーなのに、メンバーが集まらないから2人でミニショーしてきましたよ~』

なんて人は、どうにか3人集めて30分のショーをするべきなんです。

『そんなん各チームの自由だろ!』

って言われたらその通りなんで何の文句もありません。

1993年の僕らもリーダーに対してそう思ってました。

でも、数年後にようやく、

『それを乗り越えなきゃ成長しないんだな』

って気付きました。

細野不二彦先生の

『あどりぶシネ倶楽部』

ってマンガの中にこんなエピソードがあります。

自主映画サークルの監督が、3時間の作品を2時間に削るようにプロデューサーに命じられて悩むんです。

プロデューサーは

『プロの作品なら映画館の回転率も考えて2時間前後に押さえなければいけない』

って言うんですけど、監督は

『どのカットも苦労して撮ったから思い入れがあって切れない』

『プロの作品ならともかく、自主映画にそんな足枷は要らないんじゃないのか』

って反論するんです。

これ、

『枠なんて作らず自由にやった方が良いショーが出来るじゃん!』

って僕らの主張と同じですよね。

それに対しプロデューサーはこう言います。

『私たちが作ってるのは「映画」であって「映画の記録」じゃない。
そして1本の映画の中でワンカットのフィルムが生きて輝ける場所はおのずと限られていて・・・

その場所も与えられず、ただスクリーンにのせられただけのフィルムなんて不幸だと思わない?』

これは胸に響く台詞ですね。

自分がやりたい事が全て観客の中で輝くワケじゃない。

演者の主観ではそれをつい忘れがちになってしまう。

より良いショーを観客に提供する為に、リーダーは必要な『枠』を作ろうとしたのだと当時は気付きませんでした。

なので僕はよくリーダーに怒られていました。

リーダーといえども当時は20歳とか21歳ぐらいの若輩ですよ(先輩ですが僕とタメなんです)。

チームを率いてまとめていくのに苦労していた事は想像に難くなく、いつもピリピリと張り詰めた空気を漂わせていました。

後輩達はそのピリピリに萎縮してしまってます。

僕は場を和ませようと少しふざけてみたりしてリーダーの怒りを買っていたのです。

いま思えば、故意にピリピリを出してた部分もあるんでしょうね。

後輩達に緊張感を持たせる為に。

せっかくの緊張感を台無しにするもんだから僕は怒られてたんだと気付いたのはけっこう最近です(遅!)

無軌道だった我々に方向性を示そうと苦労していたリーダーの事を思うと、本当に申し訳なく思います。

しかし、ただ単にピリピリしてた部分もあったハズ。

ある日の練習でリーダーが

『武器を使った立ち回りをするからみんな武器を持て!』

と言いました。

みんなが剣を手に取りましたが本数が足りず、僕1人素手の状態に。

(あれ~っ、剣が足りないや!どうしよう!?)

僕は辺りを見回しました。

そこで目に入ったのは『キックミット』。

僕は閃きました。

(キックミットを腕に付ければ武器っぽいぞ!?)

ガントレットのイメージですね。

ヒーロー物の武器としてもよく使われるモチーフです。

(ガントレットなら剣を相手に防御が出来るしパンチが強そうだし、これはいける!)

僕は確信しました。

(そもそもリーダーは『武器』と言ったのであって『剣』とは言ってないし、みんなが剣殺陣してる中で1人だけガントレット殺陣をやったらインパクトあるぞ!)

僕は両腕にキックミットを装着しました。

(剣がなくても対応出来る!どうよ?俺の発想力!!)

ドヤ顔の僕にリーダーが言いました。

『内野ッ!それは何やぁッ!?ふざけとんかッ!!オマエは練習せんでいいッ!!』

僕の発想力はリーダーには通じなかったようです。

余裕がなかったリーダーが悪いのか、

普段ふざけてばっかりの僕が悪かったのか、

『若さゆえ』って事なのか…

18年前の想い出でした。
プロフィール

武装代表・内野

Author:武装代表・内野
福岡・久留米を中心に、九州全域で活動している『アトラクションチーム武装』の代表です。

1972年生まれ。
1990年にキャラクターショーの世界に入り現在に至る。

2007年に武装を設立。

武装の活動内容は殺陣教室、殺陣指導、オリジナルキャラクターショー等。

現在は関西コレクションエンターテイメント福岡校さんでのアクションレッスン講師もやらせてもらってます。

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