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2011-08-20(Sat)

アクションへの道(255)

ここまでを読んで下さった方は、

『なんだよ、
結局後輩達に偉そうな事言いたいだけかよ』

と思ってるかもしれませんね。

どのエピソードも突き詰めれば、

『後輩達に知っていてもらいたい』

という所に落ち着いてしまうので、そう受け取られても仕方ないかと思います。

まぁ確かに説教臭さや押し付けがましさはありますよね。

もっとやんわりと伝える能力があれば良いのですが、現時点ではまだ身についていないようです。

それでも1つ言えるのは、

僕は偉そうにアドバイスしたいと思った事はない、という事です。

だって自分が後輩より偉いなんて思わないんですもん。

そりゃあ自分を基準にして考えたら、

自分より上だと思える後輩、
自分より下だと思える後輩、
色んなタイプがいるんですけど、

上の奴に媚びるとか、
下の奴に驕るとか、

そんな事ではないと思うんです。

だって何をもって上と言うのか下と言うのかも分からないし、
そんなの自分の基準に過ぎないんだし。

なによりチームの仲間ってのは、良いショーを作る為に競い合ったり一丸となったりする存在であって、優越感をもって見下したりするものではないから。


僕は若い頃エゴの塊でした。

下と思える奴を見ては優越感に浸り、
上と思える奴を見ては劣等感を抱き、
いつも自分を認めてもらう事ばかり考えていて、

それが原動力になって頑張れた部分も大きいんですけど、必ずしもコンプレックスをバネにする必要はなかったかな、って今は思います。

『アイツに負けないように頑張る』



『アイツを見返す為に頑張る』

は似ているようでベクトルが全然違うんですよね。

そう思えた時、初めて

『上手い奴は上手い』

『すごい奴はすごい』

と素直に思えるようになりました。

逆に

『まだまだだな』

って思える後輩は

『まだ至っていない』

というだけの事だと思えるようになりました。

つまり、

『良い後輩』



『良くなろうとしている後輩』

しかいないのだと考えられるようになったのです。


だとしたら上から偉そうに説教する必要はありません。

僕はただ、僕の知っている事、僕が経験した事を、

『何かの参考になればいいな』

と思って語り継ぐのみです。

何となくそれが僕の使命のような気がしているんです。

語り口調が偉そうなのは申し訳ないですけどね。


つづく。
2011-08-19(Fri)

アクションへの道(254)

実際のところ、

『まったく新しいもの』

を作り出す事はもはや不可能だと思います。

長い年月の中でほとんどのアイデアが出尽くしているからです。

それでも、『知っている』と『知らない』とでは、天と地ほどの差があるのです。

かつて僕はショーの台本を書いていました。

パッケージだけでも30本は書いたのではないでしょうか(しゃべりショーの台本を入れればもっとあります)。

キャラクターショーは決まり事が多い(※)ので、おのずとパターンも決まってきます。

※最後はヒーローが勝つ
※子供に分かる内容
※主人公が死んではいけない
※1話完結
※アクションシーンがある

などなど。

そうなると、『全く新しいパターン』を作り出すのは無理だと気付くワケです。

先輩方の話を聞いてみると、同じようなストーリーはほとんどやってるみたいだし。

しかし、先輩方の経験談を聞かない、
ショーの歴史を紐解かない、
経験の浅い後輩達は、そこに気付かないんですね。

初めて台本を書く事になったある後輩は僕に言いました。

『斬新なアイデアを思い付きました!
ヒーローと怪人の身体が入れ替わるんです!』

…いやいや、キャラクターショーではありきたりだから。

他の後輩はこう言います。

『敵に操られてヒーロー同士が戦うんです!
新しいでしょ!?』

新しいでしょ!?と言われても、

『使い古されてるでしょ!?』

としか答えようがありません。

アクションに関してもそうです。

もともと実戦的な武術があり、

それを様式的な立ち回りにして、

様式美が追求されて、

革新派がリアルな殺陣を生み出して、

舞台の殺陣、映画の殺陣、テレビの殺陣などがそれぞれ発展して、

時代劇の殺陣だけでなく現代殺陣も完成されていき、
それらを応用してヒーローアクションが生まれて。

ヒーローアクションも、様式美が入っていたり、

剣劇の影響が見てとれたり、

様式美を廃してみたり、

ボディアクションが主流になってみたり、

いろんな流れがあって現在に繋がっているのです。

それらを知らずに

『すっげぇ新しいアクションを考えました!』

と言ったところで、

『それ、30年前に流行った殺陣だよ!』

なんて事になりかねないのです。

プロの殺陣師、アクション監督は、そういった事を踏まえて新しいものを作ろうとしているんです。

だから本物のプロは研究に余念がない。

僕もまだまだ全然研究不足ですが、

『新しいものを作る為には、古いものを研究する事が必要である』

という事を、ほんの少しでも後輩達に知ってもらえればな、と思いながらブログを書いてたりするのです。


つづく。
2011-08-18(Thu)

アクションへの道(253)

『温故知新』って言葉がありますよね。

古いものを知る事で、現在の事をより理解する、というような言葉です。

僕はこれを

新しいものを作る為には古いものを研究しなければならない

と解釈しています。

『新しい』とは、『過去』や『現在』との比較で生まれる概念です。

すなわち、『過去』や『現在』を知らないものに、新しいものは作れないのです。

新しいものを作る為には、まず古いものを知る事。


かなり極端な喩え話をしましょう。

博多のラーメン店『一蘭』。

その一部の店舗では『重箱』に入ったラーメンがあるそうです。

現在ラーメンの器の主流はもちろん『どんぶり』。

『重箱』は少数派です。

しかし、もし数十年後、『重箱』が主流になっていたら。

『ラーメンは重箱で食べるもの』

というのが常識になって早十数年、

そこに次世代のラーメン界を担おうとする1人の若者が現われた!

彼は言う。

『今のラーメン業界は古いやり方に縛られ過ぎなんスよ。
もっと新しいやり方を考えなきゃ』

『だからね、俺はまず器から見直す事にしたんです。
オッサン達は、ラーメンは重箱って常識みたいに思ってますからね』

『これ聞いたら斬新でびっくりしますよ。
俺、ラーメンをどんぶりに入れようと思ってるんです!』

『かつ丼とか牛丼が入ってるようなどんぶりにラーメンが入ってたらびっくりしません!?
きっと重箱よりも食べやすくなるし、これなら目新しくて、若い奴等も食いついてくると思うんスよ!』

『やっぱり常に、新しいアイデアを出していかなくちゃですね!』


…どうでしょう?

これは極端な喩えですが、
古きを知らずに新しいものを作ろうとすると、こんな恥ずかしい事になったりするんですよ。

キャラクターショーにおいても同じ事です。

仮に『仮面ライダー』をキャラクターショーの始まりとしても(本当はもっと古いですが)40年の歴史があるワケで、

ことアクションに関しては、歌舞伎や能まで遡る事も出来るワケで、

それを知らずして新しいものは作れないと、そう思いません?

だから僕は、僕が知ってる事、僕がやってきた事を書き残して伝えていきたいと思っています。

後輩達が新しいものを生み出せるように。
2011-08-17(Wed)

アクションへの道(252)

僕の言う『楽園』とは、

『無条件に自分を受け入れてくれる居心地のいい場所』

の事です。

誰とも意見がぶつかる事なく、

自分の意見にみんなが賛同してくれて、

みんなで同じ方向を向いて、

楽しく和気あいあいと良い結果だけを残していけるような、

そんな場所を指して僕は『楽園』と呼んでいます。

もちろんこんな場所は存在しません。

ただの幻想です。

なので『楽園』という言葉には僕なりの揶揄が含まれています。

集団で何かを作り出す時、

みんなが良いものを作ろうとしているなら、

そして、自分もそこで何かを主張しようとするならば、

必ず何かしらの『戦い』が生まれるものなのです。

どんなに目的を同じくする仲間でも、

どんなに仲の良い親友でも、

戦わなければ良いものは作れないんです。

『良いものを作る』とはそういう事なんです。

僕は、上を目指そうとしている後輩達には、この

『楽園幻想』

に囚われてほしくない。

なので自分の戦いの記録をブログに記しています。

僕は僕自身の経験しか書けませんが、

良いものを作ろうとしている先輩達は、みんな戦ってきたのだと、

若者達に知ってもらいたいんです。

同期で親友のSくんとも何度も激しくぶつかりました。

現役の頃リーダーだったH氏にも嫌と言うほど歯向かいました。

恩人とも言える社員、大男のKさんにも数え切れないほど盾突きました。

そして同い年の社員、K氏にもどれだけ迷惑をかけた事でしょう。

彼らは全て、アクターとしても尊敬に値する存在であり、僕がお世話になった人達です。

そんな人達とも戦わなければいけない事はあるんです。

この人達だけじゃありません。

同期、先輩、社員、後輩、スタッフやMC、クライアントさん、色んな人がそれぞれ戦って、良いショーを作ろうとしているのです。

それを知れば、安直な楽園探しなど意味がないと分かってもらえるのではないでしょうか。


つづく。
2011-08-16(Tue)

アクションへの道(251)

当たり前すぎる話ですが、

ショーに関わる人のほとんどは

『良いショー』

を目指して頑張っています。

しかしながら各々の考え方がありますので、メンバー同士で食い違ったり、ぶつかったりする事があります。

僕はよく『食い違ってぶつかったエピソード』を書きますので、その場合、相手を非難するような表現を使ったりします。

しかし、『良いショー』を目指してる人は、例えどれだけ意見が違おうとも、尊敬に値する人なのです。

だから僕は出来るだけ敬意を払って、

僕が敬意を持っている事が分かるように書いているつもりです。

この『敬意』が伝わらなければただの悪口を書いていると思われて仕方ないでしょう。

前々回、

『誤解を受けるとしたら自分の文章力の無さ』

と書いたのはそういう事です。


しかし中には敬意を払うに値しない人物も登場します。

良いショーを作ろうともせず、

観客の事も考えず、

ただ自分が楽する事を考え、

ただ自分が利益を享受する事だけを考えている、

そんな人のエピソードを書く事もあります。

そんな時は僕は一切敬意を払いません。

おそらく文章からもそれは滲み出ているんじゃないでしょうか。

そんな違いを読み解いてみるのも『アクションへの道』の楽しさかもしれません。

勝手に書かれてる人達はたまったもんじゃないでしょうけど。

『いつか誰かに刺されるかもしれない』

とビクビクしながら書いてます(笑)


さて、

先ほど、『良いショーを作ろうとしている者同士でも意見がぶつかる事がある』と書きました。

これも後輩達に知っていて欲しい事の1つです。

これはショーの世界に限った話ではありませんが、

他人と意見がぶつかったり、

自分の意見を受け入れてもらえなかったりした時、

簡単に

『あぁ、自分の居場所はここじゃない』

なんて考えて団体を抜けたり別の団体に移籍したり、はたまた自分で団体を立ち上げたり、

そんな風に行動してしまう人ってけっこう多いんです。

しかし別の団体に移った所で結果は何も変わりません。

結局は意見の食い違いが生まれるし、自分の主張が通らない事も当然ある。

気の合う仲間を集めて作った自分の団体だって同じです。

ここで、

『人それぞれ考え方が違うのが普通』

『意見はぶつかって当たり前』

そう思えなければ何度も同じ失敗を繰り返してしまいます。

脱退や移籍を繰り返し、団体の解散と立ち上げを繰り返し、
何の成果も残せないまま年数だけを重ねていく事になってしまいます。

これに対し僕は、

『楽園なんてない』

という主張をするようにしています。

つづく。
プロフィール

武装代表・内野

Author:武装代表・内野
福岡・久留米を中心に、九州全域で活動している『アトラクションチーム武装』の代表です。

1972年生まれ。
1990年にキャラクターショーの世界に入り現在に至る。

2007年に武装を設立。

武装の活動内容は殺陣教室、殺陣指導、オリジナルキャラクターショー等。

現在は関西コレクションエンターテイメント福岡校さんでのアクションレッスン講師もやらせてもらってます。

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