2011-01-10(Mon)
エキストラの申し込みからしばらくして書類が送られてきました。
詳細を読むと時代劇っぽい感じです。
エキストラは野伏せり(山賊)の役らしく、
『長髪の方は切らないで下さい』
と書いてあります。
しまった!
僕はこの書類が届く2~3日前に、かりあげ坊っちゃんカットにしたばっかりだ!
タイミング悪いぜ俺っ!
しかし自分の不遇を呪ってみても始まらない。
出来るだけ早く伸びるように祈ろう。
そうだ。
エロい奴は髪が早く伸びると言われた事がある。
よし!
エロ妄想だ!
妄想し続けるんだ!!
…それはさておき…
撮影期間は1週間ほどあるらしい。
都合のいい日だけでいいみたいだけど、どうせなら全部行きたい…
ってなワケで、バイト先に無理を言って10日ぐらい休みをもらいました。
よくクビにならんかったなー。
ロケの日は朝の7時に新宿に集合という事なので宿泊場所を探さなければ…
そんな事を神奈川在住の親友と話していると、
『ウチに泊まれば?』
と言ってくれました。
え~っ!?
それはありがたいけど実家でしょ!?
ご両親とかめっちゃ嫌がるんじゃないの~!?
とか言ってたらご両親がOKしてくれたらしく、厄介になる事に。
どんだけ図々しいんだ俺。
2011-01-10(Mon)
1997年、僕にとって一番のビッグイベントと言えば、やはり映画のエキストラに参加した事でしょうか。
とある雑誌を読んでいたところ、とある監督が次回作でエキストラを募集しているという記事を発見。
その監督はあるジャンルにおいて絶大な人気を集めている方で、もちろん僕もそれまでの作品を観ていました。
現在『さやか見参!』をやってるのは、その監督の作品が影響している、と言えるぐらいです。
これは行きたい!
参加したい!
しかし…
作品の内容やその他の詳細は全く書かれていません。
ロケ地はおそらく関東です。
もし東京まで行ってみて、監督初の
『フツーのドラマ』
だったらどうしよう!?
という不安がありました。
まぁぶっちゃけて言うと、特撮アクションの監督さんなんですよね。
で、前作(特撮アクション)でもファンをエキストラとして起用していて(しかも自前の衣裳でエイリアン役!)、その作品のようなエキストラだったら参加したいな、と思ったのです。
僕は監督の作品でアクションを担当しているチームの大ファンでして、そのアクションチームの仕事を間近に見れたら勉強になるよなぁ~と思ったのです。
…う~ん…
僕はかなり悩みました。
でも…
確率としては、特撮アクションの可能性が高い!…ハズ…
それにもし、フツーのドラマのフツーのエキストラだったとしても経験じゃん!
応募しちゃえ!!
2011-01-06(Thu)
ショーを肯定的に観るというのはどういう事でしょうか。
これは…
関係者のみを対象としてますねっっ
僕の知ってるアクターさんの中にはプライドの高い人達がけっこういて、そういう人は、他のチームの、他のメンバーのショーをすごい否定的な目で観てたんです。
アラを探す、と言いますか、上手くいってない所を見ては、
『あのぐらいなら俺でも出来るね』
『俺ならあれよりも上手くやれるね』
なんて言って優越感に浸って終わっちゃうんです。
それを思ってはいけないワケじゃないですが、そんなの思うだけにとどめとけばいい事です。
大事なのは
『自分達より良い所を探す事』
なんです。
良い所を見つければ、それで自分も1つ成長出来るワケですから。
技術的に良い所が見つからないショーもあるでしょう(繁忙期の新人だらけのショーとか)。
そんな時は『工夫』を見るべきです。
新人ばかりのハンデをこのアイデアで乗り切ろうとしたんだなぁ…
とか(実際には乗り切れてなかったとしても)。
工夫も見えなかったらパケや演出を見るんです。
それでもダメだったら…
ただ、『う~ん』と思えばいいんです。
優越感に浸らずに、そのチーム(メンバー)の境遇に想いを馳せて、自分達が恵まれた環境にいる事に感謝すればいいんです。
一般の観客の皆さんには全然関係ない話で申し訳ないですが…
何でも勉強だと思って観た方が、きっと得しますよ♪
2011-01-04(Tue)
1997年…
現役引退したこの年からしばらくはあまりショーに入ってないのです。
では何をしていたか?
バイトしてました。
バイトしてお金を貯めて、ショーを観に行く方に回っていました。
当時小学生の弟を連れて行ったりして。
東京の後楽園遊園地には何回も行きました。
雑誌を読んでいて、
『えっ!今週でっかいイベントがあるじゃん!』
って急遽仕事の休みをもらって新幹線で静岡に向かったりと、何故かアクティブでした。
色んなショーを観るというのはとても大事で、自分の固定概念を発見するきっかけになります。
勉強としてショーを観る時は、
●ナマで観る事
●肯定的に観る事
の2つが大切です。
何度も経験しましたが、自分が撮影してきたショーのビデオをみんなで観たりすると、自分が
『おぉ~っ!』
と思うシーンとみんなが
『おぉ~っ!』
と思うシーンが違ったりするんです。
アクターがビデオを観て
『おぉ~っ!』
って言うのは大体テクニックの部分ですね。
蹴りが高い、殺陣が早い、タンブリングが凄い。
でも会場で観客が
『おぉ~っ!』
って言うのはキャラクターの存在感だったりするんですよ。
自分の目の前にヒーローがいる!という感動。
映像ではそれがなかなか伝わりません。
2011-01-03(Mon)
間に1998年のカウントダウンを挟みましたが…
1997年に戻ります。
1997年ラストです。
僕がいた事務所(チーム)では、毎年の忘年会で
『卒業式』
というイベントが行われていました。
これは高校や大学を卒業して就職するメンバーが、
『今までは現役としてショーに入ってきましたが、これからは社会人として一線引きます』
と自分の立ち位置を明確にする為のイベントです。
『現役からOBになるので頻繁には入れなくなりますが、忙しい時には声をかけて下さいね』
という事でもあり、
『第一線は後輩達に任せるからみんなで頑張ってね!』
という世代交代の意味もあるイベントなのです。
(※後にこの制度のせいでチームは崩壊するのですが)
この年の忘年会、同期のS氏が卒業すると聞きました。
アクターとしてリーダーとして、自分なりにやりきったのでしょう。
忘年会の会場でS氏に会うと、彼は僕にこう言いました。
『俺、今年で卒業するけんさ、あんたも一緒に卒業せん?』
多分寂しかったんでしょうね。
でも言われてみれば僕もやりきった感はあったし、卒業してもいいかな~と思えたので、
『そやね。俺も卒業するわ』
とOKしました。
そのせいで幹事をバタバタさせてしまいましたが…
S氏はリーダーとしてメンバーに慕われていたので、酔った後輩達が号泣しながら絡んできます。
『Sさ~ん!いなくなったら寂しいです~!』
『Sさ~ん!今までありがたいございました~!』
『Sさ~ん!やめないで下さいよ~!』
そんな後輩達にS氏は言います。
『馬鹿っ、これからはオマエ達が頑張れっ!』
…いい光景です。
…僕?
僕はもちろん蚊帳の外ですよ?
昔からカリスマが無いもので(笑)
こうして僕は、何とな~く現役を引退したのでした。