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2011-02-02(Wed)

アクションへの道(155)

事件です!

アミューズメントパークのショーに数ヶ月入る予定だった後輩が怪我をしてしまいました!

そのショーでは4mほどの高さからの飛び降りがあったのですが、それで足を骨折してしまったのです。

僕らの事務所では飛び降りの練習などやった事はありませんでした。

やはり不慣れな事をすると怪我をしてしまうのでしょうか。

とにかく代役を立てなければなりません。

数ヶ月間、毎週土日を空けられるメンバーなどほとんどいません。

そこで現場から離れていた僕が入る事になりました。

正直、身体はなまりきってます。

体重は増加しまくってます。

ヒーロー役に入れる状態ではありませんでしたが背に腹は代えられません。

とりあえず走りました。


そして体育館で飛び降りを練習しようとしました、

しかし同行した社員の説明が下手で体育館のスタッフに警戒されてしまい何も出来ませんでした。

僕らがちょっと動くと監視カメラがウィーーン!と追いかけてくるのです。

仕方ないので6段の跳び箱からマットに前宙する練習だけやりました。

そんなこんなで本番当日。

現地に着いて、とりあえず跳んでみる事に。

しかし…

怖い!!

たかだか4m。

おまけに分厚いマットが敷いてあるのに…

飛び降りるのが怖い…

人生でこんな高さから飛び降りた事ないよ…

でも跳ばなきゃ…

本番は数時間後だし…
2011-02-01(Tue)

アクションへの道(154)

いよいよ1998年!

僕が最もショーに関わらなかった年です!

何と言ってもこの年には戦隊のショーに1回も入ってない!

その他のショーにもほとんど入ってない!

練習にも行ってないし…

じゃあ何をやってたかと言うと、バイトしたりショーを観に行ったり…

そんな感じでした…


だから書く事が何にもないんですよね。

申し訳ない!


そんな1998年、某アミューズメントパークで長期のイベントが行なわれ、そのショーに後輩が入る事になりました。

数ヶ月、毎週土日のショーです。

そこにオリジナルの怪人を出す事となり、僕はその衣裳の製作を会社に依頼されました。

期限は3日間、予算は5千円ぐらいでした。

『出来るかっ!』

ってハナシですけど、不眠不休で大赤字で何とか当日の朝に完成させました。

急造したので耐久性も分からず、ただ

『数ヶ月保ってくれ!』

と祈りながら彼(衣裳)を送り出したのでした。
2011-01-22(Sat)

アクションへの道(153)

これまでも何度か書いてきました、僕の弟の話です。

僕がショーを始めたのは一番下の弟が3歳の時。

なので弟は、戦隊物などに興味を持ち始める年齢にはすでに

『ヒーローの中身は人間』

という事を知っていた事になります。

…まぁ3歳なのでハッキリとした自覚はなかったでしょうけど。

それでも一般家庭の(?)子供達とは明らかにショーの見方が違いました。

(何度か書いたエピソードですが)

彼が6歳の時だったか、僕が出演しているショーのビデオを観ながら言いました。

『この戦闘員は本物?』

自分がショーに入っている事を弟に公言していた僕ですが、さすがに胸を張って

『にせものだよ!』

とは言えません。

戦闘員は本物だと答えました。

すると弟は

『でもイエローは兄ちゃんやろ?どうして兄ちゃんと本物の戦闘員が戦いよると?』

上手い説明が出来ずに僕が口ごもっていると。弟は『う~ん』と考えた末にこう言いました。

『そうか!チームが人手不足だから、本物の戦闘員に助っ人に来てもらったんだね!』

…この発言に、僕はかなりの衝撃を受けました。

彼の中で現実と虚構が入り交じって、(子供ながらに)自分が納得のいく答えを見出していたからです。


そして1997年。

僕は近所のホテルのクリスマスディナーショーに母と弟を連れて行きました。

後輩達の戦隊ショーがあったからです。

チケット代はけっこうかかりましたが、弟がショーを楽しんでくれている間に色々と観せてあげたかったのです。

この時、弟は10歳。

他の子供ならキャラクター物は卒業してる年齢かもしれませんが、彼はまだショーを楽しんでくれていました(兄がアクターを演っているというのが影響していたのかもしれませんが)。

ショーが終わって、僕は弟に『どうだった?』と訊きました。

弟は

『ピンクとイエローの声は逆が良かったね』

と答えました。

僕は『子供らしい答え』も聞きたかったのですが、彼ならではの『マニアックな答え』も期待していたので

『なるほどな~』

とうなずきました。


僕が弟に学んだ事の一つは、

『子供がショーを楽しんでいるからといって、純粋に全てを信じ切っているワケではない』

という事です。

もちろん少数派かもしれません。

でも、(子供にとって)例え本物でないとしても、キャラクターショーには子供達を喜ばせるパワーがあると思ったのです。


もちろん演る側は『本物と信じ込ませる』事を大前提として臨むべきです。

でも、観る側には観る側の心理がある。

ファスナーがあろうが顔が見えようが声が聞こえようが、それでも熱中して観てる子供がいるのです。

僕はそう考えて以来、

『テレビとショーは別物』

と、強く思うようになりました。


テレビと違ってショーは

『にせものだとバレる可能性』

がある。

そして

『にせものだとバレていても楽しませる力』

がある。


アクター側にも色んな意見があると思います。

でも僕は、『信じ切っている子供』だけを対象にしたショーよりも、『にせものだと知っている子供』も視野に入れたショーをした方が、幅が広がりそうな気がするんですよねぇ。
2011-01-18(Tue)

アクションへの道(152)

1997年はエキストラのエピソードを書いちゃうと後は特にないんだよなぁ(笑)

忙しい時はショーに入ったりしたけど、

『OBの気持ち』

で、気楽~にやってたなぁ。

いま考えたら『現役』と『OB』でショーに対する取り組み方が変わるのもどうかと思うけど(お客さんには関係ない事ですもんね)、でも実際、

『一線引いた』

感覚はありました。

当然いいショーになるように頑張るんだけど、

『楽しくやりま~す』

みたいな。

まぁ第一線を後輩に譲ってOBになったワケだから、あまり前へ前へって感じになってもね…


前へ前へで後輩にプレッシャーかけるのもアリだったなって今は思いますけど(嫌われるだろうけど)。


忙しい時期だと『OB班』なんてのもありまして…

これはOBばかり集めて作ったチームの事なんですが…

メンバーが足りないと、ショーを退いて久しい大先輩方が駆り出される事があるんです。

ほとんどの大先輩は若手と面識がありません。

ショーのスタイルも世代で変化があります。

そんな大先輩方を現役チームにまんべんなく振り分けると、現役と先輩の双方が居心地悪~い現場になったりするんです。

…仲が悪いとかではないですよ。

見知らぬ大先輩に演出をつける後輩も気を使うし、先輩も現場を離れている自分がアドバイスするのは気が引けるし…

みたいな感じです。

若手社員の飲み会に部長が混じってしまった感じ、でしょうか(知らんけど)。

それならOBはOBで、現役は現役で固めた方がお互い上手くいくだろう、って判断ですね。

まぁOB班とは言うものの、実際は

『OB+新人』班

が多いんですけど。

まだ自己主張のない新人メンバーならOBと組ませても被害が少ない(?)、という事だと思いますが。

そんな

『OB+新人』班

があると、僕はよくその中に入れられてました。

まぁこれは僕に限った話ではないんですが、

OBとも浅~い繋がりがある。

新人とも浅~い繋がりがある。

そんなメンバー(何故か怪人役が多い)はOBと新人の橋渡し役をやらされる事が多かったんです。

数年ぶりにショーに入ってテンションの高い先輩もいれば、逆にテンションの上げ方を忘れてる先輩もいます。
そしてほとんどの先輩は体力が

ガクーーーーン

と落ちています。

立ち回りの時は、体力の落ちている先輩(主役)を出来るだけ動かさないように怪人が動く事になります。

新人に負担をかけすぎてもいけないので、本来なら戦闘員がやるような事も怪人がやったりします。

『次は●●です!』
『大丈夫ですか!?』

先輩をフォローしつつ、

『オマエが先に出てオマエが2番目な!』
『急いでハケろ!』
『かかっていけ!右殴り!』

と、新人もフォローしなくてはいけません。

ショーの後のサイン会や撮影会も大変です。

主役に入っている先輩方の体力を消耗させないように、迅速、かつ丁寧に進行させなければなりません。

サイン会撮影会の時は悪役に入っていたアクターがジャージに着替えてスタッフに変身します。

列を作る係、
子供をステージに上げる係、
子供をステージから降ろす係…

それを悪役アクターで分担してこなすのです。

しかし『OB+新人』班の時、怪人役の周りには新人しかいないのです。

『ここに立って手を上げて、大きな声で「サイン会の列はこちらでーす!一列にお並び下さーい!」って言い続けるんだ!』

『前の子供が写真を撮り終わった瞬間に次の子をステージに上げて主役の前に連れて行くんだ!』

どれだけ具体的な指示を出していても新人さんは上手くやれません。

大きな声も出せないし、ましてや変化に対応するなんて出来るハズがないのです。

そこでまた怪人アクターはあっちこっち走り回りながら新人に指示をしながら大声を出してお客さんを誘導しながら先輩に気を使いながらいつも以上に頑張る事になります。

『OB+新人』班の時はいつもこんな感じなので、苦労した想い出はあってもショーの出来不出来はさっぱり覚えてません。

…こんな事は尾籠ですが、怪人役ってホントにキツいんですよ!

もちろん主役もキツいんですが…

ショーが終わったらすぐに衣裳を脱いでぐったりしたいぐらいキツいんです。

でも…

先輩と新人ばかりだと

『自分が頑張らなければ!』

って未知の力が発動するのか、何故か元気に頑張れるんですよね。

不思議なものです。
2011-01-13(Thu)

アクションへの道(151)

さてさて、
一番肝心な事はがっつり書いたので、後は雑記的に…

一週間近い撮影の中で、二日間だけ甲冑を着ける機会がありました!

普段は野良着みたいな衣裳だったのでテンションが上がりました!

その二日間は!

ずーっと雨が降っていたので全員待機。

僕はヨロイとカブトを着けてテントで寝ていました…

がっくし…


職人さんの話。

甲冑に合わせる小道具が足りなくてスタッフさんが小道具さんの所に駆け寄り、

『何でもいいから適当にちょうだい!』

みたいな事を言いました。

するとその小道具さんは、

『馬鹿野郎!甲冑の様式や年代で付いてくる物も変わるんだ!
適当だと!?小道具をナメんじゃねぇ!!』

と一喝。

テレビや映画で見る職人さんの姿でした。



ワイヤーで人を吊る撮影の時、休憩中のエキストラ達に

『吊りのロープ引いてみたい人いない?』

と声がかかりました。

滅多に出来ない経験!!…と思いましたが、休憩していたかったので手を上げませんでした。

…ダメな俺…



憧れのスーツアクターさんとお話できました♪



めっちゃ日焼けしました。



素敵なエキストラ仲間と、みんなで映画祭に行って初上映を観ました。



その後、エキストラ仲間に会う独り旅をしました。

皆さんすごく良くしてくれました。

この時の仲間には今でもめちゃめちゃお世話になっています。

なかなか会う事は出来ませんが、13年以上経った今でも繋がっている事が嬉しいです。


この撮影を思い返す度、そんな色んな想いが交錯するのです。


~エキストラ編・おわり~
プロフィール

武装代表・内野

Author:武装代表・内野
福岡・久留米を中心に、九州全域で活動している『アトラクションチーム武装』の代表です。

1972年生まれ。
1990年にキャラクターショーの世界に入り現在に至る。

2007年に武装を設立。

武装の活動内容は殺陣教室、殺陣指導、オリジナルキャラクターショー等。

現在は関西コレクションエンターテイメント福岡校さんでのアクションレッスン講師もやらせてもらってます。

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