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2010-03-22(Mon)

アクションへの道(60)

おぉっ!
すっげぇ久しぶりのアクションへの道!!

「クリスマスに何が起こったか」

の続編・・・を書こうかと思ったけど、
まだまだ他にもあった!!

1993年、

カンフー戦隊に燃え燃えだったり
メタルヒーローがおざなりになってたり
キャッキャ言ってる美少女戦士にイライラしたり、

まぁそんな年だったんですが・・・

この年にはアレがあったんですよ!
映画で登場したあの伝統的変身ヒーローのショーが!!

日本国民のほとんどが知ってると言っても過言ではないであろうあのヒーローがこの年、スクリーンで復活したんです。

で、それに伴ってショーもあるワケですが、何たって映画のみのキャラクターですからね、どのぐらいの頻度でショーがあるか分からないんですよ。

あるかないかも分からないショーの為にパケを作るのももったいないので・・・

あ、久しぶりだから解説。

『パケ』ってのは『ショーパッケージ』の事で、セリフやBGM、効果音で物語を構成している音素材です。

流れてるパケに合わせてアクターが動く事でショーになるんですね。

パケを作る為には台本を書いて、声優を集めて録音して、それを編集して・・・と、けっこうな手間ヒマがかかるので、イレギュラーな現場には向かないのです。

・・・という事で、この年は『しゃべり』がけっこうあったのです。

『しゃべり』とは、先ほどのパケに頼らないショーの形式で、主に悪役がマイクを持ってしゃべりショーを進行するというものです。

さて、当事ウチのチームでしゃべりといえば、と、そしてこのブログにも度々登場する吉田にぃやんだったのですが、この年にぃやんはしゃべりに関して画期的な発明をしました。

それは・・・?


~つづく~

<当事の吉田にぃやんと僕。勝手に顔出してゴメンね>
にぃやんと僕
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2010-02-27(Sat)

アクションへの道(59)

1992年、社員さんから突然

『小道具作ってみるか?』

と言われて、ヒーローが使う銃を作る事になった僕でした・・・




社員さんの言葉はさらに続き、

『出来れば3つ』

との事。


僕はショーの小道具なんか作った事もなければ作り方も知りません。

どんな材料が必要なのかも分かりません。

その辺り、キチンと教えてくれるのかと思いきや、なんとほったらかし。

材料を用意してくれるワケでもありません。

さぁ、どうする俺!!

色々な小道具を見てみると、どうやらウレタンと呼ばれる物(発泡ポリエチレン)
使われているようです。

ウレタンをGボンドで接着してあるっぽい・・・

なるほど!!
それではさっそくウレタンを・・・

と思いましたが、当時の僕は年収20万ぐらい。

家賃も滞納してるのに、ウレタンなんか買えるハズがありません。

ウレタンどころか作業に最低限必要なカッター、ボンドすらも買えません。

仕方ないので関連会社の造形工房に行き、要らなくなったクズウレタン
いっぱいもらって帰りました。

クズウレタンは小さい切れっぱしなので、そのままでは銃の大きさになりません。

キレイに切って張り合わせて、ツギハギで大きさを確保しました。

ボンドは食費を当てて何とか買いました。

コンビニで売ってるような一番小さいチューブのヤツです。

ウレタンだけではクタクタになってしまうので芯を入れようと思いましたが手ごろな物がなく、
当然買うお金もありません。

仕方なくコンビニの割り箸と、それに付属している爪楊枝を使いました。

ある程度の形にはなりましたがヨレヨレのボロボロです。

表面処理でごまかしたいところではありましたが、処理をする材料はありません。

チューブのGボンドをもう1本買ってきて(この時点で生活費をあきらめた)
全体にベタベタ塗りました。

表面がベコベコしたいびつなカタマリになったところで、
事務所にあった缶スプレーで着色・・・

ところが中身がほとんど入ってなかったので、黒と黄色(Gボンドの色)のまだらの銃が出来上がりました。

何日もかけて、最後は徹夜でようやく1つ。

先輩達が現場に持っていく事になっていたので、その日の早朝に小道具箱に入れておきました。



夕方になって先輩達が帰ってきました。

僕はずっと不安だったので

『あれ使えましたか??』

と聞きました。

使えましたか?
と言われても、ツギハギの、爪楊枝の、ベコベコの、まだらの、
そんなもんが使えるハズないですよね?

答えはもちろん

『見た瞬間に捨てた!!』

でした。

『あんなもん使うぐらいならウ●コを使ったがマシ!!』

との事でした。

これが僕が最初に作った小道具の顛末です。



ちなみに社員さんに

『材料費、一応領収切ってるんですけど、経費出ますかね・・・??』

と聞いたら、

『ま、それは無理やろうな』

と言われました。

何故この人が僕に「小道具を作れ」と言ったのか、
いまだにさっぱり分かりません。
2010-02-26(Fri)

アクションへの道(58)

前のブログを書いてる最中に思い出した・・・

いやね、皆さんにとってはどーでもいい事なんですけど、思い出したついでに書いておきますね。

今一度、1992年にタイムスリップ!!



キャラクターショーの世界に入った僕は、新人の頃から色んな事にチャレンジさせてもらっていました。

しゃべり、台本、声入れ、etc・・・

そんな中で今回書きたいのはコレ!

『小道具製作』!!


当時僕がいた事務所では、
ショーで使うヒーローの武器(銃)は市販のオモチャを使っていました。

衣装に付属していた銃は
発泡スチロールのカタマリに色を着けたような
オソマツな物だったので
(もしかしたら当事はショーで銃を使うという事が珍しかったのかもしれません)
変形ギミックまで満載のオモチャの方がリアルだったのです。

しかしオモチャを買うとお金がかかります。

戦隊だと5つ、この年のメタルヒーローだと3つ必要になります。
おまけに忙しい時期には戦隊3班、メタルヒーロー3班なんて事もあるので全部買っていたらとんでもない額になります。

そこで、いつもの社員さんから

「オマエ、しゃべりやってみるか?」
「オマエ、台本書いてみるか?」


に続く第3弾、

「オマエ、小道具作ってみるか?」

が発動されたワケです。

~つづく~

2010-02-20(Sat)

アクションへの道(57)

『影マイク』
というものがあります。

ショーに使うパッケージには、BGMや効果音と一緒に台詞も録音されています。

しかし立ち回りだけは流動的なものですし、演じ手によって違うので、そこでの台詞や掛け声を録音する事は出来ません。

そこでスタッフがマイクを持ち、物陰で立ち回りを見ながらこっそり台詞を入れるのです。

これが『影マイク』です。

僕がショーを始めた1990年、影マイクはスタッフ(すなわち社員)の仕事でした。

この頃は、台本・録音・編集に加えて影マイクもバイトの身では不可侵領域だったのです。

前年(1992)に、僕は台本デビューする事が出来ました。

この台本の中に、ピンクを人質に取られたレッドが敵に命じられてブラックと戦うシーンがありました。

ストーリーの山場です。

このシーンでも当然スタッフが影マイクをしていましたが、スタッフ1人でレッドとブラックの声をアテる事は出来ません(上手い人なら出来るけど)。

そこでバイトメンバーの中でも台詞が言えそうな者が影マイクに加わるようになりました。

これは非常にいい結果を生みました。

スタッフは当日の場当たり(リハのようなもの)を見るだけなので立ち回りの段取りなんてうろ覚えですが、一緒にリハをしたメンバーは違います。

『ここでゆっくり2歩進む』
とか、
『かかろうとしたけど睨まれて下がる』
とか、
そんな細かい段取りまで知っているのです。

ここで、影マイクのクォリティという点でスタッフとメンバーの立ち位置は逆転しました。

そして1993年。

カンフーを駆使した立ち回りは複雑さを極め、とても当日の場当たりしか見ていないスタッフでは影マイクが追いつけなくなりました。

おまけに立ち回りの合間に

『●●流・●●●拳!!』

みたいな見栄まで入るのですから。

演じ手も力を入れてやっているので、下手な影マイクでクォリティとテンションを落とされてはたまりません。

必然的にこの年の影マイクは(可能な限り)メンバーがやるようになりました。

(可能な限り)と書きましたが、可能でない状況とはどんな状況でしょうか?

ショー中、ステージに出ていないキャラクター(アクター)は『ハケ』と呼ばれる場所にいます。

『ハケ』とは『ショー中の控え室』のようなものです。

待機してる姿がお客さんに見られないように遮断された空間になっています。

この『ハケ』が完全に遮断されてステージが見えない状況だと、メンバーは影マイクをする事が出来ません。

なんたって僕らはハケから出る事が出来ないのですから。

しかしこの年の僕ら(ってか僕)は違います。

ハケから出る事が出来なくてもスタッフに影マイクを任せる事が出来ません。

という事で…


面をとり、顔を出して、衣装の上にジャージを着て、ステージ横の音響席に行きました。

ジャージ姿なら音響席で影マイク出来る…


そう思っての事ですが、僕はスタッフに怒鳴られてハケに追い返されました。

ジャージを着ていても、いくらなんでも見え見えだと。

何が見え見えかって、着替えの時間が短い為、僕はブーツを履いたままだったのです。

足首まではジャージで隠れていますが、そこから先は真っ黄色です(イエロー役だったので)。

僕の中では、

『靴ぐらいバレんやろ!?』

って気持ちがあったんですが、スタッフの目には明らかな違和感があったのでしょう。

『こんな事をするぐらいなら影マイクするな!』

みたいな事を言われた気がします。

若くてイケイケだった(だったか?)僕は大先輩のスタッフさんに、

『あぁ、そうスか!だったらもちろん完璧に影マイク合わせてくれるんでしょうね!』

と吐き捨ててハケに戻りました。

当然ですがスタッフは当たり障りのない台詞しか言えません。

見栄の台詞なんか言えるハズがありません。

それを聞きながら僕は、ハケの中から

『あ~あ、なんスか今のだっせぇ台詞は!』
『影マイクするならリハぐらい見に来てくれませんかねぇ!』


と罵声を浴びさせるのでした。


浴びさせるのでした、って…
これ、ショーの真っ最中ですからね!?

僕がどれだけ常軌を逸してるか分かります。

『終わってから言え!』

と説教してやりたいですわ。

まぁ、それぐらい熱い時代だった…

じゃ済みませんね。

申し訳ないっス。

でも、

『こちらはベストを尽くしてるんだから、スタッフも頑張れよ!』

って気持ちもあったんですよね。

僕とスタッフ、どちらに分があったのか?

僕の黄色い靴にお客さんが
『!!』
となっていたらスタッフの勝ち、

あまり気にしていなかったら僕の勝ち、

だと思っているのですが、果たして勝敗や如何に!?
2010-02-18(Thu)

アクションへの道(56)

そういえば、1993年辺りってJリーグが出来て間もないぐらいでしたっけ。

この頃、横浜を本拠地にしてた某チーム(吸収合併されて今はない)のお仕事をした事があります。

本拠地は横浜でしたが諸々の事情で、長崎・熊本・鹿児島を「特別活動地域」として九州でも試合をしていたのです。

僕はこのチームのマスコットキャラクターの仕事を受けて、熊本県の水前寺陸上競技場に行きました。

博多駅からJRに乗って1人旅です。

現地に着いて担当さんと打ち合わせ。

どうやらこのキャラクターが熊本に登場するのは初めてのようでした。


近年だとサッカー関係のキャラクターの仕事も、何時に出る、どのタイミングで何をするなんてのがキッチリ決まってますが、この時はほとんど手探りの状態でした。


とりあえず呼ばれたら出る、
紹介のアナウンスが入ったらとりあえず客席にアピール、
後は空いてる時間に客席を回る。
相手チームのサポーター席も回らなくちゃいけないから酷い目に遭わされる(フツーそっちには行きません)

大体そんな感じで、後は勝ったら出る、負けたら出ないって内容でした。

スタッフのいない現場なので、衣裳の着脱から登場のタイミングを計るところまで全部自分1人。

けっこう神経と体力を使う現場でしたが、それからも何度か呼んでいただいて、その度に1人で水前寺に行っていました。

水前寺に向かう電車はいつも満員で座れた試しはなく、現地に着いた時には既にヘトヘトになっているのが常でした。

控え室でグッタリしていると見知らぬオッチャンが入ってきて、

『おっ、今日も頑張ってくれよ!』

と肩を叩いてきたので

『誰やねん』

と思っていたら加茂周カントクだったのだと後で知りました。

僕はサッカー・・・と言うか、スポーツの事は何にも知らないのです。

こんなにサッカーを知らない僕が毎回来ていていいのかと自問した瞬間パート1です。

パート2はと言えば、担当さんに

『出番がない時は試合を見てていいからね』

と言っていただき一緒に観戦していた時の事。

両チーム互いに点を取れずモヤモヤピリピリした雰囲気。

そんな中こちらのチームの選手がボールを蹴った!

そのボールはコロコロとゴールの中へ。

「オォーッ!」とも「アァーッ!」ともつかない歓声があがりました。

僕は知った風な顔をして

『おぉっ!やりましたね!!』

と言ったのですが、

『今のはオウンゴールだよ』

と言われてしまいました。

こんな僕が行ってて良かったんでしょうか・・・




ある日の事。
週末にアクションの現場がありました。

おそらくベストメンバーだったのでしょう、キャスティングを見ると豪華です。

同期や同年代、普段一緒にやってるメンバー総出演です。

しかしそこに僕の名前はありません。

僕は同じ日、サッカーのマスコットに入っていたのです。

アクションショーに入りたかった僕は社員さんに言いました。

『僕もアクションに入りたいです!サッカーの方は他のメンバーでもいいんじゃないですか!?』

社員さんは

『でもな…』

と言いながら、1枚の書類を出しました。

それはクライアントさんからの書類で、当日のスケジュールが書いてありました。

目を通すと

『15:00 内野氏 現地入り』

と書いてありました。

『先方のご指名やからなぁ』

そう言われたら返す言葉もありません。


指名していただけるというのはありがたい事だし嬉しい事です。

自分の仕事が上手くいっているという指標でもあります。

僕もここでは一旦納得したのですが…


後日、僕が入っていないアクションショーのリハーサルが行われました。

経験した方も多いでしょうが、
自分が入っていないリハや本番を見るのは本当にツラいんです!

楽しそうに盛り上がってる仲間達、
熱く頑張っている仲間達、
でもそこに自分はいない…

何だか自分1人が取り残されたような寂しい気持ちになるんです…

寂しくなった僕はしみじみと愚痴をこぼしました。

『大体さぁ、何で俺だけ入ってないん?愚痴愚痴…
マスコットは俺じゃなくても出来るやん…愚痴愚痴…
自分がアクションで必要とされてないみたいで凹むよなぁ…愚痴愚痴愚痴…』


すると、隣りで聞いていた吉田にぃやんが言いました。

『そんなに言うんなら断れば良かったやん。
嫌でも引き受けたんやろ?
自分が引き受けたんならその後に愚痴愚痴言いなさんなよ。』


にぃやん!

何てキチンとした正論!

…そうだよね…
甘えてたんだね俺…

諭してくれてありがとうにぃやん!

俺、熊本で頑張ってくるよ!


今の僕があるのは吉田にぃやんのおかげなのです。
プロフィール

武装代表・内野

Author:武装代表・内野
福岡・久留米を中心に、九州全域で活動している『アトラクションチーム武装』の代表です。

1972年生まれ。
1990年にキャラクターショーの世界に入り現在に至る。

2007年に武装を設立。

武装の活動内容は殺陣教室、殺陣指導、オリジナルキャラクターショー等。

現在は関西コレクションエンターテイメント福岡校さんでのアクションレッスン講師もやらせてもらってます。

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