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2010-02-17(Wed)

アクションへの道(55)

何も思い付いてないのに見切り発車で書き出してしまいました(笑)

果たして僕は何を書くつもりなんでしょうか。

1993年、

しかも1993年の楽しかった事…


そういや、この年の前半はたまに怪人にも入ったなぁ…

レッドとの1対1で、レッドの蹴りが毎回右手の親指に直撃して、指がアザで真っ黒になってたなぁ…


今となっちゃ楽しい思い出だ。


その1対1で、剣を上手く使えずに困ってた時に、吉田にぃやんのアドバイスで助けてもらったなぁ。

あれは目からウロコで、その後の剣の使い方が広がったんだよねぇ。

にぃやんあの時はサンキュー♪


以前書いたように、この年の戦隊はカンフーモチーフでポーズが難しかったんですけど、ある日の現場でテレビと違うオリジナルのポーズをやってみた事がありました。

前日にショーの夢を見て、その中で僕は全く違うポーズをやっていたのです。

『これは天啓か!?』

そう思い夢の中のポーズをやってみたのですが、怪人役でそれを見ていた吉田にぃやんからは

『いやぁ、今日のポーズはダサかったねぇ!』

と言われてしまいました。
夢は夢のままがいいのですね。


おっ、この箇条書きスタイルは意外と書きやすいぞ!

膨らみそうな話がない時はこれで書いてみよ♪

2010-02-13(Sat)

アクションへの道(54)

1993年当時、戦隊ショーに力を入れていた事は事実ですが、
それでも、
『メタルヒーローのショーしかない週』
なんてのもあるワケです。

すると、普段冷遇されているメタルヒーローショーのキャスティングがグッと豪華になります。

豪華になるからこそ
『素面(すめん、素顔の事)
でのショーが出来るワケです。

キャスティングが豪華になるという事は、ベテラン率が高くなる、という事でもあります。

素面でのショーは、セリフこそ口パクですが、実際の俳優さんと同じ事をしなくてはいけません。

段取りに追われていっぱいいっぱいの若手では無理なのです。

普段マスクを被って、視界も悪く呼吸もままならない中で最高のパフォーマンスを見せるベテランが、
視界良好、呼吸し放題でショーをしたらどうなるか・・・??

テンションはいつもの倍以上!!
動き・気迫ともすさまじく、それがダイレクトに客席に伝わります。

・・・まぁ、それで、

『おいおい、そりゃやりすぎちゃうのん』

って事態にもなるワケですが・・・


この時のショーパッケージ、クライマックスで2回ほど短いナレーションが入る部分がありました。

『その時!●●の体内で異変が起こった!!』

てな感じのナレーションです。

僕らはここでいつも、舞台上がストップモーションになる(お約束ですよね)演出をつけていました。

えてしてストップモーションのシーンでは、

『いかに無理な姿勢で止まるか』

がアクターの課題になるワケですが(これもお約束ですよね!?)、素面でテンションが上がってると、やる事もエスカレートしてきます。

真剣なシーンなのにウケ狙いに走ったり・・・


ある日のショーで、僕は悪の幹部でした。

当時21才です。

ボスを演じていたメンバーは1つ年上の元ラガーマン。

最初は、堂々としたボスに従うクールな幹部、という設定で始まったのですが・・・

悪役の長台詞の間にアドリブが加わっていき、設定が崩れてきました。

ヒーローを倒したボスが、勝ち誇りながら急に僕の肩を抱いたのです。
まるで恋人を抱き締めるように。

そこで『ボスに従うクールな幹部』という設定は何故か

『ボスの為なら命を捨てる事も辞さない愛人幹部』

に変更されたのです。

急に内股になり、口元に手をあてて笑う僕・・・

そんな中、例のナレーションのシーンが近づいてきました。
さて、どんなポーズで止まろうか・・・

ふとボスを見ると、ボスは僕に向かって両手を広げています。

『さぁ、飛び込んでおいで』

って事です。

僕はしなりしなりと近づいて、元ラガーマンの胸に抱かれました。

ボスがサングラス越しに僕を見つめています。
僕も見つめ返します。
するとボスは、首をわずかに右側にかたむけました。

『あ、そーゆー事か』

僕も首を右にかたむけ・・・

熱いキスシーンでストップモーションを迎えたのでした・・・


これ、ホントは駄目な事ですよ!!
やったらあかん事ですよ!!

客席の皆さんは一体どう思った事か!!
足元にはヒーローが倒れとるというのに。

我々も偉い方や厳しい方がいらっしゃる現場では出来なかったハズです。
この時はノリのいいスタッフさんだったから強行したのですが・・・


戦隊の現場があまりにもシビアだったのでこっちの方に反動が来てしまった・・・

なんて言い訳を考えてみましたが、単に我々の悪ノリのしすぎですね。

当時の観客の皆様、関係者各位に深くお詫びいたします。

ホント申し訳ありません。


でも、ただふざけてやった部分もあるけど、

『どうやったらショーが盛り上がるか』

を真剣に考えた結果、変な方向に進んでしまった・・・という側面もあるんですよ。

だって、このショーのパッケージもが付くほど面白くなかったんですもの・・・


『面白くないものを面白くするには、常識という殻を破ってみるしかない』(内野 武・無職)


・・・名言風に締めてみましたけど、ごまかしきれませんね。

スミマセン・・・
2010-02-13(Sat)

アクションへの道(53)

前回でかなり毒を吐き出してスッキリしました(笑)


ようやく楽しい話も書けそうです♪

どんなエピソードがあったかな~、ルンルン♪




真っ先に頭に浮かんだのは、ショーの最中にスタッフとケンカしたエピソードでした…

いかんいかん!
全然ルンルンじゃないやんけ!

それは少し間を空けてから書きますね。


そうだ!
この年に不遇な境遇だったメタルヒーローのショーについて書こう!



メンバーが戦隊に力を入れ過ぎたが為にメタルヒーローの扱いが悪くなった事は以前書きました。

しかしそのおかげで、かなり自由がきいたというのも事実なのです。

今回のエピソードは…

『それダメなんじゃないの!?』

ってジャンルの話かもしれませんが…

若気の至り時効って事にしてもらえんですかね。



この時期、メタルヒーロー(ショーじゃなくてTVの方)の敵は人間でした。

単なる悪人だったり、強化服を着た悪人だったり、悪人が造ったロボットだったり、悪人が造った怪人だったり…

なのでショーでも悪役はそのような設定になっていました(送られてきた衣裳も人間ぽい物だった)

設定が人間なので、僕らは素面(すめん。素顔の事)で演じる事が出来たのです。

もちろん毎回は出来ません。
ショーの後にサイン会や撮影会がない時に限ります。

悪役はショーが終わるとジャージに着替えてサイン会撮影会のお手伝いに出なければいけません。
なのでショーで顔バレするワケにはいかないのです。

サイン会撮影会がない現場というのは希なので、たまにぶつかると

『よし、今回は素面だな。ニヒッ♪』

となっていました。


~つづく~
2010-02-12(Fri)

アクションへの道(52)

あまり楽しい話を書けない1993年はまだ続きます…



以前、女の子向けの美少女戦士アニメのショーでも似た傾向が…と書きました。

こちらではメンバーの多くが、本来必要な『演技』の技術を磨こうともせず、『名乗り』『必殺技』のポーズ、それと『ダンス』ばかりを練習していました。

そしてポーズしか出来ないメンバー達による『役の奪い合い』が始まりました。

『私の方が(ポーズが)上手いのに何であの子があの役に!?』

『あの子が入ると身長設定が合わなくなるから私が入った方がいい』

などといった、役の奪い合いと言うよりはむしろ足の引っ張り合いです。

そういった子達は

『いいショーをする』

事よりも、

『人気キャラクター扱いできゃーきゃー言われる事』

に酔っていた気がします。
(違うかもしれませんが、ここでは僕の主観を書きます)

この時期のエピソードで覚えている事があります。

当時はビデオカメラが普及してきて、僕らも現場でショーを撮影する事が多くなりました。

撮影した日は、現場から帰って衣裳を洗濯して干して、反省会をして報告書を書いた後にみんなで道場のテレビでビデオを観るのです。

これ、班数が少ない時は問題ないのですが、ゴールデンウィークなんかに5班も6班もあって、みんなビデオを撮ってきた日にゃ大変です。

現場から帰った順番に先ほどの洗濯→反省会→報告書を終えてからビデオを観るのです。

観てる間に続々と他の班が帰ってきます。

順番待ちの列が出来ます。

もしも5班あった場合、ショーの時間が30分としたら、最初のチームが観終わってから最後のチームが観始めるまで最短で1時間半かかる事になります。

最初のチームが観終わったのが19時だとしたら最後のチームが観終わるのが21時です(最短で)。

ショーメンバーには高校生も多く、特に女の子は門限が厳しい子もいるので、21時までビデオを観てるワケにもいかなかったりします。

『そこまでしてビデオを観る必要があるのか?』

あるんです!

自分達の動きを客観的に見るのが一番の勉強になるんです!
そしてイマイチな箇所を修正していくんです!

だから出来るだけみんながビデオを観れるのが望ましい。
特に経験の浅い若手には観てもらいたい…

なので、自分達が観る前だったら高校生がいる班に順番を譲ったり、観てる最中だったら動きが少ないシーンを早送りして時間を短縮したりしていたワケです。


ある現場の日。

道場に帰ると、美少女戦士チームがショーのビデオを観ていました。

まだショーの部分は始まっておらず、遊園地のエントランス前で子供達を出迎えているシーンでした。

手を振ったり握手したりする自分達の一挙手一投足にキャッキャ言って喜んでいます。

そのはしゃいでる姿からは

『自分大好き!』

というオーラが放出されていました。

それを横目に僕らは洗濯をし、反省会をし、報告書を書き、ビデオの順番を待ちました。

僕らの班には門限のある女子高生がいたので出来るだけ早く順番が来るのを祈るばかりです。

美少女戦士ショーのビデオはなかなか進みません。

自分達のポーズやお気に入りの動きやダンスを何度も何度もリピートするからです。

相変わらずキャッキャ言ってます。

ショーが終わりました。

しかしビデオは終わりません。

サイン会や撮影会の模様もしっかり収められていたからです。

撮影会での自分達の決めポーズをお互いに褒め合っています。

後ろで待ってる僕らはイライラしていました。

ウチのメンバーの門限がどんどん近付いているからです。

ビデオでは撮影会が終わりました。

画面の中で司会のお姉さんが言いました。

『それじゃ美少女戦士のみんな!ステージから降りて会場のみんなと仲良くなって下さ~い!』

楽しげにうなずいて子供達の所に走っていく美少女戦士達。

握手会が始まりました。

会場狭しと移動し、握手し、写真を撮る美少女戦士達…

観てる連中はキャッキャ言ってます。

『●●ちゃんのポーズが一番上手いよね~♪』

『この役はやっぱり●●ちゃんじゃないとね~』

キャッキャキャッキャ

キャッキャキャッキャ

キャッキャキャッキャ


そして、ようやく握手会が終わり、美少女戦士達はステージ上で子供達に別れを告げ去って行ったのでした…


僕らは1時間ぐらい待ったでしょうか。

反省も改善もなく、ただ自分達を鑑賞するだけの1時間…

はぁ…
高校生を時間通りに帰らせる為には自分らのビデオは飛ばし飛ばしで観るしかないな…



なんて思っていると、テレビの前の一群からこんな声が聞こえました。

『はぁ~、サイコーやったね~♪
じゃあ2ステージ目も観ようか♪



・・・・・・


この時の僕を例えるなら、ひ弱な不動明に勇者アモンが憑依し、デビルマンが誕生したかのような…


『悪魔はオマエらの中にいるッ!!』


…違った、

『オマエらふざけんなぁッ!
さっさとビデオ持って出て行けぇッ!!』




結局ウチの高校生メンバーはビデオを観る事が出来ず帰っていきました。

追い出された美少女戦士メンバーは事務所に駆け込み、泣きながら

『内野さんは私達にビデオも観させてくれないんです!』

と訴え、社員達を巻き込んで

『内野って酷い奴やね!』

って話をしてたらしいですが。



いくらプロのアクター(アクトレス)とはいえ、衣裳を着てキャラクターになりきって喜んでるだけでは、それはただのコスプレです(コスプレを非難するものではありません。キャラクターショーとコスプレは全く別物だと言いたいのです)

プロのアクターは手段として衣裳を着けるのです。

変身が目的になった時点でプロ失格、アクター失格です。


しかし問題はまだまだありました。

浮かれていたのは女の子ばかりではなかったのです。

当時、ショーのスタッフは基本的に社員さんが務めていました。

ほとんどがいい年したオッサンです。

なので、若い女の子が集まってキャッキャ言ってる美少女戦士の現場が大好きだったみたいなのです。

なぜ僕がこんな事を書くかというと・・・


僕も時々美少女戦士の現場に入る事があったのですが(当然悪役として)、その時にメンバーの女の子達から毎回のようにこんな言葉を聞いたからです。

『スタッフの●●さんって優しいですよね!毎回帰りに経費でスィーツを買ってくれますもんね!』

は?
アクションの現場では1回も買ってもらった事ないけど??

『▲▲さんは帰りに温泉とか寄ってくれますよね!!』

いやいや、そんな事してもらった事ないし・・・
むしろ▲▲さん、早く帰りたいって車飛ばしてる姿しか知らんし・・・

こんな感じで、社員からして浮かれてデレデレして女の子をチヤホヤして人気取りしてたんです。

男ばかりの現場じゃ経費削減の話ばっかりしてたくせに・・・


ってなワケで、

アクションチームの男は自分の事ばかり考えてピリピリ、
メルヘンチームの女はコスプレ気分でキャッキャ、
社員は女の子の人気稼ぎでデレデレ、


僕が1993年に対して抱いてるイメージはこれに尽きます。
2010-02-08(Mon)

アクションへの道(51)

色々と寄り道をしながら戻って参りました。


1993年の話を書いてる最中なんですが、
どうもこの年の話は書きにくい!!

色んな事がありすぎて、
いい事も悪い事もありすぎて書きにくい!!

ので、脱線して現実逃避していたワケですな。


一緒にショーをやってきた人達と話すと

「1993年が一番燃えたね」

って意見がけっこう多いんですよ。

でも僕的には、チーム全体が道を踏み外した時期だと思ってるんです。

このギャップがあるから書きにくいんですよね・・・




高度な技術を要するカンフー戦隊のショーは、アクションに従事するメンバーを虜にしました。
その結果、技術のレベルはあがったものの、みんなが

「自分が満足する事をしたがる」

傾向にあった事は否めません。

この年、それまで社員がやっていたキャスティングを、メンバーの1人が引き継ぎました。

キャスティングの仕事は、

「誰を、どこのショーの何の役に入れるか」

決める事であり、当然その権限を持っています。

キャスティングを引き継いだメンバーはショーに入っている現役です。
練習熱心でヒーロー役としても頭角をあらわしていました。
彼はカンフー戦隊の主役の1人に入っていました。

しかし、立ち回りはヒーローの技術だけでは上手くいきません。
悪役も上手くなければ決まらないのです。
特にこの年のように難易度の高いアクションは。

彼は自分が入る現場に、技術が高い者を悪役としてキャスティングしていきました。
戦隊なので4人の主役も必要です。
こちらも上から順番に採用しました。

当時のベストメンバーチームの完成です。
これは便宜上(?)1軍と呼ばれていました。

幸いな事にこの時期はメンバーの数、層ともに恵まれていたので、ベターメンバーでもう1チーム組む事が出来ていました。
こちらは2軍と呼ばれ、僕はこちらに入っていました。

戦隊のショーが2班稼動する時はこの1軍2軍で動く事がほとんどでした。

まぁこの時点でもキャスティングの自己中心的な職権乱用感(僕らから見たら)があって一部から不満があがっていたんですが、実はもう1つ、別の問題があったんです。


以前、この『アクションへの道』で、
メタルヒーローショー
について書きましたよね?『アクションへの道(37)(40)』あたりです。

このメタルヒーローショー、1993年にも行なわれているんですよ。
しか~し・・・

アクションメンバーを、上手い奴から1軍2軍に持っていかれたら、メタルヒーローショーのメンバーはどうなっちゃうの??

って事ですよね。

実際、ヒーロー役に上手い奴を1人キャスティングして後は新人だらけ・・・なんて事はざらでした。
おまけに練習場所も、戦隊チームが道場を独占してメタルヒーローチームを外に追いやる事も多々・・・
(それまでは道場を均等に分けてやっていた)

どうにもこうにも、自分達がレベルの高いショーを出来れば周りの事は知ったこっちゃない、みたいな雰囲気で、しかもそれが当たり前みたいな空気になっていたんです。

そりゃそうですよね。実力があるベテラン達は優遇されてたんだから文句を言うハズがありません。
ベテランが満足してるんだから、下の人間は冷遇されても文句も言えません。

こうしてレベルの上昇とはうらはらにメンバー間の温度差は広がっていったのです。
プロフィール

武装代表・内野

Author:武装代表・内野
福岡・久留米を中心に、九州全域で活動している『アトラクションチーム武装』の代表です。

1972年生まれ。
1990年にキャラクターショーの世界に入り現在に至る。

2007年に武装を設立。

武装の活動内容は殺陣教室、殺陣指導、オリジナルキャラクターショー等。

現在は関西コレクションエンターテイメント福岡校さんでのアクションレッスン講師もやらせてもらってます。

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