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2023-04-02(Sun)

やる気の可視化


こないだTwitterでも呟いたんだけど、

「やる気」って目に見えないから、

どれだけ心の中でやる気が燃えてても第三者に伝わらなかったら「こいつやる気ねぇんだな」って思われても仕方ないんですよね。

どれだけ「ちゃんとやる気あるのに!」って思っても、それは周りの人のせいじゃない。

「やる気」を可視化する努力まで含めて「やる気がある」です。

周りに理解してもらえなくてもいいって人は可視化の必要はないですが。

理解してもらいたかったらきちんと言葉に出す、そして行動で表す。

これも呟いた事だけど、

「やる気あります!」って10回言って1回練習する人よりも、

「やる気あります!」って1回言って10回練習する人の方が信用されます。

やる気を可視化する際は言葉よりも行動を重視しましょう。


長くやってる指導者は上手くなった人、上手くならなかった人をたくさん見てきています。

そしてたくさんの人達の「やる気」を見てきています。

その経験の中で、

「上手くなる為には最低限このぐらいのやる気は必要だよな」
「上手くなった人達はみんなこれぐらいのやる気を見せてたよな」
「この程度しかやる気がない人はほとんど上手くならずに消えてったよな」

っていうデータの蓄積があります。

なので教え子のやる気がどのぐらいのレベルにあるのかすぐに判断出来たりします。

教えを請う側がどれだけ「やる気があります!」って言っても

「このぐらいじゃやる気があるとは言えねぇな」

と思われてるかもしれません。

これは僕もよく思うのですが、

本当に上手くなる人、上手くなりたい人は「やる気」のレベルが違うんです。

教え子を本当に上手くしてあげたいと考えている指導者はそういう「やる気」を基準にしてますから、中途半端なやる気、口先だけのやる気は「やる気がない」にカウントしたりします。


「やる気があるのになかなか理解してもらえないなぁ」って悩んでる人は上記の可能性も考えて更に努力してみてください。


※僕が考えるやる気のひとつは「習った事は次の稽古までに復習してマスターしておくぐらいの気概」ですかね。
何回も何回も同じ事を教えていると「この人やる気あるんかな?」って思っちゃいます。

※やる気の可視化は練習だけじゃなく日常生活やSNSの使い方にも関わってくる事があります。
20
(2009年6月の練習風景)

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2023-04-01(Sat)

リアルと段取り


王道の殺陣も好き。

様式美的な。

でも芝居に見えない殺陣も好き。


芝居に見えない殺陣の場合、僕の理想は、

…これは作品としては駄目な事なんだけど、

観てる人が

「これマジのケンカが始まったんじゃないの…?」

って心配になっちゃうような殺陣。

段取りに見えない殺陣。

本当に命の奪い合いをしてるような殺陣。


なので庵野監督の言う事も分かる。


一方で、芝居である以上段取りは必要だからリアリティを求めてもそれは段取りが根底にある殺陣になってしまう。


なので田淵アクション監督の目指す方向性にも納得出来る。


「シン・仮面ライダー」のドキュメントを観てそんな事を考えていた。

番組を観たアクション関係者は皆思うところがあっただろう、という内容だった。

まぁとにかく観ていて胃が痛くなった(笑)

でも観て良かった。



この番組での監督とアクション監督のやり取りを見ていて、僕は映画「殺陣師段平」を思い出していた。
殺陣師段平

僕がビデオを買ったのは1962年のリメイク版。

市川雷蔵が沢田正二郎を、中村鴈治郎が市川段平を演じてます。
殺陣師段平


新国劇を旗揚げした沢田正二郎が目指す「リアルな殺陣」、歌舞伎の殺陣を付けていた市川段平にはその「リアルな殺陣」というものが分からない。

それまでの殺陣はイコール「歌舞伎の殺陣」だったので、「歌舞伎の殺陣ではないリアルな殺陣」と言われても段平には何の事だか理解出来ない。

それでも悩みに悩んで模索に模索を重ねて、まさに命を削って段平はリアルな殺陣を作り出す。

そんな話。


僕も殺陣教室では「段取りになるな!」「命の奪い合いをしろ!」「リアルに!」なんて言ってるけど、既存の殺陣の範疇からはなかなか抜け出せないと思う。


監督の意図を汲んで体現していた池松壮亮、すごい役者さんだなぁ。
シン仮面ライダー

2023-03-31(Fri)

ザーヒーがタイイー


先日仕事でちょっとした段を登り降りしたんですよ。

高さ15cmぐらいの段なんですけど。

で、ふと気付くと、ほとんど右足から登ってたんです。

ああ、癖になってるな、これじゃバランス悪いな、いかんいかん、と

左足から登るようにしてみたんです。

そしたら左の膝に、痛みまではないけどけっこうな負担がかかってるのを実感しまして。

右足に比べて左足が弱ってました。

もともと左足は十数年前から傷めていて、おそらくはそれをかばう為に右足メインで動くようになり、その結果左足がさらに弱るという悪循環を起こしていたんじゃないかと。

で、しばらく左足メインで登り降りしてみて、

ふと

後ろ向きに登ったらどうなる?

なんて考えて実行してみたんです。

後ろ向きだとますます左膝への負担がすごかった!

ちょっと痛みを感じるぐらい!

俺の左膝、こんな状態だったのか?というショックもありつつ何度も試していると、

まぁ膝の状態が関わってるのは大前提なんですが、

足首の固さの違いや体重移動の違いなんかも発見出来て、

非常に有意義な実験が出来ました。


だからなんだと思われるかもしれませんが、

お前の膝なんか知らんがなと思われるかもしれませんが、


日常生活でのこういった視点を僕は大切だと思ってるんですよ。

自分はどんな風に身体を使っているのかとか、自分の身体はどんな状態なのかとか、そういう事を常日頃から考えておくと、殺陣練習・アクション練習の時にとても役に立ちます。


出来ない事を、「何となく出来ない」で済まさない、「いつの日か出来る日がくるだろう」と漠然と期待しない、

たとえ出来るようにならなかったとしても、何故出来ないのかを理解しておけば成長があるハズです。


「考える事は大事だよ」「気付く事は大事だよ」というのは殺陣教室でも教える事が出来ます。

でも実際に考えて実際に気付く事は本人でなければ出来ません。


上手くなりたい人は受動的でなく自発的に色んな事を学んでみてくださいね。
20230328練習風景B

2023-03-30(Thu)

リズムとテンポ


アクションや殺陣において技の形はもちろん大切だけど、同じくらい、あるいはそれ以上に大切なのがリズムやテンポだと思う。

メトロノームのように単調な立ち回りは見ていて飽きてしまうし「間がおかしい」立ち回りは何となく気持ち悪く感じてしまう。

感じ方は人それぞれだろうけど、僕は自分の好きな、自分が気持ちいいリズム、テンポの立ち回りをしたいし見たい。

気持ちいいリズム、テンポは音にすると分かりやすい。

殺陣を付ける人が擬音を多用するのはそこに理由があると思う。

「お腹を殴って一瞬溜めてから顔を殴る」よりも「ドン!グッ!バシーン!」の方が具体的に伝わるからだ。

僕も立ち回りを付ける時は

「カキーンカキーンカキーンズバッ!じゃなくてキンキンカキィーンズバッ!ね!」

みたいな説明をしたりします。

頭の中で流れてる音があるんですよね。

僕が殺陣教室の練習動画に効果音を入れるのは、頭の中の音を第三者に伝える為でもあります。

「ここでこの音が欲しい」がハマった時の気持ち良さ、外れてる時の違和感を知ってもらいたいんですよね。

殺陣教室の皆さんがそれを気にしてるかどうかは分かりませんが。


リズム、テンポの良い立ち回りをする為には、自分自身の身体の使い方を理解してコントロールする必要があります。

ひとつの動作が終わる直前に次の動作の準備をしておかなきゃスムーズに動けないんですね。

「自分の身体はこうしておけばこう動かせる」を知っておかなきゃいけないんです。

そんなワケで、リズムとテンポを良くする為に次の動作の準備をしなきゃいけないって話なんですが、

同時に、

「観てる人にその準備がバレないようにしなきゃいけない」

ってのがあるんですね。

実際の戦いでは敵の次の一手を読んで動く事は難しい。

それをしっかり準備して対応してたらリアルさが出ない。

「次にどんな攻撃が来るか分かっちゃってるじゃん」

って思われちゃう。

立ち回りはもちろん段取りなんですが、段取りである事がバレたら観てる人は興ざめしちゃいます。

準備はしなくちゃいけないけどバレてはいけない、

ではどうしたら良いかというと、

「身体の中で準備する」

というのが僕の答えです。

体重移動や重心移動をあからさまにやらず、こっそりと身体の中でやる。

外からは微かに動いただけに見えるけど身体の中ではしっかり移動が出来ている、というのが僕の理想です。


気持ちの良いリズム、テンポで立ち回りする。

その為には音を意識する、自分の身体の使い方を理解する、身体の中の動きをコントロールする、


結局は意識的な練習の積み重ねが大切って事ですね。
20230328練習風景

2023-03-28(Tue)

説明待ち


本日3月28日(火)はアトラクションチーム武装の殺陣教室。
20230314B

福岡県久留米市にて18時〜21時。

未経験者歓迎、参加者募集中です。

要予約なので参加希望の方はご連絡ください。


僕の指導はけっこう理屈っぽい。

動きを細かく分割して、理屈と動きを説明して、たまには例え話を駆使して説明したりして、とにかく段階を追って練習させてるので、最初から出来ちゃう人にとってはかったるいだろうなぁと思う。

でもセンスで動けない人はそのくらいかったるく説明しないと動けなかったりもするので、やはり向き・不向きはあるだろう。

で、その細かく分割したメニューでも「分からない」と言われたら更に分割するしかなくて、そんな事をしていると

「これ以上は分割出来ない!」

って所に到達したりします。

そこまで行って「分からない」と言われたら今度は例え話を色んなジャンル、色んな言い回しで広げていかなきゃいけなくなるんだけど、


もしかしたら説明し過ぎる事で、参加者さんの想像力を奪っているのでは?と悩む事もあります。

「分かりません」「出来ません」と言ってる人を見るとたまに、受動的に説明を待ってるだけに感じる時があるからです。

もちろんこちらがその説明をサボったり諦めたりしてはいけませんが、待ってるだけの人は上手くならないんじゃないかと思うんですよね。

おそらくアクション業界にいる方の多くは先輩からそんな丁寧な説明を受けたワケじゃなく、自分の目で見て技術を盗み、自分の頭で理屈を考えて自分なりのやり方を構築してきた人達なんですよ。

僕も同じで、現在の練習メニューやその理屈に関してはほぼほぼそうです。
(基本の技術として学んだものはいくつもありますが、そのアレンジや指導法は僕のオリジナルです)

なので、上手くなりたい人には、「説明を聞く」「やり方を教えてもらう」だけではなくて、「見て盗む」「自分で考える」を実践していただきたい。

こちらはそれ以上に考えてそれ以上に説明して、それ以上に努力して指導する事を約束しますので。

プロフィール

武装代表・内野

Author:武装代表・内野
福岡・久留米を中心に、九州全域で活動している『アトラクションチーム武装』の代表です。

1972年生まれ。
1990年にキャラクターショーの世界に入り現在に至る。

2007年に武装を設立。

武装の活動内容は殺陣教室、殺陣指導、オリジナルキャラクターショー等。

現在は関西コレクションエンターテイメント福岡校さんでのアクションレッスン講師もやらせてもらってます。

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